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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------835号--2015.11.08------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「食中毒事例」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 まず、「肥料」で表示内容に偽りがあったというニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■肥料原料偽装 常務「分かっていたが、直せなかった」 秋田県
警、事実確認へ

 秋田市の肥料メーカー、太平物産が製造し、全国農業協同組合連
合会(JA全農)が販売した肥料の有機原料配合割合などの表示が
偽装されていた問題で、太平物産の伊藤茂美常務が6日午前、報道
陣の取材に応じ、「偽装は分かっていたが、直せなかった」と語っ
た。

 伊藤常務は平成24年4月から今年3月まで秋田工場(秋田市)
の工場長を務めており、当時から偽装していたと認めた。他の青森
工場(青森市)、関東工場(茨城県阿見町)、渋川工場(群馬県渋
川市)でも偽装があったとした。偽装を始めた時期については明言
を避けた。

 秋田県警は不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑や全農に対する
詐欺容疑にあたるかどうか、太平物産から事情を聴くなどして事実
確認を進める。

 JA全農は太平物産が製造し、宮城を除く東北各県や関東など東
日本の計11県で販売した肥料約1万トンを回収すると発表してい
る。太平物産の肥料を使用して栽培した農産物を「有機農産物」
「特別栽培農産物」と表示して販売した場合は虚偽表示になる恐れ
があり、農家に影響が広がりそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151106-00000530-san-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 詳しくはわからないですが、「有機」成分表示が違っていたよう
ですね。

 次は今回は北京から配信しているもので、中国ネタです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■カルビー、中国合弁を解消 相手企業に51%の持ち分全て「1
元」で売却

 カルビーは4日、中国のスナック菓子の製造販売子会社から撤退
すると発表した。合弁相手の康師傅グループに51%の持ち分全て
を1元(約19円)で売却し、関係を解消する。赤字が続き、今後
の業績改善も難しいと判断した。

 カルビーは2012年に杭州市に合弁会社を設立。かっぱえびせ
んなどを販売しているが、康師傅側とは商品戦略で意見の違いが目
立っていたという。

http://www.sankei.com/economy/news/151104/ecn1511040058-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 康師傅は中国の大メーカーですが、合弁がうまくいかずに撤退と
いうことです。

 次も合弁解消の話題。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■サントリー、青島ビールとの合弁解消を正式発表 売却額は15
6億円

 サントリーホールディングス(HD)は19日、中国ビール2位
の青島ビール(山東省)との合弁契約を解消したと発表した。いず
れも50%を出資する生産会社と販売会社の株式は青島ビールに来
年春までに全て売却する。売却額は約156億円(8億2千万元)。
上海市や江蘇省で約3割のシェアがある人気ビール「三得利(サン
トリー)」は青島ビールにライセンスを供与し、現地における生産
・販売は続ける。

 サントリーの中国法人と青島ビールは2013年4月に合弁会社
を設立したが、約2年で解消とした。

 サントリーHDは合弁会社解消の理由について、「現地のビール
市場が縮小し、競合との競争も厳しくなってきているため」として
いる。

 今後はワインやウイスキーなど成長分野に経営資源を集中すると
している。

http://www.sankei.com/economy/news/151019/ecn1510190009-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「三得利」ブランドは以前からありましたが、最近青島ビールと
合弁会社を作っていたようです。何だか中国経済の雲行きが怪しい
ことも関係しているのでしょうか。

 次はビールつながりで、酒税の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■どうなる酒税見直し ビール55円に一本化、雲行き怪しく 戦
略立たず業界「早く答えを」

 議論がなかなか進まない状況にもんもんとするのがビール業界だ。
ビールと発泡酒、第3のビールで異なる税額が段階的に一本化され
るかどうかが経営をも大きく左右するからだ。ビール類の税額は、
現在350ミリリットル1缶あたりでビールが77円、発泡酒が4
7円、第3のビールが28円。政府はこの税額について、全体の税
収が変わらない約55円に段階的に一本化することを目指している。

 実現すれば、ビールは減税となる一方、発泡酒と第3のビールは
増税になる。そうなれば店頭価格はビールが安くなる一方、発泡酒
と第3のビールは高くなり商品戦略や販売に大きくかかわることに
なる。現在は、割安な第3のビールが人気を集めるが、税制改正で
減税が見込まれるビールに売れ筋が移る可能性が高いからだ。

http://www.sankei.com/economy/news/151003/ecn1510030008-n3.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 酒税のためにできた新しい種類の酒に、あとから酒税を増税しよ
うというのは何だか変な話ですが、今の形がよいとも思えないとこ
ろです。そもそも税金逃れをして、安いビールを売ろうというのが
セコいと思っています。

 最後はセコいといえば、またまた鳴門ワカメの産地偽装問題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■不正表示:ワカメ製造業者が産地を 鳴門/徳島

 県は2日、外国産塩蔵ワカメを加工した乾燥ワカメの原産地を
「鳴門水域産」と不正に表示して販売したとして、鳴門市内の個人
のワカメ製造業者に対し、食品表示法に基づき適正な表示にするよ
う指示を出した。業者は商品の回収を始めた。

 県安全衛生課によると、道の駅「貞光ゆうゆう館」(つるぎ町)
で9月15日に販売していた製品の産地を分析したところ、韓国産
とみられるワカメが見付かった。県は定期的に調査している。

