安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>856号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------856号--2016.04.03------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「原料原産地表示制度」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 まず、いわゆる健康食品の不当な広告の摘発について。最初はコ
コナツオイルです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■食用ココナツオイル認知症効く根拠なく再発防止命令

 消費者庁は31日、「認知症やがんを予防する」と宣伝して食用
ココナツオイルを販売したのは根拠が認められず、景品表示法違反
(優良誤認)に当たるとして、食品関連会社「ココナッツジャパン」
(東京)に再発防止を求める措置命令を出した。

 消費者庁によると、不当な表示があった商品は「エクストラバー
ジンココナッツオイル」とする液状の瓶詰めタイプとカプセルタイ
プの2種類。同社は2014年3月〜昨年11月ごろ、自社ウェブ
サイトで「ココナッツオイルで認知症の予防・改善」「ガン予防」
「心臓病を予防」などと表示して販売した。

 だが同社が消費者庁に提出した資料では、これらの効果を裏付け
る合理的な根拠は認められなかったという。14年3月〜昨年8月
の売上は約1億9000万円という。

http://www.nikkansports.com/general/news/1624775.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は「黒酢」です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■黒酢サプリ、飲むだけで痩せるは根拠なし 消費者庁

 黒酢入りのサプリメントを飲むだけで痩せられるような宣伝をし
たのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は30
日、健康食品販売会社えがお(熊本市)に再発防止などを求める措
置を命じた。

 商品名は「えがおの黒酢」。同社は2013年3月〜15年5月、自社
のウェブサイトに「アミノ酸一般食酢の120倍のえがおの黒酢でダ
イエットサポート!」などと掲載し、あたかもサプリを飲むだけで
痩せるかのような宣伝をした。

 同社は1袋(62粒入り)を1600円(税別)で販売。同期間の売り
上げは約1億1400万円だった。

 消費者庁は同社に対し、表示を裏付ける資料の提出を要求。資料
は出されたが、合理的な根拠を示すものとは認められなかったとい
う。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H5Z_Q6A330C1CR8000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 消費者庁のサイトによると、具体的にこんな表示があったそうで
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■表示内容

 株式会社えがおは、例えば、次のとおり記載することにより、あ
たかも、対象商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をする
ことなく容易に著しい痩身効果が得られるかのように示す表示をし
ていた。

○「アミノ酸一般食酢の120倍のえがおの黒酢でダイエットサポ
ート!」と記載

○「『黒酢』に含まれたアミノ酸のメラメラパワー!」と記載

○「不足していたのはメラメラ力だったんですね・・・」と記載

○「人より効果が出にくい私。最初からアミノ酸を使ってたら・・
・」と記載

○「タンスの奥のジーンズが出せた!」と記載

○「運動量は変わらないのに遂に出産前のスタイルに!」と記載

○「えがおの黒酢であっという間の目標達成!その仕組みとは?」
と記載

○「たとえば、脂肪1kg(約7,000kcal)を燃やすには
こんな運動&食事制限が必要なんです。」、「ウオーキング約63
時間!」、「平泳ぎ約13時間!」、「絶食約7日!」、「こんな
に?できない!」と記載

○「そこで注目したいのが人が本来持っている“メラメラ力!”と
いう名の力!」、「そうです!このメラメラ力!をサポートすれば
本来の力をぐんぐん高めることが出来るのです!!」と記載

(http://www.caa.go.jp/~160330premiums_1.pdf)
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「騙しのテクニック」としては参考になりますね。

 次は堺市のO157事件の後遺症による死者が出たというニュー
スです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■20年前のO157集団食中毒 後遺症で女性が死亡

 20年前、大阪・堺市で発生した学校給食を原因とする病原性大
腸菌O157の集団食中毒で、感染した当時小学1年生だった女性
が後遺症により、去年、死亡していたことが分かりました。

 大阪・堺市では、平成8年7月、小学校の給食を食べた児童など
およそ9500人が、O157に集団感染し、当時1年生と5年生
それに6年生だった女の子3人が死亡しました。

 これについて堺市は30日、記者会見を開き、O157の後遺症
で治療を受けていた当時小学1年生だった女性が、去年10月、脳
出血により25歳で死亡していたことを明らかにしました。堺市に
よりますと、女性はO157に感染したときにHUS=溶血性尿毒
症症候群を発症し、その後遺症の「腎血管性高血圧」が脳出血の原
因だということです。堺市によりますと、20年前の堺市のO15
7の後遺症による死亡は初めてだということです。

