安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>895号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------895号--2017.01.01------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「福島県の現状」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 宮崎に続いて熊本でも鳥インフルエンザが発生したというニュー
スです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■熊本の9万羽超、殺処分を完了 鳥インフル

 熊本県は28日、高病原性ウイルスが検出された南関町の養鶏場で
飼育する鶏約9万2千羽の殺処分が完了したと発表した。また県内
全ての農場への聞き取り調査などから、現時点で感染の拡大がない
ことも確認した。

 県はこの日、鳥インフルエンザに関する防疫対策本部(本部長・
蒲島郁夫知事)の会議を開催。蒲島知事は「発生72時間以内とされ
る防疫措置完了を目指し、全力を尽くしたい」と述べ、処分した鶏
を埋める作業や鶏舎の消毒を30日早朝までに完了させる考えを示し
た。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG28H5H_Y6A221C1CC0000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これ以上広がらないことを祈りますが、先行きは多難だろうと思
います。

 次は食べ物ではありませんが、中国が象牙販売を全面的に禁止す
るというニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■中国が象牙販売を禁止 アフリカ象激減で国際社会の猛批判受け
… 加工企業34社を段階的に営業停止

 中国政府は2017年12月末までに商業目的の象牙の加工と販
売を禁止すると決めた。国営新華社通信が30日報じた。中国では
富裕層の間で象牙需要が拡大し、主な密輸先になっていると国際的
に批判されてきただけに、大きな前進となりそうだ。

 中国国内には現時点で象牙の加工企業が34社、販売店が143
カ所ある。17年12月末までに段階的に営業停止を命じる。禁止
措置に伴い、公安や税関など関係当局が連携して違法な販売行為や
密輸に対する取り締まりも強化する。

 アフリカゾウは象牙を目的とした密猟などによって生息数が激減。
中国と米国は15年9月の首脳会談で、象牙の国内取引を停止する
ことで一致した。16年10月の南アフリカでのワシントン条約締
約国会議では、各国に象牙の国内市場閉鎖を求める決議案が承認さ
れた。
http://www.sankei.com/world/news/161231/wor1612310030-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 世界中で象牙の輸入国は実質的に中国と日本だけでした。いよい
よ日本が最後に取り残されることになります。

 日本の象牙市場について、こんな記事があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■ワシントン条約の象牙規制

 ワシントン条約の締約国会議が南アフリカで開かれています。マ
グロやウナギについては大きな動きはありません。大平洋クロマグ
ロやニホンウナギの資源は相変わらず壊滅的ですが、東アジアのロ
ーカルな資源なので国際的な関心が薄いのです。

 今回の締約国会議のハイライトは象牙で、主役は日本です。象牙
のニュースがNHKなどのメディアで大きく報道されているので目に
された方も多いと思います。

 大まかな流れはこんな感じです。

1)象牙の国際取引の全面停止が提案された

2)日本が強硬に反対したために、「密猟、または違法取引につな
がる市場」のみの取引停止が採択される

 日本政府の代表は、厳格に管理されている日本市場は閉鎖の対象
外だと国内メディアに説明していますが、これは希望的推測であり、
国際的な合意がえられたものではありません。

 日本の象牙市場がどのような仕組みなのか。こちらのはんこ屋さ
んは、「日本はちゃんとやっていて、密猟された象牙は中国に行く」
と主張しています。日本政府も厳格に管理しているといっているし
、ちゃんとやっているのだろうと普通の人は思うでしょう。

 本当にそうなのか。海外のNGOが調べたレポートがこちらです。

「日本の制度は抜け穴によって病んでおり、また規制力の弱い法律
によって効果をそがれてしまっている。その結果、最も基本的なレ
ベルにおいてさえ、意味のある規制は存在しないに等しい」と強く
批判されています。詳しくは本文を読んでいただきたいのですが、
日本の象牙取引業者に、本来は売買できないはずの象牙の販売を申
し出たところ、8割の業者が不正な手段で購入を教唆したというシ
ョッキングな内容です。

 このレポートは海外の主要メディアは大きく取り上げました。日
本の象牙認証システムがザルであるという認識は海外では広まって
います。ナショナルジオグラフィックでも、次のように報じていま
す。

