安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>94号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------94号--2001.08.26------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」
「亜麻仁油・焼き鳥・ヨーグルト(Q&A)」「ヨーグルト」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回のQ&Aの「化学調味料」について、引き続きのおたよりを
いただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 化学調味料が含まれているものを食べてばかいいると、どうなる
んでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

別にどうもならないと思います。あまり趣味がいいとは言えません
けれどね。

 化学調味料については、
http://www.kenji.ne.jp/food/food16/food1602.html
に書いてあります。

 毒性については、現在まで、かなり徹底的に調べられていますが、
有害という結論は出ていません。

 これは、通常食べている程度の量では、一生、食べ続けても安全
だろう、ということです。

 もちろん、1日に数10グラムとか、100グラムとかいう、大
量になると、害は出てくると思いますが、これはどんな物でも同じ
です。

 ナトリウム塩なので、塩分の取り過ぎと同じようなことになる、
という心配もされています。

 食卓用の瓶なんかでも売られていますが、そんなのを何にでもふ
りかけたりするのは、やめておいた方が無難です。

 加工食品に含まれる分くらいは、大丈夫だと思います。一部、も
のすごく大量に使用したお菓子もありますが、そういうのは味でわ
かると思います。

 普通に、美味しく食べられるものであれば、別に心配する必要は
ないと思います。

 でも、「化学調味料不使用」という表示のある商品があったら、
努力を認める意味で買ってやってください。

 やっぱり、本物の味の方が良い・・というのは趣味の問題なんで
すけれど。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それから、「有機農業」についてのコメントの追加です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 有機農業、無農薬農業が「インチキ」と言ったわけではなく、確
たる証拠が無いのにあたかも健康に取ってよいというようなフレコ
ミで売っているものを指して「インチキ健康食品」と言ったつもり
でした。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これはおっしゃるとおりですね。「有機農業」は生産方法の問題
であって、生産物が健康に良い、ということとは何の関係もありま
せん。

 最大限、慣行栽培のものに毒性があり、有機栽培ならば安全であ
る、ということがあったとしても、「健康に良い」ということとは
別範疇のこととなります。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.21世紀の必須脂肪酸とうたわれているベジオメガ3 フラッ
クスオイル(亜麻仁油)をトスドサラダにする際に使っていたとこ
ろ、アメリカに住む知人から発ガン性が指摘されているとのデータ
ーが送られてきまして、何となく気になってしまいました。
 
 オメガ3はリノール酸と同じく体内で作れないので。食物から摂
らなければならない脂肪酸として現代人のカラダに大切だとされて
いて使っていたのですが、魚を食べていれば特にとる必要はないの
でしょうか?

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A.亜麻仁油というのは、普通、塗料や絵の具などに使われる油で
す。食用にしている、というのはちょっと驚きですね。

 というのは、この油は乾性油といって、すぐに酸化、重合して、
固まってしまう性質があるからです。

 もちろん、毒性はありませんが、亜麻仁油をたくさん食べたら、
お腹がゆるくなりませんか?

 不飽和脂肪酸にはω3系(リノレン酸系)とω6系(リノール酸
系)があり、以前のリノール酸系から、リノレン酸系に評価が移っ
てきた、という歴史的な経過があります。

 そういう意味で、リノレン酸系の多価不飽和脂肪酸を摂取するの
は良いと思うのですが、亜麻仁油を直接とるのは?と思います。

 発ガン性については、よくわかりません。

 不飽和脂肪酸は一般に酸化されやすく、そのときにフリーラジカ
ルと呼ばれる有害な酸素をつくるので、遺伝子を傷つけ、ガンの原
因になる可能性はあるそうです。

 ただ、亜麻仁油に限った話ではないと思うのですが、そのデータ
がどういうものか、わかりましたら教えてください。

【補足】

 その後、次のような情報をいただきました。

> 気になる情報については英語のページのみですが、以下の
> http://www.gnc.com/wellness/natpharm/Supp/Flaxseed.htm
> にあります。

 この英語のサイトを
http://www.excite.co.jp/world/url/
で翻訳してもらって、読みました。(^^ゞ

 乳ガンや前立腺ガンとの関係が疑われているようですが、あまり
危険、というわけではなさそうですね。

 結局、良いことばかりでもないよ、という常識的なところに落ち
着くのだと思います。

【蛇足】

 不飽和脂肪酸は、主に2つの系列に分類されます。

 脂肪酸というのは、炭素が数個〜20個程度直列につながった炭
化水素の末端に脂肪酸基がついたものをいいます。

 炭素には共有結合できる電子が4個あり、4つの原子と結合でき
ます。普通、前後の炭素との結合に2個、残りの電子は水素と結合
しています。一部、炭素同士の結合に2個の電子を使い、水素が1
個しかついていない部分があり、これを不飽和結合と言います。

