安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>867号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------867号--2016.06.19------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「震災復興とヒラメ」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 まずは食中毒事件のニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■丸亀製麺で18人食中毒 「麦とろ牛ぶっかけ」が原因か

 名古屋市は15日、同市中川区篠原橋通にあるうどんチェーン店
「丸亀製麺 松葉公園店」で14日夜に食事をした8〜84歳の男
女計18人が下痢や嘔吐などの食中毒症状を訴えたと発表した。1
人が入院中だが、いずれも快方に向かっているという。

 市によると、18人は14日午後10時ごろから症状を訴え、調
べると、いずれも同店で期間限定メニューの「麦とろ牛ぶっかけう
どん」を食べていた。中川保健所は、このメニューが原因の可能性
があるとみている。食品衛生法に基づき、再発防止策が取られるま
での間、同店を営業禁止処分とした。

http://www.sankei.com/life/news/160616/lif1606160002-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 現在は「麦とろ牛ぶっかけ」はメニューからはずされているそう
ですが、名前だけでも危なそうな気が…。

 次は「生レバー」で逮捕された話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■捜査員に「豚の生レバーです」居酒屋経営者を逮捕、全国初摘発

 神奈川県警浦賀署は15日、居酒屋で豚の生レバーを提供したと
して、食品衛生法違反の疑いで、経営者の塚越博司容疑者(36)
=同県横須賀市=を逮捕した。県警によると、厚生労働省が昨年6
月に飲食店での豚の生レバー提供を禁止して以降、摘発は全国初と
みられる。

 浦賀署によると、店のメニューの中に「裏メニュー 毎週水曜日
 焼いて食べてください」などと書かれており、内偵中の捜査員が
何かと尋ねると、店員は「豚の生レバーです」と答えた。しちりん
など、焼くための器具は提供されなかった。

 逮捕容疑は今年4月27日、横須賀市久里浜2丁目の居酒屋で、
十分に加熱せず、豚のレバーを提供した疑い。県警に今年3月、メ
ールで情報提供があり、捜査していた。

 提供する際は肉の中心部まで加熱するよう義務付けており、悪質
な場合は2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科される。

http://www.sankei.com/affairs/news/160615/afr1606150042-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 メニューに「裏メニュー」を書いてしまったのですね。世の中を
なめています。

 次は沖縄に行くときに注意してほしいニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「ジーマーミは落花生」 沖縄県がアレルギーに注意喚起

 観光客らが「ジーマーミ豆腐」の材料がピーナツ(落花生)と知
らずに食べ、急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックで救
急搬送された事例を受け、県生活衛生課は14日までに、注意を呼
び掛ける飲食店事業者向けのチラシを作成し、ホームページに掲載
した。

≫ ピーナツと知らず…「ジーマーミ豆腐」でアレルギー 沖縄で
観光客の急患増加
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=172008

 客からジーマーミ豆腐の注文を受けた際に説明するか、料理メニ
ューなどに表示するよう求めている。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=173357
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 アレルギーでない人には関係ないことですが、人によっては危険
なものです。

 最後はいよいよ「BSE検査」が廃止されるという報道です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■<BSE検査>廃止へ 48カ月超の牛対象

 牛海綿状脳症(BSE)を引き起こすプリオンの検査は現在、生
後48カ月を超える牛を対象に実施されているが、内閣府・食品安
全委員会のプリオン専門調査会(村上洋介座長)は16日、「検査
を廃止しても、人への健康影響は無視できる」との評価結果案をま
とめた。これを受けて、食品安全委員会は近く「検査廃止」を厚生
労働省に答申する。2001年から続いたBSE検査がようやく全
廃となる。

 国内のBSEは01年9月に発生、同年10月から全頭検査が始
まった。その後、BSE感染牛は03年以降に生まれた牛からは発
生しておらず、食肉処理場の検査でも09年1月を最後に一頭も確
認されていない。同調査会は「感染牛の状況から見て、健康な牛の
検査を廃止しても、人へのリスクが高まることはない」との見解を
まとめた。ただし、足がふらつくなど運動神経障害を示す生後24
カ月以上の病的な牛は検査対象とする。

 BSEが発生した米国からは、13年から検査なしで生後30カ
月以下の輸入が認められている。そのため日本側の検査廃止が輸入
牛肉に与える影響はなさそうだ。国内の検査対象は05年8月から
21カ月以上、13年4月から30カ月超、同年7月から48カ月
超となっていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160616-00000060-mai-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 見出しがわかりにくいですが、「48カ月超の牛対象」は現在の
検査対象で、その検査が症状のあるもの以外は全廃されるというこ
とです。

