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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------86号--2001.07.01------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

Q&A特集(「トリハロメタン」「安定剤」「着色料」「炭水化物」)
「水道水」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 今回はQ&Aの特集です。このごろ、いろいろとメールをいただ
き、たいへん喜んでいます。満足なお答えができないのが心苦しい
のですが、よろしくお願いします。


--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.こんにちは、私は神奈川県に住んでいるのですが、最近飲み水
について心配になりました。以前は水道水でも沸騰させて蒸発させ
ればかなり安全になると聞いていたのですが、ある浄水器のホーム
ページで沸騰させるとトリハロメタンが2〜3倍になるという研究
結果が出たと載せられていました。本当でしょうか???教えてく
ださい。

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A.水道水を沸騰させると、トリハロメタンが一時的に増える、と
いうのは本当のようですね。(2〜3倍というのは大げさなようで
すが。)

 これは水道水の残留塩素が原因です。一時的には増えますが、沸
騰を続けていけば、こんどはだんだんと減っていきます。

 完全に除去するには長時間沸騰させねばならないのですが、数分
間の沸騰で充分減らすことはできるようです。

 ただ、これはどうもエネルギーの無駄遣いだと思います。

 トリハロメタンを取り除くには、上記の長時間沸騰させる、とい
う方法以外に、浄水器を使う、という手があります。現在、インタ
ーネットでトリハロメタンを検索すると、ほとんどが浄水器の宣伝
のページですね。

 ただ、浄水器にもいろいろあり、トリハロメタンを取り除けるの
は、かなり高価なものになります。簡易なタイプはほぼトリハロメ
タンに関しては効果がない、と考えてください。

 高価な浄水器でも、使用とともに除去率は悪くなり、最終的には、
元の水道水よりトリハロメタンが増えてしまう、などということが
おこりますので、管理(この場合はカートリッジの交換)が大変で
す。

 というようなことで、家庭で完全に取り除くのは難しいようです
ね。、

 水道水に含まれるトリハロメタンは、リスク要素ではありますが、
すぐに健康被害に結びつく、というような濃度ではありません。一
生涯飲みつづければ、発ガンリスクが少し高くなる、という程度で
すので、気にしない、ということでも、別にかまわないと思います。

 とはいえ、それでほっておくのもどうかと思います。最良の選択
は、トリハロメタンを出さないような浄水方法に変えることです。

 トリハロメタンは水道の原水中の有機物と塩素とが反応してでき
るものです。水道水には残留塩素といって、蛇口から出た時点で、
塩素が含まれていることが義務づけられています。このために水道
水は細菌に関しては安全な水なのです。

 ただ、この残留塩素のために投入される塩素とは違い、原水中の
有機物を取り除くために、浄水の早い段階で投入される塩素が、ト
リハロメタンの原因だそうです。

 原水が充分きれいなときは、このような塩素は必要ありませんの
で、トリハロメタンは生成しないと考えられています。

 都市部では、そういうわけにもいきませんので、浄水の方法が
「高度処理」という、新しい方法に変わりつつあります。これはオ
ゾンや活性炭などを使用して、より高度な浄水をおこなう方法で、
トリハロメタンに関しても有効だそうです。

 この方法はコストがかかりますので、今まで採用されなかったの
ですが、浄水器を買うことを思えば安いものですので、住民として
は、水道料金の値上げを認め、高度浄水の導入をすすめる、という
選択肢もあると思います。

 住民の側から、水道料金の値上げを言い出す、というのは何だか
変なようですが、これからの新しい住民運動として、一考の価値は
あると思います。

 ということで、トリハロメタンの対処方法としては、

(1)気にしない

(2)高度浄水を導入するよう、行政に働きかける。

(3)コストと手間をかけて、浄水器を使用してみる。

(4)長時間沸騰などのトリハロメタンを減らす方法をとる。

といったところでしょうね。私としては、(1)(2)あたりをお
勧めします。

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Q.ここにこんな質問をするのはどうなのかな?と思いつつ、どう
しても気になって仕方がないので質問させてもらいます。

 私は現在妊娠18週(5ヶ月)の妊婦です。先日某メーカー(明
○乳業)のアイスクリームを購入したのですが、原材料名の所に、
安定剤(増粘多糖類)という文字を見つけてしまいました。

 安定剤と書いてあると何だか恐い?っていうイメージがあって、
市場で売られている物だから大丈夫なんだろうとは思うのですが、
お腹の赤ちゃんに何か影響があるんではないのかと気になって仕方
がないのです。

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A.「増粘多糖類」というのは、主に海藻などからとった成分です。
要するに寒天の仲間だと思って間違いありません。

 アイスクリームには普通、「乳化剤」が使われます。これはどち
らかというと石けんの仲間で、水と油を混ざりやすくするのに使い
ます。グリセリン脂肪酸エステルとか、ショ糖脂肪酸エステルとか、
大豆レシチン(これは天然物です。)なんかを使います。

