安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>91号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------91号--2001.08.05------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「着色料・蜂蜜(Q&A)」「スターリンク」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回の話題に対して、以下のようなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 かつて食品製造と品質管理の現場にもいた者からですが、タレと
かレトルトの製品を作る時についてでも原料はほとんど工場に着い
てすぐ、大型冷蔵庫に入れられ新鮮なうちに使われていました。

 そうしなければ、食品の持つ水分含量や風味が落ちるからです。
それは乾燥粉末でもそうです。

 製品は全てチェックされてから使用されます。そして、工場で作
る製品は綿密にスケジュールが立てられ、製造釜がぶつかったりし
てちゃんとした清浄が行われなかったりしないような管理がされて
いました。

 サンプルを試作するときは0.01グラム添加などと言う世界ですか
ら、わずかな風味の違いや原料の産地の違いが大きなタンクで量産
された場合には、とんでもないくらい大きな誤差になってくるんで
す。

 これはまじめな会社だったからかもしれませんが。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は私からの返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 私は作る方ではなく、仕入れる方でしたが、きちんとした会社の
方が多いことはよく知っています。

 ただ、とんでもないところもまた、たくさんあるのです。だんだ
んと淘汰されてはきているようですが、大企業でも、良くないとこ
ろはまだあるようです。

 いい加減な態度で作っている会社を淘汰していくのは、消費者の
選択だ、と思うのですが、肝心の消費者の眼が、商品そのものでは
なくて、余分な情報(添加物、環境ホルモン、遺伝子組換え・・)
の方に行ってしまって、口先だけで商売している会社に甘くなって
しまっているのが問題だと思っています。

 またいろいろと教えてください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 お便り、お待ちしています。話題は何でもOKですので、メール
マガジン発行者に愛の手を!

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.妊娠7ヶ月の妊婦です。初期の頃ツワリがあり自分で料理など
が出来なくコンビニのお弁当を利用していました。毎日3食利用し
ていたわけではないのですが1週間に2回ぐらいの割合で3週間ほ
ど食べていたと思います。よく食べていたのは冷やし中華と梅オニ
ギリです。今になって添加物の事が気になり表示を見に言ったら、
「赤色102」と「黄色5」と書かれていました。妊娠初期のこれ
らの着色料の摂取で胎児に影響が出るのではないかと不安です。検
診では今のところ順調といわれていますが・・・・。どのくらい取
ると影響が出るのでしょうか?教えてください、お願いします。
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A.食品添加物というのは、食品に添加しても大丈夫だろう、とい
うことで許可されたものです。この場合、消費者はいろんな食品添
加物を毎日、摂取するだろう、ということが予想されますので、実
はかなり厳しい基準になっています。

 それに対して、薬品の類は生理的に活性のある物質を使うわけで
すし、医師の処方によるコントロールが期待できることからしても、
安全性には比較的寛容です。

 一般に、危険度としては、

  医薬品>農薬>食品添加物

と思って良いでしょう。

 少なくとも、妊娠中の人が普通に摂取したくらいで、胎児に影響
が出るような、強烈な毒性のものが食品添加物として許可されてい
る、ということはないと思います。

 かつて、怪しいものがあったりしたのは事実ですので、絶対安全、
といえるわけではありませんが、現実的には問題がおこる可能性は
ありません。

 ということで、まず心配はないと思います。安心して出産までの
期間を過ごしてください。

 ただ、食べる、ということは何かしらの危険性を伴うことです。
これは別に食品添加物のことを言っているのではなく、食べ物自体
が決して人間に安全、ということではない、ということです。

 よく「○○は身体に良い」などいう話がテレビや雑誌などで流さ
れています。それはそれで嘘ではないのでしょうが、食べ物という
のは、同時に「身体に悪い」成分も持っているのが普通です。

 アメリカでは、今、妊娠中の人は魚を食べすぎないように、とい
う勧告が出されているそうです。何でも水銀汚染を心配していると
か。

 食べ物には一番気をつかう時期です。食品添加物も心配でしょう
が、それにばかり気をとられないようにしたいですね。

(この質問の人のメールアドレスが間違っていました。ここに掲載
しますが、見ていてくれていますか?)
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Q.ポリ容器入り蜂蜜が固まったのを液状に戻す為に直射日光を長
時間当ててしまったのですが、使用に差し支えはないでしょうか?
(賞味期限は2002年)一見したところでは異常はないようです
が、色がかなり濃くなっています。

