安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>854号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------854号--2016.03.20------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「健康増進法による規制」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回の「村田園」の「優良誤認」に関して、こんな動きがありま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■村田園  処分取消し求め提訴へ、原材料表記巡る措置命令で

 消費者庁と公正取引委員会事務総局九州事務所は3月10日、お茶
の通販を行う村田園に対し、景品表示法に基づく措置命令(優良誤
認)を下した。販売するお茶の表示で原材料があたかも日本産であ
るかのように表示。一方、村田園は、命令の内容を不服として処分
取り消しを求める訴訟を提起する予定としている。

 村田園は、ホームページで「一括表示の原材料表記はJAS法を
順守して適切なパッケージ表記に努めた」「原材料原産地もお客様
から問い合わせがあった場合は包み隠さずお答えした」などと説明。
措置命令については「法的に対処するべく検討している」としてい
た。

 措置命令に不服がある場合、事業者は、行政不服審査法に基づき、
処分から60日以内に異議申し立てを行える。また、行政事件訴訟
法に基づき、処分から半年以内であれば処分取り消しを求めて提訴
できる。

 処分の対象になったのは、「容器包装」の表示。商品は、通販等
で展開する主力商品「村田園万能茶(選/粋)400グラム入り」
など4商品。「阿蘇の大地の恵み」「どくだみ、柿の葉、とうきび、
はと麦、甜茶、くま笹、あまちゃづる......」などの記載とともに、
日本の山里を思わせる風景のイラストを記載することによってあた
かも原材料が日本産であるかのように表示していた。実際は、「大
麦」や「どくだみ」の一部以外の原材料は外国産 だった。

 現行法では、加工食品について、基本的には原料原産地を表示す
る義務はない。加工食品が輸入品であれば原産国の表示が必要にな
る。

 食品表示法では、複数の品目を指定して、加工食品でも原料原産
地の表示を求めている。「緑茶」も対象品目だが、今回の商品は、
「緑茶」でないため食品表示法上は対象になっていない。

http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2016/03/post-2458.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 前回にも書きましたが、なかなか「微妙」な問題なので、この先
どうなるか注目です。

 そもそも「国産」アピールが「優良」の印象を与えること自体、
どうかしていると思うのですが。

 この話題は下に続きがあります。

 次はイギリスでの話ですが、「加糖飲料に課税」という方針が出
ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■英、加糖飲料に課税へ 2年後、子供の肥満防止で

 英国のオズボーン財務相は16日、子供の肥満防止のため、糖分
を多く含んだ清涼飲料の製造・輸入業者に対し、2018年から特
別に課税する方針を議会で示した。

 PA通信によると、オズボーン氏は、5歳児が毎年、自分の体重
に匹敵する糖分を摂取していると懸念を表明。このままでは少年の
過半数、少女の約7割が太りすぎになってしまうとの専門家の推測
を紹介し、「加糖飲料には問題があり、病気を引き起こす」と指摘
した。

 税収は毎年、約5億2千万ポンド(約833億円)に上るとみら
れ、小学校のスポーツ活動資金に充てるという。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016031601002143.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 そんなに子供の肥満が多いんだ、というのが素直な感想ですね。

 日本ではいわゆる「肥満児」がすごく減ったという印象を持って
いるのですが、調べてみると、昨年の記事ですが、こんなのがあり
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 全国の幼稚園と小・中・高校で「肥満傾向」と判断される子供の
割合が3年連続で10%以下となったことが23日、文部科学省の
平成26年度学校保健統計調査(速報値)で分かった。全国的に子
供たちに“スリム体形”が定着する一方、福島県では東日本大震災
以降、肥満傾向が依然、高いままであることも判明。県教育委員会
は「子供たちが屋外を避け、テレビゲームなど屋内での遊びが習慣
化したことが一因とみられる」と分析している。

 調査は全国の幼稚園と小・中・高校で昨年4〜6月に行った健康
診断の結果から、5〜17歳の男女約70万人を抽出して実施。身
長別などの標準体重より20%以上重い「肥満傾向」の子供たちの
割合を出現率として算出した。

 各学年の男女別割合を前年度と比べると、男子は計7学年(小2、
4、5、中2、3、高2、3)で0・01ポイント〜1・18ポイ
ント、女子は計5学年(小3、4、6、中1、高2)で0・07ポ
イント〜0・57ポイントそれぞれ下降。文科省は「子供の生活習
慣病を心配する親世代が食生活に気を使っているためではないか」
と分析している。

http://www.sankei.com/life/news/150124/lif1501240028-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 やはり減っていることは間違いないようです。

