安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>890号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------890号--2016.11.27------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「原料原産地名表示」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回のニュース記事で、「ベロ毒素」が発見された、というのが
ありました。何だか変だなとは思っていたのですが、こんなご指摘
をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食品にベロ毒素が含まれていると検査をしている自治体があるの
でしょうか?

 その前提自体をおかしいと思いませんでしたか?

 確認のために自治体のHPを開いてみると、普通に回収指示を出
した理由が「製品から腸管出血性大腸菌(血清型不明・VT2産生)
が検出されたため」とあり、どこにもベロ毒素が検出されたとは記
載されていません。マスコミの人たちは業界内の人たちと違って食
品衛生の基礎知識は持ち合わせていません。ベロ毒素そのものとベ
ロ毒産生型腸管出血性大腸菌の違いなんて理解していないでしょう。
ましてや食品の上で、その腸管出血性大腸菌がベロ毒素を産生する
かどうかも。

 納得のいかない報道には、その出典を探してから情報発信した方
がいいのではと自戒も含めて感じたネタでした。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 なるほど、報道を簡単に真に受けてはいけない、ということです
ね。勉強になりました。ありがとうございました。

 次は相変わらずの食中毒事件です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■男女7人が食中毒、鶏のたたきなど食べ カンピロバクター検出
/上尾

 県は24日、カンピロバクターを原因とする食中毒を発生させた
として、上尾市柏座の飲食店「串まめ」に対し、同日から3日間の
営業停止命令を出したと発表した。

 県食品安全課によると、10日に同店で飲食した同市内の事業所
の男女23人のグループのうち、25〜39歳の男女7人が下痢や
発熱、腹痛などの症状を訴え、17日に通報を受けた県鴻巣保健所
が調査していた。グループは鶏のたたきや焼き鳥の盛り合わせなど
を食べ、6人から食中毒の原因となるカンピロバクターが検出され
た。
http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/11/25/07.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「マグロからクドア」という驚きのニュースもありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■本マグロの若魚の刺身から新種の寄生虫 新潟県で食中毒相次ぐ

 新潟県でこの夏、クロマグロの幼魚の刺身を食べた2つのグルー
プが、新種の寄生虫クドアによる食中毒を相次いで発症していたと
国立感染症研究所が明らかにした。

 クドア属は、主にヒラメなどの魚の筋肉に寄生する粘液胞子虫で、
5枚の花びらのような形の「セプテンプンクタータ」という種類が
一般的。

 新潟県保健環境科学研究所によると、今年6月下旬から7月上旬
にかけて、寿司店でクロマグロの若魚(メジマグロ)の刺身や寿司
を食べた別のグループ計11人が、食後8?11時間後に下痢や嘔吐など
の症状を訴えて医療機関を受診した。

 患者が食べたメジマグロは残っていなかったため、保健所が患者
の便を採取して解析した結果、7人からクドアの寄生虫「ヘキサプ
ンクタータ」の陽性反応が確認された。

 同研究グループによると、3つのグループは冷凍されていないメ
ジマグロを刺身や寿司で食べたという。また残ったメジマグロをま
かないで食べた寿司店の調理スタッフ3人の便からも寄生虫の陽性
反応が確認されたが、食中毒症状はなかったという。

 国立感染症研究所によると、「クドア・ヘキサプンクタータ」は、
東京大学大学院の横山博助教らが2012年に発表した、クロマグロに
寄生する新種で、まだ食中毒の原因物質に指定されていないことか
ら報告されたケースも数少ない。

 また、同じクドア属でも、「セプテンプンクタータ」のヒラメへ
の寄生率が0.06%と低い一方、「ヘキサパンクタータ」のマグロへ
の寄生率は6割を超えているが、どれだけの量を食べたら食中毒を
発症するのかなど、不明な点も多い。

 横山助教によると、クドア属の寄生虫は全部で100種類近くおり、
そのうち日本では20種類が確認されている。淡水ではイトミミズ類、
海水ではゴカイ類を宿主として、エサとして食べた魚の筋肉に寄生
するといわれている。

http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/7/17951.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は食中毒ではないのに、食品が原因での死亡事故です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■おにぎり早食い競争で死亡、喉に詰まらせ3日後