日本で違法な象牙取引が横行、覆面調査でも確認
業者からはウソを書くよう持ちかけられ、規制制度は穴だらけ

 日本の象牙の認証は「1990年よりも前に入手した」と自己申告す
れば簡単に登録できてしまうザルのようなシステムなのです。書類
の上での整合性はとれるかもしれませんが、違法な象牙を排除する
実効性は期待できません。さらに、残念なことに環境省と経産省の
指定機関「自然環境研究センター」の担当者が、違法な象牙取引を
促進しているという批判もあります。

 国内での象牙の新規登録がここに来て急増しています。これらは
全て1990年以前に日本に輸入されたことになっているのですが、そ
れを証明する発行書が自己申告なので、実態はわかりません。

http://katukawa.com/?p=6048
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この後に、中国が象牙販売の禁止に踏み切り、「密猟象牙の最大
の市場は中国であり、現在進行形の密猟への日本の関与はあまり無
いと思います。にもかかわらず、日本が悪い意味での存在感を発揮
して、「目先の金が最優先で、絶滅危惧種の保全に後ろ向き」とい
う評価を得てしまうのは、とても残念なことです。」というところ
に続きます。

 このところ日本政府の環境・資源問題に対する姿勢を転換しなけ
ればならないと感じることが多いですね。

 次は食糧価格の「値下げ」と「値上げ」の話です。 

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■製粉大手2社 家庭用小麦粉を来年2月から値下げへ

 海外の主要な産地で小麦が豊作だったことなどから国が輸入する
小麦の売り渡し価格が引き下げられたことを受けて、製粉大手2社
は来年2月から家庭用小麦粉の主力商品を値下げすることになりま
した。

 このうち、日清フーズは、来年2月1日の出荷分から、家庭用小
麦粉のうち、菓子などに使われる薄力粉のうち容量1キログラムの
商品を2%値下げするほか、パンなどに使われる強力粉の容量1キ
ログラムの商品を1%値下げします。

 昭和産業も、2月1日から家庭用の薄力粉の容量700グラムと
1キログラムの商品をおよそ1%から2%引き下げるなど値下げし
ます。

 両社が家庭用小麦を値下げするのは、ことし8月以来半年ぶりで
す。

 これは、ことしの前半に外国為替市場で円高が進んだことや、ア
メリカやロシアなど主要な産地で小麦が豊作だったことなどから、
国が輸入する小麦の民間への売り渡し価格が引き下げられたことに
伴うものです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161227/k10010821941000.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■J―オイル 食用油 2月から値上げ 円安で原料費上昇

 製油業界大手のJ―オイルミルズは食用油を来年2月1日出荷分
から値上げする。値上げを打ち出すのは2015年4月出荷分以来、1
年10カ月ぶり。円安・ドル高基調の進展に伴う調達コストの上昇や、
物流費の高騰を反映する狙い。

 値上げ幅は飲食店、総菜店向けの業務用が1缶(16.5キロ)500
円(約13%)、マーガリンやマヨネーズの原料となる加工用と家庭
用が1キロ30円としている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO11108680W6A221C1QM8000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 小麦粉が値下げで、食用油が値上げです。現在は少し円安になっ
ていますが、小麦に関しては政府が関与しているため、その前の少
し円高になった環境での価格がようやく反映されるということかも
しれません。

 また、油の値上げ理由に、「物流費の高騰」があります。この年
末、あちこちで混乱も発生しているようで、いよいよ人手不足が問
題になってきそうです。

 人手不足の解消には「待遇改善」です。安い給与で働く人を探す
のはもうやめてほしいものです。

 最後は科学ネタで、「メンデルの法則」の謎について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■世界初「メンデルの法則」謎100年ぶり解明 奈良先端大、遺
伝子の優劣決定因子を発見…食物増産に期待

 生物の遺伝の仕組みでは、子供が父親と母親から一組ずつの遺伝
子を受けとるが、そのうち特定の性質については、どちらか一方だ
けを表す場合もある。オーストリアの生物学者、グレゴリー・メン
デル(1822年−1884年)がエンドウなど植物を交配する実
験で示した「優性の法則」として知られる現象で、遺伝的な性質の
表れ方が優性であれば、その性質を持つことになる。しかし、どの
ような仕組みにより、優劣関係が生じるのかは謎だった。