 日本人の摂取カロリーが少ないことは有名で、以下の地図を見る
と、ちょっと驚きます。

図録 世界各国の供給カロリー(世界地図)
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0100.html

 摂取カロリーで国を4色に分けているのですが、日本は「やや貧
しい」グループで、世界順位が104位なんだそうです。

 それでイギリスは20位、このあたりまでが肥満で悩んでいる国
ということなのでしょう。

 最後に「食品安全情報blog」からの話題を二つ紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■不健康な環境のために毎年1260万人が死亡

 新しいWHOの推定によると、2012年には不健康な環境で暮らした
り働いたりした結果、推定1260万人が死亡した。全死亡の約1/4で
ある。空気、水、土壌、化学物質暴露、気候変動、紫外線、などの
環境リスク要因が100以上の病気や傷害に寄与する。

「健康的な環境による疾患予防:環境リスクによる疾病負担の世界
的評価」第2版によると、10年前にこの報告書の第一版が発表され
てから、非伝染性疾患による死亡、ほとんどが受動喫煙を含む大気
汚染によるものが、死亡のうち820万人にも達する。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160316#p1
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■Jessica AlbaのHonest社の洗濯洗剤は入っていないと誓っている
成分を含む

 女優Jessica Albaの作った会社Honest Companyは洗剤やおむつな
どを他のブランドより安全で環境にやさしいと宣伝することで売り
上げを伸ばしてきていた。しかし調べたところ、ラウリル硫酸ナト
リウム(SLS)を使っていないと主張する製品にSLSが含まれること
がわかった。

(「悪い」ラウリル硫酸ナトリウムではなく「良い」ココ硫酸ナト
リウムを使っていると主張しているらしい。ココというのはココナ
ツオイルのことで、ココナツオイルの主要成分がラウリン酸なので
当たり前。「なんだかよくわかんないけど良さそうなイメージ」だ
けで買う人たちを相手にした商売なのだろう)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160316#p15
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後のも「優良誤認」の一種ですね。この方面の話は以下に続き
ます。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「健康増進法による規制」
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 前回も紹介した、「健康増進法違反」の件ですが、まず事件を再
録します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■健増法違反で「勧告」発動 ライオンの特保広告で 診療機会を
逸すると判断

 消費者庁は1日、ライオンが行っていた特保の広告が健康増進法
に違反するとして、同様の表示を行わないことなどを勧告した。健
康増進法の誇大表示禁止規定に基づく「勧告」は初めて。発表の翌
日は日健栄協の特保講習会(東京会場)というタイミングで、業界
に波紋が広がった。

 同社では酢酸を関与成分とする特保「トマト酢生活トマト酢飲料」
について、昨年 9 〜11月、日刊紙の広告で「驚きの血圧低下作用」
「薬に頼らずに、食生活で血圧の対策をしたい、そんな方々をサポ
ートしようとライオンが開発」などと表示。特保で認められた表示
は「血圧が高めの方に」適する旨で、血圧を下げる効果の表示は許
可されていなかった。

 消費者庁では、薬物治療によることなく高血圧を改善するかのよ
うに表示していると判断、「著しく人を誤認させる」とみなした。
15年 6 月16日から16年 1 月末までの販売実績は約4.7億円。

 健康増進法は32条で「国民の健康の保持増進及び国民に対する正
確な情報の伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」
に勧告を行うことができる旨を規定。厚労省時代の03年8月に策定
されたガイドラインでは、「適切な診療機会を逸して当該患者の健
康の保持増進が図れなくなるおそれがある場合」などに該当すると
している。

 健康増進法に抵触する表示に関してはこれまで、改善の「指導」
事例が社名を伏せるかたちでまとめられているが、虚偽誇大表示の
禁止規定に基づき社名公表を伴う「勧告」を行ったのは初。

 消費者庁は2日の定例記者会見の中で、今回の勧告について言及
し、「健康増進法の勧告要件に照らし、調査を詳しく行うことより
も公表することを優先した。早急に国民に伝えるべきと判断した」
と説明した。

 また本紙取材に対し、機能性表示食品を含めて「どのような食品
であっても勧告があり得る」(食品表示対策室)と話している。

http://www.kenko-media.com/health_idst/009351.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この記事は健康食品業界の業界紙のものですが、続いてこんな解
説がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■"ライオン・ショック" 初勧告の衝撃2 新聞に広がる動揺