 滋賀県彦根市のJA東びわこが同市内で13日に開いた「おにぎ
りの早食い競争」で、同県甲良町の男性(28)が、おにぎりを喉
に詰まらせて救急搬送され、3日後に死亡していたことがわかった。

 JA東びわこによると、早食い競争は近江米など地元農産物をP
Rする「第20回ふれあいフェスティバル」のイベントの一つ。1
5人が参加し、用意された5個を3分以内にどれだけ食べられるか
を競った。

 男性が5個目を食べたところで苦しそうな様子を見せたため、職
員が119番。偶然居合わせた医師や看護師が救護したが、16日
に搬送先の病院で死亡した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20161122-OYT1T50065.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「大食い」より「早食い」の方が危ないのですよね。おにぎりの
大きさは不明ですが、コンビニで売っている程度のものなら、3分
間に5個というのはそれほど無理な設定でもないと思います。

 でも、事故が起こってしまっては、イベントの主催者の責任は重
いのだろうと思います。やはり安全第一にしなくては…。

 次は輸入時の「特恵関税」の話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■中国からの輸入品、値上がり? 「特恵関税」外す方針

 財務省は、中国、ブラジル、メキシコ、タイ、マレーシアの5カ
国について、途上国支援のために輸入関税を低くする「特恵関税制
度」の対象国から外す方針を固めた。中国など5カ国は急速な経済
成長で輸出競争力を上げている。欧州連合(EU)やカナダはすで
に同様の制度の対象から外しており、2019年度までに日本でも
除外することにした。

 このなかで中国は、日本の輸入額の4分の1を占める。15年度
に優遇税率を適用されたものの6割が中国からの輸入品だった。マ
ツタケやウナギのかば焼きなどは、輸入増を理由にすでに関税が上
がっている。今回上がるのは、冷凍タコやペットボトルの原料ポリ
エチレンテレフタレートなど3千品目程度とみられる。

 同制度は、途上国の輸出振興や経済支援を目的に、多くの先進国
が導入。日本も、143カ国・地域からの輸入品を対象に、低い関
税をかけたり、免除したりしている。日本の輸入額の約2%(1兆
6千億円分)が対象になっている。

http://www.asahi.com/articles/ASJCK558YJCKULFA01B.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうも見出しが恣意的ですが、要するにこの5カ国はもう発展途
上国ではない、という認定です。実績からいうと当然なことですが、
まずはめでたい話だとお祝いしたいですね。

 最後は「陸上養殖」の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■JR西日本、食中毒のリスク少ないカキ販売 地域活性化へ

 西日本旅客鉄道(JR西日本)は18日、広島県内で陸上養殖した
カキを売り出すと発表した。雑菌の少ない地下海水を使って養殖す
るため食中毒のリスクが少ないのが特長だ。「オイスターぼんぼん」
のブランド名で12月中旬から東京と大阪のオイスターバーで1個
200円台で数量限定で販売する。価格や養殖規模などは今後詰める。

 JR西は沿線活性化を目的に地域産品の発掘に取り組んでいる。
今回のカキは地下海水を使って育てたサバ「お嬢サバ」に次ぐ第2
弾になる。

 広島県内で養殖業を手がけるファームスズキ(広島県大崎上島町)
が瀬戸内海に持つ塩田跡の養殖池を使う。カキの餌となるプランク
トンが多い地下海水を使うことで養殖期間も約7カ月と通常の半分
程度で済む。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18HUV_Y6A111C1TI5000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 塩田に海水を入れて、養殖事業を始めるわけです。今後有力な技
術になっていくのでしょうが、エネルギーとコストが課題なのだと
思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「原料原産地名表示」
------------------------------------------------------------

 「全ての加工食品に原料原産地名表示」という動きが進んでいま
すが、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■チェーン協、全加工食品の原産地表示で意見書

 日本チェーンストア協会(東京・港)は21日、国内で製造される
加工食品すべてに原材料の産地表示を義務付ける政府の方針につい
て、「消費者の混乱を招く」などとして慎重な検討を求める意見書
を公表した。

