安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>914号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------914号--2017.05.28------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「酒の安売り規制」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 まずはいつものとおり、食中毒事件から。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■6人食中毒、焼き鳥食べ カンピロバクター検出、飲食店を処分
/所沢

 県は19日、所沢市緑町の飲食店「トリトコ」で飲食した男性6
人が発熱や下痢、腹痛を発症し、そのうち3人から食中毒の原因と
なるカンピロバクターが検出されたと発表した。県狭山保健所は同
店で調理、提供されたメニューが原因と断定し、同店を営業する
「TKONOWA」に対し、同日から3日間、トリトコを営業停止
処分にした。

 県食品安全課によると、15日、飲食した男性6人のうちの1人
から「8日に同店を利用したところ、11日に3人が発熱、下痢、
腹痛を発症し、12日に病院を受診した」と同保健所に届け出があ
った。6人は焼き鳥、とりのたたきなどを食べた。

http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/05/20/03_.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「とりのたたき」が原因なんでしょうね。鶏肉を生で食べるとい
うのはいけません。

 次は外国ですが、ボツリヌス中毒で死者が出たというニュースで
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■チーズソースでボツリヌス中毒 1人死亡、9人入院 米加州

 米カリフォルニア州サクラメント郊外にあるガソリンスタンドで、
チーズソースを原因とするボツリヌス食中毒が発生し、1人が死亡、
9人が入院したことが24日までにわかった。地元当局が明らかに
した。

 カリフォルニア州公衆衛生局の発表によると、問題のナチョチー
ズソースから、病原菌の毒素の陽性反応が出た。同局が検査した患
者からも、同じ毒素が検出された。

 原因となったソースは5日に販売を中止したという。

 米疾病対策センター(CDC)によると、ボツリヌス菌による食
中毒は、視界のかすみ、まぶたの下垂、言葉のもつれ、まひなどの
症状を伴い、3〜5%の確率で死に至る。

 CNN系列局のKTXLによると、4月21日に問題のチーズソ
ースを食べて病院に運ばれた女性は、ろれつが回らないなどの症状
が出て、3週間以上、集中治療室に入院した。

 問題のガソリンスタンドは5日に調理済み食品の販売停止を命じ
られ、州当局がチーズソース4袋を押収。8日から包装済み食品に
限って販売を再開した。

https://www.cnn.co.jp/usa/35101642.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「ナチョチーズソース」とは聞き慣れませんが、アメリカではポ
ピュラーなものだそうです。ネットで調べると、オレンジ色のどろ
っとした感じのものです。

 この記事からは、どのように作られたものかはわかりませんが、
チーズの加工品にもそれなりのリスクはあるということのようです。

 次は食べ物ではありませんが、ちょっと怖いニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■マダニ感染死は「公務災害」宮崎市職員、草刈り中にかまれる

 宮崎市の嘱託職員の60代男性が昨年、市有地の草刈り中にマダ
ニにかまれてウイルス感染して死亡し、公務災害と認定されたこと
が26日、分かった。遺族には一時金計2200万円などが支払わ
れる。

 市によると、男性は昨年9月、市有地で草刈りした後、腰痛や発
熱の症状が出た。10月に入院先の病院で死亡し、マダニが媒介す
るウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」と診
断された。

 右足首にマダニにかまれた痕があり、症状が出た時期などから草
刈り業務中にかまれたと推測され、市が今月15日付で公務災害と
認定した。

http://www.sankei.com/west/news/170526/wst1705260054-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ダニにかまれただけで死ぬこともあるのですね。国立感染症研究
所のサイトに「マダニ対策」が掲載されています。図入りで詳細な
注意がわかりやすく書かれていますので、ぜひ見ておいてください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

マダニ対策、今できること

内容

マダニの生息場所
マダニから身を守る服装
マダニから身を守る方法
忌避剤の効果
参考資料
マダニの分類とマダニ媒介感染症
マダニ媒介SFTSとは
マダニの生活環

https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/2287-ent/3964-madanitaisaku.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後はまたまた「輸入枠」の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■ヨーグルト消費増で「脱脂粉乳」の輸入枠拡大へ

 健康志向の高まりでヨーグルトの消費が増え、原料となる「脱脂
粉乳」が今後、足りなくなるおそれがあるとして、農林水産省は今
年度の「脱脂粉乳」の輸入枠を2倍以上増やし、3万4000トン
に拡大する方針を固めました。