 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科の和田七夕
子(わだ・ゆうこ)助教、高山誠司客員教授(現東京大学大学院農
学生命科学研究科教授)らの研究グループは、この「優性の法則」
について、優性の遺伝子から作られる小さな分子(低分子RNA)
が、劣性の遺伝子の働きを阻害するという新たな仕組みを世界で初
めて発見した。

 このRNAを構成する遺伝子暗号(核酸塩基)の並び方が変わる
ことで複雑な優劣関係が生み出されており、有用な遺伝子を働かせ
たり、有害な遺伝子の働きを抑えたりする技術へと結びつく可能性
があり、植物育種への応用が期待できる。この成果は英科学誌「ネ
イチャー」の植物専門オンライン姉妹誌「ネイチャー・プランツ」
に掲載された。

http://www.sankei.com/west/news/161229/wst1612290011-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは面白そうな話で、将来の発展に期待です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「福島県の現状」
------------------------------------------------------------

 年の初めの話題は、まもなく震災から6年目を迎える中、原発事
故のその後についてです。

 まず、漁業は徐々に復活してきています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■沿岸はえ縄漁 1月開始 いわき市漁

 福島県いわき市漁協は水深100メートルより浅い沿岸でのはえ
縄漁試験操業を1月に始める。27日、市内の中央台公民館で開い
た県漁協組合長会議で正式に決めた。

 市漁協所属の14隻が参加する予定となっている。東京電力広野
火力発電所の沖合から茨城県境までの海域でアイナメやタイなどを
漁獲する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161228-00000116-fminpo-l07
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 すでに放射性物質の影響はほとんどなくなっていますので、今後
どんどん平常に戻っていくことでしょう。

 牛乳についても制限解除の話題があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■原乳 出荷制限解除 5市町村、避難設定区域初

 政府の原子力災害対策本部は26日、東京電力福島第一原発事故
後に旧警戒区域、旧計画的避難区域となった5市町村の原乳の出荷
制限を5年9カ月ぶりに解除した。県によると、避難区域が設定さ
れた市町村で原乳の出荷制限が解除されるのは初めて。県は営農再
開や住民帰還につながるとみている。

 出荷制限が解除されたのは、旧警戒区域と計画的避難区域に設定
された区域のうち、現在は避難区域外となっている田村、南相馬、
楢葉、川内、葛尾の5市町村の一部。

 県は出荷制限解除に向け、28年5月から12月まで楢葉町の計
31検体で放射性物質のモニタリング検査を実施した。全ての検体
で食品衛生法の基準値(1キロ当たり50ベクレル)を下回り、政
府の定めた解除要件を満たした。県によると、31検体は全て検出
下限値未満だった。

 政府は他の4市村の一部区域についても乳牛への放射性物質の影
響が楢葉町と同程度とみて解除を決めた。

 今回出荷制限が解除された区域で酪農経営を再開する場合、生産
者ごとに原乳の放射性物質検査を実施し、食品衛生法の基準値を下
回る必要がある。

 県によると、旧警戒区域と旧計画的避難区域では原発事故前、3
4軒が酪農を営んでいた。県酪農業協同組合の宗像実組合長は「避
難している人が戻って営農再開しようという勇気が持てる。酪農の
復興に向けた大きな一歩」と話している。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/12/post_14581.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 個別に検査を実施する必要があるとありますが、現在ほぼ100
%問題ない結果となっています。

 次は政府の対応策について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■帰還困難区域に復興拠点 避難指示5年後解除方針

 政府は20日、「原子力災害からの福島復興の加速のための基本
指針」を閣議決定した。東京電力福島第一原発事故による帰還困難
区域に特定復興拠点を設定し、5年後をめどに避難指示を解除する
方針を明記した。拠点内の除染を含む整備費用は東電に求償せず、
国が負担する。