 産地が多数の国にまたがる場合の「輸入又は国産」といった表示
について、意見書では「消費者にわかりにくく、曖昧」と指摘。一
律の義務付けではなく、原材料の調達から生産、流通までをチェッ
クできる加工食品に対して自主的な表示を推奨する形をとることな
どを求めた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21IML_R21C16A1TI5000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 自主表示でよいではないか?というのは正論ですね。

 政府・自民党がどうしても「原料原産地名表示」を全加工食品に
広げたいのは、言わずと知れたTPP対策です。

 そもそも「国産」と書けば売れるだろうと考えるのが甘いと思う
のですが、JA方面にはそういう信仰が根強いようです。それら農
業団体に対するサービスとして出てきた話なのですが、ご承知のよ
うに初めからかなりの無理難題を抱えています。

 さて、現状ですでに「原料原産地名表示」をする必要のある食品
がありますので、以前にも紹介していますが、もう一度確認してお
きます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■原料原産地名を表示しなければならない加工食品


原料原産地名表示対象(22食品群)

●農産加工品

食品群(加工食品の例)

□乾燥きのこ類、乾燥野菜、乾燥果実(乾しいたけ、かんぴょう、
干し柿)

□塩蔵したきのこ類、塩蔵野菜、塩蔵果実 (塩蔵きのこ)

□ゆで、又は蒸したきのこ類、野菜及び豆類並びにあん(ゆでたけ
のこ、生あん)

□異種混合したカット野菜、カット果実その他、野菜、果実及びき
のこ類を異種混合したもの(カット野菜、カットフルーツミックス)

□緑茶及び緑茶飲料 (煎茶、ほうじ茶、緑茶飲料)

□もち(まるもち、切りもち)

□いり(さや)落花生、いり落花生、あげ落花生及びいり豆類(い
りさや落花生、いり大豆)

□黒糖及び黒糖加工品(黒糖みつ、黒糖菓子)

□こんにゃく(板こんにゃく、玉こんにゃく)

●畜産加工品

食品群 加工食品の例

□調味した食肉(※)(タレ漬けした牛肉)

□ゆで、又は蒸した食肉及び食用鳥卵(蒸し鶏、ゆで卵)

□表面をあぶった食肉(鶏ささみのたたき)

□フライ種として衣をつけた食肉(※)(衣をつけた豚カツ用の食
肉)

□合挽肉その他異種混合した食肉(牛豚合挽肉、成形肉(サイコロ
ステーキ))

●水産加工品

食品群 加工食品の例

□素干魚介類・塩干魚介類・煮干魚介類及びこんぶ、干のり、焼き
のりその他干した海藻類(あじ開き干し、しらす干、板のり)

□塩蔵魚介類及び塩蔵海藻類(塩かずのこ、塩蔵わかめ)

□調味した魚介類及び海藻類(※)(まぐろしょうゆ漬け、もずく
酢)

□こんぶ巻(こんぶ巻)

□ゆで、又は蒸した魚介類及び海藻類(ゆでだこ、釜揚げしらす)

□表面をあぶった魚介類(かつおのたたき)

□フライ種として衣をつけた魚介類(※)(衣をつけたフライ用の
かき)

●その他

食品群 加工食品の例

農・畜・水産物間での生鮮食品の異種混合品(鍋物セット(魚介類
と野菜のセット等)、ねぎま串)

個別に原料原産地の表示が規定されているもの(4品目)

対象食品 加工食品の例

□農産物漬物(ぬか漬け、しょうゆ漬け、梅干し)

□うなぎ加工品(うなぎ蒲焼)

□削りぶし(かつお削りぶし)

□野菜冷凍食品(冷凍野菜ミックス)

(※)加熱調理したもの及び調理冷凍食品に該当するものを除く

■原料原産地名の表示方法

 原料原産地名は、国産の場合は国産である旨を記載します。なお
、都道府県名、市町村名、その他一般に知られている地名を記載し
てもかまいません。輸入品の場合は「原産国名」を記載します。

http://www.shokuhin-shizuoka.jp/basic/page5.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この「原料原産地名表示」を全体に拡大すると、どういう問題が
あるか、以下に解説記事を二つ、紹介しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「加工食品の原料原産地表示は?」(くらし☆解説)

【原料の原産地表示、気になりますよね】

 自分の買った加工食品の原料がどの国から来たものなのか、関心
のある人多いですよね。そうしたニーズもあって、こうした一部の
加工食品には現在、原材料の原産地表示が義務づけられています。