 ヨーグルトや乳性飲料の原料となる「脱脂粉乳」は国内での生産
量が減っていて、農林水産省はメーカーなどの需要に対応するため
今年度、国による輸入枠を年間1万3000トンとしていました。

 しかし、健康志向の高まりでヨーグルトの消費が増える中、各メ
ーカーが脂肪を減らすなどとうたった機能性の新商品を相次いで投
入していて、今後、原料の脱脂粉乳が足りなくなるおそれが出てい
ます。

 このため農林水産省は、国による脱脂粉乳の輸入枠を2万100
0トン増やし、今の2.6倍に当たる3万4000トンに拡大する
方針を固めました。

 生乳が基となる乳製品では、脱脂粉乳のほかバターもここ数年、
不足する事態が相次いでいて、酪農家の担い手不足などで生乳の生
産量が年々減っていく中、国内の生産だけでは需要に対応できない
状況が深刻化しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170525/k10010993971000.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 商売人にまかせておけばよさそうなことを、お役人が決めると、
いつも困ったことが起ります。自由化しろよ、と思うのは私だけで
はないと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「酒の安売り規制」
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 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■スーパーで缶ビール値上がり 安売り規制強化で奨励金抑制

 スーパーでまとめ売りされる缶ビールの一部が値上がりしている。
6月に国税庁が「安売り規制」を強化するのに伴い、メーカーや卸
売会社がスーパーに支払う販売奨励金(リベート)を抑制し、値引
きの原資が減ったためだ。政府が規制を強める真意は小さな酒屋の
保護にあるが、家計には負担となりそうだ。

 データ分析会社「カスタマー・コミュニケーションズ」(東京都
港区)が全国のスーパーで売られている350ミリリットル6本セ
ットについて調べたところ、4月の店頭平均価格はアサヒビールの
「スーパードライ」が1031円、キリンビールの「一番搾り」が
1033円と、昨年12月と比べてそれぞれ30円ほど上昇してい
た。

 スーパーは缶ビールを集客のために安売りしてきた経緯があり、
メーカー側も大量に販売する店にリベートで報いてきた。その陰で
小さな酒屋が廃業に追い込まれているのを問題視した国税庁は、6
月施行の改正酒類業組合法などを根拠に過度の安売りを厳しく取り
締まる方針だ。

 アサヒは法改正の前からリベートに関する見直しを進めている。
キリンは1月に社内ガイドラインを変更、他の大手メーカーも追随
するとみられる。節約志向を強める消費者は値上げしても買ってく
れるのか、スーパーにとって悩ましい夏となる。

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170519/bsd1705190500012-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 そういえば、私の家に来る酒量販店の折り込みチラシにも、「6
月から値上がりします!」ということが書いてありました。

 以下は具体的にどのようなことが起るのかという解説です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■6月から酒類安売り規制強化、改正酒税法について

□はじめに

 日経新聞電子版は6月1日から施行される改正酒税法と酒類業組
合法によってビール類の店頭価格が軒並み値上がりしている旨報じ
ました。酒類については安売り規制の強化で独禁法の不当廉売より
も厳しい規制のもとに置かれることになります。今回は改正法のポ
イントと独禁法との違いを見ていきます。

