安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>872号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------872号--2016.07.24------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「グルテンフリー」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回の「ミカンバエ」の記事について、こんなメールをいただき
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 久々に農薬のお話が記載されていて注目しました。

 柑橘ミカンバエの件、ARfD絡みでジメトエートが登録失効と推測
しておりますが、健康被害リスクを考慮した国とメーカーの総合判
断だと推測します。

 ただ、このジメトエートのミカンバエに対する効果は絶大です。

 日本植物防疫協会の委託試験結果を見れば、ジメトエート同等の
効果を示す農薬は殆どありません。

 如何に対応するのか、非常に疑問です。

 有効ではあるが効果の低い農薬を登録して現場技術を期待するの
は、少々疑問が残ります。

 今まで、非常に有効な農薬でミカンバエ密度を下げていた経緯と
移動性が少なかった生物的特性により大分県、愛媛県、山口県で発
生を止まっていましたが、風(強風、台風)、人の移動(車による
移動)などで拡散する可能性があります。

 一方、100%防除できる農薬が無い以上、ミカンバエが寄生し
ない柑橘品種への100%転換は生産者の圃場内では非常に有効で
す。数年間要しても、被害果実手取り防除が100%効果が期待で
きない以上、品種転換は将来的に有益だと思います。

 本来なら、栗のクリシギゾウムで対応したメチルブロマイドのよ
うに、代替技術が確立するまで、その(製造・)被害地区での部分
使用(放任園防除に限るなど)を認めるべきと考えます。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ありがとうございました。前回の記事のこの部分についてのご感
想ですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 防除の薬剤としては、以前からジメトエート乳剤の効果が高いこ
とは分かっていましたが、同センターでの試験の結果、ネオニコチ
ノイド剤の効果が高いことが判明。アクタラ顆粒水溶剤、ダントツ
水溶剤、モスピラン水溶剤などが、ミカンバエの防除薬剤として登
録されました。

http://www.ymg-ssz.jp/chiikiseeds/mydbusers/view/10091/10
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最も効果の高い、ジメトエート乳剤が適用範囲を変更されて、ミ
カン類には使えなくなったということです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

住化ジメトエート乳剤の適用内容変更のお知らせ

【登録変更の時期】 平成27年2月4日

【対象薬剤】 登録番号4803号 住化ジメトエート乳剤(住友
化学株式会社 登録)

【登録変更の内容】

作物名「みかん」、「なつみかん」、「かんきつ(みかん、なつみ
かんを除く)」、「はくさい」、「トマト」、「ピーマン」、「か
ぼちゃ」、「しろうり」、「かぶ」、「にんじん」、「ねぎ」、
「にら」、「たまねぎ」及び「さやいんげん」を削除する。

【登録変更の理由】 現在の登録内容の登録維持に必要な試験成績
整備に経費と時間を要するため。

https://www.hokkochem.co.jp/nouyaku/15-02-04-01.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これはこの間話題になっていた、「急性参照用量」に関連する見
直しで、必要なデータを揃えるのが困難と判断されたようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■急性参照用量(ARfD)と農薬の変更登録について

 農薬の残留農薬の評価手法(暴露評価)について、急性参照用量
(ARfD:一度に(24時間)摂取してもここまでは健康に悪影響が生
じないと考えられる量)が設定されることとなり、下記の農薬は、
適用作物の削除あるいは適用内容の変更が行われます。

変更登録が申請された段階で、農薬メーカー、国から変更登録の
内容について情報提供が行われます。今後は変更後の使用方法に基
づいた農薬の使用が必要となりますので、下記農薬を使用する場合
は、変更の登録を受ける前であっても、変更後の使用方法に基づい
て使用するように願います。

http://www.pref.shiga.lg.jp/g/nosan/kankyohozen/150903arfd.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このページに登録内容が変更された農薬の表がありますが、そこ
に「ジメトエート乳剤」もあります。

 私は知りませんでしたが、こういうのは現場では困っていること
でしょうね。

 さて、「機能性表示」の方面で、面白い話があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■日本アントシアニン研究会、八幡物産に撤回要請、いざこざ背景
に企業間対立か

