安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>933号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------933号--2017.10.08------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「O157と野菜」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 O157関連は下の欄で紹介します。それ以外の食中毒にです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■4園の食中毒、発症136人に 

 愛知県岡崎市大門四の食品会社「ときわ食品」の仕出し弁当を食
べた県内の幼稚園児らが下痢などの症状を訴えた集団食中毒で、市
は2日、発症したのは計136人に上ったと発表した。

 市によると、名古屋市と日進市、蒲郡市の計4園の園児が9月2
1〜28日に下痢や腹痛、嘔吐などを発症。うち17人が入院し、
高熱が数日間、下がらなかった園児もいた。

 市は当初、発症したのは87人と発表していた。

 市は同社に指導し、再発防止のために必要な措置を講じたと判断。
2日に営業禁止処分を解除した。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017100390010810.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは前回紹介した「サルモネラ」の事件の続報です。被害者数
が増えています。

 次も「サルモネラ」ですが、今度は鹿児島県です

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■豊年祭の仕出し弁当で21人食中毒 サルモネラ菌検出

 鹿児島県は4日、瀬戸内町古仁屋の仕出し店「ミクニ」の弁当を
食べた男女(1〜67歳)21人が食中毒症状を訴え、便からサル
モネラ・エンテリティディス菌が検出されたと発表した。名瀬保健
所は同日、店を1日間の営業停止処分にした。入院した5人を含め、
全員快方に向かっているという。

 県生活衛生課によると、9月24日に同町で豊年祭があり、出さ
れた弁当を食べた男女21人が、27日朝までに下痢や腹痛などを
発症。27日に管内の病院から連絡を受けた保健所が調査したとこ
ろ、患者17人の便からサルモネラが検出されたという。

 同課は「秋の行事が多くなるが、出された弁当はすぐにその場で
食べ持ち帰らないでほしい」と呼びかけている。

http://www.asahi.com/articles/ASKB53TP6KB5UBQU004.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「サルモネラ・エンテリティディス」というのが最も危険なサル
モネラです。新聞記事でこのレベルで書くのは珍しいですね。

 次はノロウィルスの事件です。そろそろノロの季節の始まりです
ね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■飲食店で5人が食中毒 ノロウイルス検出 大分・宇佐

 大分県食品・生活衛生課は1日、大分県宇佐市四日市の「元祖か
らあげ食堂天」が提供した食事を食べた30代の男女5人が下痢や
嘔吐などの食中毒の症状を訴え、5人の便からノロウイルスが検出
されたと発表した。いずれも軽症で現在は快方に向かっているとい
う。

 県によると、5人はいずれも福岡県からの旅行者。9月24日、
から揚げやチキン南蛮の定食などを食べ、25日夜から症状を訴え
た。店舗は29、30日に自主休業し、県は1日を営業停止処分と
した。調理人の手洗いや施設、調理器具の洗浄と消毒の徹底も指導
した。
http://www.asahi.com/articles/ASKB22TJHKB2UBQU00G.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は秋になると毎年出てくる、キノコの食中毒事件です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■クサウラベニタケ食べ3人食中毒

 1日、峡東地域の山で採ったキノコを食べた家族3人が相次いで
下痢や腹痛を訴え、県は、毒きのこの「クサウラベニタケ」による
食中毒と断定し、野生のきのこを安易に食べないよう呼びかけてい
ます。

 県によりますと、峡東地域に住む50代の夫婦と20代の息子の
3人は1日夜、地元の山で採ったきのこをほうとうに入れて食べた
あと、嘔吐や腹痛を訴え、病院で手当てを受けました。

 3人はすでに快方に向かっているということですが県は3人が食
べたほうとうの残りなどを調べ、毒きのこの「クサウラベニタケ」
が原因の食中毒と断定しました。

 「クサウラベニタケ」は、この時期県内各地の山に生えていて、
食用のホンシメジなどと間違えて食べてしまうことが多いきのこと
して厚生労働省もホームページに掲載しています。

 県は、きのこの種類を見分けるには、十分な知識と経験が必要だ
として野生のきのこを安易に食べないよう呼びかけています。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20171002/1040000275.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 本当に、野生のキノコなどを食べるのは危険です。キノコ類は店
で買って食べるものと考え、自分で採取したりしないでください。