□事案の概要

 日経新聞によりますとこれまでスーパーで1000円以下で販売
もされていたビールの6缶パックが1200円程度にまで上がる可
能性があるとのことです。

 ビールや発泡酒はスーパーでの集客の目玉商品として日常的に安
売りがなされてきました。その背景にはメーカーがスーパーや量販
店に支払うリベートがありました。

 メーカーにとっては少しでも多くのビール類を販売してもらい、
またスーパーもそれによって安売りが可能となり集客に利用できて
いたということです。

 各メーカーでは今年6月1日からの改正法の施行に先立ってリベ
ート支払の削減に乗り出していました。

 改正法では原価を割る販売がなされた場合、国税庁は行政指導が
行えるようになり、最悪酒販免許の取消等につながるようになりま
す。

 不当な安売りに対してはこれまでも独禁法による規制がなされて
きましたが、改正酒税法のそれは独禁法よりも厳格なものとなって
おります。

□改正のポイント

 昨年6月3日に公布された改正酒税法と改正酒類業組合法のポイ
ントは大きく分けて酒類の公正な取引基準の策定と酒類販売管理研
修の義務化が挙げられます。

 具体的にはまず

(1)財務大臣による「公正な取引の基準」の策定・公示、

(2)基準を遵守しない業者への行政指導と行政処分、

(3)国税庁による質問検査権の拡充、

(4)公正取引委員会との連携強化

となっております。以下それぞれについて見ていきます。

(1)公正な取引の基準

 公正な取引の基準とは次の通りです。酒類業者は「正当な理由」
なく、酒類を総販売原価を下回る価格で「継続して販売する」取引
であって、かつ自己又は他の酒類業者の酒類事業に相当程度の影響
を及ぼすおそれがある取引を行ってはならない。

 総販売原価とは現行法では仕入れ値に運送費を含めたものとなっ
ておりますが、6月1日からはそれに人件費等を加えたものとなり
ます。

 メーカーからのリベートが削減されればその分仕入れ値が増加す
ることになります。

(2)正当な理由

 ここに言う正当な理由とは、国税庁の指針によりますと、季節限
定商品でその期間が過ぎたものや、ラベルに汚損がある等の理由で
通常の価格で販売することが困難であると認められる場合を言うと
しています。

 期間限定商品の在庫処分や見切り品としての処分、また傷物や半
端物といった訳あり商品の処分などは原価割れしていても問題はな
いということです。

(3)継続して販売

 継続して販売するとは、相当期間に渡って繰り返して販売するこ
とをいい、例えば、毎週、毎月、週末や特定の日等に限って銘柄等
を買えて販売する場合であってもこれに該当するとしています。

 回数、頻度が低くても繰り返し行えば基準に抵触するということ
です。1回限りであれば該当しないと言えます。

□独禁法との比較

 独禁法の不当廉売(2条9項3号)では「供給に要する費用を著
しく下回る対価」で継続して供給した場合に該当することになりま
す。具体的には商品を供給しなければ発生しない費用、すなわち
「可変的性質を持つ費用」を言います。

 この可変的性質を持つ費用とは、人件費や不動産の地代といった
常に生じる固定費とは違い、製品を供給しなければ発生せず、また
供給量に比例して増えるものをいいます。

 つまり製造原価や仕入れ原価、運送費は該当することになります。
人件費等も含める酒税法に比較すると要件は緩やかと言えます。

□コメント

 酒税は国の税収上重要な位置を占めていることから酒類の公正な
取引を図り、適切な税収を確保することが今回の法改正の趣旨とな
っております。

 そして一般的にはその販売に要する費用に利潤を加えたものが適
正な販売価格であるとしています。

 その観点から人件費も含めた総販売原価を下回る販売は不当とさ
れるようになりました。しかしビール類を集客材料と割り切って利
潤を削ってきた小売店からは厳しすぎる規制との声が上がっており
ます。

 また人件費を店全体で管理していることから、酒類だけを抜き出
して人件費を計算することは困難であり価格設定ができないとの声
も上がっております。

 施行後はスーパーや小売店は、これまでの独禁法や景表法、不正
競争防止法に加えて、酒税法上の価格設定にまで注意を要すること
になります。

 どの範囲までがどの法律に触れるのかを正確に把握し周知するこ
とが重要と言えるでしょう。

https://goo.gl/1f2Rma
(https://www.corporate-legal.jp/)
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 酒税はメーカーが払うものなので、小売りに関してはどのように
売ろうと酒税収入に関係ないはずですが、昔から国税庁は酒屋の出
店を規制してきました。

 その意図としては販売店の規制で値崩れを防ぎ、メーカーを保護
しようということだったと思われます。

 しかしその規制も徐々に緩和され、今ではある程度の規模の店な
ら酒の販売が可能になっています。

 特にビールなどでは、メーカーの出荷価格を高くしておいて、販
売量に応じたリベートを出す、という特殊な商習慣が続いてきまし
た。

 この始まりは、国税庁がメーカー出荷価格にまで口出しをしてき
たせいだと思いますが、その結果としてますます零細酒店はやって
いけなくなりつつあります。

 以下はこの制度の問題点を整理したサイトです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■酒の安売り規制法案成立へ:賛成ですか?反対ですか?

□問題の背景

 酒の過剰な安売りを規制する酒税法などの改正案が、今国会で成
立する見通しとなりました。

 皆様は、この法案に賛成ですか?反対ですか?