 ご質問の添加物は、この代りに使われているのだと思います。ど
ちらも、安全性は問題ありませんが、感じとしては、海藻抽出物の
方が、安心な気がしますね。

 別に食べる必要がある食べ物ではありませんので、お勧めするわ
けではありませんが、商品として売られているアイスクリームに、
このような添加物が使われていない、ということはまずありません
ので、心配することはないと思います。

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Q.こんにちは。今、学校の方で着色料が人間に与える害について
調べています。できれば情報をください。お願いします。

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A.着色料も、許可された食品添加物である以上、人間に影響を与
える、というデータを探しても見つからないと思います。

 だって、そんなデータがあって、研究者がみんなそれを認めてい
たら、許可されるはずがないからです。

 一部に、こんなに危険だ、などと書いているサイトもありますが、
実際のデータで証明できたわけではありません。

 証明できるようなデータがあれば、それを持って行って、許可を
取り消させるのは簡単なことだからです。

 とりあえず、今許可されている食品添加物については、基本的に
食べても安全だということになっています。

 ただ、必要もないのに使うことはありませんし、危険である、と
いうデータがないことが、絶対に安全である、と証明することには
なりませんので、「君子危うきに近よらず」で、避けた方が賢明で
ある、と私は思っています。

 もし、着色料の危険性を証明するデータを見つけた場合は、ぜひ
連絡してください。私も見てみたいです。

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Q.だんな様が中性脂肪がすっごく高くて、食事制限をしようとお
もっています。本人から、夕食には、炭水化物をできるだけ取らな
いような食事にしてね!といわれ、どんなものが炭水化物なのか知
りたいです。そして、どんなものを夕食のメニューにすればいいか、
もし、アドバイスしていただけるとうれしいものです。

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A.脂肪の値が高いのに、炭水化物を制限するのですね。「たんぱく
質」「糖質」「脂肪」が三大栄養素ですが、「糖質」はまたの名を
「炭水化物」といいます。炭素と水(酸素+水素)がくっついたよ
うな、ということなのでしょう。

 また、食品の成分としては、「デンプン」として存在するか、
「糖」として存在するか、というくらいです。

 ご飯を長く噛んでいると、だんだん甘くなってきますが、あれは
デンプンが分解されて、糖(この場合は麦芽糖)ができてくるから
です。

 このことからも、「デンプン」と「糖類」が栄養の上からは同じ
仲間ということがわかります。

 炭水化物を多く含む食品というのは、「ご飯」「パン」「めん類」
「芋類」などです。

 ただ、これらを少なくして、本当に血液中の中性脂肪が減るのか
どうか、私には疑問なんですが・・。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「水道水」
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 今週のQ&Aで、トリハロメタンの話題がありましたが、以前、
浄水場を見学したときの話などを書きます。

 水道の水源は普通、河川水を使いますが、一部では地下水などを
使用しているところもあります。また、河川水でも、普通は表流水
といって、川を流れている水ですが、川の地下にも水の流れがあり、
川の地下にパイプを通して取水することもあります。これは伏流水
といいます。

 私の住んでいる町で、一番中心部に供給している浄水場は、この
伏流水を使っているので、おいしい水として知られています。町に
はいくつもの浄水場がありますので、どの地域にこのおいしい水が
供給されているか、見せてもらいましたが、境界はあいまいでした。

 というのは、水道管というのは、送出口は浄水場のところにあり
ますが、反対側の末端というのがないのです。どの水道管も、必ず
他の水道管につながり、いきどまりにはならないようになっていま
す。

 そのため、境界のあたりでは、どの浄水場から来た水かはわから
ないのです。そしてその水道管の全体に、浄水場からポンプで圧力
をかけているため、蛇口をひねると水が出てくるようになっていま
す。

 普通の表流水を取水すると、まずしなければならないのが、濁り
をとることです。これは水に溶けているのではない、泥などの粒子
を沈殿させることにより、濁りをとります。

 このとき、だいたい「硫酸バンド(硫酸アルミニウム)」や「ポ
リ塩化アルミニウム」という薬品を投入します。これは凝縮剤と呼
ばれ、細かい粒子を集めて、大きな粒子にすることで、早く沈殿す
るようにするのです。

 アルミニウム化合物なので、「アルミニウム有害説」の人はこの
ことを批判していますが、別に問題があるわけではありません。

 沈殿が終ったら、こんどはそれより小さな、沈殿しない分子を何
とかしなければなりません。そこで「濾過」ということをします。

 これは砂などの濾過剤の層に水を通すことにより、細かな粒子を
濾過剤に吸着させるわけです。最近、普及してきた、「高度処理」
では、活性炭を使って吸着をより効率よくしています。

 これらの過程で、有機物を食べる微生物が繁殖してきます。これ
は実に重要なことで、水から物理的に除去できない有機物が、微生
物の体内に取り込まれ、生物体として水から分離できるのです。

 水の中の有機物の種類も様々ありますが、それを食べる細菌が必
ず繁殖してきます。鉄分が多い水だと、鉄分を食べる細菌なんかも
あるんだそうです。

 先程の活性炭も、単に吸着するだけでなく、活性炭の細かな隙間
が微生物の良い住処になっている、ということです。

 水道水の話題で、いつも問題になるのは、塩素処理です。水道水
と塩素は切っても切れない関係があります。法律では1リットルあ
たり、0.1ミリグラム以上の塩素が、水道水に残っていることが
義務づけられています。