 八幡物産が届出を行った機能性表示食品に、日本アントシアニン
研究会(以下、研究会)が疑義を呈している。今年1月、機能性評
価と表示内容に問題があると指摘。複数回に渡るやり取りもいまだ
解決に至っていない。ただ、いざこざの背景には、「研究会会員と
非会員企業という立場の違いからくる感情的対立や意思疎通の難し
さも影響している」(業界関係者)との見方もある。

 研究会は、届出の撤回を求めているが、八幡物産は、「問題ない」
と判断。届出を撤回しないとする。7月5日、同13日付で研究会
が撤回の申し入れに関する文書を公表したことを受け、八幡物産は
「弁護士と協議を進めている」(同13日付)と応じており、名誉
毀損等による提訴も視野に入れているとみられる。

 問題視されているのは、八幡物産が昨年10月に届出を行った
「北の国から届いたブルーベリー」(=画像、機能性関与成分・ビ
ルベリー由来アントシアニン)。機能性はシステマティックレビュ
ー(SR)で評価し、「パソコン作業、事務作業など目をよく使う
ことによる目の疲労感、ピント調節機能の低下を緩和」などと表示
する。

 ただ、日本アントシアニン研究会は、商品と、機能性評価に使っ
た研究論文に使われているビルベリーエキスの「同等性」が根拠づ
けられていないと指摘。使った論文の結論からは、八幡物産が行う
ような機能性表示はできないとしている。

 「同等性」とは、研究論文と商品で使う原料が栽培方法やエキス
の抽出法など品質、安全性、機能性の面で同様のものといえるかと
いうこと。複数の論文から機能を評価するSRでは、「同等性」に
対する考察が制度上、求められている。

 対立の背景には、原料メーカーを巻き込んだ別の側面もあるとみ
られる。

 研究会は、大学教授など複数の学術経験者を役員に組織する。た
だ、機能性素材を研究題材に扱う多くの研究会同様、この研究会に
もアントシアニンを扱う複数の原料メーカーが会員として参加して
いる。協力して原料の認知を図るなど参加企業の利益を代表する団
体としての側面もある。学術経験者の中には、販売事業者や原料メ
ーカーと共同研究を行うなど、浅からぬ関係にある者もいる。八幡
物産は、この研究会に参加しておらず、八幡物産が商品に使う原料
の供給元も「研究会に参加していない」(業界関係者)という。

 また、SRは、「最終製品を使った臨床試験」と異なり、その評
価手法の性質上、他社の研究論文を使うケースもでてくる。こうし
た背景も両者の溝を深める一因になっているとみられる。

http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2016/07/post-2581.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「研究会」が原料メーカーと組んで、その原料以外を使ったもの
は「同等性」が保証できない、と言っているわけです。

 元々、そんなに厳密な同等性が必要な話ではないと思います。機
能性表示は「気は心」のものですからね。

 最後は食品ではないですが、最近流行りの「水素」関連の話題で
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「水素発生」の入浴剤、やけどの恐れ 表面温度90度に

 国民生活センターは21日、「水素を発生する」とうたうパック
型の入浴剤によって、やけどを負う恐れがあると注意を呼びかけた。
お湯につけるとパックの表面温度がすぐに90度程度になるという。

 センターによると、入浴剤は不織布などのパックに封入され、専
用のプラスチックケースとセットで売られている。入浴剤のパック
をケースの中に入れ、お湯に沈ませると泡が出る。体に良いとうた
って販売しているケースが見られる。

 7歳の女児が今年1月、ケースに入った入浴剤を湯の中から拾い
上げたところ、手に軽いやけどを負った。そのためセンターが市販
の6銘柄を調査。すべての銘柄でパックの表面が90度程度になり、
最長で3分間持続した。全銘柄のケースには、子どもの指が通るほ
どのすき間があり、パックに触れて、やけどを負う恐れがあること
が分かった。

