安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>841号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------841号--2015.12.20------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「チポトレとノン−GMO」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 少し前のニュースに続報がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■新たに2社が不適切表示=肥料メーカーを出荷停止−農水省

 農林水産省は4日、肥料メーカー2社が製造した肥料の成分表示
に不適切な事例が多数見つかったと発表した。両社に該当する製品
の出荷停止を命じる行政指導を行うとともに、取引先の全国農業協
同組合連合会(JA全農)などに自主回収を求めた。

 2社は旭肥料(本社東京都北区)と相模肥糧(同神奈川県小田原
市)。

 農水省は11月、両社からの相談に基づき立ち入り調査を実施。
その結果、旭肥料が製造する168品目のうち146品目に不適切
な記載や不適正な原料の使用などが確認された。また、相模肥糧は
129品目のうち56品目が不適切だった。

 農水省はいずれも安全性には問題はないとしているが、森山裕農
水相は同日の閣議後記者会見で「極めて遺憾。しっかり検証しなけ
ればならない」と語った。(2015/12/04-12:44)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201512/2015120400443
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ところがこれだけでなく、更に続報が…。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■不適切表示、新たに3社=肥料メーカー出荷停止に―農水省

 肥料の成分表示で偽装など不適切な事例が相次いでいる問題で、
農林水産省は11日、新たにメーカー3社でこうした事例を確認した
と発表した。

 3社には表示を改めるまで出荷を停止するよう指導し、取引先の
全国農業協同組合連合会(JA全農)などに自主回収を求めた。

 3社は、ジャット(本社大阪市)、中田商会(大阪府吹田市)、
富山魚糧(富山市)。ジャットは製造していた49品目のうち25品目、
中田商会は32品目のうち17品目、富山魚糧は9品目のうち4品目で不
適切な表示が行われていた。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151211-00000075-jij-pol
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 調べればいくらでも出てくる感じです。「有機」に使えるという
肥料はほとんどインチキだったということなのでしょう。業界の裏
常識だったのかもしれません。

 次は食中毒の事件です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■給食で園児ら600人超が食中毒 入院多数

 愛知県大府市の弁当製造施設が作った給食を食べた園児ら600
人以上が食中毒を起こし、約30人が入院していたことが分かった。

 食中毒発生の原因となったのは、大府市にある弁当製造施設「タ
マセイ キッズランチ」。愛知県によると、今月7日、8日にこの
施設が製造し、配達した給食を食べた13の幼稚園や保育園の園児
と職員、計618人が発熱や嘔吐(おうと)などの症状を訴えた。
このうち、園児29人が当時入院したという。

 検査の結果、給食を食べた園児とその職員24人からノロウイル
スやサルモネラ菌が検出されたため、保健所は14日にこの店に営
業禁止を命じた。

http://www.news24.jp/articles/2015/12/15/07317377.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こんな報道もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■618人食中毒発生の施設 自粛要請従わず

 愛知県大府市の弁当製造施設が作った給食を食べた園児ら600
人以上が食中毒を起こした問題で、施設は14日付で営業禁止処分
になる前に、保健所の営業自粛要請に従っていなかったことがわか
った。

 この食中毒は今月7日、8日に大府市にある弁当製造施設「タマ
セイ キッズランチ」が製造し、配達した給食を食べた園児ら61
8人が発熱や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、このうち、29人
の園児が当時入院をしたもの。

 連絡を受けた保健所が食中毒の疑いから、12日に営業の自粛を
求めていた。しかし、この施設は、一部の園に対し、給食を提供し
ていたことがわかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20151215-00000061-nnn-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最初の記事で、ノロウィルスなのか、サルモネラなのか、どっち
なの?と思っていましたが、サルモネラが正解だったようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■マカロニソテーからサルモネラ菌 園児ら600人食中毒

 名古屋市など5市の幼稚園・保育園の園児ら618人が配達され
た弁当を食べた後に嘔吐(おうと)などの食中毒症状を起こした問
題で、愛知県は16日、弁当のマカロニソテーからサルモネラ菌が
検出されたと発表した。

 県によると、問題の弁当は同県大府市の「玉清(たませい)」が
運営する弁当工場「タマセイ キッズランチ」が7日に製造。マカ
ロニソテーの原材料は、マカロニ、タマネギ、シメジ、合いびきミ
ンチだった。サルモネラ菌は加熱処理で死滅するため、調理時の加
熱が不十分だった可能性があるという。県は弁当のほかの具材も調
べ、原因の特定を進めている。

http://www.asahi.com/articles/ASHDJ5G7XHDJOIPE020.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後は休漁によって資源が増えているという話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■休漁でマダラの生息数増加(福島民友 2015/11/26)