 始めに、問題の背景を見てみましょう。

 従来、既存の一般酒店は「距離基準」「人口基準」のように、手
厚く保護されてきました。

□酒販売の規制緩和の経緯・流れ
出典 mjdsk.jp  2015/07/25

・2001年に「距離基準」が廃止される。

←距離基準とは、酒販売店の間には一定の距離を置かなければなら
ないという規制のこと。距離基準があると、既存の酒店の周りには
新規出店出来なくなります。今でも、タバコ販売については距離基
準の規制が残っています。

・2003年に「人口基準」が廃止される。

←人口基準とは、地域の人口に応じて酒販売の免許枠(数)を制限
する規制のこと。距離基準と同様、新規出店を妨げて既存の酒店を
保護することが目的でした。

・2006年に「緊急調整地域」が廃止され、完全自由化される。

←「緊急調整地域」とは、酒の過剰供給がなされている地域のこと
で、この地域については新規出店が規制されていました。この規制
が無くなることで、酒の販売は完全自由化されることになります。

 さて、規制緩和の結果、一般酒販店の小売数量は約92%(1985年)
から約15%(2013年)へ激減してしまったのです。

□中小酒店保護は嘘っぱち!? 酒税法改正案は誰のためのもなのか

出典 東京Breaking News 2015年04月16日

 こうした酒免許の規制緩和によって、各業態の小売数量(シェア)
がどのように推移したかというと、次のようになる。

【酒屋(一般酒販店)の小売数量推移】

・85年 約92%

[内訳]
一般酒販店=92.6%
コンビニ=4.3%
スーパー=0.7%
百貨店=1.0%
その他1.4%

・90年 約83%

(コンビニのシェアが10%を超える)

・95年 約66%

(スーパーのシェアが14%を超える)

・01年〜05年 規制緩和による酒の自由化

・05年 約27%

(スーパーのシェアが約30%となり、約12%のシェアを持つ量販店
という業態が出現)

・ 13年(現在) 約15%

[内訳]
一般酒販店=14.8%
コンビニ=11.1%
スーパー=37.5%
百貨店=0.7%
量販店=13.0%
業務用卸主体店=9.8%
ホームセンター・ドラッグストア=8.1%
その他5.0%

参考資料 『酒類小売業者の概況』平成21年度〜25年度分

 さて、小売数量(シェア)の減少とともに、一般の酒販店数は約
5万5千店とこの20年で半分近くにまで減少してしまいました。
そこで、自民党は、一般酒販店の急減は地域経済に与える影響が大
きく円滑な酒税徴収にも支障が生じる恐れがあるとして、酒販店側
の要請を受けて、法規制として導入することにしたというのです。

■酒の安売り規制法案成立に賛成側の意見

□始めに「酒税の税収確保が阻害される恐れがある」というのです。

猛反発「酒激安規制」の四面楚歌 自民「誤解」火消しに懸命
出典 産経ニュース 2015.5.11

 国税庁は18年に酒類に関する取引指針を定めたが、法的拘束力
はない。また、採算を無視した不当な安売りは、公取の独占禁止法
で禁止されているが、可能な処分は注意喚起、警告、排除措置命令
までで「別の法律の免許を取り消すような罰則もなかった」(公取
担当者)といい、効果は疑問視されていた。

 実際、公取が平成25年度に不当廉売として注意喚起した136
6件中、酒類は847件と62%を占め群を抜いて多い。放置すれ
ば、街の酒屋や卸売業者の経営が圧迫され、「酒税の税収確保が阻
害される恐れがある」というのが自民党の大義名分だ。

□また、法案の目的は、大型店の販売価格に口を出し小規模な酒販
店を保護するようなものではなく、「原価割れの安売り」だとする
論点もあります。

猛反発「酒激安規制」の四面楚歌 自民「誤解」火消しに懸命
出典 産経ニュース 2015.5.11

 ある自民党議員は「勘違いされているんだよ。原価割れのような
違法行為を取り締まるのであって、安い原価で仕入れて安く売るこ
と自体は問題ない」と猛反発の火消しに躍起だ。

 例えば、客寄せパンダ商品といわれる商品がある。消費者の関心
が高いビールなどを原価よりも安い販売価格に設定して客引きに使
う。ビールでは損が出るが、他の商品を買ってもらえば、全体の利
益自体は確保できるという慣行だ。これでは一般の酒販店と公正な
競争環境にはならない。