 例えば、カツオの削り節。原料となったカツオは国内でとれたこ
とを表示してありますし、豆とナッツのお菓子に使われている原料
のピーナッツ、これが中国産という具合です。

 政府は今、こうした原料の原産地表示を一部ではなく、全ての加
工食品に義務化することを目指し、検討会を立ち上げ議論していま
す。その議論が迷走しているのです。

【どう迷走しているのですか】

 表示の対象や表示方法を巡って、検討会の中で、意見が対立して
いるのです。

 そもそもこの原料原産地表示、原料に中国など外国産を使ってい
るのに、あたかも国内産と思わせる漬物や干物が出回り、消費者や
生産者から苦情が続出したことを受けて、2001年からスタートしま
した。

 ただ加工食品と言っても、冷凍食品から清涼飲料水など様々です。
そこで

(1)原材料の品質が商品の品質に大きな影響を及ぼし、かつ

(2)主原材料の割合が半分以上を占める加工食品について表示を
義務づけてきました。対象となっているのは梅干しやらっきょなど
の漬物、それにウナギの蒲焼きや干物など26の食品です。

【意外と少ないですね?】

 というのも実際に表示をしようとするとなかなか難しい状況があ
るからです。

 例えばミカンやリンゴなどの果物のジュースですが、メーカーは
原料を国内だけで無く、様々な国から調達しています。その調達先
が固定しているなら良いのですが、農産物は天候や病気などの影響
に左右されます。メーカーとしては原料の調達先を頻繁に変えるこ
とで商品の安定供給を実現しているのですが、表示が義務づけられ
ると調達先が変わる度に、包装を変えざるをえなくなり、大変なコ
ストがかかる。

【確かにそうですね】

 それに、チョコレートなど、海外でブレンドされた材料を輸入し
て作るお菓子もある。海外には原料原産地の表示がある国は稀です
から、原料となる中間の加工品はどの国のカカオを使って作ったの
か分からない。

 このように加工食品の原料の調達方法は様々で、そうした特性を
考えると、表示義務の対象を増やすのは、なかなか難しかった。

 それを今回は、全ての加工食品が対象として、議論を進めている、

【全ての加工食品に義務づけて大丈夫ですか?】

 そこが問題なのです。こうした中で政府が検討会に出してきたの
が、新たな表示の方法です。可能表示や、大括り表示、それに加工
地表示とされるものです。

【どういう表示ですか?】

 事務局の説明によりますと、可能性表示というのは原産国が、頻
繁に切り替わるような場合、過去の取り扱い実績などを根拠にして、
使用する可能性のある産地を列挙して表示するものです。

 たとえば、しょうゆであれば「原材料名:大豆(アメリカ又はカ
ナダ又は国産」となります。こう書けば、アメリカ産しか使ってい
ない場合でも、この表示ができます。

 また、容器に国名を複数書くスペースがない場合は、産地を一括
して「輸入」と表示できる大括り表示も提示しました。しょうゆで
あれば「原材料名:大豆(輸入)」や、「原材料名:大豆(輸入、
国産)」などとなります。

【かなり、漠然とした表示ですね】

 そうですね。さらに、さきほどのチョコレートのように原料原産
地の情報が分からない、中間加工品については、例えば「加工地:
シンガポール」というように、最終的に加工された国を書く加工地
表示を提示しました。

【でもこれだと、どこの国で取れた原料か分かりませんよね?】

 そうですよね。検討会でも意見は割れました。

 「表示対象が拡大されるとなれば、一歩前進だ」と賛成する委員
がいる一方で、「消費者が知りたい情報ではない」とか「表示と中
身がずれている」、また「消費者の誤解を招き、デメリットの方が
大きい」などと反対する声が相次ぎました。

【私もそう思います】

 しかもこの3つの表示、5年前の別の検討会でも検討され、「消
費者が本当に知りたい情報なのか疑問」などとして、いずれも導入
が見送られてきた案なのです。国の名前を書くという、これまでの
原則を考えると、明らかに後退している。

 全ての加工品を対象にするなら、こうした方法しか無いのかとい
う気がしますが、「原材料(輸入、国産)」などと書かれていれば、
一体、どっちなんだ?と、表示の意味をなしません。