 ライオンに対する健康増進法に基づく勧告を受け、媒体社に動揺
が広がっている。表示を行った販売者や製造者を対象にする景品表
示法と異なり、健増法には、広告の「内容責任」だけでなく「媒体
責任」を問う"何人規制"があるためだ。

「審査を変える」

 「勧告を受け、表示内容をより厳しく審査しなければならないと
感じる」(北海道新聞)、「今回の件に限らず、読者を惑わせ、不
利益になる広告が掲載されることがないよう、今後も厳正に広告審
査する」(中国新聞)。ライオンのトクホ飲料への勧告を受け、そ
の広告を掲載していた新聞社に動揺が広がっている。

 消費者庁は、今回の措置が行政処分ではなく行政指導(=勧告)
であること踏まえ、媒体社名の公表を避けた。背景には、健増法の
適用対象が、媒体社を含む「何人も」である点を慎重に判断したこ
とがあるかもしれない。

 取材によって判明した広告掲載の新聞社は表に記載した15紙。
多くの企業がこの件に対し、「個別案件の回答は控える」と口をつ
ぐむ。

「兵糧攻め」

 だが、媒体社にとって、この『何人規制』は長年に渡る非常にセ
ンシティブな問題でもある。日本新聞協会の考査の実務担当者が所
属する広告掲載基準研究会も今回、広告を掲載した8社(朝日、毎
日、読売、産経、日経、北海道、中日、西日本)で構成。研究会は
3月、消費者庁による健増法の運用ガイドラインの改定に際し、
『何人規制』の解釈変更に協会名で「看過できず、改正に反対する」
と、懸念を表明したばかりだ。

 「新聞も当然、消費者保護をうたい、読者に分かりにくい表現は
見直しつつやりたい。そこは消費者庁と変わらず同じものを目指し
ている。だが、その仕事(注・考査)がバカにされたような感じ」
「広告主を責めることによる媒体社への兵糧攻めのように感じる」
といった声が新聞関係者から寄せられている。

http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2016/03/post-2454.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 『何人規制』というのは聞き慣れませんが、要するにメーカーだ
けが規制の対象になるのではない、ということです。

 新聞を読んでいると、毎日のように「新谷酵素」などのインチキ
丸出しの広告が載っています。新聞各社も「首を洗って待っていろ」
というところです。

 このあたりについて、佐藤達夫さんの解説記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■食品表示法がまるで効果を発揮していないのではないか、とも思
える現状

 平成27年4月に食品表示法(以下「食表法」と略)が施行され
た。それまで食品表示は、主として食品衛生法(以下「食衛法」と
略)・JAS法・健康増進法(以下「健増法」と略)の3つの法律
で規制されていたために、わかりにくく、また、監督官公庁のタテ
割り行政にも阻まれて、スムーズな運用がなされてこなかった。複
数の法律から食品表示に関する部分(だけ)を抜き出し、ていねい
な検討を重ねながら食表法が成立した。「食品の表示に関する規制
等はこの法律1本にまとめられたので、明確になった」といいたい
ところだが、施行されてまだ1年しかたっていないので、正直なと
ころ、その効果は確認できていない。

 テレビのBS放送を見ていると、健康食品に関する広告(番組?)
が際だって多いことに気がつく。約1年ほど前から施行された食品
表示法がまるで効力を発揮していないのではないかと疑わざるを得
ないような状況である。

 と、ここまで読んできてすでにお気づきの人があるだろうが、食
表法というのは、基本的に「容器包装された食品」の表示を定めた
法律だ。番組や広告は「表示」にはあたらないので食表法では規制
できない。しかし、消費者を誤解させて、選択を誤らせるという点
においては同じである。規制されてしかるべきであろう。

 消費者庁表示対策課食品表示対策室の食品表示調査官・田中誠氏
によると、「消費者の正しい食品選択のために、誤認しやすい宣伝
広告等を規制することは、もちろん可能」である。容器包装をして
ない食品の表示や広告・宣伝は、食表法による「事前規制」ではな
く、主として、健増法による「事後規制」となる。

 事業者が、食品の表示に関して「このような表示をしてもいいか」
と事前に消費者庁に聞き、違反してあるものであれば法に則って規
制するのが事前規制。一方、宣伝・広告がなされたあとに「これは
消費者の正しい選択を妨げる」と判断されて規制の対象となるのが
事後規制。事後規制の代表(?)といえば景品表示法(以下「景表
法」と略)。これは消費者を保護する法律として長い歴史がある。
この考え方を「食品」にも適応しようというのだ。