 また、特売のために原価をできるだけ抑えようと、中小の卸売業
者に取引維持をちらつかせ「卸売業者が原価割れで大規模小売店に
酒を卸す事例もある」(国税庁)という。

 自民党は法案で取り締まろうとしているのは、こうした明らかに
不適切な行為だ。逆に大型店が大量仕入れでコストを抑え、低価格
で酒を販売する手法は何ら問題がないのだ。

□また、今回の法案の最大の目的は「WHO(世界保健機関)の勧告
に基づきアルコールが原因の健康障害を予防すること」とする論点
もあるのです。

出典 テレビ朝日 そもそも総研 放送日2015/06/11

 街の声を踏まえて、玉川さんは「街の酒屋さんを守る国会議員の
会」会長の自民党・田中和徳衆院議員にお話を伺いました。田中議
員によれば、今回の法案の最大の目的は「WHO(世界保健機関)の
勧告に基づき、“アルコールが原因の健康障害”を予防すること」
なのだそうです。

 実際、日本では飲酒による死亡者は34,988人(2008年)で、総死
亡の3.1%を占めており、その社会的費用は4兆1483億円と推定され
ているのです。

出典 ウィキペディア アルコール乱用

 日本においては、飲酒による死亡者は34,988人(2008年)で、総
死亡の3.1%を占めており、その社会的費用は4兆1483億円と推定さ
れている(2008年)。

 アルコール依存者は80万人と推定されているが、うちその95%が
未治療のままであった。

・多量飲酒者 857万人
・アルコール依存者とその予備軍 440万人
・治療が必要なアルコール依存者 80万人
(うち、治療につながった患者は5%)

■酒の安売り規制法案成立に反対側の意見

□初めに、「酒屋が急減すると、酒税の円滑な徴収が阻害される」
ことはありえないとする意見を紹介します。

酒の安売り規制、自民法案準備 「まちの酒店」働きかけ
出典 朝日新聞2015年4月24日

 今回の規制案は、目的に「酒税の保全」を掲げる。「まちの酒店」
の経営が傾くと、メーカーからの税の徴収が難しくなるというのだ。
酒税の税収は13年度までの20年間で3分の2ほどに減った。

 だが、その主な原因は、酒店の経営難や店頭価格の低下ではなく、
高齢化やアルコール離れで消費量が減ったことだ。酒税は酒の種類
と販売数量に応じて税額が決まる。ビールなら350ミリリットル
あたり77円。店頭での価格には左右されない。

 また、価格競争から守ることが街の酒販店の育成や存続につなが
るかどうかも疑問だとするのが、東京新聞です。

酒安売り規制 晩酌の楽しみに影が…
出典 東京新聞 社説2015年4月25日 

 そもそも安売り規制を強化したところで街の酒屋救済につながる
のかという根本問題もある。大量仕入れするディスカウント店やス
ーパー、ネット通販などは確かに価格は安いが、消費者の支持理由
はそれだけではない。

 購買行動が大きく変化しているのである。酒屋で買うより、量販
店でほかの買い物と一緒に求めたり、深夜でも買えるコンビニ利用
が増えた。安売りを禁じても、量販店の豊富な品ぞろえやコンビニ
の二十四時間営業の便利さに対抗できるかだ。結局は消費者をつか
む創意工夫次第ではないか。

□また、“アルコールが原因の健康障害”を予防すること」ならば、
国税庁に取り締まりをさせるのか理解に苦しむという意見もありま
す。

出典 テレビ朝日 そもそも総研 放送日2015/06/11

 “国民の健康維持”は厚生労働省の管轄なのに、なぜ国税庁に取
り締まりをさせるのか? また、国民の健康を守るのが目的ならば
“安売り規制”ではなく“酒税アップ”などでも対応できるのでは
ないか?」というものでした。

□一方、莫大な販売奨励金を注ぎ込む必要がなくなり、収益力が飛
躍的に向上するビール会社から利益の一部を自民党に献金させると
共に、延命策を施す酒屋の組合からもタップリ吸い上げる二兎作戦
だと考える見方もあります。