 次はちょっと変な感じのする「健康食品」です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■新潟市お墨付き 塩分0%「みそ」3商品は“健幸”

 新潟市は、健康づくりに役立つ食品を認定する「健幸づくり応援
食品」に、塩分0%のみそ風味調味料など3商品=写真=を認定し
た。2016年度から開始した制度で、認定された商品は計6品と
なった。

 今回認定されたのは、石山味噌醤油(南区)が製造した塩分0%
のみそ風味調味料と、塩分1%と塩分2%のそれぞれ超低塩みその
3商品。食塩の含有量が低く、健康づくりに配慮されていることが
認められた。商品は認定マークを付けて販売される。

 石山味噌醤油の養田武郎常務は「新潟市のお墨付きをいただいた
ことで、多くの人に食べてもらいたい」と話している。

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20171004349827.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 塩分なしにどうやって味噌を作るのでしょうか。塩分0が「みそ
風調味料」で、1〜2%のものが「みそ」となっています。詳しく
知りたいです。

 最後はヨーロッパとのEPAで話題となっている「地理的表示」
の件です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■一般名称 例外求める 日本に「パルメザン」など GIで米酪
農団体

 日本とEUのEPAで、EUの地理的表示(GI)を保護する方
針の日本政府に対し、米国の酪農・乳製品団体が「パルメザンチー
ズ」などは一般化した名称だとして対象外にするよう求める書簡を
送った。GI保護でEUがチーズの名称使用を独占すれば、「健全
な貿易を制限しかねない」と懸念を示している。

 全米生乳生産者連盟(NMPF)など三つの酪農・乳製品団体が
9月28日、連名で斎藤健農相宛てに書簡を送った。

 農水省は、日欧EPAに基づき「ゴルゴンゾーラ」など、EUの
71農産品のGIを保護する方針。国内手続きと同様に異議申立期
間を設け、集まった意見や専門家による審査を踏まえ、保護するか
どうか最終判断する。

 保護が決まれば、EUの産地以外はGIを使えなくなることから、
米国の業界団体は、日本での販売が不利になるとの懸念を強めてい
る。

 今回の書簡では、特定の欧州産品を示さない一般化した名称は、
保護の対象外にするよう求めた。同省は、イタリアのチーズ「パル
ミジャーノ・レッジャーノ」とその翻訳の「パルメザン」を保護す
る方針だが、これに反発。「パルメザン」は日本で広く使われ、E
U以外の国でも生産される一般名称だと指摘している。

 米国の乳製品業界はこれまで、フェタ、ゴルゴンゾーラ、アジア
ーゴチーズも一般名称との認識を示しているが、今回の書簡では具
体的に触れてはいない。

 書簡に併せ、米国乳製品輸出協議会のビルサック会長は「EUの
提案を丸ごと受け入れれば、米国チーズ業者が日本での販売を不公
正に制限される」と訴えた。国際乳製品協会も「一般名称を使わせ
ず、米国の市場アクセスを阻もうとするEUの試みを拒否すべきだ」
と日本に求めた。

 日本の乳業メーカーでつくるチーズ公正取引協議会も、パルメザ
ンを対象外にするよう求めている。

https://www.agrinews.co.jp/p42068.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は「パルメザン」というのは単に粉チーズのことを插す、と
いう解説です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「PARMESAN」は粉チーズという意味なんですが、時に、イタリア
のチーズの王様、パルミジャーノ・レッジャーノと混同されている
ようです。でも両者は無関係です。なぜなら粉チーズでもその元は、
グラナ・パダノというチーズであったり、この英語の言葉を使うア
メリカなどでは、名も無い硬いチーズをおろして作る粉チーズを指
しています。

 これがパルメザンチーズ(チーズをおろして粉にしたチーズの意
味)です。もちろんパルミジャーノ・レッジャーノをおろして粉チ
ーズにすることもあります。でも、味は別格です。フルーツのよう
な甘い香りとうまみがありとてもおいしいです。(値段も高いので、
私が行ったカフェテリアでは使われていないと思います。それに美
味しくなかったので。)