 水産総合研究センター(横浜市)は25日、本県を中心とした太平
洋沖のマダラの生息数について、2014(平成26)年時点で、震災前
の2010年時点と比べ5倍以上に増えたことを明らかにした。

出典:福島民友

■太平洋北部マダラ未成魚、休漁で回復(みなと新聞 2015/12/9)

 太平洋系群の推定資源量は2013〜14年に26万トン。15年に19万ト
ンと減少したものの、高水準で推移している。水産総合研究センタ
ー東北区水産研究所は「震災後に福島沖の漁業が鈍化(試験操業の
み)し、小型魚が守られた結果」と分析。

出典:みなと新聞

 福島県は目下、安全性の確認された魚種のみ(2015年12月14日現
在67種類)を流通させる「試験操業」を行っています。「試験」と
いうくらいなので、通常の操業に比べ、魚種も水揚げ量もかなり限
定されているのですが、漁そのものの回数が減っているため、魚の
個体数が回復してきているわけです。

 私もメンバーに加わっている市民主体の海洋調査チーム「うみラ
ボ」でも、今年の春にマダラを爆釣しました。メバル狙いの仕掛け
なのに、メバルのいる海底にたどり着く前にマダラが食いついてし
まうといったことも起き、マダラの増加は肌で感じていました。そ
れだけに、今回の「マダラ5倍」のニュースは非常に納得がいくも
のではあります。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/komatsuriken/20151215-00052456/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「チポトレとノン−GMO」
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 食品安全情報blogの記事ですが、興味深い話がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■Chipotleの信用失墜

 このチェーン店は誠実であることよりもマーケティングを重視す
ることのリスクについての教訓となる

 ボストンカレッジのバスケットボールチームは、しばらくは試合
後の食事にChipotleを選ぶことはないだろう。100人以上の学生が
感染したアウトブレイクの一部として少なくも8人の選手がここで
食事をしてノロウイルスに感染した。

 この事件は今年Chipotleが関連した5回目の食中毒アウトブレイ
クである。このニュースは太平洋北西部7州での大腸菌アウトブレ
イクの拡大とともに危機を拡大しChipotleの株価は10月から30%近
く下がった。

 Chipotleは長い間多くのビジネスから羨望の的だった。特にレス
トラン業界では。今や「Chipotleに続く」は警鐘である。

 特にChipotleにとって悪いのはこれらのニュースがこの会社のブ
ランドとマーケティングの中核に打撃を与えたことである。Chipot
leのモットーは「食品を誠実に」で何年もの間他のレストランより
よりクリーンでより健康的な食品を提供していると宣伝してきた。
皮肉なことに事実は他のレストランよりばい菌が多く不健康である
ことが証明されてしまったのだ。Chipotleのイメージを作るのに何
年もかかったが、壊れるのは一瞬である。

 皮肉なことにChipotleはこれまでゴミ箱に捨ててきたシステムの
助けを求めている。今年Chipotleレストランの1/3が、意味のない
「抗生物質を使用していない」自慢基準を満たす供給業者を見つけ
られなかったという理由で豚肉の提供を停止した。最終的には英国
の供給業者に落ち着いたが病気の治療に抗生物質を使うことは認め
た。

 こんな表面的なことに意味はない。Chipotleは同社の「抗生物質
フリー」肉には残留薬物は含まれないということを意味する宣伝を
しているが、全ての食肉に抗生物質は含まれないという事実は伝え
ない。Chipotleはまるで「ホルモンフリー」牛肉は特別なものであ
るかのように宣伝しているがその豆腐や豆には牛肉より多くの天然
ホルモンが含まれる。そしてChipotleはオーガニックを喧伝するが、
適切に行わない場合大腸菌などの汚染が入りやすい。そして地元産
の牛肉を宣伝しながら多くのステーキはオーストラリア産で、「ロ
ーカル」に新しい意味を与えている。

 Chipotleの事例は実際に提供できる能力を超えたマーケティング
を許してしまうことの教訓となる。Chipotleのブランドは高く力強
いが中身のない「持続可能」「責任ある飼育」「誠実」といった単
語の上に築き上げられた。ローカル、オーガニック、GMOフリー、
などのようなバズワードをちりばめて。