弱者の味方は大ウソ!? 法改正で“酒の安売り禁止”の本当の狙い
出典 週刊実話 2015年05月10日

 なぜ酒の安売りを規制するのか。自民党の野田毅税調会長は法案
提出の方針を承認したことを受け、「安売り競争で小売酒販店が廃
業に追い込まれていくという悲惨な状況が続いてきた。何でもあり
は見直さないといけない」と強調した。

 まるで町の酒屋さんの利益代表を買って出た図式だが、「本当の
狙いは別では」と量販店関係者は指摘する。

 採算を度外視したような安売り競争がなくなれば、ビール会社は
莫大な販売奨励金を注ぎ込む必要がなくなり、収益力が飛躍的に向
上する。だからこそ「利益の一部を自民党に献金させる魂胆ではな
いか。むろん、延命策を施す酒屋の組合からもタップリ吸い上げる
二兎作戦」と疑っているのだ。

□「自民党も票集めのため業界を使おうとしているようにみえる」
との批判もあります。

酒の安売り規制、自民法案準備 「まちの酒店」働きかけ
出典 朝日新聞2015年4月24日

 規制を強く求めたのは、中小の酒店でつくる政治団体「全国小売
酒販政治連盟」(酒政連)だ。水口尚人政策部長は「公正な取引の
土壌が整って、初めて店の創意工夫が生きる」という。採算を無視
した不当な安売りは独占禁止法が禁じているが、「公正取引委員会
の注意にも是正しない業者が多い」との声がある。(中略)

 酒政連の資金力は落ちたが、政権交代後の13年から政治家への
働きかけを再び強める。酒政連と同大阪府支部の13年の政治資金
収支報告書によると、自民党の議連「街の酒屋さんを守る国会議員
の会」会長の田中和徳衆院議員が代表の自民党支部に計20万円、
事務局次長の有村治子女性活躍相の後援会に10万円を献金した。
(中略)

 青山学院大の三木義一教授(税法)は「工夫を怠り免許で守られ
ようとする発想が、業界の改革を遅らせた。自民党も票集めのため
業界を使おうとしているようにみえる」と批判する。(青山直篤)

□ダイレクトに「来年の参院選をにらんだ業界対策で大義名分は後
付け」と批判する向きもあります。

猛反発「酒激安規制」の四面楚歌 自民「誤解」火消しに懸命
出典 産経ニュース 2015.5.11

 これに対し、消費者や大手販売店からだけでなく、酒類大手メー
カーからも「販売数量減につながる危険もある」と警戒する意見も
出ている。もともと法案が中小の酒販店でつくる政治団体「全国小
売酒販政治連盟」が自民党に働きかけた。酒販店の経営者は地元の
名士であることが多く、自民党の支持母体でもあるだけに「来年の
参院選をにらんだ業界対策で、大義名分は後付け」(関係者)と指
摘する向きもある。


 以上、今回は酒の安売り規制法案成立に賛成と反対の意見を検証
しました。

http://debatekk.net/quick_selfdebate/sake_discount_banned/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 問題点がよく整理されていますが、私の印象は自民党が先祖帰り
しているな、というものです。今どき、零細酒店を保護することに
政治的な意味があるとは思えません。それでもやってしまうのは、
ノスタルジーというものでしょう。

 税収の面から見ても、国税庁が安売り規制をしても税収を上げる
効果があるとは思えません。税金はメーカーからとるのですから、
税収を上げるためには、流通段階では自由競争にまかせ、価格低下
→消費量増加→税収増とした方がよいはずです。

 かつて酒税は税収の半分近くもあり、国家を支える大黒柱でした。
しかし現在では税収のうち、酒税の占める割合は1〜2%だそうで
す。

 それを考えると、酒税の税収増をはかるというのもあまり意味は
なさそうです。

 たばこ税と共に、収入源としてではなく、消費量のコントロール
手段として考えた方がよいのではないでしょうか?

--〔後記〕--------------------------------------------------

 このところ酒をほとんど飲まない生活をしているので、禁煙に続
いて禁酒推薦モードになっています。元気が復活してくるとそんな
話は忘れてしまったりしそうですが。

 そのガン治療中の医療費の話ですが、一カ月に抗ガン剤の費用だ
けで40万円くらいかかっています。保険の三割負担で12万円程
度、さらに最高限度額というのがあって、結局支払うのは4〜5万
円です。日本の医療保険制度に感謝ですね。

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