 また同じ後遺症の人は、ほかに女性1人がいて、経過観察中だと
いうことです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160330/k10010462161000.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう20年も経つのですね。食中毒との因果関係も明確なようで
すし、何ともお気の毒なことです。

 食中毒に対する警戒心をもっと高めねば…となりそうなところで
すが、こんな事件もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「とらふぐの会」系4店処分…「違法性は認識」

 禁止されているトラフグの肝を提供したとして、食品衛生法違反
容疑で大阪府警の捜索を受けた会員制フグ料理専門店「大阪とらふ
ぐの会」(本店・大阪市天王寺区)の系列4店舗について、府と大
阪市が営業禁止などの行政処分にしたことがわかった。

 調査に対し経営者らは「違法性は認識していた」と提供を認めて
いるという。

 関係者によると、処分を受けたのは、大阪市内の3店舗と八尾市
内の1店舗で、フグ料理の販売を無期限で禁止するなどした。処分
は3月30日付。

 同会は店の住所や電話番号を公表しておらず、入店には会員の紹
介が必要な人気店。これまで健康被害の報告はないという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160401-00050135-yom-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう悪事を秘密めかしてやると、人が集るということはある
のだと思います。

 こういうところで生命を落しても、自業自得ではあるのですが。

 最後は「朝食」について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■教室で朝食を食べることの肥満と成績への影響:ニューヨーク市
からの根拠

 学校がある日に直接朝食を提供することの体重、成績、出席率へ
の影響を調べた。計画に参加する子ども達は大きく増えたが、期待
されていた成績の向上も、恐れられていた体重の増加もみられなか
った。

(朝ご飯食べるだけで成績が上がるわけないのだが、ちゃんと根拠
を探り報告するというのは偉い。日本のいいかげんなやりかたより
よほど。)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160401#p10
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以前から各地の教育委員会などから、何度も何度も「朝食を食べ
る子供の方が成績がよい」という「調査」が報告されてきました。

 だから「朝食をとるようにしましょう」というのですが、朝食を
とれば成績があがるという因果関係があるとでも思っているのでし
ょうか。

 これらの調査は根本のところを間違っていて、「成績のよい子は
朝食をきちんととるような家で育っていることが多い」ことを言っ
ているだけなのです。

 「期待されていた成績の向上も、恐れられていた体重の増加もみ
られなかった。」

 たぶんこれがファイナルアンサーです。今後、各地の教育委員会
などで、無駄な「調査」がされないように願っています。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「原料原産地表示制度」
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 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■原料の産地表示義務付けを提言へ 自民、政府に

 自民党は31日、全ての加工食品について原料の産地を表示するよ
う政府に求める方針を決めた。加工食品に使っている材料が国産か
外国産かを消費者が分かるようにして、国産品の消費、輸出拡大に
つなげたい考えだ。

 農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム(小泉進次郎委員長)
で、「全ての加工食品について実行可能な方法で、原料原産地を表
示する」との方針を決定した。

 農林水産省などの試算では現在、表示が義務付けられているのは
全加工食品1126品目のうち、239品目と2割程度にすぎない。

 すべての加工食品について、表示を義務付ける方向で政府に求め
ていく。ただ、食品加工メーカーの中には「原料の産地を切り替え
た場合の包装資材の変更が困難になる」などとして慎重論も根強い。

 産地国まで表示するか、国産と外国産だけを区別するかといった
具体的な方法は今後、政府や関係者との調整も踏まえて検討する。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS31H2W_R30C16A3PP8000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは自民党の話ですが、行政の方でも同様の検討をしています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会を設置 今秋メド
に中間的とりまとめ

 消費者庁と農林水産省は1月29日、東京都中央区のTKP東京駅
日本橋カンファレンスセンターで「加工食品の原料原産地表示制度
に関する検討会」の初会合を開いた。

 同検討会は、TPPの大筋合意を受けて政府が昨年11月に策定し
た「総合的なTPP関連政策大綱」で、食の安全・安心に関する施
策として「原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ、拡
大に向けた検討を行なう」とされたことから、消費者庁と農林水産
省が設置したもので、