 Chipotleは食品にイデオロギーを持ち込む進歩的食通たちの寵児
になった。これらの人々は有機農業が好きで遺伝子の改変のような
新しい技術は嫌う。そして企業が嫌いである。

 彼らはChipotleが巨大企業であることを無視する。なぜならChip
otleは大規模農業が悪であると、正しいことを言うので。誤解を招
く動画や広告でChipotleは慣行農法が良くて工業は悪だという物語
を創った。そのうちのひとつ「案山子」という動画は150万回再生
された。

 単刀直入に言うとChipotleは実質より見かけを重視した。

 今やこのチェーン店は信頼を失い地盤を作ろうとしている。言い
方を変えると真に持続可能ではなかったのがChipotleの食品につい
ての物語だ。

 世界中に食品の供給源を探すのは悪いことではない。主流の食品
供給システムは我々に食料を供給するということはよくやっている。
「大規模農業」は悪だというキャンペーンにもかかわらず、USDAに
よると米国の農場の97%は家族経営である。

 Chipotleはファンタジーに耽っていた。進歩的な人たちはお腹を
すかせた世界のためには賢く食品を生産しなければならない現実を
知っている。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20151215#p8
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「実質より見かけを重視した」というのが聞くべきところです。

 このアメリカのファストフード店での食中毒事件が、こんな風に
起こっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■Chipotleの今年の出来事。

・1月14日:一ヶ所の供給者が会社の基準に合わない育て方をした
という理由で豚肉製品を600店舗から排除

・4月26日:遺伝子組換え食品は使わないと発表

・9月11日:ミネソタで集団食中毒。17店舗でトマトのサルモネラ
が原因

・11月2日:オレゴンで病原性大腸菌O26が同定されたアウトブレイ
クで43店舗閉鎖

・11月10日:オレゴンの店舗再開

・12月4日:食品安全計画を強化すると発表

・12月8日:80人がノロウイルス集団中毒、多分従業員が病気中に
働いたため

(8月のノロウイルス集団中毒が抜けている)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20151210#p12
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 Chipotleはチポトレと読むようで、こんな紹介記事があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 チポトレのホームページには「食品に誠実さ」というページがあ
ります。チポトレの理念や取り組みが紹介されています。スクロー
ルダウンしていくとホールフーズを思わせる文言「本物の食べ物の
み」がでてきます。アメリカでは「消費者の知る権利」から「情報
の透明化」に移り、食品の原材料から原産地、カロリーまで情報開
示が常識となっています。

 さらにヘルス&ウェルネスのトレンドを背景に、消費者から「健
康に悪い」と思われている物質を取り除いた「フリー・フロム」食
品が人気です。「グルテン・フリー」「抗生物質フリー」「ホルモ
ン剤フリー」に最近では「非遺伝子組み換え」食品もフリー・フロ
ム食品として注目されています。ホールフーズでは2018年までに同
社が扱うすべての食品についてGMO(遺伝子組み換え)ラベル表
示を行うと発表しました。

 1,800店を展開するチポトレが遺伝子組み換え食品を排除したこ
とで、GMOが身体に良いか悪いかに関わらず非GMOの流れは大
きくなるでしょう。

http://blog.livedoor.jp/usretail/archives/51960519.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これが前回言及した「気持ち悪い」イメージアップの具体例です
ね。

 差別化政策が悪いとは思いませんが、実情に疎い人が性急に差別
化を追求すると、こういう荒唐無稽な話になっていきます。

 はっきり言うと、嘘だらけになるのです。

 もちろん、嘘はいずれバレまてので、最近では訴訟も起こされて
いるようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■顧客を騙したとして「チポトレ」に集団訴訟

 なんとなく食材に気を使っていますよという雰囲気を出していた
チポトレですが、2015年4月27日に食材から遺伝子組み換え食品を
排除するという宣言をしていました。

 「外食チェーンとしては、初めてGMOを使っていることを公にし
ていたチポトレが、最近の知見から、GMOを使わないことを決めた」
というような書き出しから始まっています。

□チポトレへの集団訴訟

 今回明らかにになった集団訴訟は、「GMOを使わないと宣言した
のに、肉や乳製品を作るための飼料にGMOを使っているのは顧客を
騙す行為だ」という趣旨で起こされたようです。