 指針決定に伴い、政府は特定復興拠点整備に必要な措置を盛り込
んだ福島復興再生特措法改正案を次期通常国会に提出する。拠点整
備を「新たなまちづくり」と位置付け、除染と社会基盤整備を一体
的に行う仕組みを整え事業を進める。原則として東電負担となる除
染事業とは区別する。平成29年度から東日本大震災復興特別会計
に予算を計上する方針で、国費投入が東電救済に当たるとの批判が
出る可能性もある。

 指針には、福島相双復興官民合同チームの体制強化なども掲げた。
原発事故で県外に避難した子どもたちがいじめに遭う問題が生じた
のを踏まえ、教職員対象の研修強化などの対策も示した。

 閣議に先立ち開いた原子力災害対策本部会議で、安倍晋三首相は
「一日も早い福島の復興再生に向けて道筋を具体化してほしい」と
関係閣僚に指示した。

■特措法改正方針内堀知事が評価

 閣議決定を受け、内堀雅雄知事は「福島復興再生特措法の改正案
を次期通常国会に提出する方針が盛り込まれるなど、本県の実情を
踏まえた対応をしていただいた」とのコメントを出した。

【基本指針の主な内容】

・帰還困難区域に特定復興拠点を設定し、5年後をめどに避難指示
を解除する。

・特定復興拠点は除染とインフラ整備を一体的に行い、費用は東電
に求償せず国が負担する。

・特定復興拠点整備の取り組みに東電が最大限の人的協力を行うよ
う指導する。

・帰還環境整備に取り組む法人を福島特措法に位置付ける。

・福島相双復興官民合同チームの体制を強化する。

・被災者への賠償、除染、廃炉の費用増加が見込まれるが国と東電
が役割を果たし、国民負担を最大限抑制する。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/12/post_14556.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 風評被害対策についても、こうあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■政府、風評対策で新組織 来月にも設置 県産品流通後押し

 政府は県やJAと連携し、県産農林水産物の風評対策を進める新
組織を来年1月にも設ける。流通実態を調べ、取引量が東京電力福
島第一原発事故前の水準に回復していない品目については、県内の
農林水産物の検査態勢を説明した上で仕入れを増やすよう関係業界
に要請する。高木陽介経済産業副大臣が24日、福島市で開かれた
県原子力損害対策協議会で明らかにした。

 新組織は内閣府や復興庁、農林水産省、経済産業省など関係省庁
と県、JAで構成する。政府の原子力災害対策本部や復興庁の作業
部会などとして位置付けることも検討する。

 取り組みの詳細は今後詰めるが、品目ごとの他産地との価格差、
原発事故前後の取扱量の推移を把握する。著しく流通量が減少して
いる品目があれば、大手スーパーや外食産業などの業界団体に対し
積極的に活用するよう求める。併せて、県内では県産農林水産物の
安全確保に向けて厳密な検査が続けられている状況を伝えていく。

 JAなどによると、県産農林水産物に対する風評は根強く、流通
段階で依然として仕入れ控えや買いたたきの動きが見られていると
いう。

 新組織設置は20日に閣議決定した「原子力災害からの福島復興
の加速のための基本指針」に基づく対応。農水省は平成29年度当
初予算案に総合的な風評払拭(ふっしょく)支援費として47億円
を計上しており、新組織からの提言を事業に生かす。

 内閣府原子力災害対策本部の現地対策本部長を務める高木副大臣
は協議会で、「風評対策では被害実態の把握が極めて重要だ。農林
業関係者の協力を得てしっかり対応する」と語った。

 政府の取り組みに対し、県農林企画課は「流通段階の風評の実情
を分析できれば、より効果的な対策が可能となる。県産農林水産物
の品質や味に見合った価格の形成にもつなげたい」と期待している。
JA福島五連は風評対策の強化を政府に求め続けており、実態把握
に向け、可能な限り協力したいとしている。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/12/post_14572.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう動きの中、福島で「液体ミルク」の製造を始める事業が
動き出すそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「液体ミルク」を全国に 福島乳業・岩沢俊夫会長に聞く

