安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>934号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------934号--2017.10.15------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「サルモネラ感染症」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 またまた食中毒事件のニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■男女17人が食中毒、居酒屋で生の鶏肉 茨城・古河

 茨城県は11日、古河市本町の居酒屋「竜美亭」で飲食した2グ
ループの20〜60代の男女17人が下痢や腹痛、発熱などの症状
を訴えたと発表した。11人が医療機関で受診し、そのうち1人が
一時入院したが、全員が快方に向かっている。

 県生活衛生課によると、患者はそれぞれ9月29日と30日、竜
美亭で鶏刺しや鶏レバーなどを飲食し、翌日の朝から症状を訴えた
という。

 県衛生研究所の検査で患者の便などから原因物質のカンピロバク
ター・ジェジュニを検出。古河保健所は11日、竜美亭の料理が原
因の食中毒と断定し、同日から同店を営業禁止処分とした。

http://www.sankei.com/affairs/news/171012/afr1710120010-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「鶏肉の生食」はもう勘弁してほしいですね。

 「カンピロバクター・ジェジュニ」については以下の解説をご覧
ください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■カンピロバクター・ジェジュニ/コリ

 古くは牛や羊の流産の病原菌として知られ、人との関わりについ
ては、血液から本菌がまれに検出されてはいましたが、ほとんど注
目されていませんでした。

 その後、1973年にベルギーのプッツェルらは下痢患者の糞便
から初めて本菌を分離し、本菌の腸炎起病性を示唆し、1977年
にイギリスのスキローらが下痢患者から本菌を分離し、その重要性
を指摘しました。また、1978年には、アメリカにおいて水系感
染により住民約2,000名が本菌に感染した例により世界的に知
られるようになりました。

 一方、わが国では伊藤らが1979年に保育園での集団下痢症状
例から初めて本菌を検出し、これ以後、わが国でも本菌は食中毒菌
として位置づけられるようになりました。

 カンピロパクター属は、家畜、家禽、ペット、野生動物、野鳥等
の動物の腸内に分布しています。トリ、ウシでは、カンピロバクタ
ー・ジェジュニの保菌率が高く、ブタでは、カンピロバクター・コ
リ の保菌率が高くなっています。

 家畜や家禽が高率にこの菌を保菌しているため、とちく場、食肉
処理場、食肉販売業での処理過程での汚染により、市販生肉からも
本菌が検出されています。

 この菌は、らせん状をしたグラム陰性の細菌で、好気的には発育
しないし、嫌気的にもほとんど発育せず、酸素が5〜15%程度含
まれる微好気的条件で良く発育します。

 なお、本菌の食中毒発症に必要な菌数は100個前後です。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/campylo.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 同じカンビロバクターでも、トリとブタでは種類が違うのですね。
このところ話題になっているのは主にトリの方です。

 次は消費者庁の調査の話題。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■福島県産の購入「ためらう」過去最低の13% 消費者庁

 消費者庁は11日、今年8月に実施した食品中の放射性物質に関
する意識調査の結果を発表した。福島県産の購入をためらうと答え
た人の割合は13・2%で、東京電力福島第一原発事故をうけて調
査を始めた2013年2月以降、最も低くなった。過去最低だった
前回(今年2月)の15・0%からさらに1・8ポイント減った。

 調査は風評被害対策などを目的に、半年に1回実施。東北や首都
圏を中心に20〜60代の約5千人を対象にインターネットで調査
している。今回の調査で10回目。

 一方、「基準値を超える食品が確認された市町村では、他の同一
品目の食品が出荷・流通・消費されないようにしている」といった
検査を知らないと答えた人は37・5%にのぼり、過去最高になっ
た。消費者庁は「検査に関する情報を入手する機会が減っている」
と分析している。

http://www.asahi.com/articles/ASKBC3TG9KBCUTFL00C.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 福島県産を「忌避する」のではなく、「ためらう」ということで
すから、13%は十分に低い数字です。