(1)現行の加工食品の原料原産地表示制度や取り組みの検証

(2)加工食品の原料原産地表示の拡大に向けた具体的な方策――

などについて検討し、今年秋をメドに中間的なとりまとめを行なう。

 初会合であいさつした松本文明内閣府副大臣は「加工食品の原料
原産地表示は、これまでの長い議論を踏まえて現行の制度となって
おり、消費者の関心も非常に高い。消費者の自主的かつ合理的な食
品の選択機会を確保するために拡大することが望ましいと考えてい
るが、具体的にどこまで、どのように広げるかについて委員の皆さ
んに十分議論してほしい」とし、齋藤健農林水産副大臣は「生産者
が丹精込めて作った農林水産物が、加工食品になると外国産と区別
されずに販売されている実態を改善して、より一層やりがいを感じ
られるようにすることも大切な視点である」などと述べた。

 検討会では、委員17人の中から森光康次郎お茶の水女子大学大学
院教授を座長に選任し、事務局から加工食品の原料原産地表示制度
をめぐる事情や、事業者の自主的な取り組みについて報告した。今
後、消費者庁は一般消費者を対象に加工食品の原料原産地表示に対
する認知度や購買意欲への影響、農林水産省は製造業者を対象に

(1)主な原材料の産地や産地ごとの使用割合、季節による違い

(2)主な原材料の切り替え、混合の頻度の状況

(3)主な原材料の状態(生鮮、中間加工)

(4)企業の自主的な取り組み――などを調査する。

 生産・消費者側の委員からは

「TPPにより、加工食品の原料として生鮮食品や中間加工品の輸
入が増える可能性がある。消費者に正確な情報を伝える観点からも
原料原産地表示の拡大は必要だ。今回対象ではない外食や総菜での
表示拡大も課題である」(JA全中・金井健常務理事)

「畜産加工品の原料は輸入品が多い。原料原産地の情報は、消費者
にとって重要だと考えているし、生産者にとっても消費者の手に届
くところまで的確に伝えることが重要である」(中央畜産会・近藤
康二常務)

「消費者団体としては消費者の8つの権利を広く実現することが重
要だと考えており、とりわけ今回は知らされる権利や選択できる権
利、食品の安全が大きく前進することを期待している」(全国消費
者団体連絡会・岩岡宏保共同代表)

など、表示の拡大を訴える意見が出された。

 一方、流通・製造業者側の委員からは

「主原料が変わった時にラベルにどのように具体的に書くのか。文
字数が多いと書けないという問題もある」(日本チェーンストア協
会・櫟友彦食品委員会委員)

「この問題は、ややもするとコストアップにつながると思う。大企
業だけでなく、中小企業も含めた食品産業全体がきちんと表示でき
る制度でないと、本当の意味で消費者の選択に資する形にはならな
い」(味の素・富松徹品質保証部品質保証推進グループ長)

など、拡大に慎重な意見が出された。

http://www.keimei.ne.jp/article/20160215t3.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■原料原産地表示制度検討会、「大括り表示」に反対意見

 消費者庁の「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」は
31日、加工食品の原料原産地表示のあり方について、消費者・生産
者・事業者を対象にヒアリングを行った。

 (一社)全国消費者団体連絡会の岩岡宏保氏は、検討課題の切り
替え産地を列挙する「可能性表示」について、消費者に誤認を与え
るとの理由から反対した。国産または外国産といった「大括り表示」
についても、消費者ニーズに合わないと述べた。

 (一財)食品産業センターの武石徹氏も、「大括り表示」では消
費者ニーズに応えられないと言及。さらに、多種類の包材を用意す
ることでコスト増となる点を問題視した。

 また、味の素(株)の富松徹氏は、原料原産地表示への対応につ
いて「(大手企業の)私たちにとってもハードルが高い」と指摘。
「中小企業の実行可能性を考えると、直罰規定を避けて、より柔軟
な制度を考える必要がある」と訴えた。

(http://健康情報ニュース.com/)
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 具体的な意見など、個別のPDFで見にくい形ですが、以下で公
表されています。

■加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会

(http://www.caa.go.jp/~kakousyokuhin_kentoukai.htm)

 検討会の委員名簿は以下のとおりです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会 委員名簿

池戸重信 宮城大学名誉教授
櫟(いちい)友彦 日本チェーンストア協会食品委員会委員
市川まりこ 食のコミュニケーション円卓会議代表
岩岡宏保  一般社団法人全国消費者団体連絡会共同代表
金井健   全国農業協同組合中央会常務理事
近藤康二  公益社団法人中央畜産会常務理事
齊藤秀樹  公益財団法人全国老人クラブ連合会常務理事
鈴木忠   日本園芸農業協同組合連合会専務理事
田熊元彦  株式会社伊藤園生産本部副本部長執行役員
武石徹   一般財団法人食品産業センター企画調査部部長
竹内淑恵  法政大学経営学部教授
富松徹   味の素株式会社品質保証部品質保証推進グループ長
永田裕子  公益社団法人全国消費生活相談員協会食の研究会副代表
長屋信博  全国漁業協同組合連合会代表理事専務
夏目智子  全国地域婦人団体連絡協議会幹事
毛利嘉宏  株式会社野菜くらぶ専務取締役
森光康次郎 お茶の水女子大学大学院教授