 乳児用液体ミルクの事業化に向けた検討を始めた福島乳業(福島
市)の岩沢俊夫会長(67)は20日、福島民友新聞社の取材に応
じ、事業化の意義について語った。

―なぜ液体ミルクの事業化を目指すのか。

 「(粉ミルクと比較して)手間がかからず、働く女性からの要望
が強い。災害時などにも使用できる利点がある。福島から旗上げし、
これから専門家を集めて事業化に向けて知恵を凝らしていく。さら
にこの動きを全国に広げたい」

―福島で行う意義は。

 「当社は学校給食用の牛乳などを製造しており、常に社会貢献を
念頭に置いている。(政府で解禁の議論が進む)液体ミルクを広げ
るにはまずは誰かが動きだす必要がある。(震災や原発事故があっ
た)福島だからこそ挑戦できる環境があると思っている。事業化が
実現すれば地域の刺激となるだけでなく、発信力も高まると期待し
ている」

―粉ミルクが普及している現状については。

 「国内は粉ミルクで子育てする仕組みができているが、海外では
液体ミルクも普及している。基本的には(賞味期限の長い)ロング
ライフ牛乳と同じ。将来的には自分たちだけで事業化するのか、そ
れとも連携して事業化するのか。それも含め、まずは自分たちで動
きだしたい」

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20161221-136237.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、震災から5年以上経過し、食品をめぐる問題もほ
ぼ全面的に解消に向っていると断言して差し支えないようです。

 それを受けて、私の印象では、一般的にも問題は解決しつつある
と捕らえている人が多くなり、「福島あぶない」派はいよいよ絶滅
危惧種化しているようです。

 当たり前のことですが、復興を喜ぶのが普通の人の感性であり、
何か他の目的を持って、その足を引っ張るのは特殊なイデオロギー
を持つ人だけだということです。

 最後に残っているのが、原発そのもので、特に「トリチウム汚染
水」について、こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■現実味帯びる「トリチウム汚染水」の海洋放出
福島原発タンク1000基に貯まる最大の難題

 東京電力・福島第一原子力発電所をめぐる問題で、除去困難な放
射性物質であるトリチウム(三重水素)を含んだ汚染水の海洋放出
が現実味を帯びてきた。

 経済産業省が設置した汚染水処理対策委員会の「トリチウム水タ
スクフォース」は4月19日、約1000基のタンクに保管されているト
リチウム汚染水の処理方法について、コストや処理期間などの試算
結果を発表。「(タスクフォースは)処理方法を決める場ではない」
(山本一良主査=名古屋大学参与・名誉教授)としたうえで、水に
薄めて海に流す方法が最も低いコストで済むとの試算を明らかにし
た。

■原子炉建屋に流入する地下水は1日300〜400トン

 福島第一原発の敷地内では、原子炉建屋に流入する地下水が1日
に300〜400トンに上り、炉心から溶け落ちた燃料と混じり合って生
じる汚染水の処理に追われている。

 多核種除去設備「ALPS」の本格稼働により、昨年までに高濃度の
汚染水のうちでほとんどの放射性核種を基準以下に減らすことがで
きるようになっているとはいえ、現在の技術では取り除くことが困
難な物質であるトリチウムが残っているため、タンク内の汚染水は
増え続ける一方だ。

 すでにタンクに保管されている汚染水の総量は80万トンに達して
おり、敷地を埋め尽くしつつある。東電では「このままではタンク
を造ることができるゾーンは数年でなくなる」と危機感を強めてい
る。

 そこで持ち上がっているのが、トリチウム水を告示濃度以下に薄
めて海に放出するというやり方だ。

http://toyokeizai.net/articles/-/115028
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 トリチウムというと、元素の名前のようですが、これは三重水素
と呼ばれる、水素の同位体です。

 普通の水素は陽子一個が原子核となりますが、重水素は陽子+中
性子、三重水素は陽子+中性子2個です。当然重さは三重水素は普
通の水素の三倍ですが、化学的性質は陽子数=電子数で決まります
ので、水素と三重水素は同じようにふるまいます。

 そして三重水素はベータ線を出して、陽子2個+中性子のヘリウ
ム3に変わる、放射性同位元素です。

 その特徴は以下のとおりです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■トリチウムの特性は一般的に以下のとおり