 「ようやく全廃される」という書き方をしています。毎日新聞の
記事なので、もしかしたら、と思ったらやはり小島正美記者の記事
でした。

 年齢的にはそろそろ引退の時期なのでしょうが、彼が引退したら
残っているのは…。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「震災復興とヒラメ」
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 まずは本題とはあまり関係ないのですが、震災関連ということで
こんな話を紹介しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■東北5県?復興応援..福島県のみ除外 グリーンコープ・ギフト

 九州や中国地方など西日本の14生活協同組合でつくるグリーン
コープ連合(本部・福岡市)が製作した夏ギフトカタログの東日本
大震災の復興応援企画で、東北6県のうち本県のみが除外されて
「東北5県」として掲載されていることが13日、分かった。

 同連合によると、ギフトカタログに掲載された特集ページは見開
き2ページで、今月上旬ごろから組合員らに配布を開始。特集ペー
ジには、本県を除いた東北5県の海産物やお菓子などが紹介されて
いるほか、掲載された東北地方の地図は本県以外の5県で描かれて
いる。

 本県を除外した理由について同連合は「東北地方の商品を集めた
際、福島県の商品を取り扱う取引先がなかった」と説明。特集には
抗議や問い合わせの電話も寄せられているといい、同連合の担当者
は「配慮が足りなかった。不快な思いをしている方もいるため、今
後、ホームページなどで経緯を説明したい」としている。

 一方で県生活協同組合連合会は原発事故後、関係団体と連携して
全国に本県産品の購入を継続的に呼び掛けており、「本県産の食品
は安全、安心が確保されている。九州などから購入を続けてくれて
いる方も多く、今後も風評払拭に取り組みたい」としている。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160614-083981.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この記事は福島民友のものなので、「本県」はまちろん福島県の
ことです。

 「東北5県」(青森、岩手、秋田、宮城、山形)のよく目立つ地
図のイラストが使われています。東北はまれに新潟が入って7県に
なりますが、普通は福島を入れて6県のはずです。

 しかも震災復興支援ということなら、福島をはずすのはおかしい
と大いに批判をあびています。

 以下はグリーンコープのおわび記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■グリーンコープギフトカタログにおいて
不適切な表現があったことをお詫びいたします

 このたび、グリーンコープギフトカタログにおいて「グリーンコ
ープは2011年から東日本大震災の被災地を支援する活動を継続
的に行っています。東北5県で製造されている商品を利用すること
で、被災地の復興を応援しましょう。」と案内していました。

 その後、グリーンコープのホームページやSNSにおいて、たく
さんの方々にご意見をいただき、配慮がたりない案内になっている
ことがわかりました。大変申し訳ありませんでした。心よりお詫び
申し上げます。

http://www.greencoop.or.jp/news/gnn/201606/20160616-1/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここまでは普通のおわび文ですが、下のほうに「補足」というと
ころがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

【補足】

 グリーンコープは東京電力福島第一原発事故によって、今でも大
変な状況にあると思っています。今も多くの方が被災の影響で5万
7千人以上の方が避難されています。少しでも安全な場所で生活い
ただくために、南相馬市の避難奨励地域の会に放射能測定器を寄贈
して土壌の放射能測定ができるようにしました。
 
 子どもたちが放射能汚染の心配のないところで元気に遊んでもら
いたいと思い、2014年から年に10回ほど猪苗代のシェアハウ
スに子どもたちを連れていくことで子どもたちがのびやかに成長で
きるようにしています。(ぽかぽかプロジェクト)
 
 福島で栽培された食用ひまわりの種をグリーンコープの組合員宅
や各施設に届け、種をまいて栽培し、ひまわりの種を収穫して、ま
た福島に送り、食用ひまわり油を製造できるようにしています。グ
リーンコープはこの食用ひまわり油を販売して、その収益を福島の
子どもたちが放射能の心配のないところで遊びまわれる活動費の一
部に活用しています。

http://www.greencoop.or.jp/news/gnn/201606/20160616-1/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうもグリーンコープとしては反省のかけらもない、ということ
がうかがえる文です。

 以下はそれに関するあるブログ記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■福岡の「グリーンコープ」が「東北5県」で福島を排除・・・
迅速な「デマ叩き」が謝罪を勝ち取ったにゃ