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A.蜂蜜の結晶をとかすには、湯せんするのが良いのですが、直射
日光はちょっと乱暴でしたね。

 蜂蜜の品質の指標に、「HMF(ヒドロキシメチルフルフラール)」
というものの量をはかるのですが、これは混ぜ物をしたり、保存状
態が悪いと多くなってきます。

 色が濃くなる、というのは一種の変質作用なので、同時にHMF
も増えているでしょうね。

 別に少しくらいで害になる、というわけではありませんが、商品
として売るのはもう無理な状態だと思います。

 早めに使ってしまうか、おきらめるか、ちょっと悩むところです。
捨てるのはもったいないとおもうのですが・・。

(蛇足)

 昔は固まらない蜂蜜は混ぜ物がしてある、とよく言われました。
砂糖や水飴を使ったものは確かに固まりません。

 蜂蜜が固まるのは、結晶するからで、結晶の「芯」になるものが
あると、結晶しやすくなります。

 最近ではちゃんとしたものは不純物をかなりのレベルで取り除く
ようになりましたので、純粋蜂蜜でも、あまり固まらなくなりまし
た。

 不純物で一番多いのは、花粉なんですが、ドラム缶で輸入された
蜂蜜では、瓶詰めの際、最後の方ではどうしても不純物が多くなっ
て、固まりやすいものができてしまう、ということもありました。

 ご使用のものも、ちょっと不純物が多すぎかもしれませんね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「スターリンク」
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 スターリンクというのは、例の「遺伝子組換え」のトウモロコシ
の品種の名前ですが、こういうお便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 アメリカ食品衛生局の調査で、とうもろこしのスターリンクの有
害性を認める調査結果を報道しました。アレルギー原になりうるス
ターリンクは、パンや菓子に混入の余地があります。日本はいった
いどうなっているのでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------


 スターリンクはどうも食用としては許可にならないようですね。

 フランスの会社が開発したものなので、アメリカが妨害に出てい
る、という噂もありますが、それはまあ冗談でしょう。

 スターリンクで導入された遺伝子が産出するたんぱく質が、アレ
ルギーの原因になる可能性が否定できない、というのが根拠です。

ここで

(1)とうもろこしは元々、アレルギーの原因となるたんぱく質を
持っています。

(2)スターリンクも同じたんぱく質を持っていますので、とうも
ろこしアレルギーの人に対しては、同じようにアレルギーの原因と
なりま
す。

(3)しかし、このたんぱく質が不許可になった原因ではありませ
ん。

(4)スターリンクで新たに追加された遺伝子が作るたんぱく質が、
アレルギーの原因になり得るか、どうかの審査で、たんぱく質の性
質などから類推して、アレルギーの原因になり得る、と判断された、
ということのようです。

(5)実際にアレルギーが起こる、という証拠はありません。起こ
るかも知れない、ということです。

(6)混入については、今後も起こる可能性があります。アメリカ
での物流の現状からして、そう考えざるを得ない、ということです。

(7)今までも、このような混入はあたりまえのこととしてあった、
ということです。

(8)このことは問題である、ともいえますし、別に実害はない、
というレベルのことでも あります。

 というところがポイントと思っています。まるで毒のように言う
人もいますが、そういう性質の話ではありません。

 ちょっとパクリで申し訳ないんですが、的確な説明をしてくれて
いるサイトを見つけましたので、以下に勝手に引用します。全文は

http://www.bekknet.ad.jp/~ktosh/special/articles/starlink.html

にあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 遺伝子組換えトウモロコシ「スターリンク」とは
 
 フランスのアベンディス・クロップ・サイエンス社が害虫を寄せ
つけにくい品種として開発した遺伝子組換え(GMO)トウモロコ
シ「CBH351」の商品名です。米国食品医薬品庁(FDA)で
は、組み込まれた殺虫性のタンパク質(Cry9C )が人の腸で分解さ
れにくく、また耐熱性を有することから、現状では人体にアレルギ
−を引き起こすかどうかを見定めるためのデ−タが不足していると
判断し、食品としての販売を認可していません。1998年、米国では
飼料用に限り栽培が認可されました。

 日本ではこのスターリンクは飼料用の承認申請は出ていませんし、
食品としての安全性審査はアレルギー性確認が不十分として厚生省
の審査が継続中であり、実質的に輸入できません。