 が、前出のチポトレ公式サイトを読んでいくと、

「飼料にはGMOを使っているけれど、たとえば多くのレストランで
提供されている牛肉はGMOを使わないようにしていて、努力してい
るよ」と書かれています。最近付け加えられたものではなく、最初
から宣言されていました。そうすると、何がどう騙していることに
なるのか、ちょっと合点がいきません。

(略)

 オーガニックではない飼料を食べた牛やニワトリでも、牛・ニワ
トリ自体が遺伝子組み換え生物で無い場合はオーガニックではあり
ません、NON-GMOです。そのため、チポトレのページで書いている
ように、ニワトリの餌がGMOでもニワトリ自体がGMOでなければ、
NON-GMOの食材です。

 集団訴訟では、NON-GMOを強調しているのに肉類・乳製品がGMO飼
料を使っているのが消費者を騙す行為だと指摘しているのですが、
かなり言い掛かりのような気がします。訴訟大国アメリカを感じる
訴訟です。どうなっていくのか興味があります。

 「チポトレ」は民主党支持者が多く利用する店舗ですので、大統
領選挙に関連している、かもしれません。選挙のたびに、いろいろ
な組織の嘘や汚職が対立陣営に暴かれて糾弾されるというのは、ア
メリカの美点でもあるような気がします。

http://ruralpostdoc.com/diary/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「ニワトリの餌がGMOでもニワトリ自体がGMOでなければ、NON-
GMOの食材です。」というのはいったい何を言っているの?と思い
ますが、この記事で紹介されている原文はこんなのです。

The meat and dairy products we buy come from animals that
are not genetically modified. But it is important to note
that most animal feed in the U.S. is genetically modified,
which means that the meat and dairy served at Chipotle are
likely to come from animals given at least some GMO feed.
We are working hard on this challenge, and have made
substantial progress: for example, the 100% grass-fed beef
served in many Chipotle restaurants was not fed GMO grain?
or any grain, for that matter. Many of the beverages sold
in our restaurants contain genetically modified ingredients,
including those containing high fructose corn syrup, which
is almost always made from

 「animals that are not genetically modified」と書いている
ので、誤解ではないようです。

 どこの世界に遺伝子組み替えの鶏や牛や豚がいるのかと言いたく
なりますが、「民主党支持者」の間では、こんな馬鹿げたデマも通
用しているのでしょう。

 「NON-GMOの動物」などと主張したり、「努力しているからNON-
GMO」とか、騙される人がいるのが不思議なくらい無茶苦茶な主張
ですが、この記事を書いた人のように実際には騙される人もたくさ
んいます。

 総括すると、方角を間違えた差別化によって、一定の支持を得た
ファストフード店が、衛生管理の不備によって事故を起こしたとい
うことです。

 そして、この虚偽の差別化と衛生管理の不備には強い相関がある
と断定してよいと思います。

 GMOがらみで、こんな話題もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2015年11月5日
週刊朝日 編集局長殿   食品安全情報ネットワーク(FSIN)

10月23日号「TPPで一人負けした日本」における
遺伝子組み換え作物の安全性に関する記事への要望書

 食品安全情報ネットワーク(FSIN)は、食品の安全に関する必要
な情報を収集し、科学的な立場からこれを検証し、自らも科学的根
拠がある情報発信をすべく日々活動している、学識経験者、消費者、
食品事業者、メディア関係者等の有志による横断的なネットワーク
組織です。

 貴誌2015年10月23日号、25ページ「TPPで一人負けした日本〜遺
伝子組み換え食品増、保険崩壊 TPPで脅かされる日本の医療、食、
健康」という見出しの記事を拝見しましたが、誤った説明がござい
ますので、情報提供および訂正の要望をさせていただきたくご連絡
いたしました。

 記事では、TPP交渉で脅かされる食の安全性の例として、遺伝子
組み換え作物を挙げ、「食品の安全性では、遺伝子組み換え(GM)
作物がフリーパスになるだろう。GM作物は除草剤耐性や害虫を殺す
毒素を持ち、摂取すると発がん性など人体への悪影響も指摘される」
と記載していますが、これは事実ではありません。

(略)

≪週刊朝日編集長からの回答≫
2015年11月13日

食品安全情報ネットワーク御中

朝日新聞出版 週刊朝日編集部
編集長 長友佐波子   
(連絡先省略)  

謹啓

 11月5日付けの「要望書」を拝受いたしました。

 GM(遺伝子組み換え)作物については、動物実験では発がん性
を確認する結果も出ています。また、その結果を受けて、人体への
影響を心配する声があり、安全性について疑問視する学者や消費者
団体もあります。ヨーロッパではGM作物は厳しく規制されていま
す。