 この炭素原子には、あと一つ水素が結合できる余地があるので、
こういうようです。

 この不飽和結合が、脂肪酸基のある方から数えて、幾つ目にある
か、ということで、その脂肪酸の性質も変ってきます。

 いくつも不飽和結合をもった、「多価不飽和脂肪酸」でも、特に
大事なのは、脂肪酸基から数えて行って最初の不飽和結合の位置で
す。

 3つめにあるもの(ω3)と6つめにあるもの(ω6)とが2大
系列です。2つめ以降の不飽和結合は、体内で導入できるのですが、
最初の不飽和結合は体内では作れないため、これらの両方の脂肪酸
は、食物から摂取する必要があります。

 ω3系列の代表はリノレン酸、ω6系列の代表はリノール酸です。
以前はリノール酸がもてはやされましたが、最近の研究では、リノ
レン酸の効用を持ち上げ、リノール酸に関しては過剰摂取を警戒す
る、というものが多いようです。

 まあ、流行のようなものではあります。

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Q.よくスーパーなどで串に刺さった焼き鳥用のパックを見かけま
すよね。私の知り合いの鶏肉加工の仕事をしている人に聞いたので
すが、スーパーに納品するときに食中毒の菌に汚染されていないか
検査されるそうです。

 私たち消費者としては、お店側が検査して販売してくれるのは嬉
しい限りです。しかし、知り合いに言わせると焼き鳥用の商品なの
で火を通せば菌は死んでしまうのであまり意味はないと言います。
また、検査に合格しないとせっかく作った商品は廃棄処分にするそ
うです。それももったいない様な気がします。

 本当にお店は、厳しい検査をしているのでしょうか?また、食中
毒菌に汚染されないように商品を作れないのでしょうか?

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A.スーパーで商品を選定する場合、最初に細菌汚染などの検査を
するのは、一般的なことです。

 その場合、外部の検査結果を提出させる場合と、自社で検査する
部門を持っている場合があります。

 仕入れ担当者が工場を訪問し、衛生環境などを調査して、一定の
レベルに達していない工場とは取引しないという基準を作っている
ところも、多いと思います。

 厳しいところでは、受け入れの度とか、抜き取り調査とかで、取
引を開始してからも、検査をしているところもあるようです。

 もちろん、いい加減なところも多いので、一口にスーパーといっ
て括れないですね。全般に、だんだんとこういう検査に関しては厳
しくなっていると思います。

 焼き鳥の串ですが、いったん、加熱したものなら、食中毒菌が検
出されるようなものは失格です。生の肉をさしただけのものでした
ら、食中毒菌を含め、細菌がついているのは当たり前です。

 生の肉の場合、それでも検査しているのなら、サルモネラ汚染を
チェックしているのかも知れません。

 サルモネラが繁殖している場合、加熱しても、殺菌しきれない可
能性はあります。

 これはちょっと怖いですので、そうした検査をしているのなら、
結構なことと思います。

 サルモネラは外部からではなく、鶏そのものから汚染されている
ことが多く、工場でそれを完全に防ぐことは難しいかも知れません。

 生の肉を殺菌するわけにはいきませんので、この辺がつらいとこ
ろです。養鶏場・加工場・流通の総てにわたって、衛生管理システ
ムが機能しなければなりませんが、現実にはなかなか難しいようで
す。

 肉などを扱う工場は、昔はかなり衛生的に良くないところもあり
ましたが、流通側からの圧力もあって、最近はずいぶんと改善され
てきてきます。

 HACCPなどという、衛生管理システムもあり、そういう先進
的な取り組みもされています。

 衛生管理に関しては、以前からの慣行に比べて、過剰に反応して
いる、という批判もありますが、全体としては、より厳しくなって
いくでしょうし、それについて行けない、衛生的な取り組みのでき
ない業者は淘汰されていく運命にあると思います。

 何しろ、食中毒事件一つで、超優良会社の経営が傾くご時世です。
一般の消費者には、あまり知られていませんが、生産の現場では、
みなさん大変な苦労をされています。

 一部、いい加減にやっているところもあるでしょうが、それでこ
れからもやっていけるほど、甘くはない、と思っています。

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Q.私の母は、知人よりソ連の方の長寿で有名な地域で代代伝わっ
ていたと言うヨーグルト菌を知人より頂いて、もう5〜6年その菌
で、ヨーグルトを作って食べています。そこで、とても基本的な事
だと思うのですが、例えば、最初は普通の菌だったのが、毎日毎日
それを培養しているうちに、その菌に有害な菌が混ざって、いつの
間にか体に悪い食品に変わっているという事は有り得ないのでしょ
うか? 何か最近、ヨーグルトが出来にくくなってきたわ〜という、
母の声を聞いて不安になってきました。

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A.ヨーグルトを作る乳酸菌は、自分の生産する乳酸によって、強
い酸性の環境を作ります。あまり酸性が強いと、乳酸菌自身も繁殖
しにくくなるらしいですが、このために、他の微生物はなかなか入
ってこられないため、わりと安定して培養できるのが特徴です。