 さらに、湯から取り出すと、パックの表面から高温の蒸気が発生。
直接触れなくても、蒸気によって、やけどする可能性もある。配合
成分から水と反応して発熱しているとみられる。水素が本当に発生
しているかは調べていないという。

http://www.asahi.com/articles/ASJ7P45CBJ7PUTFL006.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 水に入れると発熱するというのは、水素よりも酸素と結合しやす
い、ナトリウムなんかを使っているのでしょうか。この場合、水か
ら酸素を奪いますので、水素が発生するはずです…。危ないからや
めろ、と思わなかったのが不思議です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「グルテンフリー」
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 あまりに馬鹿馬鹿しいのでこれまで取り上げてこなかった、「グ
ルテンフリー」という流行について、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■国内「グルテンフリー」市場形成へ、産官始動

 欧米を中心に一大市場を形成する「グルテンフリー」食品。米国
では2019年23億4,000万ドル、年平均成長率19.4%と高成長を予測し
ている。日本ではハリウッドセレブなどがダイエットや体質改善で
紹介し、認知が広まった。農水省では先月、グルテンフリーの国内、
海外の市場調査に着手することを発表。来年をメドに認証制度の構
築を目指す。

 「グルテンフリー」は、麺類やパンなどのつなぎとして使われる
小麦から生成されるタンパク質の一種「グルテン」を含まない食品
を指す。セリアック病などのアレルギー症状やグルテン不耐症の対
策として紹介され、欧米を中心に一大市場を形成している。最近で
は健康、ダイエット、体質改善などを目的に摂取する人が多数を占
め、特に米国では、高級オーガニックスーパーのほかウォルマート
などの安価な商品を置くスーパーでも専用のコーナーが設けられる
など、世代・性別・収入を問わず、幅広く普及している。

 英国の調査会社William Reedの調べによると米国のグルテンフリ
ーの市場規模は2014年で9 億7,300万ドル、2019年には23億4,000万
ドルになるとし、年平均成長率19.2%と高い成長率を予測している。
欧米でグルテンの代替として使われるのは、トウモロコシ粉、コー
ンスターチ、米粉、ソバ粉など。最終製品では、チップスやニュー
トリションバーに加え、醤油や味噌などもグルテンフリー認証を取
得するなど、日本企業の参入も活発化している。

 国内では、ハリウッドセレブのミランダ・カーやテニスプレイヤ
ーのノバク・ジョコビッチなどが体質改善やダイエットなどを目的
にグルテンフリーを取り入れた食事を紹介、書籍がベストセラーに
なるなど、グルテンフリーの認知が高まった。国内のメーカーでも、
米国FDAが定めるグルテン濃度20ppm未満とする基準よりも厳しい10
ppm未満という基準を設けるグルテンフリーの認証団体「GFCO」の
認証を取得している。また、新横浜ラーメン博物館では、2店舗で
グルテンフリーの麺、スープで作ったラーメンをメニューに加えた
ほか、ダイエーでも2014年から「ボタニカルショップ」を展開し、
その中でグルテンフリー商品を多数取り扱っている。またグルテン
フリー関連事業者が参加するグルテンフリーライフ協会では今月、
グルテンフリー研究会の第1 回を開催する。同協会は、独自の推奨
マークを作り、グルテンフリーの普及を進めている。

 グルテンフリーの認知度の高まりから、行政も始動。農水省は先
月、国内・海外におけるグルテンフリーの市場調査を開始すると発
表した。同省では、米消費拡大の切り札として、グルテンフリーの
推進を挙げており、来年をメドに国内グルテンフリー認証制度の構
築を目指す方針という。

 一方でグルテンフリーには、課題もある。大きな障壁となってい
るのは、食品表示だ。消費者庁が先月発表した「食品表示の適正化
に向けた取り組みについて」の中で、グルテンフリーに言及。今月
より、食品表示に関する夏期一斉取締りを行う中で、不適正なアレ
ルギー表示を行う事業者の取締りを強化するという。さらに、製造
工程におけるコンタミネーションの問題、消費者への正確な情報の
伝達も課題となっている。

http://www.kenko-media.com/health_idst/009873.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 農水省のやることはすべてこんな調子です。

 詐欺の先棒をかついでどうしようと?

 米粉を売るためには、インチキでも利用しようと?

 まず、「グルテンフリー」についてはこんな紹介があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■グルテンフリーダイエットって誰が必要なの?