 日本でも「パルメザン」や「PARMESAN」と表示があるものは、そ
れが、単に「粉チーズ」であることを意味するだけで、チーズの王
様、パルミジャーノ・レッジャーノから作られたという事ではあり
ません。(くれぐれもお間違いなく。)

 また、イタリアでよく粉チーズにして使われる、グラーナ・パダ
ーノとパルミジャーノ・レッジャーノは、よく似た形と大きさのチ
ーズですが、全然違います。またの機会に解説します。

http://www.cheesemarket.jp/quiz/15.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 アメリカや日本ではこの解釈で通りますが、EUは「パルメザン」
は「パルミジャーノ・レッジャーノ」を略した言い方だとしているよ
うです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今週は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「O157と野菜」
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 まだまだO157関連のニュースが続いています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■O157で40代男性死亡 前橋、感染経路は不明

 前橋市は3日、腸管出血性大腸菌O157に感染した市内の40
代男性が溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して死亡したと明ら
かにした。男性の周辺で他に感染者はおらず、感染経路は不明とし
ている。

 市によると、8月30日に血便などの症状を訴え医療機関で診察
を受けた。改善せず9月2日に入院し同5日にHUSを発症、悪化
して今月1日に死亡した。

 群馬、埼玉両県では系列総菜店のポテトサラダなどによるO15
7感染の集団食中毒が発生したが、男性は店の総菜を食べておらず、
検出された菌の遺伝子型も異なるため関係はないという。

http://www.sankei.com/life/news/171003/lif1710030017-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■保育施設でO157集団感染 1〜4歳の幼児含む19人

 佐賀県は1日、同県鳥栖市内の認可外保育施設で、1〜4歳の利
用者12人とその家族3人、職員4人の計19人が腸管出血性大腸
菌O(オー)157に感染したと発表した。4人が発症したが、い
ずれも快方に向かっているという。

 県健康増進課によると、9月24日、3歳男児に下痢や血便の症
状がみられ、翌日医療機関を受診。29日に感染が判明し、県に届
け出た。その後の検査で家族や保育施設の利用者の感染がわかった。
感染経路を調べている。

http://www.asahi.com/articles/ASKB25280KB2TIPE01M.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 O157は大腸菌です。牛の体内にいると言われていますが、実
際に食中毒の原因となるのは牛肉以外のものが多いようです。

 一つには肉は通常加熱して食べるため、生食さえしなければ、食
中毒を起こしにくいことがあります。生で食べることも多い野菜の
方が却って危険なんですね。

 という話をいつもの笈川さんが書いたものをいただきましたので、
紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■生鮮野菜は食中毒菌に汚染されている
(見た目は綺麗でも汚染されていることがある)

 「生鮮野菜は食中毒菌に汚染されている」の新聞記事があったら、
消費者の多くは「食中毒に汚染されていない、汚染されていたら、
もっと多くの食中毒が発生している」と反論されると思います。で
も、0.1%の汚染であっても、飲食店営業者にとっては極めて高い
と思います。昨年7月に静岡市の花火大会会場で露店商が販売した
「冷やしキュウリ」によるO157食中毒が発生したことは覚えてい
ても、その詳細は不明と思います。そこで、この食中毒の概要を説
明したうえで、生鮮野菜の対策を述べます。

□2014年7月 「冷やしキュウリ」によるO157食中毒

(平成27年3月19日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒
部会 配付資料3 安倍川花火大会で起きたO157食中毒について
(概要):静岡市保健所)

1.発生日(初発日) 2014年7月27日(日)

2.発生場所     静岡県静岡市花火大会会場

3.原因食品     26日に露店2店舗が販売した冷やしキュウリ 

4.販売数      約1000本(50本入り20箱使用)

5.病院物質     腸管出血性大腸菌O157(VT1,2産生)