 事業者もこういう表示をすると、会社に問合せが殺到して、かえ
って手間がかかると困っていました。

【そこまでして、なぜ検討会は「全ての加工食品」の義務化にこだ
わるのでしょうか?】

 原料原産地表示が、消費者の選択の材料であるとともに、国内農
業の成長産業化にも寄与すると位置づけられているからです。

 自民党は4月、農林水産業のTPP対策として「全ての加工食品
について、実行可能な方法で、原料原産地を表示する」と決めまし
たし、政府も骨太の方針の中で、全ての加工食品の原料原産地表示
の導入を検討すると、すでに閣議決定している。

 国内産と書かれていれば、国産志向のつよい日本の消費者は、そ
の商品を買ってくれる。その結果、国内産農産物や水産物の需要が
増えて、国内の農漁業が元気になるという、生産者向けのアピール。

 とはいえ、自民党や政府に先にきめられてしまっては、委員会と
してはなかなか反対しにくい。

【そうはいっても、わかりにくければ、消費者は困りますよね?】

 そうですね。本来は消費者にとってのわかりやすさや、事業者の
実行可能性を最優先に感がなければならなかったのですが、全ての
加工食品を対象と、先に決めたものですから、議論が迷走している。
そんな印象です。

【議論は今後どうなるのでしょうか?】

 まだまだ課題は山積しています。例えば監視活動。法律では虚偽
の表示をした場合、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金。法
人であれば一億円の罰金となっている。

 ただ、原料がどこ国で作られたのか見分けることは難しく、会社
への立ち入り検査や、帳簿などを持ち帰って、違反を見つける必要
がある。

 全ての加工食品が対象となると、その数は膨大になります。

【議論は纏まるのでしょうか。】

 検討会は秋までの結論を目指しています。原料原産地表示は、消
費者にとって関心の高い表示です。消費者が自らが望む商品を選ぶ
のに役に立つ制度となるのか、注目していきたいと思う。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/251677.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■加工食品の原料原産地表示 「または」で重量割合変動示唆

 とにかく分かりづらい。11月上旬に国が示した、国内で製造さ
れる全加工食品への原料原産地表示案のことだ。「輸入、国産」と
「輸入または国産」の違いは何? とうてい理解できない表示をど
う読むべきか、解説する。

●国内製造の全て

Q まずは、どんな食品に原料原産地が表示されるの?

A しょうゆ、チョコレート、食パン、清涼飲料水など国内で製造
されるすべての加工食品です。ただ、あらゆる原材料の原産地をラ
ベルに表すのは難しいため、重量割合が1位の原材料だけが表示の
対象になります。たとえば小麦粉なら、小麦の重量割合が一番多い
ので、小麦(アメリカ)となります。

Q それなら分かりやすいんじゃない?

A 原材料の産地は年間を通して変わることがありカナダ、豪州か
らも輸入されています。国名は重量割合の多い順に表示するためた
とえば、小麦(アメリカ、カナダ、豪州)となります。しかし3カ
国目以降は「その他」と表示してもよいので、小麦(アメリカ、カ
ナダ、その他)となることもあります。

Q なるほど。ただ、国別の重量割合がいつも一緒とは限らないよ
ね。

A いいところに気づきましたね。ここからが「分かりにくい」と
批判されがちな「例外表示」の話になります。重量割合が変わるた
びラベルを変えるのは不可能。そこで「または」で国名をつなぐ
「可能性表示」が考案されました。この場合は、小麦(アメリカま
たはカナダまたはその他)となります。

Q ということは「アメリカまたはカナダ」と記していても、ある
時期にはカナダ産が使われていない場合もあるのかな。

A そうです。そこで消費者の誤認を防ぐため、国は、過去の使用
実績か使用予定に基づくものだと分かるよう、たとえば、小麦(ア
メリカまたはカナダまたはその他)の下に「小麦の産地は平成28
年の取扱実績順」などの注意書きを表示するよう求めています。