 混入の原因と問題点  

 日本のトウモロコシの輸入量は年間約 1,600万トンで、約85%が
米国産です。飼料用は 1,200万トン(輸入飼料の約60%)です。畜
産飼料としては食肉や牛乳などの源となり、食用では主にでんぷん
として様々な食品に加工されています。

 トウモロコシは風媒花であり、約200mの緩衝地帯を設けてスター
リンクを栽培しても、強い風が吹くと花粉は数Km先まで飛ぶことか
ら、付近の畑の別品種に花粉がつく(交雑する)ため、飼料用のみ
ならず食用でも混入が考えられ、完全に除去することは難しいとい
われています。

 従来から、生産地からのトラック等の輸送、貯蔵、船積みなどの
流通段階での分別管理が十分でないといわれており、その検証体制
があらためて問われました。

 今回の混入の原因は、「交雑説」と「生産・流通段階の分別不十
分説」の2つの見方があり、米国でも結論はでていません。

 混入の検査方法は、微量の含有量を定量する方法が確立されてい
ないことから国際的にも問題となっていました。来年度からの法規
制に伴い、厚生省と農林省の研究機関で検査方法の研究が行われて
おり、公定法が確立しつつあります。GMO食品のJAS法(農林
物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)による表示開始
は平成13年4月ですが、大豆では混入率5%で非GMOか判断しま
すが、トウモロコシでは検査が難しいため混入率は決まっていませ
ん。分別されているかを科学的に検証するシステムを早急に整備し、
消費者の選択に役立つ表示制度が望まれています

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「人の腸で分解されにくく、また耐熱性を有する」たんぱく質を
「アレルギー源になり得る」と判断していることがわかります。

 最終的には、今年から、栽培しない、ということでスターリンク
については収束しそうですが、混入自体については何も解決してい
ない、ということになります。

 あくまでも商業ベースでの話ですから、アメリカのトウモロコシ
業界(生産者・流通業者)がどのような判断をするか、まだちょっ
とよくわかりません。

 考えられるシナリオは、

(A)輸入国からの圧力が強く、混入問題の解決も難しい…遺伝子
組換えの作付けの減少。

(B)輸入国からの圧力が強く、混入問題の解決が可能…分別して
の輸出。

(C)輸入国からの圧力がそれほどでもない…混入はあるが作付け、
輸出は継続。

 というようなものです。競馬の印でいうと、
(A)○
(B)×
(C)◎
と予想していますが、いかがでしょうか?

--〔後記〕--------------------------------------------------

 久し振りに大腸菌O−157の食中毒で死亡者の出るような事故
がありました。保育所の給食などというのも、大変ですね。

 海外旅行に入れる人も多いと思います。日本の衛生状態はいろい
ろあっても、やはり高いレベルにあるようです。そのおかげで、日
本人は食べ物に対する抵抗力に不安があります。(非衛生的なもの
を食べなれていないので)

 旅行先の情報を確認しておくことをおすすめします。外務省のサ
イト
http://www.mofa.go.jp/mofaj/
の「各国・地域情勢」というところに、いろんな情報が書かれてい
ます。たとえば、お隣の韓国については、こんな感じです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 水道水の質があまり良くないので、生水は飲まないほうが良いと
言えますが、食堂等のお茶はいったん煮沸されているのでまず問題
はないでしょう。また、下級の飲食店や市内の横丁等に見られる屋
台(ポヂャンマチャ)での生もの(特に生ガキ等の貝類)は衛生上問題
があり、食中毒や肝炎等を発症する原因になりかねないので、避け
ることが必要です。また、不完全な調理によるフグ料理を食べて中
毒を起こす事例がありますので、下級の飲食店等におけるフグ料理
には注意することが必要です。なお、釜山では、毎年のように夏場
になると死亡率の高いビブリオ敗血症による患者が数名発生してい
ます。このため、慶尚南道保健当局は、魚、貝、蛸、カニ等の魚介
類は必ず熱を加えて食べるようにし、皮膚に傷がある人は海水浴を
控えるよう呼びかけています。また、済州島では海岸沿いに海産物
を売り物とする飲食店が数多く営業していますが、この地域でも屋
台や下級飲食店での生ものは避けた方が良いでしょう。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/anzen/asia/003.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「ビブリオ敗血症」というのは、前回紹介した、「ビブリオ・バ
ルニフィカス」の感染症のことですね。

 ということで、お気をつけて、旅行してきてください。

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