6.患者数      510人

7.汚染原因     特定できず

8.冷やしキュウリが汚染された要因

1)原材料のキュウリの検収が不十分。その後の保管も食品専用で
はない車内で保管された。

2)キュウリの洗浄が不十分であった可能性が高く、殺菌工程もな
かった。

3)従事者の手指洗浄、器具の洗浄が不十分であった。

4)調理中は、車のスライドドアを開放し、野外と同等の衛生環境
下であった。

笈川)冷やしキュウリのO157汚染原因として

(1)原材料(キュウリ)の汚染

(2)器具類からの汚染

(3)従事者からの汚染

(4)調味中、調味後の汚染

が考えられますが、私自身は原材料のキュウリの汚染が一番高いと
考えます。

 キュウリの洗浄から調味作業に使用した水は市販のミネラルウォ
ーター240Lで行ったとされ、この量ではキュウリの洗浄は無理だ
と考えます。「検収が不十分」となっていますが、参考写真のとお
り、出荷用の箱に入ったキュウリは、見た目はとても綺麗であった
ので、水をこの量しか使わなかったものと思います。なお、仕入先
は2店であったとされています。

 キュウリのほとんどが支柱を立てての栽培であり、土壌が直接付
く可能性は低く見た目は綺麗です。しかし、平成22年の農林水産省
の調査結果で、キュウリの農薬の希釈に使われる水からは、683調
査点中100調査点から大腸菌が検出されていますので、栽培中にO15
7の汚染を受ける可能性を否定できません。

□参考事例:2000年頃 刻みネギが原因と推定された集団給食施設
でのO157食中毒

 調査報告書の原因食品では、〇〇となっています。(ネギが入っ
ていません)

調査担当者からの内輪話として

(1)原因食品に添えられた「刻みネギ」の可能性を否定できなか
った。

(2)原材料の長ネギが保存されていなかった。

(3)ネギの洗浄は、流水洗浄により処理され、次亜塩素酸ナトリ
ウム液は使われていなく、フードスライサーの洗浄も水洗いのみで
あった。他の野菜から汚染を受けた可能性も否定できない。

(4)ネギの出荷組合が管轄外(行政庁が異なり政令市と県)であ
ったが近かったので、農家の収穫洗浄方法を眺めに行った。

(5)収穫したネギは河川の綺麗な伏流水で洗浄していた。

(6)この河川の流域で、散発的に157の感染者が発生していた。

とのことでした。もちろん、原材料のネギがO157に汚染されても、
給食施設での洗浄消毒不十分は問われます。原材料の長ネギからO
157が検出されれば、ネギの出荷元の保健所へ調査依頼をします。

対策

 生鮮野菜は、生食肉に比べO157の汚染率は0.1%以下かもしれま
せんが、汚染されている可能性があり、現実に生鮮野菜によってO
157食中毒は発生しています。

 一見綺麗に見えてもO157に汚染されていることがあります。浅
漬けは漬物となっていますが、塩分が低く、十分な乳酸発酵しない
で流通しており、生鮮野菜に調味料(塩)を添えたものと思ってく
ださい。

 消毒方法ですが、厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュア
ル」で生鮮用野菜の消毒は

次亜塩素酸ナトリウム溶液(200mg/リットル(200ppm)で5分間又
は100mg/リットル(100ppm)で10分間)又はこれと同等の効果を有
する亜塩素酸水(きのこ類を除く。)、亜塩素酸ナトリウム溶液、
次亜塩素酸水並びに食品添加物として使用できる有機酸溶液

となっており、正式の見解はこのようになります。

 しかし、この数値は大変汚れた野菜で絶対に事故を発生させない
指針と考えますので、5分間あるいは10分間の間にかき混ぜること
により濃度を低くできるし、外側が滑らかなトマト、しっかりと巻
かれたキャベツの内部などは低くできます。大手の飲食店では検証
して次亜塩素酸ナトリウム濃度を低くしています。外側が滑らかで
はないキュウリ・果実のマスクメロン、長ネギは洗浄消毒に注意が
必要です。外側が滑らかでないイチゴは高価なためか栽培収穫に注
意されているようで事故が少ないように見えます。

おわりに

 昨年7月に静岡市の花火大会会場で発生したO157食中毒は、露店
商は今まで同じ方法で行っていて事故が起こらなく、初めてO157食
中毒が発生したものと思います。飲食店においても、今まで10年間
事故が起こらなかったから大丈夫と思って惰性的に消毒を行ってい
たら、翌日発生する可能性があります。生食用野菜の洗浄消毒は日
ごろからの注意が必要であり、綺麗に見えても手を抜かないでくだ
さい。