 米国では2012年ごろから「グルテンフリーダイエット」と呼ばれ
るダイエットが大人気です。直訳すると「グルテン除去食」。著名
人が「グルテンフリーダイエットで減量成功」などといった例が多
数メディアで紹介され、大きな話題になっています。

 ところがこのグルテンフリーダイエット、実は一般人(特定の病
気などではない人)にとって健康上のメリットがあるかどうか、は
っきりとした科学的な証拠は出ていません。それどころか、グルテ
ンのメリットを失う可能性も指摘されています。

 米国アリゾナ州立大学のグレン・ガエッサー教授らは、グルテン
フリーダイエットを一般大衆に勧めるのは、軽卒なことではないか?
という疑問を投げかけています。今回はその報告を解説していきま
しょう。

■グルテンって何?

 グルテンは、小麦やライ麦、大麦などの穀物に含まれているタン
パク質です。

 詳しく解説すると、小麦粉などの穀物にはグリアジンとグルテニ
ンという2種類のタンパク質が含まれていて、水を加えてよくこね
ると両たんぱく質が絡み合い、粘りや弾力性のあるグルテンになり
ます。小麦粉はグルテンの量が多いものから順に、強力粉、中力粉、
そして薄力粉と呼ばれます(英語でも同様にstrong flour、medium
flour、weak flour)。粘りが強く出る強力粉は焼いたときによく
膨らむのでパンやピザなどに、キメ細かくさっくり仕上がる薄力粉
はクッキーやケーキ生地、天ぷらの衣などに最適です。

 そしてグルテンフリーダイエット、つまりグルテン除去食は、セ
リアック病やグルテン過敏症、小麦アレルギーなど、グルテンの摂
取が原因とされる疾患の増加とともに注目されるようになりました。

■グルテンフリーダイエットが必要な疾患その1:セリアック病と
は?

 セリアック病は、グルテンによって引き起こされる自己免疫疾患
です。

 自己免疫疾患は、免疫システムが誤作動して、身体が自分の組織
を攻撃する病気です。本来免疫システムは、何かの物質(例えばウ
イルスやアレルゲンなど)が身体に入ってきたときに、異物あるい
は危険な物質だと認識すると、身体を守るために発動し、物質を排
除しようとします。ところが免疫システムが誤作動して自分の細胞
や臓器に反応すると、それらを排除するための抗体を作り出して、
特定の臓器や部位を攻撃するようになります。すると体内に障害や
炎症が起き、全身性の症状が出ることもあるのです。

 セリアック病の場合、グルテン摂取後、小腸の粘膜に炎症が起こ
り、栄養の吸収が阻害されます。その結果、腹部膨満感、腹痛、下
痢や便秘、栄養失調、鉄欠乏性貧血、疲労、骨粗しょう症など、さ
まざまな症状をきたします。有病率は欧米で約1%と言われ、遺伝
的な要因が大きいとされています。

 しかし徹底したグルテンフリーダイエットにより、消化器がんな
どの発生率が低くなると報告されており、セリアック病患者にとっ
ては確立された治療法といえるのです。

■グルテンフリーダイエットが必要な疾患その2:グルテン過敏症
とは?

 グルテン過敏症(あるいは非セリアックグルテン不耐症)は、グ
ルテンに対し過剰な免疫反応が生じる疾患です。セリアック病とは
違い、自己免疫疾患ではありませんが、遺伝的要因に影響されやす
いのが特徴です。

 日本では、「PMSや慢性疲労、便秘などの症状がある原因不明の
不調はグルテン過敏症が原因かもしれない」などと女性誌などで取
り上げられてきているのでご存じの方もいるかもしれません。

 一般的な症状は、ガス、腹部膨満感、下痢などの胃腸障害、疲労
や頭痛などさまざまで(多くはセリアック病に類似)、ほとんどが
グルテンフリーダイエットで改善します。

■グルテンフリーダイエットが必要な疾患その3:小麦アレルギー
とは?