 これを読んで、ここまでの報道も考えると、要するに2015年より
前は、「福島の商品が企画できていないのに福島を表記して」いた、
ってことなのだろう。

 だとすれば、「現在、グリーンコープとして福島県で製造されて
いる商品として取り扱いがあるのは化粧品2品目と産地指定米こし
ひかり(福島県会津地方のお米)のみとなっています。」が問題で
(ある意味ここに「本音」も見えるにゃ)、今後「福島の商品」を
扱うことが、あるのか、ってところが気にはなるが、むしろこんな
放射脳団体でも、「このたびは、東北5県と表現した事、大変申し
訳ありませんでした。福島の方たちの気持ちに配慮できていない表
現になってしまったこと、心よりお詫びいたします。」と書かなき
ゃならないのが、目下の現実を表していて、興味深い。

 例え本音ではなくとも、オレラ福島に住む人の気持ちに配慮しな
くてはならない世の中になったのだ。オレラの方が「意識高い系」
より大声になって、メンド臭くなってきたのだろう。

http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-209.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 理不尽な福島県差別に怒りの声を上げつづけるべき、という主張
です。実際、ようやく「放射脳」系のデマも下火になりつつあるの
だと感じる「事件」でした。

 さて、ここからが本題ですが、出荷制限解除のニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■福島沖のヒラメとマアナゴ、政府が出荷制限解除

 政府は9日、東京電力福島第一原発事故に伴う福島県沖のヒラメ
とマアナゴの出荷制限を解除したと発表した。

 県によると、2010年までの5年間の年平均漁獲量と漁獲高は
ヒラメは713トン7億2900万円、マアナゴは442トン3億
4700万円の主力魚種で、県は漁業の復興に弾みがつくことを期
待している。

 県水産課によると、ヒラメは今年5月23日までの2年余りに検
査した1078検体の放射性セシウムが、平均で1キロ・グラム当
たり9・7ベクレルだった。マアナゴはこの3年半の632検体の
平均は同8・2ベクレルだった。国の規制値は同100ベクレル。

 同課の担当者は「重要な魚種が解除され、今後の漁業振興に期待
がかかる。他の魚種についてもデータを蓄積し、解除に向けた国と
の協議を続ける」と話している。解除済みはヒラメとマアナゴを加
えて18種となった。残りは26種。

http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160609-OYT1T50161.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ヒラメのような海底にいる魚が出荷できるようになるのはもっと
先のことかと思っていましたが、案外に早かったです。

 以下は関連する記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■漁業者「ヒラメは特別な魚」 福島県沖・出荷停止解除

 政府の出荷停止指示が9日に解除された本県沖のヒラメは「常磐
もの」と称される県内漁業者にとって特別な魚だ。待望のブランド
魚種解除に、東京電力福島第1原発事故前の漁業を取り戻そうと、
試験操業で復興に向けた模索を続ける関係者からは喜びの声が上が
った。

 試験操業に参加する漁業者でつくる、いわき地区試験操業検討委
員会の鈴木三則会長は「ヒラメはいわき地区の漁業では主力の魚。
喜ばしいこと」と出荷停止解除を歓迎した。今後の操業については、
「関係者で会議を重ねていく」として、風評被害払拭や効率的な漁
獲方法などを検討していく。

 相馬双葉漁協の漁師で約20年ヒラメを取ってきた幸喜丸の船主
・高橋一泰さん(38)は「漁業復興に弾みがつく」と喜ぶ。これ
までコウナゴやシラスの試験操業に参加してきたが「やっぱりヒラ
メは特別な魚」と笑顔を見せた。

 同漁協の斎藤誠一事業部長(59)によると、相双沖でヒラメの
試験操業ができるのは早くて底引き船の出漁が始まる9月。「出荷
停止解除は明るいニュース」と話す。一方、天然物のヒラメは生き
たままで取引されることが多いが、現在、相双沖の活魚を扱う業者
は震災前の約5社から1社に減っており、流通面での課題も指摘し
た。

 県地域漁業復興協議会委員を務める北海学園大(札幌市)の浜田
武士教授は「現在、全国的に天然ヒラメの需要が高まり、高値が付
いている」として「常磐もののヒラメが全国でも高値が付く可能性
が高い」と分析。「競り、入札を取り入れ、ヒラメに高値が付くこ
とで漁業者のやる気の向上、漁業の前進につながるのでは」と述べ
た。また、試験操業での漁獲が開始されることを前提とし「活魚で
流通させる、市場や業者の態勢構築も必要」と提言した。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160610-083117.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■福島県産ヒラメ出荷規制解除 福島の漁業は新たなステージへ

 福島の漁業関係者、それから「常磐もの」ファンの皆さまにとっ
ては非常に大きな吉報といっていいでしょう。原発事故後、国の出
荷制限がかかっていた福島県産のヒラメとマアナゴについて、国は、
6月9日に出荷制限を解除しました。特にヒラメの解禁は、福島県
の試験操業が新たなステージに入ったことを示す大きなニュースと
いっていいと思います。