(http://www.caa.go.jp/~kakousyokuhin_youryou.pdf)
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は検討会の資料です。

加工食品の原料原産地表示について(その3)
http://www.maff.go.jp/j/jas/kaigi/pdf/kyodo_no7_shiryo_1.pdf

原料原産地表示に関する食品事業者の実際の取組や課題等について
調査を実施
(http://www.caa.go.jp/~160331_shiryou2.pdf)

 これについて、FOOCOMの森田さんの記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■全ての加工食品に原料原産地?そのために「大括り表示」は必要


 2015年秋に大筋合意をしたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)
の対策の1つとして、加工食品の原料原産地表示の拡大が検討され
ています。現在の義務化対象品目は、生鮮食品にちかい22食品群と
4食品ですが、これを「全ての加工食品」に拡大する方針を2016年3
月31日、自民党の「農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム
(PT)(委員長:小泉進次郎農林部会長)」がまとめました。

 取りまとめにあわせて農水省が公表した試算によると、今のとこ
ろ表示が義務付けられているのは全加工食品1126品目のうち239品
目になり、義務化の品目割合は21.2%だそうです。これが一気に拡
大することになれば、食品表示が大きく変わります。消費者として
は「どこ産の原料が使われているか、気になるから全部の食品に表
示されると嬉しい」と歓迎したいところですが、そんなに単純な話
でもありません。

 今回の方針の背景には、2015年11月に発表された「総合的なTPP
関連政策大綱」における「食の安全・安心に関する施策」の中で、
「原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ、拡大に向け
た検討を行う」と書き込まれたことがあります。

 これを受けて農水省と消費者庁共催による「加工食品の原料原産
地表示制度に関する検討会」がスタートし、2016年秋までに結論を
出し中間報告書をまとめる予定で議論が始まりました。また、これ
とは別の形で自民党PTが活動を開始し、関係者を呼んで意見を聞い
ています。3月初旬、小泉進次郎委員長は、「できない理由を挙げ
るのではなく、どうやってできるのか考えて進めたい」と述べてい
ます。

 加工食品の原料原産地表示は、これまで何度も拡大の方針が出さ
れてきましたが、対象品目が増えないのは「実行可能性が低い」か
らでした。たとえば果汁。一定の品質を保つために、事業者は価格
や生産量を見ながら季節に応じて様々な産地の原材料を調達して、
ブレンドをして使います。これら複数の国の表示を、量の多い順に
正確に表示をするのは困難が伴いますし、そのために供給先を限定
すればコストアップにもつながります。

 それでも、どうしても表示するためにはどうすればいいか。これ
まで、考えられてきた表示方法は主に2つです。1つは切替え産地
を列挙する「可能性表示」で、可能性のある国を全部並べて「日本
又はアメリカ又はカナダ又は中国又はインド」と表示する方法です。
しかし、これでは限られた表示スペースには書けないし、実際のな
かみとは違う不整合が生じます。

 次に考えられるのが「大括り表示」です。様々な国の原料を使用
する可能性のある場合は「外国産」と表示する方法です。「又は」
表示よりも、すっきりとしています。事業者はこれなら表示できる
し、実行可能性も上がります。

(略)

 これまで、十数年近く議論されて、実行可能性の観点からなかな
か義務化の対象品目が増えなかった原料原産地表示。大括り表示と
いう消費者のためになるかどうかわからない方法を使ってまで、な
ぜ「全ての加工食品」に義務付けるのか、私には理由がわかりませ
ん。

 もちろん、原料原産地表示の対象品目の拡大に反対するわけでは
ありません。例えばローストビーフや焼き豚など原料原産地表示の
実行可能性が高くて、消費者が知りたい品目が対象になっていない
現状があります。まずはできるところから、大括り表示ではなく原
産国名をきちんと表示するようにように検討を始めた方がいいので
はないでしょうか。食品特性に応じた丁寧な議論が、「加工食品の
原料原産地表示検討会」で行なわれることを願っています。

http://www.foocom.net/secretariat/foodlabeling/13999/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 現在でも、原料原産地表示が求められている品目があります。以
下の22品目です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