 今でも危険があるように言っている人たちのことはそろそろ無視
してもよいと思いますが、マスコミなどで露出する機会のある人に
そういうのがいるのが困ったところです。

 次は「牛乳の味」について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■生乳供給元の地域偏り風味に違い
10/09

 都内の小中学校で、給食の牛乳から異臭がすると訴えた生徒が相
次いだ問題で、複数の地域の生乳を混ぜ合わせて製造する際、供給
元の地域が偏り、風味に違いが出たことが原因とみられることがわ
かった。

 この問題は、9月25日、新宿区などの小中学校でおよそ1,900人の
生徒が、給食の牛乳から異臭がすると訴えたもの。

 牛乳は、明治戸田工場で製造されたもので、保健所などの立ち入
り検査の結果、衛生上の問題はなかった。

 牛乳は、風味の安定のため、通常、複数の地域の農家の生乳を混
ぜて作るが、関係者によると、問題の製品は、生乳が供給された地
域が偏り、製造元の農家の数が限られていたため、風味に違いが出
た可能性があるという。

 明治は、10日にも今後の対策を公表する見通し。

https://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00372853.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 予想どおりの結論です。メーカーは具体的にどの農家の牛乳に問
題があるのかまでわかっているのではないでしょうか。あとは改善
指導するか、取引を打ち切るか、という選択です。混ぜてわからな
いようにすればよい、というのがNGなのは今回で実証済みです。

 次は漁獲規制の話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■自粛要請に県が意見書 小型クロマグロ漁

 和歌山県は12日、水産庁から太平洋クロマグロ小型魚(30キ
ロ未満)の定置網漁について操業自粛の要請があったことを受け、
近く同庁に対して緊急措置を求める意見書を提出すると発表した。

 県資源管理課によると、同庁は6日、定置網の共同管理グループ
を構成する県などの20道府県に対して、第3管理期間(平成29
年7月1日〜30年6月30日)の漁獲量が漁獲枠の580・5ト
ンを超過し、770トンに達しているとして操業自粛を要請した。

 太平洋クロマグロ小型魚を巡っては、中西部太平洋まぐろ類委員
会(WCPFC)での合意に基づき、各都道府県は同庁から漁獲枠
の配分を受けている。県内の定置網漁業の漁獲枠は9・1トンで、
同期間の県内漁獲量は約0・4トンにすぎないが、北海道で多くの
漁獲があったためグループ全体の漁獲量が枠を超過した。

 県は要請について「特定の自治体での大幅な漁獲枠の超過により、
操業の自粛を余儀なくされており、状況が継続すれば、本県漁業者
にとって死活問題」とし、全ての自治体が公平にクロマグロ資源を
利用できるよう、具体的な措置を緊急に行うよう求め、近く同庁に
意見書を提出する。

http://www.wakayamashimpo.co.jp/2017/10/20171013_73093.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この問題は大規模なところを野放しにして、地方の零細なところ
も一括して締め上げるという、悪代官の見本のようなことになって
います。

 天下り先がそんなに大切か!というのが私の見込みです。

 次は外国の話ですが、「生産者直売場」がウソだらけ、という話
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■海外の産地偽装問題。カナダの生産者直売場の実態に迫る

 カナダの公共放送局、CBC放送が、隠しカメラを用い、カナダ国
内にあるファーマーズマーケットの実態に迫った。

 ファーマーズマーケットとは、地域の生産者農家が集まって、自
分の農場でつくった農産物を持ち寄り、消費者に直接販売する市場
のことで、日本でいうところの生産者直売場のようなものだ。

 ところが実態はそうではなかったようだ。

 ファーマーズマーケットに出店している多くの販売者が、地元産
の新鮮な野菜や果物が買えるはずと思っている消費者に対して、自
家製と偽った商品を売りつけていることがわかったという。

https://news.biglobe.ne.jp/trend/1011/kpa_171011_6920335672.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 長い記事で、記者が販売者たちのウソを暴いていくところが書か
れています。日本では?どうなのでしょうかね。