 このようにGM作物の安全性を懸念する専門家もいる中、今回の
記事は、TPPによってGM作物が「フリーパス」状態で国内で流
通することを危惧する声を紹介したものであり、GM作物の安全性
そのものを論評するものではありません。

 ご理解いただけましたら幸いです。

謹白

2015年12月4日
週刊朝日 編集部
編集長 長友佐波子様

食品安全情報ネットワーク(FSIN)

10月23日号「TPPで一人負けした日本」における
遺伝子組み換え作物の安全性に関する記事のご回答について

 上記記事について11月5日付けでお送りした質問書について、11
月13日付けでご回答いただき、ありがとうございました。

 遺伝子組み換え作物の安全性について訂正をお願いいたしました
が、いただいたご回答について依然、疑問がありますので、再度質
問させてください。

 「GM(遺伝子組み換え)作物については、動物実験では発がん性
を確認する結果も出ています」とのことですが、これはどの実験を
指しておられるのか教えてください。

 なお、2012年9月にフランスのセラリーニ氏が遺伝子組み換えト
ウモロコシを用いた2年間の長期毒性試験で発がん性が確認された
と発表した論文については、日本の食品安全委員会や、欧州食品安
全機関(EFSA)、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)等、多くの
海外の食品安全審査機関が内容を精査し、試験動物数が少ない、試
験に用いたラットの種類が不適切である、十分な対照群が設定され
ていないなど、科学的評価のための試験デザインを欠いているとし
て、いずれも論文の信頼性を否定しました。最終的にこの論文を発
表した学術誌Food and Chemical Toxicologyは、論文掲載を取り消
しました。

 FSINでもこの問題について、日本の毒性学の専門家である一般財
団法人残留農薬研究所毒性部長の青山博昭博士からコメントいただ
き詳しく解説しています。
https://sites.google.com/site/fsinetwork/jouhou/gm_maize

 科学的根拠に基づく食の安全情報を提供する消費者団体である
FOOCOMの以下のサイトでも分かりやすく解説されていますのでご参
照ください。
http://www.foocom.net/special/11012/

 「ヨーロッパではGM作物は厳しく規制されています」とあります
が、これはどのようなことをおしゃっているのでしょうか。

 欧州食品安全機関(EFSA)による科学的安全性審査のもと、EUは
73種の遺伝子組み換え作物(2014年10月時点:ISAAA 国際アグリバ
イオ事業団調べ)を承認しています。

 EUは日本同様、大豆を中心に遺伝子組み換え作物を多く輸入、消
費しています。例えばEU全体で、飼料用の大豆ミール2,850万トン、
大豆換算で3,610万トンを消費していますが、このうち3,500万 トン
以上に相当する約97%は遺伝子組み換え大豆が大半を占める米国等
からの輸入大豆です(USDA 2015)。

 また栽培については、スペインが13万ヘクタール以上の遺伝子組
み換えトウモロコシを栽培する栽培大国であるほか、ポルトガルや
ルーマニアなどでも栽培が進んでいます。2015年3月に、環境放出
指令が改定され、遺伝子組み換え作物の栽培については加盟国で個
別に判断、規制できるようになりましたが、栽培規制は、農業政策
等の安全性以外の理由に限定されています。

 表示制度はありますが、日本と同様に、表示制度は安全性の問題
で遺伝子組み換え作物の流通を制限するようなものではなく、消費
者の選択を目的としたものです。

 上記について、12月14日までにご回答をいただければと存じます。
何卒よろしくお願いいたします。

https://sites.google.com/site/fsinetwork/katudou/weekly-asahi_tpp#TOC-FSIN-1
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういうツッコミに、自信たっぷりに「動物実験では発がん性を
確認する結果も出ています。」などというガセネタを披露できると
ころがさすがにアサヒです。

 「目的が正しければ手段は正当化される」という考え自体間違っ
ているのですが、その目的の正当性も確保できていないことに気付
いてほしいものです。

 私もTPP反対派だったのですが、「反対派」があまりにも嘘だ
らけなので、最近では「まあいいか」派になっています。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 早いもので次回が今年の最終になります。例によって「十大ニュ
ース」でもやるつもりです。

 体調もずいぶん回復したのですが、今年の年末はちょっと飲み過
ぎです。何気なく「アルコール」ネタは避けている私です。

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