―福島県の主力魚種だった「常磐のヒラメ」

 福島県産のヒラメについては、原発事故の後のモニタリング調査
で、国の基準を超える放射性物質が検出されていたため、平成24年
6月から出荷制限が出されていました。陸から比較的近く、水深の
浅い海の海底に棲む魚であり、回遊魚ほど移動範囲が広くなく、寿
命が比較的長いことなどの理由から、原発事故直後の高濃度汚染水
を取り込んだ個体が生き残り、ごくまれに漁協の基準値である50Bq
/kgの放射性セシウムが検出される個体が見つかっていたためです。

 しかし、原発事故から5年以上の時間が経過し、高濃度汚染水の
影響をまともに受けた個体も、代替わりし、あるいは生き残ったも
のについても、この5年で体内からの排出が進んだため、県のモニ
タリング調査においても、50Bq/kg超えの個体は長期間にわたって
見つかっていませんでした。

 また、ヒラメは震災前には年間700トンを超える水揚げ量があり、
そもそもが高級魚であることから、福島県の近海で獲れる魚種のな
かでも「主力魚種」の1つとして確固たる地位を築いていました。
特に大きく育ったヒラメは「常磐もの」として築地などでも高値で
取引されており、福島の漁業にとって欠かすことのできない魚種で
もあることから、今回「解禁」に踏み切ったものと見られます。

 ヒラメの解禁には、2つの大きな意味があると考えています。1
つは、これまでの「回遊魚」や「沖合の魚」とは違い、「浅い海域
の底に棲む魚が解禁された」ということです。陸地から近い海底で
すので、それだけ汚染水の影響を受けやすい魚種であり、原発事故
直後に数千ベクレル級の汚染が見つかった魚種でもあります。しか
しそのヒラメが解禁されるほど、福島の海は回復してきているとい
うことです。

 2つ目は、ヒラメは県外の市場などでも高く評価された「常磐も
の」の本命であり、常磐のヒラメの取引価格が、今後の福島県産の
魚の評価に影響を与えかねないということです。大量に流通するこ
とから価格勝負となってしまいがちだったサンマなどの回遊魚と違
い、震災前まで高い評価を受けていた「常磐もの」ですから、その
価値を守れるかどうか、ヒラメ解禁が試金石になると思います。

―福島の海の回復を示す指標としてのヒラメ

 まずここで考えたいのが、ヒラメの安全性です。私は、市内の有
志たちとともに、福島第一原発沖での海洋調査を2年半にわたり続
けてきました。ヒラメについてもこれまで複数の検体を調べており、
自治体のデータに比べれば数は少ないものの、ある程度動向を見極
めるだけの調査は重ねることができたと考えています。そのデータ
を少し紹介します。


 我々の独自調査の結果を見ると、2014年は、セシウム合計で138
Bq/kgを検出した個体もあり、全体のうちN.D.となったものは40%
にとどまっていました。ところが、2015年はN.D.となる率が68%と
なっており、検出される数値も全体的に下がっています。我々の調
査も、自治体の調査と同じように、50Bq/kgという漁協の自主基準
を超えた個体はありませんでした。

 個体を詳しく見ていくと、体長の大きな個体から放射性物質が検
出されやすいことがわかってきました。なぜなら大きなヒラメは原
発事故当時すでに成魚であり、震災直後に放出された高濃度汚染水
の影響をまともに受けたからです。これに対し小さめの個体は震災
後生まれであり、放射性物質がすでに希釈された海で育っているた
め、ほとんどの場合はN.D.、あるいは数ベクレル程度にとどまりま
す。

 さらに、水族館「アクアマリンふくしま」の富原獣医の協力で、
魚の年齢がわかる「耳石」という器官を採取し、年齢の判定をして
頂いたところ、7歳以上の個体から比較的セシウムが検出されるこ
とがわかってきました。これは、7歳以上の個体になると、成長し
きってしまい代謝が弱くなってきているため、セシウムが排出され
ず残っていると考えられるからです。

 もちろん、私たちの調査は「原発近傍」であり、漁の自粛されて
いる20km圏外、いわき沖や相馬沖では、この値は当然下がりますし、
県のモニタリング調査でも同様の傾向が見られています。また、漁
で漁獲されるヒラメの多くは2〜3歳であり、7歳以上の巨大なヒ
ラメはあまり市場には出回りません。そのような事情を勘案すれば、
今回の「ヒラメ解禁」は納得のいく決断だと評価できると思います。