 このことが水道水が細菌汚染に関して安全であることの根拠にな
っています。悪徳商法で、水道水に試薬を入れて、「こんなに汚れ
ていて危険です」などといって浄水器などを売りつける業者があり
ますが、あれはこの残留塩素と反応する試薬を使うのです。

 つまり、すべての水道水はこの試薬に反応するわけですから、だ
まされてはいけません。

 浄水器も個人の趣味として使うのは良いのですが、水道水がその
ままでは飲用には耐えない、というのは誤解です。

 外国へ行って水道水を飲むときも、残留塩素があって、硬度がそ
れほど高くなければ、そのまま飲んでも大丈夫なんだそうです。

 浄水器の水や、汲み置きの水では、この残留塩素がなくなってし
まっています。そのため、速やかに細菌が繁殖してきますので、こ
れらの水を長時間たってから飲むのは、極めて危険です。

 よく、「○○の水」というような、有名な泉の水なんかを、遠出
して取ってきて、お茶やコーヒーに使っている人がいますが、あれ
は危険です。生の湧き水は現地では最高に美味しいものですが、ポ
リタンクに入れて持って帰るような性質のものではありません。

 ということで、浄水場では最後の段階で塩素を投入しています。
ところが、ほとんどの浄水場では、その前の段階で、有機物を分解
するために塩素を投入しています。「中間塩素」とかいうそうです
が、この塩素と有機物が反応した結果、トリハロメタンができてく
る、ということです。

 高度処理では、この中間塩素の代りに、オゾンを使用することが
多いようです。オゾンは酸素原子3個でできた分子で、余分な酸素
原子によって、有機物を酸化、分解します。ようするに塩素化合物
ではなく、酸化物ができるわけです。

 トリハロメタンの生成量は、高度処理では有意に下がります。日
本一まずい、と言われた大阪の水道水も、既にすべて高度処理水に
かわりました。インターネットで見かけたのですが、何と北海道の
北見市でも導入されているとか。

 北見などといえば、広大な自然ときれいな水、と思いがちですが、
水源の川は有機物が非常に多く、濁った川なんだそうです。熱帯の
川も、大量の有機物を含んで濁っているのが普通ですが、寒いとこ
ろでは、有機物の分解のスピードが遅くて、やっぱり濁ってくるよ
うです。

 トリハロメタンについては、Q&Aの欄に書いたとおりなのです
が、水道水の安全ということからすると、もう一つ、クリプトスポ
リジウムという原虫があります。

 この原虫は人や家畜などの糞尿で原水が汚染された場合、水道水
に混入することがあります。やっかいなのは、塩素殺菌に対して耐
性があることで、原水が汚染された場合、水道水に入ってくること
は避けられません。

 幸いにして、普通の人では、クリプトスポリジウムに感染しても、
最悪の場合下痢をする程度ですので、あまり悪質なものではないよ
うです。エイズ患者や免疫抑制剤を飲んでいる人では、危険なこと
があるそうですが、そんな人が生水を飲むのは、常識的に考えても
あり得ないです。

 さて、沈殿・濾過・殺菌を終った水道水は、配水池から、ポンプ
で圧力をかけて、水道管に送り込まれてきます。

 水道管の仕組みは上記のとおりですが、水道管から水中に、サビ
などが出てくることがあります。特に水が水道管に滞留する夜中に
でてきますので、朝一番の水は飲まないようにした方が良い、とい
うことです。飲用や調理には、しばらく流してからの水を使うよう
にしましょう。

 水の美味しさは、温度によって違います。水道水を冷蔵庫で冷や
すだけでも、ずいぶんと美味しくなります。飲み屋で、ミネラルウ
ォーターの瓶に水道水を入れておく、というのはよく聞く冗談です
が、案外それも美味しいかも知れません。

 水道水は地域的なものなので、すべて同じ、というものではあり
ません。地域によって、かなり差がありますので、ご自分の地域の
水道水について、調べてみてはいかがでしょうか。聞きに行くと案
外親切に教えてくれるものです。(インターネットで公開している
自治体もたくさんあります。)

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「トリハロメタン」でインターネットを検索したら、浄水器の宣
伝ばかりだったのには驚きました。いろんなものがあるものです。

 真面目な企業が真面目に作っているものも多いのですが、何だか
なあ、というものも多いです。また、まともな商品であっても、売
っている人が真面目とは限りません。

 家に売りにくるセールスに関しては、まず100%インチキか、
不当に高いものであることは間違いないです。コスト(1日に1台
も売れないでしょうから、1台売れば何万円〜何十万円も儲かるよ
うになっているはずです。)を考えれば、これは当然です。

 問題はインターネットでの販売ですが、私は基本的に、このよう
なものに手出しをするのは考えもの、と思います。特に「波動」や
「水のクラスター」などの説明が出てきたら、即怪しい、と思って
ください。それは詐欺商法であっても、ご本人は大真面目であって
も、同じことです。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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