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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------98号--2001.09.23------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ビタミン(Q&A)」「狂牛病」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 狂牛病の話題は特に関心が高かったようで、たくさんメールをい
ただきました。いくつか紹介します。まず初めに、先週の訂正から。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 最近のラーメンブームにのって、牛骨を使用している店は、意外
に多いんです。不安を感じているわけではありませんが、安全確認
の報道が 早くされると良いと思います

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、私は知らなかったんですが、牛骨も意外と使われ
ているのですね。

 次は個別の食材について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本でも狂牛病が発生か?と言う事で最近疑問に思う事がありま
す。それは、カレールーや、ミートソース、コンソメスープの素な
どにある、≪ビーフエキス≫は牛の何を使用しているのでしょうか?
また安全性はどうでしょうか?

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 狂牛病に関しての質問です。市販されているブイヨンやソース類、
(デミグラソースなど)は食べてもよいのでしょうか。牛の骨を使
っているのですか?

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 はじめまして。狂牛病が問題になっていますが、肉骨粉を飼料に
していたということで、豚への影響はどうなのでしょうか。実家が
豚の卸をやっており、豚へ感染するのかとても心配です。

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 肉骨粉は豚、鶏など牛以外の家畜の飼料として使用されているの
でしょうか。上記家畜からヒトへの感染について教えてください。

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 こんにちは。こんなページがあってすっごく嬉しいです。実は現
在、ものすごく不安に思っている事があるのですが・・。

 牛スジ、いわゆるすじ肉は大丈夫なのでしょうか?このページを
見ると骨がやばそうですが、スジって骨とすごく関係がありそうで
すよね。そこら辺、どうなっているのでしょうか。

 すじ肉を煮込んだ料理って今までにかなり食べてるんです。不安
で仕方ありません。宜しく御願いします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------


 ということで、重複分もありますので、〔食べ物情報〕の欄でま
とめて書いてみました。(返信は個別にしています。)

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.調理法によるビタミンの吸収効率について教えてください。煮
たり焼いたり、蒸したり炒めたりって調理法はたくさんあると思う
のですが 調理法によって どれくらい栄養素の吸収効率に差があ
るのか&どんな調理法が適しているのか教えていただけるとうれし
いです

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A.その辺、あまり詳しくないのです・・。

 ビタミンと言ってもいろいろありますが、

ビタミンA・D・E(脂溶性)
ビタミンB群・C(水溶性)

といったところが代表的です。

 この中で、水溶性ビタミンは調理損失が大きいのが知られていま
す。

 おもに調理中に水にとけてしまうのと、分解してなくなってしま
う、ということがおこるようです。茹でたりするのは控えめにした
方が良いのでしょうね。

 ほうれん草を茹でずに油いためすると、ビタミンCの損失は小さ
い、ただし蓚酸が残るので、こちらは困ったものだ・・。となかな
か難しいようです。

 脂溶性ビタミンについては、あまりそんな話は聞きませんね。

 これは水に溶けないのと、分子が大きくて、分解しにくい、とか、
脂肪組織の中に保護されている、とかいう理由を想像しています。

 ビタミンCは水に溶けやすく、また分解しやすいので、調理損失
は避けられません。でも、もともと大量にあるものですし、普通の
食生活をしていて不足するビタミンではありません。

 ビタミンCの不足では、よく知られた壊血病があります。しかし
これはよほど特殊な生活を送らないと、まず起らない病気です。

 昔、大航海時代のヨーロッパの艦船でよく起こり、大変問題にな
りましたが、何カ月も貯蔵した穀物だけをとっていて、やっと発病
します。

 ビタミンCの大量摂取をすすめたりする人がいますが、通常、不
足することはないと思います。

 ビタミンBの不足では、「脚気」がおこります。こちらは日本人
にはおなじみの病気で、炭水化物に偏った食事と、ビタミンBの不
足でおこります。

 これも炭水化物離れしてきた最近の日本人にとっては、さほど問
題とはならないと思います。

 今現在、食生活に問題があり、ビタミン不足の症状が出ている場
合は問題大有りですが、普通に暮らしているのなら、あまり気にす
るほどのことではありません。

 バランスのとれた食事で、なるべく偏らず、幅広い食べ物を食べ
る、調理については凝りすぎない、といったところが思い浮かぶ注
意点です。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「狂牛病」
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 今回の事件を整理してみます。

(1)ヨーロッパの専門委員会が日本でも狂牛病発生の可能性を指
摘したが、日本政府の要請で報告書を作成しなかった。

(2)8月6日に千葉県で狂牛病と見られる牛が発見された。この
牛は5才の乳牛で、食肉処理場に運び込まれたが、すでに自分で立
てない状態だったため、脳の一部を採取して検査した。

(3)15日、最初の検査では陰性だった。

(4)24日、脳細胞に異常を認めた(空洞ができる)ため、も
う一度検査にまわした。

(5)9月10日、二度目の検査結果が陽性となったので、農水省は
イギリスの研究機関に鑑定を依頼し、事実を発表した。

(6)農水省は11日、この牛が北海道佐呂間町の農場で生産され、
98年4月に千葉県白井市内の酪農家に2歳くらいで出荷されたと
発表した。

(7)12日、独立行政法人・肥飼料検査所と北海道はこの牛に千葉
県と道内で与えられた飼料の製造元について、それぞれ狂牛病の原
因となりうる「肉骨粉」を使っていないと発表した。

(8)14日、農水省は問題の牛が焼却処分されず、肉骨粉にされて
いたことを発表。

(9)15日、農水省は業者に出荷停止を要請した。

(10)16日、業者は農水省と茨城県の立ち入り検査に対して、問題
の牛の混じった肉骨粉は外部に流出していないことを確認した、と
報告した。

(11)18日、北海道はこの牛を最初に育てていた北海道の農場が売
却した71頭(千葉で見つかった問題の牛を除く)について道内に35
頭、道外に28頭が出荷されたことが確認できたと発表した。残る8
頭については、不明。