 最後は「クマ」の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■知床自然センター

 10月13日、遠音別川河口にヒグマが現われ、逃げた釣り人が残し
たサケを奪って食べました。このヒグマは釣り人に近づけば簡単に
食べ物(魚)が手に入ると学習した可能性があります。今後人間に
積極的に接近してくる恐れもあります。釣りに関しては、ヒグマの
リスクを念頭においてください。

https://twitter.com/shiretoko_NC/status/919004018025709568
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは知床自然センターのツイッターでの情報です。ヒグマに魚
をとられてはいけないのですね。

 もう一つ、こちらはツキノワグマですが、小学校に現われたとい
うちょっと怖い話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「小学校庭で侵入グマ射殺」がなぜ非難される…児童の安全優先
「やむを得ない判断」に“第3者”から反発の声

 パーン、パーン。自然豊かな山間の校庭に銃声が鳴り響いた。岐
阜県高山市奥飛騨温泉郷の市立栃尾小学校(小谷好廣校長、児童6
4人)に9月、ツキノワグマが侵入し、駆けつけた猟友会メンバー
が警察の指示のもとで射殺したのだ。当時は授業中で学校側は児童
を教室で待機させ、児童や保護者にその都度状況を説明したため、
大きな混乱はなかった。地元ではクマによるけが人も相次いでおり、
今回の措置も「児童の安全を考えるとやむを得ない」との受け止め
方だ。ところがネットや報道で騒ぎを知った県外の人から「小学校
で射殺とは…」と非難の声が寄せられ、市や学校側は困惑している。

http://www.sankei.com/west/news/171012/wst1710120004-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 小学校にクマが侵入というのはかなり危ない状況です。被害がな
くてよかったです。

 ツキノワグマは小型のクマですが、それでもこういう場合に安全
を確保するためには射殺しかない、ということだそうです。

 そのあたりの判断の説明や、外部からの批判なども書かれていま
すので、ぜひお読みください。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今週は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「サルモネラ感染症」
------------------------------------------------------------

 山形県で、サルモネラ感染事件が起こっています。食中毒という
わけではなく、原因不明で感染が広がっているということです。

 山形新聞から経時的に三報、紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■サルモネラ、未就学児など新たに7人 鶴岡と酒田、感染32人に

2017年10月07日

 鶴岡、酒田両市内で拡大しているサルモネラ菌による感染で、新
たに男女7人の感染者が確認されたと、県が6日発表した。これで感
染者は32人に上った。全員に共通する食品の摂取や訪問先などがな
く、県は引き続き感染経路や原因を調査するとともに、予防の徹底
を呼び掛けている。

 県食品安全衛生課によると、鶴岡市では未就学の女児と小学生の
男児、男子中学生、女子高校生の各1人と70代の男性2人の計6人、
酒田市では男子中学生1人の感染が新たに確認された。先月13〜30
日に腹痛や下痢、発熱の症状を発症し、このうち70代の男性1人が
入院した。7人全員の便からサルモネラ菌のO9群が検出され、5日
に医療機関から県に連絡が入った。

http://yamagata-np.jp/news/201710/07/kj_2017100700128.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■サルモネラ菌感染、食中毒が原因か 新たに鶴岡の2人を確認

2017年10月11日

 鶴岡、酒田両市内で拡大しているサルモネラ菌の感染で県は10日、
新たに鶴岡市の男性2人の感染が確認されたと発表した。感染者は
これで34人に上った。最初の発症者の確認から約1カ月となり、県
は菌の種類などから食中毒が原因の可能性があるとみて、引き続き
感染源や経路を調べている。

 県食品安全衛生課によると、新たに感染が確認されたのは40代と
90代以上の男性で、40代の男性は先月22日に下痢や腹痛、発熱の症
状を訴えた。翌23日から入院し、10月1日に退院している。90代以
上の男性は10月3日に発症したが、入院はしていない。

 サルモネラ菌の感染は、食品が汚染されることによる食中毒と、
保菌動物との接触、井戸水や沢水の汚染が要因とされる。感染者全
員に共通した食品の摂取や訪問先、行動はないものの、感染者のう
ち15人の便から検出された菌の種類が「サルモネラエンテリティデ
ィス」だった。この菌は爬虫類などの保菌動物との接触による感染
では検出されないため、食中毒が原因の可能性が高いとみている。