Q どこも不作で、急にラベルにない中国産を使わざるを得なくな
ったら、どうなるの。

A 「中国産」のラベルがないので、販売できなくなりますね。実
は緊急時にどういう表示にするかは決まっていません。今後の大き
な課題です。

●「輸入」のみも

Q ここまで聞いて思うんだけど、実際に消費者が、小麦(アメリ
カ、カナダ、その他)と小麦(アメリカまたはカナダまたはその他)
の区別を理解できるとは思えないなあ。

A それくらいで驚いてはいけません。輸入相手国が3カ国以上の
場合は、「輸入」と表示できます。これが「大くくり表示」です。
その場合は、小麦(輸入)となります。さらに国産小麦も混ぜて小
麦粉をつくる場合は、小麦(輸入、国産)となります。

Q 小麦(輸入、国産)ということは、輸入小麦の割合が国産より
多いんだね。でも、輸入と国産の重さが変動する時はどうなるの。

A ありえますね。その場合は「輸入または国産」となります。地
球のどこかで作られたとしか分かりません。確かにおかしな表示で
すが、これを認めないと販売できなくなる恐れが生じます。ただし、
最初からどんなものにも「輸入または国産」と表すことはできませ
ん。

Q 例外表示はこれで終わり?

A もうひとつあります。「中間加工原材料の製造地表示」。たと
えば食パン。国内で製造加工された小麦粉を使っていれば、小麦が
アメリカ産でも、小麦粉(国内製造)と表示できます。ただし、小
麦粉(小麦、アメリカ)と原産地を正しく表示することもできます。
どちらにするかは事業者が選択できます。

Q 何かだまされている感じがするなあ。

A 「国内製造」の表示に対しては、消費者団体から激しい批判が
あります。認めると多くの加工食品が「国内製造」となってしまう
からです。

Q いま気づいたけれど、輸入加工食品の表示はどうなるの?

A 輸入品は対象外なので、原産地表示がなくてもOKです。たと
えば、中国産の原料を使って、アメリカで製造された輸入品には原
産地表示は不要です。

Q えーっ。これだけ輸入加工品が多いのに……。

A もともと原産地表示は、環太平洋パートナーシップ協定(TP
P)対策のひとつとして、国産品を推進するという政治主導で進ん
できました。消費者は輸入品よりも国産を選ぶという期待感からで
す。

Q でも、トランプ次期米大統領の出現でTPPはだめになるだろ
うから、表示は意味がないのでは。

A そこは議論が分かれます。国は「TPP発効がなくても消費者
の選択の確保に資する」と言っていますが、あの表示ではあまりに
不完全です。全加工品への表示義務づけという政治的な決定がある
ので、政治を変えない限り、表示の改善は難しいともいえます。今
後は内閣府の消費者委員会でも審議されるので、改善を期待したい
ですね。【小島正美】

■新しい原料原産地の表示例

(1)国別重量順=基本の表示

名称   小麦粉

原材料名 小麦(アメリカ、カナダ、その他)


(2)可能性表示

(国別の重量順位がよく変わる)

名称   小麦粉

原材料名 小麦(アメリカまたはカナダまたはその他)
※小麦の産地は平成28年の取扱実績順


(3)大くくり表示

(3カ国以上は「輸入」とくくれる)

名称   小麦粉

原材料名 小麦(輸入、国産)


(4)大くくり表示と可能性表示 

(3カ国以上の輸入産地と国産の重量割合がよく変わる)

名称   小麦粉

原材料名 小麦(輸入または国産)


(5)中間加工原材料の製造地表示 

名称   食パン

原材料名 小麦粉(国内製造)

あるいは

名称   食パン

原材料名 小麦粉(小麦、アメリカ)

http://mainichi.jp/articles/20161123/ddm/013/040/010000c
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どちらもよくまとまった解説記事ですので、私から付け加えるこ
とはありません。

 そもそもTPP対策で始まったことですから、TPPがほぼ絶望
となった今、何となくうやむやにするのがよいと思いますが、いか
がなものでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「原料原産地名表示」はしばらく気になっていて、取り上げるつ
もりでしたが、最近毎日新聞に小島記者の解説があったので、それ
に便乗させてもらいました。あまりにややこしくて、自分で説明を
書ける自信がなかったもので。

 ずいぶん寒くなりました。私は今年から方針を変更して、なるべ
く厚着して冷えないようにしています。少しは年寄りの自覚が出て
きたというところです。

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