(12)22日、農水省から送付されたこの牛の脳組織検体を検査した
英国獣医研究所が狂牛病と確定診断し、これを受けて同省は、狂牛
病と認めた。

 とうとう本当に狂牛病だったことがわかってしまいました。この
病気は単独で発生するのではなく、感染性のものなので、同じ環境
で育った牛が発病する可能性はかなりあると思います。

 この病気は潜伏期間が長いことも特徴です。したがって、飼育期
間の短い、肉牛ではあまり発見されず(発病する前にと殺されてし
まうので)、乳牛での発見例が多くなります。

 問題の70頭ほど以外にも、その牧場関係の牛は徹底的に調べて、
発病の有無とは関係なく、焼却処分にするべきと思います。

 農水省は全国の牛の検査をする、といっているようですが、例に
よって、マスコミ対策のリップサービスでしょう。検査の方法も確
立していないし、今の体制では、担当職員が農場をまわって、異常
がないか聞き取り調査して、「異常なし」という報告をあげて、そ
れでおしまいになると思います。

 問題の牛も、はっきりとした症状がでているのに、最初は狂牛病
と診断できなかったのですから、症状も出ていないときに、診断で
きるとは思えません。

 農場側でも、少しでも怪しい牛は、症状が出る前に、こっそり処
分する、ということが起るような気がします。なかなか前途は多難
です。

 こういうことを私が決めつけるのも僣越なんで、ぜひ反論をいた
だきたいところです。私がそう思うのはそれなりに理由があるので
すが、その件については後日、まとめてみたいと思います。

 メールでいただいた件についてですが、それぞれの方に出した返
信をまとめて見ますと以下のようになります。

(1)今のところ、発症する可能性のあるのは、乳牛です。牛乳・
乳製品は安全だとされています。問題は廃用になった乳牛ですが、
これは直接肉として売られるものではありませんから、加工品の原
料が問題になります。

(2)たくさんの加工品に牛由来の原料は使われています。怪しめ
ばキリはないのですが、いずれもある程度加熱され、感染性は低く
なるのと、感染した可能性のある牛の頭数からいっても、今、感染
性をもった加工食品が販売されている可能性はほとんど0と思いま
す。

(3)牛肉は発症した牛の肉でも、感染性は低いと言われています。
挽き肉はやや怪しいのですが、普通の精肉ではそんなに感染しない
ようです。発症した牛の、脳や目玉などを食べれば一発でアウトだ
そうですが、これは体内に入る病原体の量と感染性とが密接な関係
があるからです。

(4)私たちが直接、発症した牛の肉を手に入れるということは現
在はあまり起りそうもありません。ただ、将来に渡って安全か、と
いうと、放置しておけばイギリスのようになる可能性はあります。
つまり、危険性あり、として対処しなければならないということで
す。農水省はこの期に及んでまだ、「安全だ」などと言っています
が、これは追い詰められるととりあえずこう言っておく、役人の習
性ですね。

(5)牛由来のものを一切食べない、というのもありと思いますが、
そこまでしなくても、あまり牛肉を多く食べない、という注意くら
いはした方が良いのかも知れません。というのは、同じものを食べ
ても、量が問題ですから。

(6)イギリスでは人間への感染がありました。現在、発症したの
は100人程度(もちろん、みんな死んでいます。)ですが、潜在
的には数千人〜一万人以上が発症するだろうと言われています。た
だ、日本人とイギリス人とでは、一人あたり牛肉の消費量は1桁以
上違いますので、日本人が感染する確率はかなり低くなると思いま
す。

(7)牛肉以外については、まず問題ありません。豚に移った、と
いうことは報告されていません。これは「種の壁」ということがあ
るからです。イギリス人が牛肉を食べるような量を、豚に食べさせ
れば、種の壁を越えることもあるかも知れませんが、そこまで贅沢
している豚もいないでしょう。鶏は哺乳類ではありませんので、こ
の壁はほぼ無限に大きいと思います。

 いまのところの情報から、こんなように私は思います。これは私
個人の見解なので、ご参考までに。

 しかし今回の農水省の対応はさっぱりでしたね。口蹄疫のときの
水際作戦はなかなか見事だったのですが、私はこれは現場は頑張っ
ているが、官僚がアホなんだと思います。いや官僚個人個人がアホ、
というのではなく、日本国の官僚体制が機能不全に陥っている、と
いうことなんでしょうが。

 私はベジタリアンではありませんし、何となく飽食の果ての贅沢、
という気がして、あまり好意的ではなかったのですが、こんな病気
が出てくるというのは、肉食をやめれば?という天の声かもしれな
いな、などと思ってしまいます。

 やっぱり肉食はほどほどがよろしいようです。
 
--〔後記〕--------------------------------------------------

 とうとう、というか、やっぱり、というか、狂牛病が本当になっ
てしまいました。このメールマガジンの読者の皆さんは、狂牛病に
関する知識は持っていらっしゃると思うので、そんなにパニックに
ならないと思いますが、世間ではどうなるのでしょう。

 私は日本の畜産業は、一からやり直す必要がある、という意見で
したので、この機会に、なんとか改革していってほしいと願ってい
ます。

 今、花巻のホテルでこの文を書いています。何故花巻にいるかは、
知る人ぞ知る、ですね。今朝(22日)の新聞も読んでいないのです
が、世間は大騒ぎなんでしょうか。昨年はフランスやドイツの騒ぎ
を見て、大げさな、などと言っていましたが、人ごとではなくなっ
てしまいました。


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