 日本酒の醸造のときも、最初の段階で安定した状態をつくるため、
乳酸を添加する、ということを行います。昔はそのかわり、乳酸菌
が繁殖しやすい環境を作って、自然に強い酸性になるようにしてい
たそうです。

 しかし生き物のことですから、本当に長期間となりますと、やは
りすこしずつ変ってくると思います。ヨーグルトを作りにくくなっ
ている、というのは、やはり全体として、乳酸菌の勢力が弱まって
いる、ということと思います。

 別に有害な微生物が繁殖しているわけではないと思いますが、何
しろ目に見えない相手ですので、確証はありません。

 結局、だんだんとヨーグルトの出来が悪くなってきた時点で、あ
きらめる、ということになるのではないでしょうか。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「ヨーグルト」
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 牛乳を乳酸菌で発酵かせたものがヨーグルトです。乳酸菌飲料と
いうもの(ヤクルトとか・・)もありますが、あれはまた違う食品
です。

 乳酸菌は牛乳中の乳糖を、乳酸に分解します。このため、牛乳は
だんだんと酸性になり、そのため、牛乳中のたんぱく質が凝固して、
あのドロッとした状態になるわけです。

 牛乳中には、乳酸菌がいることが多いので、牛乳を温かいところ
に置いておくと、運がよければ、このような状態になります。

 伝統的には、こうして作ったのでしょうが、自然状態では、何が
繁殖してくるかわかりませんので、普通は培養しておいた乳酸菌を
使用します。

 実際に牛乳工場のヨーグルト製造のところを見せてもらうと、殺
菌した牛乳と同じようなタンクがあるだけでした。牛乳のタンクは
冷蔵していますが、ヨーグルトタンクは保温している、ということ
が違うだけで、お酒や醤油の醸造とは、同じ発酵製品といっても、
ずいぶん印象が違います。

 使用する乳酸菌は、メーカーによって様々です。普通の乳酸菌は
人間の腸内細菌とは種類が違いますので、腸内に定着することはな
いのですが、腸内細菌であるビヒィズス菌などを使って、胃を通過
して、腸内で繁殖できるような研究をしたものもよくあります。
(効果のほどは私は知りませんが。)

 砂糖を加えたおやつタイプのものは小さなカップで、砂糖なしの
プレーンタイプは500ミリリットル程度の大きな容器で、売られ
ているのが普通です。(ポリプロピレン製のパリパリっとした容器
です。)

 プレーンタイプでは、容器をあけると、上に水分が浮いているこ
とがよくあります。あれは凝固しきらない乳清の部分で、添加物を
使用しないと、どうしても分離してしまいます。

 分離しないようにするために、ペクチンなどの凝固剤?を使うこ
ともよくあります。全体が均一になるようにしてあるものは、ちょ
っと質感が作り物っぽくなるような気がします。

 酸っぱいものなので、砂糖なんかをかけて甘くして食べる人も多
いですね。砂糖以外でも、果物を使ったり、蜂蜜を使ったり、いろ
いろするようです。

 栄養的には、大変優れた食べ物だそうです。特に、牛乳が苦手な
人でも、ヨーグルトなら食べられることがよくあります。これは、
そういう人が苦手とする、乳糖が乳酸菌によって分解されているか
らで、牛乳を飲むと下痢をする、という人はぜひお試しください。

 ヨーグルト中の乳酸菌は、まだ生きています。従って、保存して
おくと、冷蔵庫中でも、だんだんと酸っぱくなってきます。好みに
もよりますが、なるべく早く食べた方が美味しいと思います。

 また、乳酸菌は空気に触れると死んでしまうため、開封したヨー
グルトは意外と日持ちしないということです。そういうこともあっ
て、あまり量を食べない人は、小さなカップ入りの方が良いかも知
れません。

 私はお腹の調子が悪くなると、ヨーグルトを食べるのですが、調
子が良くなると続かない、といったところですので、大好き、とい
うわけではないようです。

 牛乳のことはいろいろ言う人が多いのですが、不思議なことに、
ヨーグルトの悪口はあまり聞かないですね。見た目にも、いかにも
健康に良さそう、というイメージがあります。

 ドロッとした食べ物ですが、消化吸収はたいへん良く、食物繊維
などは含んでいないそうです。生きた微生物を含む食べ物ですので、
人によって、特によくあうもの、そうでないもの、といろいろある
と思います。ぴったりのものが見つかればラッキーですね。

 「手作りヨーグルト」というのも、可能なのですが、微生物を管
理する、というのはある程度危険が伴いますので、私としてはお勧
めいたしかねます。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 土曜日、日曜日と、長野県まで出掛けていますので、この文は金
曜日に書いています。

 「焼き鳥」の質問の人は、ご自分のメールアドレスが間違ってい
て、返信のメールが届きませんでした。たの誌面で、回答とさせて
いただきます。

 こういうのって、ときどきあります。私は自分のメールアドレス
を、「めーる」という読みで単語登録しています。これは便利です
ので、ぜひお試しください。

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--94号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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