■消費者にとっては頼もしく、事業者にとっては厳しい健康増進法
の適応

 健康食品の規制の“武器”となるのは健増法だ。どういう点が武
器になるのか、この法律を食表法や景表法と比べながら、ザッと見
てみたい。

 基本的に健増法には、食表法と違って「こういう表現をしてはい
けない」という定めはない。その宣伝・広告の「全体から受ける印
象」が消費者を「著しく誤認させる」と判断されれば規制できるこ
とになる。「同業他社がこういう言葉を使ってあるからいいだろう」
とか「露骨には商品名を書いてないから大丈夫だろう」という事業
者の(かってな?)判断は禁物。「全体で」「著しく」誤認を与え
ればNGとなる。

 これは消費者にとっては、たしかに頼もしい武器になるかもしれ
ないが、事業者にとっては「やっかい」なしろものである。事前に
相談することができず、実行してしまったのちにNGといわれては、
たまったものではない。事業者からは「そもそも『著しい』の基準
などあるのか?!」というクレームがつきそうだ。消費者としても
心配になる。

(でも、安心してください)

「景表法はすでに半世紀以上の歴史があり、『著しい』の基準は幾
多の裁判例(判例)からも確立しています」と前出の田中氏は言う。
さらには、健増法には景表法にはない“武器”もあるのだという。
それは第31条第1項にある「何人も」という文言だ。

 何人も著しく事実に相違する表示をしたり、著しく人を誤認させ
るような表示をしてはならないのだ。景表法にはこの文言がないの
で、規制や処分の対象となるのは商品の製造者や販売者等に限られ
る。しかし、健増法は、その宣伝・広告を掲載したり放映したりし
た媒体(テレビや新聞等)、場合によっては登場した学者や著名人
も対象になるかもしれないのだ。この点では、健増法は景表法より
も規制対象が広範囲にわたる。

 厳密に適用されれば、かなり厳しい健増法だが、その狙いはどこ
にあるのか。それはひとえに「国民保健の向上を図ること」にある。
国民の健康の保持増進に重大な影響を与えるおそれのある表示や宣
伝・広告はけっして許さない、ということになろう。この点を、健
康食品を扱う事業者(に限らず、食品を扱うすべての事業者)はす
べからく肝に銘じておかねばならないだろう。

 ただ、1つ気になるのは、その食品の表示や宣伝・広告が「消費
者に誤認を与えているかどうか」の判断をだれがするのか、という
点である。これに関しては、消費者庁に「誤認した」という訴えが
一日に何人以上(たとえば5人以上とか?)あったときに「誤認し
たと見なす」というような決まりがあるわけではないようだ。田中
氏によると「誤認を与えているかどうかは、もちろん、一人ではな
く複数の人間で判断するのだが、その判断に当たって、実際の被害
者がある必要はない」とのこと。

 事業者には、その健康食品は本当に効果があるのかないのかとい
う「合理的根拠」を厳しく求める割には、消費者が誤認しているか
どうかの判断があまり合理的ではないように感ずるのだが、いかが
であろうか。健増法の適用による行政処分には「勧告」「命令」
「罰則」もある。事業者にとっては致命的ともなりかねない行政判
断が、あまり合理的とはいえない方法で下されるようなことがあっ
ては、事業者としては納得がいくまい。

 これは巡りめぐって消費者費も不利益を与えることになろう。ガ
ラス張りの判断が求められる。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/satotatsuo/20160218-00054536/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「何人に対しても」「事後に」規制が発動する、というと「図書
館戦争」のような検閲制度ではないか、という気もしますが、はた
して有効な消費者保護政策となっていくかどうか、注目したいです。

 さて、「消費者保護」ということから、「ニセモノ」の摘発もさ
れるわけですが、「ニセモノ」について、こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■彼にみなさんが騙された理由

(略)

 ずいぶん前に、人間についてではないが、食品偽装に関連して、
「フェイク(偽物)はフォニー(インチキ)の周辺に発生する」と
いう主旨の原稿を書いたことがある。フェイク商品(贋造品)が発
生するのは、そもそも真似をされる側のブツがインチキくさいから
だ、という、ちょっと乱暴なお話だ。