 ところで、なぜ時間とともにセシウムの排出が進むのかといえば、
浸透圧を考えればわかります。浸透圧とは、細胞膜で隔てられた濃
度の異なる2つの溶液の間で、濃度の低い方から高い方へ水が移動
する力のこと。海水の塩分濃度は約3.5%、海水魚の細胞の塩分濃
度はその3分の1程度なので、海水が魚の体に触れると、細胞内の水
が外に流れ出してしまい、脱水状態になり死に至ってしまいます。

 このため海水魚は脱水症状にならないよう、失われた水分を補う
ためにたくさん海水を飲みます。ただ、海水にはたくさんの塩類が
入っているため、それを排出する機構が海水魚にはあり、余分な塩
類はエラや腎臓などで排出されるのです。海水魚の肉(刺身)がし
ょっぱくならないのはこのためです。

 実は、セシウムというのは塩分に含まれる「カリウム」と性質が
良く似ているため、魚は塩分と一緒にセシウムも吸収してしまうの
ですが、塩分と一緒にエラと尿によって盛んに排出されます。海水
のセシウム濃度が高いときはどんどん吸収してしまいますが、海水
の濃度が下がるほど、体内のセシウムも排出されるわけです。「震
災直後はセシウムが多く検出されたが、数年で下がった」というデ
ータとも整合性がつきます。

 以上の話とまとめれば「ヒラメが解禁されるほど福島の海が回復
してきている」ということになります。まだアイナメやメバルなど
のロックフィッシュは解禁されていませんが、ヒラメのような「浅
場の海底に棲む魚」が解禁され始めたという事実は大変大きいと思
います。私たちも、福島の海についての現状をアップデートしなけ
ればならないでしょうし、マスメディアでも大きく取り上げて欲し
いと思います。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/komatsuriken/20160610-00058674/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一時は高濃度のセシウムを蓄積したいた個体でも、時間が経過す
ると排出されていくのですね。

 更に普通は2〜3年のものなので、はじめからあまり蓄積されて
いないものがほとんどということです。

 全体としては、放射性物質の排出がコントロール下にあり、海水
中濃度がどんどん低下していることの反映なのでしょう。

 グリーンコープもここで「福島産ヒラメ」の特売でもすればよい
のですが、まず無理と断言しておきます。

 さて、それに関連して、こんなニュースもありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

宮城沖ヒラメ漁獲量急増 震災休漁影響か

 東日本大震災以降、宮城県内のヒラメ漁獲量が大きく伸びている。
2014年には全国トップの1465トンを記録。震災に伴う休漁
などの影響で全体的な資源量が回復し、水揚げ増加につながってい
るとみられる。

 「漁獲量は感覚的に震災前の2倍ぐらい。サイズも大きいし、年
々良くなる感じだ」。県漁協仙南支所(亘理町)の橋元勇支所長は、
好調を持続するヒラメ漁の手応えを語る。

 水産庁の統計では、県内のヒラメ類の漁獲量は10年が344ト
ン。震災後の12年は197トンまで落ち込んだが、13年は98
7トンに急上昇し、14年に1000トンの大台を超えた。

 ヒラメは資源量の変動が大きいとされる。東北区水産研究所(塩
釜市)によると、10年は稚魚が非常に多く確認され、数年後の豊
漁が期待されていた。震災後の漁獲量激減で、資源量が上向いてい
るとみられる。

 橋元支所長は「福島の出荷制限の影響もあり、餌となる小魚など
が増えているのではないか。地道に続けてきた稚魚放流の効果もあ
るだろう」と推測する。

 県内で漁獲されたヒラメの多くは東京や名古屋などの大消費地に
出荷されている。県内の魚市場関係者によると、季節によって多少
の変動はあるが、価格は高値で安定しているという。

 東北水研の担当者は「今年も震災前の水準を上回る漁獲が期待で
きる。要因を含め、今後の推移を見守りたい」と話した。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160504_13033.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは宮城県の話ですが、福島県でも似たような事情だと思いま
す。「休漁」が資源回復に劇的に効果がある、ということが実証さ
れつつあります。

 この後、乱獲で「元の黙阿弥」にならないよう、関係者には自制
をうながしたいですね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 グリーンコープとは昔つきあいがあったのですが、どうしてこん
なことになってしまったのかと驚いています。でも、よく考えれば
30年以上前から「EM菌」がどうとか言っていましたので、昔か
ら非科学的、独善的な傾向はありました。

 有効期限が残り少なくなってきて、パスポートを新しく取得する
申請に行ってきました。ちょっと悩んだのですが、有効期限10年
の方を申請しました。今度の期限切れは2026年、75歳になり
ますので、これが最後?というところです。

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