 小麦アレルギーはグルテンに限定されず、小麦そのものにアレル
ギー反応を示すものです。有病率は、欧米諸国で約0.1%と推定さ
れています。

 日本では化粧品に含まれていたことが原因で経皮感作による小麦
アレルギーを発症した例が多発したことがありました。症状として
は、じんましんや発疹、腫れなど皮膚に出てくるものと、皮膚だけ
でなく呼吸困難など全身の臓器に症状が出るアナフィラキシー(重
いアレルギー反応)があります。

 小麦アレルギーと診断された場合、小麦の摂取を避けます。

(中略)

■盲目的に完全排除しない

 グルテンフリーダイエットは、セリアック病またはグルテン過敏
症には有効といえますし、乾癬、関節リウマチ、1型糖尿病および
その他の自己免疫疾患の方に有益である可能性があります。

 しかし健常な人の減量効果を支持するデータは、やはりないので
す。

 実際、グルテンフリーの焼き菓子などは、脂肪と総カロリーが高
くなることがあります。そればかりか腸内細菌、血圧調節、免疫シ
ステムなどに、かえって悪影響を与える可能性もあるというわけな
のです。

 グルテンフリーダイエットが必要かどうか、個々の体質や健康状
態と相談しながら、慎重に考える必要がありますね。グルテンも立
派なタンパク質、重要な栄養源のはず。正しい知識と理解を得て、
「盲目的に完全排除」といった行為に陥らないようにしましょう!

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20150212/1062646/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 (中略)の部分で小麦の有益性についても触れられています。

 「アメリカで流行している」というところがポイントです。その
アメリカでの科学者の率直な反応はこんなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■もっとグルテンを食べよう:食に関する熱狂的流行は死ぬべき

 世界の93%以上にとってグルテンは全く問題ない。

 もしあなたがお金を儲けようと思っているならグルテンフリー食
塩の商標をとるのがいいかも。もし既にとられていたらグルテンフ
リー砂糖とかグルテンフリー水なんかどうだろう。それもとられて
いたら、グルテンフリーシューズならまだあるかも。

 今の時代のグルテンは80年代から90年代の脂肪やつい最近の炭水
化物がそうだったように、悪者であらゆる種類の都合の悪いことの
原因である。

 WSJが報告しているように、流行と賢いマーケティングと、栄養
について何も知らないくせにおかしなことをたくさん言うインター
ネットのゴシップの混合からなる全くのナンセンスである。

(略)

 食に関する熱狂的流行は新しいものではなくいつものことである。
グルテンフリー料理本はノーカーボワインや無脂肪クッキーと同様
に捨てられるだろう。セリアック病患者などの本当にグルテンを避
けなければならない人たちは病気と闘い続けるだろうがそのほかの
人たちは次の新しい悪魔を探しているだろう

■グルテンフリーの熱狂:それは健康的なのか?

 10年前はグルテンのことを聞いたことがあるアメリカ人はほんの
少しだった。今や私たちの調査ではほぼ1/3がグルテンを避けよう
としている。たくさんのレストランチェーンがレシピやラベルを改
訂しグルテンフリー市場は数十億ドル市場になっている。

 オマハのがん研究者で何年も減量を試みてきたHeather Nutshは、
友人がグルテンフリーで痩せたと聞いて2月にグルテンフリーダイ
エットをやってみようと決心した。

 しかし世界中のグルテンフリー愛好者は驚くかもしれないが健康
の専門家の多くはごく一部のヒトを除きグルテンフリーが良いとい
う根拠はないと言う。むしろグルテンフリーと表示されている製品
の多くはビタミンや繊維が少なく砂糖が多い。

 グルテンフリーチキンナゲット、ランチミート、ベーコンなどを
発表した大手食品メーカーTyson FoodsのCEOはグルテンフリーが健
康的なのかと聞かれて「私は知らない」と答えた。

 アメリカ人は食べるものに夢中でいつも健康的食品を探している。
より良く食べたいという望みと食品企業による新しい成長の機会の
探索が組み合わされて流行を生みだし、インターネットがそれをさ
らに加速する。その結果が消費者を惑わす食べ方についての競合す
る主張と説得の耳障りな喧噪である。過去10年の本やドキュメンタ
リーが食品企業への疑いを強化し大統領夫人が彼女の中心テーマを
健康的食生活に据え、ソーシャルメディアが新しい食品の流行拡散
を促進する。

 フェイスブックには1000以上のグルテンフリーを掲げたグループ
がある。それに対応して企業が新しい食品を作る。Nielsenによる
と食品企業が包装表面に掲げている健康に関する表示は75以上ある。