 感染者34人のうち、これまでに18人が入院し、現在は70代男性と
80代女性の2人が入院中となっている。一連の感染拡大では、鶴岡
市の80代女性が先月16日、入院先でサルモネラ菌による菌血症で
死亡している。

http://yamagata-np.jp/news/201710/11/kj_2017101100217.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■サルモネラ菌、感染範囲拡大 2市1町に、県が予防徹底促す
2017年10月14日

 鶴岡、酒田両市で相次いでいるサルモネラ菌の感染について県は
13日、新たに鶴岡市の男性2人と東田川郡の女性1人の感染が確認さ
れたと発表した。感染者は計37人に上り、範囲が2市1町に拡大。全
員に共通する食品の摂取や訪問先などはなく、県は感染経路や原因
の調査に加え、予防の徹底を促している。

 県食品安全衛生課によると、新たに感染が確認されたのは、鶴岡
市の50代、90代以上の男性各1人と、東田川郡の20代女性。今月2〜
7日に腹痛や下痢などの症状を訴え、それぞれ医療機関を受診した。
50代の男性は既に回復し、90代以上の男性と20代女性は現在も入院
中だが、快方に向かっているという。3人の便からはサルモネラ菌
のO9群が検出された。

 県から検体の提供を受けた国立感染症研究所が詳細な遺伝子解析
を実施しているほか、庄内保健所が患者の行動調査を行うなどして
いる。同課は食中毒が原因の可能性もあるとみて、調理前の手洗い、
肉や卵の十分な加熱といった対策を呼び掛けている。

 一連の感染を巡っては、これまでに20人が入院し、現在は70代、
90代以上の男性各1人と、20代女性の計3人が入院中。鶴岡市の80代
女性が先月16日、サルモネラ菌による菌血症で亡くなっている。

http://yamagata-np.jp/news/201710/14/kj_2017101400298.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 菌自体は食中毒などでおなじみの菌ですが、感染経路不明という
のは気持ち悪いですね。

 サルモネラは食中毒の原因菌であるとともに、感染症を起こすこ
とは知られています。

 以下は外国旅行の際のサルモネラ感染症の解説です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■サルモネラ感染症 Salmonellosis(Salmonella infection)

 サルモネラ感染症は、食中毒の一種で旅行者によく下痢をおこす
病気です。

□どうやってうつる

 サルモネラ菌に汚染された水や食料を摂取することによりうつり
ます。爬虫類や一部の鳥はサルモネラ菌を保有していることが多く、
動物との接触により感染することがあります。

□症状

 感染して12時間から72時間の症状のない期間があった後に下痢、
腹痛、発熱などが見られます。まれにサルモネラ菌が血液中に入り、
他の臓器に病気を起こし、重症化することもあります。特に高齢者、
小児や免疫に障害がある人は注意が必要です。

□治療

 症状を軽くするための治療が行われます。重症の場合には抗生物
質が投与されます。

□予防

 衛生状態がよくないレストラン等では、加熱されていない食品を
避けるようにしましょう。半熟卵はしっかり加熱した卵に比べると
危険性が高いと言われています。また、動物と接触した後はかなら
ず体を洗浄し、特に食事前には手をしっかり洗いましょう。手を清
潔にする溶液またはゲル類(60%以上のアルコールを含むもの)を持
ち歩くことにより、手洗いの施設がない場合にも対応できるように
しましょう。

□食べ物・水にご注意を!

http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name06.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 また、サルモネラ感染は人畜共通感染という側面もあり、たとえ
ばミドリガメからの感染も確認されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■ミシシッピーアカミミガメ(ミドリガメ)との関連が強く疑われ
た小児重症サルモネラ感染症の2症例

 2005年3月〜10月の間に千葉県船橋市の同一医療機関でサルモネ
ラに起因する小児重症感染症が2症例経験されたが、1症例はミド
リガメとの因果関係が強く疑われ、また他症例ではミドリガメが感
染源であることが確認された。以下に2症例の概要について紹介す
る。