《加工食品品質表示基準別表2(抜粋)(平成23年3月31日改正)》

1 乾燥きのこ類、乾燥野菜及び乾燥果実(フレーク状又は粉末状
にしたものを除く。)

2 塩蔵したきのこ類、塩蔵野菜及び塩蔵果実(農産物漬物品質表
示基準(平成12年12月28日農林水産省告示第1747号)第2条に規定
する農産物漬物を除く。)

3 ゆで、又は蒸したきのこ類、野菜及び豆類並びにあん(缶詰、
瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く。)

4 異種混合したカット野菜、異種混合したカット果実その他野菜、
果実及びきのこ類を異種混合したもの(切断せずに詰め合わせたも
のを除く。)

5 緑茶及び緑茶飲料

6 もち

7 いりさや落花生、いり落花生、あげ落花生及びいり豆類

8 黒糖及び黒糖加工品

9 こんにゃく

10 調味した食肉(加熱調理したものを除く。)

11 ゆで、又は蒸した食肉及び食用鳥卵(缶詰、瓶詰及びレトルト
パウチ食品に該当するものを除く。)

12 表面をあぶった食肉

13 フライ種として衣をつけた食肉(加熱調理したもの及び調理冷
凍食品に該当するものを除く。)

14 合挽肉その他異種混合した食肉(肉塊又は挽肉を容器に詰め、
成形したものを含む。)

15 素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類及びこんぶ、干のり、焼
きのりその他干した海藻類(細切若しくは細刻したもの又は粉末状
にしたものを除く。)

16 塩蔵魚介類及び塩蔵海藻類

17 調味した魚介類及び海藻類(加熱調理したもの並びに缶詰、瓶
詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く。)

18 こんぶ巻

19 ゆで、又は蒸した魚介類及び海藻類(缶詰、瓶詰及びレトルト
パウチ食品に該当するものを除く。)

20 表面をあぶった魚介類

21 フライ種として衣をつけた魚介類(加熱調理したもの及び調理
冷凍食品に該当するものを除く。)

22 4又は14に掲げるもののほか、生鮮食品を異種混合したもの
(切断せずに詰め合わせたものを除く。)

http://www.caa.go.jp/foods/qa/kakou03_qa.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 森田さんはこのリストを拡充していけばよい、という意見のよう
ですね。私もそう思います。

 そもそも「原料原産地表示」が「TPP対策」として出てくるあ
たり、動機が不純です。

 要するに「国産原材料使用」を「優良誤認」させたいという動機
があって、何がなんでも実施しよう、というのが政府・自民党の考
えです。

 実は上記以外にも「米トレーサビリティ法」というのがあって、
米を主原料とする食品は原産国表示をしなければならないのです。

 当初は「国産」表示をしないと売れないから、原料が国産にシフ
トするのではないか(させたい)と言われていたのですが、実際に
はこんな感じです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 米菓最大手・亀田製菓(新潟市)の田中通泰社長が、海外展開と
国内消費の展望についてコメントしています。TPPをむしろ追い
風にして、成長戦略を考えている積極的な姿勢が印象的です。

・米国のライスクラッカー市場は330億円。当社は米国に3拠点、合
計すると6割のシェアを占める。毎年の市場成長率は20%

・市場の優先度合いは、米国、アジア、欧州、中国。特に米国につ
いては、品質管理の強化による競合商品との差別化を図り、さらな
る市場拡大に努めたい

・TPPにより関税がなくなることを前提に、(たとえば)ベトナ
ムから日本に商品を持ってくると競争力がある

・全体の原料は国産3割、外国産7割。外米でも国産米でも同じよ
うな品質を作る技術を持つ

→時代の変化を活用し、先取りしていくことが必要

・国内で加工用米の生産が増えれば、国産米の使用比率の向上も随
時対応していくが、今は価格も高いし品質も良くないから使ってい
ない

http://ameblo.jp/palm-consul/entry-11752598410.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 思いきって「外国産」の表示をしてみたところ、売上に影響は出
なかったのです。誰もそんなところは見ていませんから、当たり前
の話ですが。

 表示では、外国産の方が「安くて品質がよい」現実は変えられな
いということです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 米菓はときどき買っていますが、先日ふと原産国表示が眼にとま
りました。そのときは「米国産」でしたが、たいていはこんなもの
です。原産国表示なんか、誰も気にしていなかった…。というのが
現実です。

 それにしてもアメリカ(USA)を「米国」と表記する習慣は面
白いものですね。中国語では「美国」になるのもなんだか変な感じ
ですが。

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