●生鮮野菜は食中毒菌に汚染されている パ−ト2

 今号は100号ですが、No.75「生鮮野菜は食中毒菌に汚染されてい
る」の続きです。9月13日に、前橋市保健所が腸管出血性大腸菌O15
7(以下O157)食中毒によって3歳女児が亡くなったという痛ましい
発表をしました。

 女児はDシャス(総菜店)で販売されたポテトサラダ以外の総菜
を食べていました。女児から検出されたO157遺伝子は、埼玉県、群
馬県のDシャスで販売されたポテトサラダ摂食者及び関東、北陸、
中部、関西の10を超える都県で検出されました。これだけ広範囲に
広がると、原材料(特に野菜)が原因しているものと考えます。そ
こで、昨年老人ホームで発生したO157食中毒の概要を説明したう
えで、私なりの推測をして対策を述べます。

□2016年8月に東京都、千葉県の老人ホーで発生したO157食中毒事


 千葉県と東京都同一系列の老人ホームでO157食中毒が発生し、10
人が亡くなりました。同じ給食会社が提供した同一の食事(きゅう
りのゆかり和え)が原因食品でした。厚生労働省が整理した事件概
要は次のとおりです。

千葉県
発生年月日:2016/8/25
原因施設:老人ホーム
原因食品:きゅうりのゆかり和え
病因物質:腸管出血性大腸菌O157
患者数:52
死亡者数:5
摂食者数:125
死亡者年齢:70歳〜

東京都
発生年月日:2016/8/27
原因施設:老人ホーム
原因食品:きゅうりのゆかり和え
病因物質:腸管出血性大腸菌O157
患者数:32
死亡者数:5
摂食者数:94
死亡者年齢:75歳〜

 千葉県及び東京都などの研究機関合同の調査報告では、次のとお
りになっています。

 千葉県と東京都の施設で提供されたきゅうりのゆかり和えが同一
クローン由来のEHEC O157菌株に汚染されていたことが明らかとな
った。しかし, きゅうりのゆかり和えの原材料がいずれの施設にお
いても保存されていなかったため, EHEC O157菌株の汚染源は明ら
かにはならなかった。

 千葉県の老人ホームには、きゅうりの空箱が残っていたとされま
すが、出荷者は公表されていません。

 同年9月16日付けの厚労省監視安全課長か都道部県等衛生主管部
局長あての通知では、「野菜を加熱せずに供する場合には、次亜塩
素酸ナトリウム等による殺菌を徹底するように指導」となっていま
す。つまり、「野菜は汚れている可能性があるので、洗浄消毒の徹
底を指導するように」です。

□2017年8月に発生したポテトサラダ等によるO157食中毒事件

概要

 北関東で店舗展開をする中堅スーパーの総菜部門Dシャス17店中
4店で販売されたポテトサラダなどが原因とするO157食中毒が発生
し、患者が25人、3歳の女児が死亡しました。

 4店の患者から検出されたO157遺伝子が一致しましました。死亡
した3歳女児の摂食品は「タケノコの炒め物、エビの炒め物、きん
ぴらゴボウ、天ぷら」でした。売場でのお客によるトングの使い回
しによる、ポトサラダからの二次汚染が疑われました。調理場内で
の二次汚染の可能性もあると思います。

所在地:群馬県前橋市
購入・摂食日:8月11日
患者数:11人
死亡:1人(3歳女児)
摂食品(原因食品):ポテトサラダ 自店加熱調理総菜等
*2:炒め物は自社工場から納品

所在地:群馬県伊勢崎市
購入・摂食日:不明(8月11日発症)
患者数:1人
死亡:
摂食品(原因食品):ポテトサラダ

所在地:埼玉県熊谷市2店
購入・摂食日:8月7〜8日
患者数:併せて13人
死亡:
*1:5歳女児が溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し、一時意識
不明の重態であった
摂食品(原因食品):ポテトサラダ