□症例1:患児は1歳3カ月の女児で、入院9日前より発熱し、近
医にてミノサイクリンの経口投与を受けるも改善せず熱性けいれん
にて当該医療施設に緊急入院となる。

 感染経路調査のためインフォームドコンセントに基づいて両親の
便培養を実施したがサルモネラは検出されなかった。本患児の家庭
内ではミドリガメを飼育していたことから、本症例との因果関係が
強く疑われた。

□症例2:患児は6歳2カ月の女児で、入院4日前より発熱、嘔吐、
水様便が認められ、当該医療施設に緊急入院となる。

 感染経路調査のため、家庭内で飼育していたミドリガメの水槽内
の水を培養したところ、多量の菌数のAeromonas hydrophila およ
びS . Paratyphi Bが検出された。そこで患児の便および静脈血液、
ミドリガメの水槽内由来のS . Paratyphi Bについてパルスフィー
ルド・ゲル電気泳動を行い、同一の泳動パターンが得られたことか
ら、本症例がミドリガメに起因するサルモネラ腸炎および敗血症で
あることが確定された。

■考察:アメリカでは1970年代にペットとして飼われていた小型ガ
メに関連するサルモネラ症が公衆衛生の見地から懸念されたため、
1975年以降FDAにより小型カメ(甲羅長:4インチ未満)の商業目
的での販売が禁止されている。FDAではそれ以上のサイズのカメな
らおそらく子供達が口に入れようとはしないだろうと見込んでいた
と思われる。

 この販売禁止令によって、小児におけるサルモネラ症は毎年およ
そ10万例が予防されたと推定されている。しかしながら最近再び小
型ガメの違法販売が増加してきたことに対処すべく、FDAは小型ガ
メに関わるサルモネラ症の情報を監査機関と公衆衛生教育者に定期
提供し、一般消費者への啓発を図っている。

 カメ等の爬虫類は糞便中のサルモネラ保菌率が50〜90%3) と高
く、ヒトサルモネラ症の感染源として公衆衛生上も十分衆知すべき
問題である。感染症の病型としては、発熱を伴う腸炎が報告のほと
んどを占めており、敗血症や髄膜炎等の重篤症例の報告はそれほど
多くない。しかしながら、特に小児をはじめ高齢者、感染防御能の
低下した患者では重篤感染症として発症する危険性は高く、今回の
2事例も髄膜炎、敗血症と重篤な感染症に発展した症例であった。

 ミドリガメとサルモネラ感染症との関係についての知識を有する
年代層に差があり、特に若い母親では認識が低い場合も多く見受け
られる。また、一部の保育施設等では、ペットとして飼育されてい
る事例もある。危険性を十分認識しないまま小児と接触させた場合、
腸炎のみならず今回の2事例のような重篤な感染症に発展する場合
もあり、今後も、市井レベルでの継続した啓発が重要と考えられる。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/26/310/kj3101.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 山形の事件でも、何かが媒介している可能性が高いと思うのです
が、今後の調査待ちです。

 さて、サルモネラというとイギリスでのサルモネラによる卵汚染
が話題になったことがあります。

 もう30年も前の話だそうですが、あのときほぼ壊滅したと言わ
れたイギリスの採卵養鶏が復活してきたというニュースがありまし
た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■英国産の卵に安全宣言 サルモネラ騒ぎから約30年