 松阪牛や関サバに偽装食品が発生するのは、オリジナルとされて
いる食品の値段が、その品質に比して、不当に高価だからだ(と私
は思っている)。

 適正な価格で販売されている良心的な商品にフェイクは発生しな
い。

 というのも、ギリギリの利益率で流通している商品をパクったと
ころで、ほとんど差益は生まれないし、もともと高品質な商品をパ
クるためには高度な技術が必要で、その高度な技術を実現するため
にはそれなりのコストがかかるからだ。

 とすれば、たいして品質が高いわけでもないのに分不相応な高値
で売られているブツの偽物を作る方が仕事として有望であるに決ま
っているし、事実、フェイク業者は、ブランド信仰のゆえなのか、
消費者の無知に由来するものなのか、異常な関税のしからしむると
ころなのか、理由はどうであれ、品質に比してはるかに高い取引価
格で流通している物品の偽物をもっぱら製造・販売する方針で、彼
らの商売をドライブさせているのである。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/031700036/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 某タレントの経歴詐称に関しての話なんですが、「ニセモノ」に
ついて語っている部分を引用しました。

 言われてみるとなるほど尤もな話です。

 悪名高い「鳴門ワカメ」にニセモノが絶えないのは、鳴門ワカメ
が本来持っている以上の付加価値を市場で持っているからだと考え
ると納得がいきます。

 要するに、ニセモノを売ってもバレないし、儲かる仕組みがある
ということです。

 売ってもバレないというのは、鳴門ワカメだけが優れた品質で、
食べればわかるというものではないということです。

 比内鶏と偽って廃鶏の肉を売ってもバレなかったのも、食べたら
似たようなものだという、ミもフタもない話です。

 とは言え、「差別化」ということが課題となっている商品開発の
現場では、ますます「フォニー(インチキ)」が発生していきそう
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■富良野ラベンダー、三重県産かぶせ茶―飲料大手、地域の特産品
使った商品で差別化

 飲料大手の間で、原料に地域の希少な農産物などを使う動きが広
がっている。ポッカサッポロフード&ビバレッジは、北海道富良野
産ラベンダーや東京緑茶を使用した商品を28日に発売する。キリ
ンビバレッジは2015年に発売した九州各県産の野菜や果実を使
った飲料に続き、16年は東北産果実の飲料を計画。伊藤園も三重
県産かぶせ茶100%の「伊勢茶」を14日に発売した。競争激化
の中で商品を差別化するとともに、地方自治体や農家、農業協同組
合などと関係を強化する狙い。
 
 ポッカサッポロは「富良野ラベンダーティー」を28日、「有機
にっぽん烏龍」を4月11日、「東京緑茶」を同18日にそれぞれ
発売する。ラベンダー産地で名高い北海道上富良野町はホップ栽培
でサッポロビールと長年、取引関係がある。これを生かし、自治体
に農家を紹介してもらいラベンダーを調達。ラベンダーの香りを引
き出すため、茶葉とともに低温抽出した。

 東京緑茶は青梅市やあきる野市、武蔵村山市など限られたエリア
で栽培されている東京狭山茶を使用した。

 キリンビバは7月をめどに、東北全県の果実を使ったペットボト
ル容器飲料を計画する。15年5月に“地産全笑プロジェクト”を
立ち上げ、同年7月の第1弾商品は九州・沖縄産100%をテーマ
に佐賀県のアスパラガス、大分県のケール、長崎県産のイチゴなど
を使った飲料を発売。今回はこの東北版になる。紅茶飲料「午後の
紅茶」でも静岡県産ミカンや栃木県産イチゴを使った商品を発売し
ている。伊藤園が原料に使う伊勢茶は三重県産茶の総称で、同県は
かぶせ茶の生産量で全国1位だ。

 日本人消費者の国産好みは強く、安心安全のため少々割高でも買
う客も多い。ただ、消費者の目が肥えている中で、原料のごく一部
だけ利用したような商品は支持を得られない。地域の特産、希少原
料をいかに安定的かつ大量に調達できるかが各社の腕の見せ所と言
えそうだ。

https://newswitch.jp/p/3970
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういうのを全く否定する気はありませんが、やりすぎはよくな
いですし、特に大手メーカーはもう少し上品にいてもよいのでは?
と強く思います。

 下品な手段をとらなくてもやっていける会社である、という誇り
を持ってもらいたいものです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「フェイク(偽物)はフォニー(インチキ)の周辺に発生する」
というのはなかなかの名言ですね。

 土曜日に岩崎宏美のコンサートに行ってきました。40周年記念
ということで、若い頃、アイドル時代の歌から歌うのですが、さす
がに本物の安心感がありました。

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