 しかしこのような表示には誤解を招くものがある。最初から入っ
ていないものに「○○フリー」を掲げたり、「本物のサトウキビの
砂糖」は高果糖コーンシロップより良くはない。

 現在裁判になっているため多くの企業が「ナチュラル」という単
語を排除しつつある。

 食品企業にとっては新しいカテゴリーができることはビジネスチ
ャンスである。そしてビジネスとしての宣伝が今度は消費者の関心
を集める。

 健康的な食品の選択肢があることはアメリカ人の食生活には良い
影響を与える。いまやカロリー摂取量がピークを過ぎ、炭酸飲料摂
取量が減った。しかしそれでもまだアメリカ人は40年前より平均で
一日459カロリー多く摂っている。

 米国の消費者と食品企業の混沌としたサイクルはグルテンフリー
でかつてないほど大きい。セリアック病患者は1%以下しかいないが
グルテン過敏症は多いとされる。一部の医師が原因不明の病態にグ
ルテンフリーを薦めセレブが流行に乗る。今やグルテンフリー食品
は溢れ、グルテンフリードッグフードまである。グルテンフリー製
品市場は2007年から昨年までの間に倍増し21億ドルになった。小麦
や大麦をもともと含まないヨーグルトや野菜などの製品にすらグル
テンフリーと表示してある。

 食品の歴史を調べているCarroll氏によると、グルテンフリーへ
の反応は1970年代に連邦政府がアメリカ人はもっと脂肪を減らすべ
きだというガイドラインを作ったときの反応に似ている。このとき
米国企業はたくさんの低脂肪製品を作ったがそれらは砂糖が多くカ
ロリーは変わらなかった。多くの人がそれらを健康的だとみなした
くさん食べてさらに太った。1980年代は脂肪の摂取量は減ったが同
時に肥満は増えた。

 Nutsh博士は2週間グルテンフリーダイエットをやって2ポンド減
量したがお腹がすいてたまらないことと毎日同じものを食べるのに
飽きて辞めた。体の調子は変わらなかった。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140624
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「全くのナンセンス」の一言でおしまいのようです。こういう流
行については、私なりの感想があります。

 先日、NHKの朝ドラを見ていたら、主人公姉妹が、大切なもの
を農家で食糧と交換する場面がありました。「たけのこ生活」は戦
後の混乱期の話なので、時系列的にも間違っていると思いましたが、
何より驚いたのは主人公たちが「野菜」を持って帰ってきたことで
す。

 ドラマ制作の人は「食糧」という意味を理解していません。食糧
とは即ち「保存できるカロリー」です。ああいう場合、交換してく
るのは「米」に決まっています。(末期には芋でもいい…とかあっ
たそうですが)

 カロリーがほとんどなく、保存のきかない野菜をもらってきてど
うするつもりなのか、目を疑ってしまいました。

 このように、飢餓の時代には何より必要なものは「カロリー」で
す。

 やがて社会が安定し、カロリーには困らなくなってくると、注目
されたのは「たんぱく質」です。「たんぱく質が足りないよ」など
というコマーシャルもありました。

 これは食糧に「質」も求められるようになってきた時代です。腹
を満たせば足りた時代は、やがてもっと美味しい食べ物を求めるよ
うになってきたのです。

 その後、今度は飽食による肥満も気になりだすと、「ビタミンや
ミネラル」が注目を集めます。もっと健康的に、という感覚が出て
くるのです。

 私の妻などが「ヘルシー」というと、低カロリーで野菜中心とい
うイメージで語るわけですが、件の朝ドラはこの時代の感覚で飢餓
の時代を語っていたわけです。

 そしてここからが本題ですが、その先に、一部の消費者はもっと
違う価値を求めるようになっていきます。

 「無添加」や「無農薬」の時代の到来です。この時代では、食糧
はお金さえあれば買えるものですし、ほとんどの人にとって絶対的
貧困は物語の中の話です。

 普通に美味しく食べて健康であれば、文句はないはずなのですが、
それでは飽き足りない人が必ず出てきます。

 その背景には、社会全体に対する漠然とした不安感があります。
また、自分は一般大衆より優れた人間だという自己承認要求もある
のだと考えています。

 それらが相まって、社会全体の2〜3割程度の人は、特別の価値
観を追求していくことになります。

 それらを満たすのは初歩的には「無添加」や「無農薬」でした。
その後、「放射能」「ダイオキシン」「環境ホルモン」「遺伝子組
み換え作物」と様々な相互には関連のないテーマが、同一の欲求に
応える形で登場してきました。