 英国では、「ライオン・マーク」が付いた卵は、妊婦や乳幼児に
も安全だと宣言された。卵のサルモネラ菌汚染騒ぎから30年近く経
ってのことだ。

 乳幼児や高齢者、妊婦などは、生卵や半熟など生に近い卵は食べ
てはいけないとされていた。

 英食品基準庁は、「ライオン・マーク」が付いた卵には、実質的
にサルモネラ菌汚染はないと話している。英国で生産される卵はほ
ぼ全てがライオン・マーク付きだ。

 今回の基準変更は、ワクチン・プログラムの導入や動物福祉の改
善を受けたもの。

 1988年、卵がサルモネラ菌に汚染していた騒ぎが原因で、卵の売
り上げが激減し、乳幼児や高齢者、妊婦は半熟や生の卵は食べない
ようにとの警告が続けて出された。

 さらに、当時のエドウィナ・カリー保健相は「残念だが英国の卵
はほとんどがサルモネラ菌に感染されている」と発言した。

 サルモネラ菌は、食中毒を引き起こす可能性がある。

 カリー元保健相の発言はこの危険性を過度に誇張したもので、同
相は結局、辞任へ追い込まれた。

 しかし卵のサルモネラ菌汚染の問題は確かにあり、卵業者は1990
年代までに、ワクチン・プログラムを開始した。

□ライオン・マーク

 卵に赤のインクで印刷された「英国ライオン・マーク」は、卵を
生産者までさかのぼることを可能にするためと、賞味期限を示すた
めに導入された。

 最初のサルモネラ菌騒ぎから30年近くたった今、食品基準庁のヘ
ザー・ハンコック氏は、火が十分通っていない卵をみんなが食べら
れるようになった、と話している。

「英国ライオン・マークが入った卵なら、生で食べても大丈夫だと
今は言っている。サルモネラ菌のリスクは現在とても低いので、心
配する必要はない。健康的な成人であっても、妊婦、高齢者、幼児
であっても。火の通っていない卵を避ける必要があるのは、医師の
指導の下、厳格な食事制限をしている人だけだ」

□卵の消費増加

 英国では近年、卵の消費量が増えている。

 昨年は英国内で103億7200万個の卵が生産された。1日平均3450万
個以上が消費されている。

 また卵はビタミンDやたんぱく質、貴重なオメガ3脂肪酸が豊富に
含まれており、健康にも非常に良い

 2児の母親のキャサリン・ミリントンさんは卵の大ファンだ。卵
を使って手軽に安く、栄養のある食事を4歳になる娘と生後7カ月の
娘に与えることができる。

「卵は素晴らしい。ゆでて、細かく潰せるし、赤ちゃんも食べられ
るので、赤ちゃんの方から離乳を始められる」

「それに急いでいるときは、ものすごく簡単」

□食の安全

 卵を生産する「レイクス・フリーレンジ・エッグカンパニー」は
湖水地方のペンリス近郊にある。

 養鶏農家のデイビッド・ブラスさんは、英国ライオンマーク基準
が導入されたことで、様変わりしたと言う。

「80年代に食品不安が広がり始めた時から、卵に問題があるとは分
かっていた」

「ライオン基準は、農家が守るべき基準を設けるための完全に独立
し監査された規則で、かつてのような病気の問題が二度と起こらな
いようにするものだった」

「そのあいだ何年にもわたって、素晴らしい食品安全基準だと何度
も示されてきた」

 今年の夏、オランダの養鶏場で人体に有害なおそれのある殺虫剤
が、一部の卵に混入なり、英国を含む欧州の10カ国以上のスーパー
の店頭から何百万個もの卵が回収された。

 それでも、英国産の卵は影響を受けなかった。

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41594387
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 30年前には私の仕事上でも「卵のサルモネラ対策」は大問題で
した。「農場でのHACCP」という課題に取り組んだものです。

 サルモネラ対策にはワクチンがありますから、それを主体にして、
生産過程での総合的な衛生管理に取り組んだということなのでしょ
う。

 長年の努力が実を結んだ形ですが、イギリスとオランダの対比が
なんだか面白いです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「クマの季節」です。今年もいろいろと危険な状況が発生するの
ではないかと心配しています。

 私の地元ではクマよりアライグマが大繁殖しているとかで、シカ、
イノシシなどとともに山はたいへん賑やかなことになっているよう
です。

 土曜日は孫の幼稚園の運動会でした。火曜日に抗ガン剤投与して、
土曜日に運動会というのはちょっとつらかったですが、何とか午前
中は観てきました。今年は七五三参りにも行くとかで、つきあうの
も大変です。

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