□O157の同一遺伝子の広がり

 ポテトサラダから検出されたO157の同一遺伝子が、関東、北陸、
中部、関西の10以上の都県の広範囲で検出されています。3歳女児
は東京在住で、群馬県への保護者の里帰りとされていますが、埼玉
県、群馬県以外の患者の多くは、旅行以外の原因が多いと思います。

□ポテトサラダの製造方法

 群馬県高崎市の総菜製造業で製造されたとされ、同社ではジャガ
イモ、ニンジンを加熱、潰し、それに、購入した野菜(カットされ
たキャベツ、玉ネギ、きゅうり)を混ぜてパックにして、Dシャス
及び同系列のスーパー併せて34店に出荷されています。私の見落と
しかもしれませんが、おそらく野菜は未加熱と思います。

 保存されていた出荷品(8月5日から7日)の一部(50g)を、高
崎市保健所の検査したところO157は不検出でした。1日の出荷量が
100kg程度あったと思われ、出荷量に比べ保存量が少なかったと思
います。

 私が統計をまとめたのではないですが、O157食中毒で原因食品
が生鮮野菜の場合「キャベツ、玉ネギ、きゅうり」が大変多いとさ
れています。

□食中毒の原因施設はDシャス各店

 Dシャスの各店において、ポテトサラダのパックを切りハム、ト
マトなどを加えて販売していました。食品衛生法では、安全な食品
を提供しなければならないことになっていますので、今回の場合、
食中毒の原因施設はDシャスの各店となります。もちろん、未開封
のパックのまま食中毒が発生した場合は、最終的にパックした製造
者になります。

 未開封品からO157が検出されれば、ポテトサラダ製造者へ損害
賠償を求めることができると思います。

□汚染の原因の推定

 広範囲に同一遺伝子が検出されていますので、野菜がO157に汚
染されていたものと推定します。ポテトサラダ製造工場で混ぜた野
菜のほんの一部がO157に汚染されていと思います。なお、、野菜
のカットは食品衛生法の許可業種ではなくて、保健所で全施設は把
握していません。そのため、不衛生な場所で行われている場合があ
り、購入者が仕入品の衛生状態を確認する必要があります。

 死亡した3歳女児はポテトサラダを食べてないので、売場でのお
客によるトングの使い回しによるポテトサラダからの二次汚染が疑
われますが、調理場内での調理器具等に寄る二次汚染の可能性もあ
ります。

□飲食店の対策

 「生鮮野菜はきれいに見えても汚染されている」ことと従事者に
徹底して、洗浄消毒をしてください。汚染防止のために、生鮮野菜
の洗浄消毒は専用流しを使ってください。専用流しがない場合には、
一番始めに行い、調理器具、流しを洗浄消毒後に次の調理を始める
方法もあります。

 3種類(キャベツ、玉ネギ、きゅうり)の野菜で、多くの食中毒
が発生しています。カット野菜を仕入れているから、仕入業者に任
しているという考え方もありますが、食中毒が発生したら、お客に
安全な食品を提供しなかったとされ、自店の責任となります。仕入
品の衛生状態を確認し、再洗浄する対策などを考えておく必要があ
ります。

 2018年に食品衛生法が改正され、食品関連施設のHACCPが制
度として加わるとされています。HACCP委員会設置の場合には、
必ず仕入部門の担当者を加えてください。

 今回の場合、3歳女児が亡くなり大変痛ましいですが、5歳女児が
HUSを発症し、一時意識不明の重態になっていますので、腎臓に
後遺症が残り、運動制限などになっていないか心配です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 件のポテトサラダは「キャベツ、玉ネギ、きゅうり」を未加熱で
混ぜていたようです。

 私もポテトサラダと効いて、生のキュウリが入っていたのでは?
と考えていましたが、当たっていたようです。

 野菜は後に加熱工程がないのであれば、徹底して洗浄殺菌する、
ということをぜひ実行してもらいたいと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今回は体調不良ということもあり、やや手抜きモードです。笈川
さん、ありがとうございました。

 突然、二晩続けてじんましんが出まして、どうにも困りました。
市販の「抗ヒスタミン薬」を買ってきて飲むと、何とか止まりまし
た。元々、私は市販の薬でもよく効く体質ではあります。抗ガン剤
との併用は?ということはとりあえず無視しています。

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