 もちろんその先兵は私もかかわっていた生協だったりします。ま
たその先にはもっと先鋭的な詐欺師の集団もあります。

 いずれにせよ、一定の人々がこういう欲求を持つのは単なる事実
で、別に悪いというわけではありません。

 非難されるべきは、それを利用して詐欺的に儲けようという人た
ちですが、線引きは難しいですね。

 さて、こういう一連のテーマの新作が「グルテンフリー」だとい
うわけです。

 グルテンのどこが悪いのかもはっきり言わないのですが、何しろ
小麦によって生きている西洋の人にはインパクトがあったようです。

 アメリカで非常に流行しているという話はしばらく前からありま
した。面白いというか、当然というか、いわゆる「セレブ」層に人
気があり、マスコミなどでも取り上げられることが多いようです。

 したがって、小麦があまり身近とは言えない日本人には、あまり
流行しないだろうというのが私の予想です。農水省の人はそのあた
りの考察も足りていません。

 彼らにすれば予算が消化できればどうでもよいのでしょうが。

 おまけで、農水省が「機能性表示」の方でも何やら計画している
そうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■農産物で健康、5地域選定 農水省、「機能性表示食品」へモデ
ル事業

 農林水産省は、体に良いとされる成分を多く含んだ農産物を使っ
て、地域で生活習慣病を予防する取り組みの支援を始めた。公募で
福岡市など5地域をモデルに選んだ。調理法の開発や効果の検証に
かかる費用を補助する。健康食品の市場を活性化させ、国産農産物
の消費拡大を目指す。

 昨年4月に始まった「機能性表示食品制度」を利用する。生鮮食
品や加工食品で、安全性や機能性の根拠を国に届け出れば「おなか
の調子を整えます」などと表示できる。健康食品としてブランド化
すれば、農家らの収入増も期待できる。

 2016年度予算で「健康な食生活を支える地域・産業づくり推
進事業」として関連事業も含め3億8800万円を計上。

 自治体や農家、食品メーカー、大学などが立ち上げたそれぞれの
地域協議会が戦略を練り、機能性表示食品制度への登録を目指す。

 公募で選ばれた新潟県上越市やブルボンなどは、デンプン成分
「アミロース」を多く含んだコメをおいしく食べられる炊飯方法を
開発し、糖尿病を減らす。

 神戸市やフジッコなどは黒大豆を使ったメニューを開発し、働く
女性の食生活を改善。佐賀市や佐賀大学、新日本製薬(福岡市)な
どはキクイモを活用し、生活習慣病を予防する。

 ほかに、長野県松本市や信州大学などの大麦、福岡市や中村学園
などの柿やトマト、黒大豆を使った取り組みが選ばれた。農水省の
担当者は「5つの地域をモデルケースにして、他の地域にも波及さ
せたい」と話している。

 既に機能性表示食品制度に登録された生鮮食品は、JAみっかび
(浜松市)の温州ミカンなど3品目にとどまる。農水省は、生産者
や食品企業が制度を活用しやすくするため、ガイドラインを整備し
たり、研修を実施したりする。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160722/mca1607220500006-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 農水省の政策決定システムに、根本的な欠陥があると思う、今日
このごろです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 私が生協に関わりだした1970年代後半は、高度成長期が終わり、
「ビタミン・ミネラル」の時代にさしかかったところでした。その
中で早くも「無添加」や「無農薬」を持ち出して、新しい潮流を作
っていった先輩たちの炯眼は大したものだと思っていますが、惜し
むらくはその後輩たちが自覚的な把握ができず、それらのテーマを
自己目的化してしまったことです。

 そこから先は、数々のテーマを「マッチ・ポンプ」で消費しつつ、
衰退の途をたどっています。世の食品メーカーたちが、その轍を踏
まないよう、強く希望します。魅力的に見えても、所詮少数派の欲
求ですよ。

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