○化学上の形態は、主に水として存在し、私たちの飲む水道水にも
含まれています

○ろ過や脱塩、蒸留を行なっても普通の水素と分離することが難し


○半減期は12.3年、食品用ラップでも防げる極めて弱いエネルギー
(0.0186MeV)のベータ線しか出さない

○水として存在するので人体にも魚介類にも殆ど留まらず排出され


○セシウム-134、137に比べ、単位Bqあたりの被ばく線量(mSv)は
約1,000分の1

放射性核種    放射性物質を1Bq飲み込んだ場合(経口摂取)
         線量係数(mSv/Bq)
トリチウム    0.000000018
セシウム−134   0.000019
セシウム−137   0.000013
カリウム−40   0.0000062

■原子力発電所での液体トリチウム濃度限度など

○法規制の濃度限度(実用発電用原子炉の設置・運転等に関する規
則の規定に基づく線量限度を定める告示)

□周辺監視区域外の水中の濃度限度:60,000Bq/リットル
* セシウム-137の濃度限度は90Bq/リットル
* セシウム-134の濃度限度は60Bq/リットル

○福島第一原子力発電所保安規定に示された放出基準値(事故前)

 22兆Bq/年 ・・・・・・他の核種を含めて0.024mSv/年 *
* 被ばく線量は気体廃棄物と液体廃棄物による実効線量

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130228_08-j.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一般に、原子力発電所は運転中常時トリチウムを排出しています。
しかし海の中には大量のトリチウムが既に存在していること、トリ
チウム自身の放射線の影響が軽微なことから、問題にもされてこな
かったという経緯があります。

 自然界では、宇宙線による生成が72,000兆Bq/年、全地球の保持
量が1,275,000兆Bqという途方もない数字だと、上記資料にはあり
ます。

 ということで、このままタンクに溜め続けるのはナンセンスであ
るというのが以下の見解です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■トリチウム除去は困難、海放出が最短と評価 経産省部会

 東京電力福島第一原発にたまり続けている低濃度の汚染水対策で、
除去が難しい放射性物質トリチウム(三重水素)について経済産業省
の作業部会は19日、分離は困難とする評価をまとめた。さらに五つ
の処分方法を検討した結果、水で薄めて海に放出する方法が最も短期
間で安く処分できると評価した。

 福島第一原発の敷地内には、溶け落ちた核燃料を冷やすための注水
などで発生した汚染水が約80万トンたまっている。放射性セシウム
などを多核種除去設備ALPS(アルプス)で取り除いているが、ト
リチウムは水分子をつくる水素そのものが放射化したもので、いまあ
る設備で分離するのが困難だった。

 経産省は、約30億円を投じてトリチウムの分離方法を公募。企業
6社と1大学が応じた。国内外の専門家に評価を依頼したところ、
「すぐ実用化できる技術は確認されなかった」と結論づけた。企業独
自によるコスト試算も、141億円から18兆円と幅があった。

 処分方法については、深い地層に注入、海洋放出、蒸発や電気分解
して大気放出、セメントで固めて埋設する5案を検討。海への放出は
34億円、処分完了まで7年4カ月と評価した。

 こうした評価を参考にして、東電が処分方法を決める。東電は、溶
けた燃料に触れた汚染水は放射性物質の除去後も、地元の関係者の理
解なしには海洋放出しないと説明している。

http://www.asahi.com/articles/ASJ4M4CJ2J4MULBJ00K.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、薄めて海に流せばOK、というのがファイナルア
ンサーなんですが、問題はこの正解を、いつ、誰が言い出すのかと
いうことです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。これ
を書いているのが1月1日の午前0時半くらいです。ちょっとネッ
トの反応が重いです。

 世論調査によると、安部首相の真珠湾訪問を評価する人が80%
を超えているのだとか。そんな真珠湾のネタ話を一つ。

「ノーモア・ヒロシマ」:戦争は二度と繰り返しませんという誓い。
アメリカではこれを「リメンバー・パールハーバー」と言う。

 このブラックジョーク(出典:「国語笑辞典」)が本当のことに
なるとよいですね。

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