 製造したのは、女性(84)と長男(61)の親子。外国産と知
って仕入れた塩蔵ワカメを塩抜きして、9月13日に貞光ゆうゆう
館に出荷した乾燥ワカメ7・2キロ(130袋)に混ぜたという。
県の聞き取りに対し、「2年前から、注文を受けた量に鳴門産ワカ
メが足りない時、外国産を混ぜていた」と話しているという。

http://mainichi.jp/area/tokushima/news/20151103ddlk36020553000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これだけ偽装が多いと、「鳴門」と聞けばウソと思ったほうがよ
いのかもしれません。産地偽装どころか「灰干し」ではないですね。

 以下はおまけで、「ワカメ」の基礎知識です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■わかめ製品のいろいろ ≪乾燥ワカメ≫

▽素干しわかめ

 古代から伝わる最も古い加工法です。収穫したわかめをそのまま、
または水で洗って天日で乾燥させます。使うときは水で戻します。
塩蔵わかめが主流になって、従来主流だった素干しわかめは、今は
ほとんど見られません。
 
▽灰干しわかめ

 江戸時代の終わり頃、四国は鳴戸で編み出された加工法です。収
穫した生わかめに灰をまぶし、天日乾燥させます。そして貯蔵し、
灰を洗い落として再度乾燥させます。灰に含まれているアルカリに
よって、わかめに含まれているクロロフィルは安定し、鮮やかな緑
色になるととともに保存性も良くなります。

▽板わかめ

 とくに日本海沿岸で作られます。収穫したわかめは水で洗い、ス
ノコやムシロの上に一枚づつ並べて天日乾燥します。できあがると
ちょうど、うすい板のようになります。

 火であぶったり、そのままもんで細かくして食べます。他の乾燥
わかめに比べ、ミネラル、ビタミンが最も多く、特にカロチンはに
んじんやほうれん草よりかなり多く含まれます。

▽湯抜きわかめ

 生わかめを熱湯で湯通しして冷水に取り、乾燥させた物です。

▽カットわかめ

 昭和50年頃開発されました。湯通し塩蔵わかめを水で洗って塩を
抜き、一口大に細かく切って熱風で乾燥させます。

 戻したり切ったりしなくて良い手軽さと、衛生的なことから現在
は乾燥わかめの主流となっています。

■わかめ製品のいろいろ  ≪生ワカメ≫

▼ 塩蔵わかめ
 
 収穫したばかりの生わかめをたっぷりの塩で漬けこみ、軽く重石
をして水抜きをします。それからさらに塩をまぶします。生の味と
香りをいかしたまま保存でき、乾燥わかめより柔らかいのが特徴で、
水で塩抜きをしてから使います。 かなり古くから行われていた保
存法で、湯通し塩蔵わかめの方法が開発されるまで一般的な保存法
でした。

▼ 湯通し塩蔵わかめ

 塩蔵わかめより色があざやかで、昭和40年代に開発されて以来、
現在までもっともポピュラーなわかめとなっています。収穫したわ
かめを85度ぐらいの海水または食塩水でボイルし、冷ましたあと水
切りをして、塩漬けしたものです。

 手軽にすぐ使える便利さと、一度に大量に生産できる点から湯通
し塩蔵わかめの消費は急増しています。

■ちょっと変わったわかめ製品

▼ 茎わかめ

 乾燥わかめも塩蔵わかめも、使う部分は葉のところです。茎わか
めは加工するとき取り除かれる中筋や茎のところをカットして、塩
蔵にしたものです。炒め物や、つくだ煮などになかなか重宝します。

▼ 芽かぶ

 わかめの茎の下のひだひだ状のところが、芽かぶです。黒褐色で
かたいので以前は見向きもされませんでしたが、わかめの生長点で
すので、近年、食物繊維のアルギン酸やフコイダン、ミネラル、ビ
タミンが多量に含まれていることが分かり、俄然注目されました。
細かくカットした物を流通商品名『めひび』といい、当店でも販売
しています。

▼子持ちわかめ

 わかめの葉に、魚が卵を産みつけたもので、わかめの卵ではあり
ません。現在はトビウオの卵などを人工的につけて売られています。

http://www.gscorpo.co.jp/wakame/wakame_hanasi2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「食中毒事例」
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 前回紹介した「千疋屋」の食中毒について、こんな記事がありま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 “杭打ち”偽装によってまたもや崩れ去った“有名ブランド=安
心”という錦の御旗。老舗が軒を連ねる東京・京橋の界隈も、対岸
の火事とは言えなくなった、か。

 創業1881年の高級果物専門店「京橋千疋屋」の“塩素騒動”であ
る。

 「事の始まりは10月15日午前11時頃。京橋本店1階のパーラーで、
ちょっと早いランチを楽しもうとやってきた2組の女性客が、次々
に舌の痺れや頭痛を訴えたんです」(社会部記者)

 異常を訴えた5人中4人が病院で手当てを受けた。幸い命に別状は
なかったが、皆が胃腸炎と診断されたのだ。

 「提供されたコップの水を検査機関が調べた結果、水道水の500
倍以上の濃度の塩素が検出されました」(同)

 この濃度を測定値で表すと500ppm。プールの消毒基準値は0・4か
ら1・0ppmの範囲というから、尋常ではない濃さなのだ。

 で、都は21日から3日間の営業停止処分を下したものの、肝心の
塩素混入の原因は分からずじまい。店は25日から営業を再開してい
るが、常連ならずとも大いに不安が残る。

 「確かに混入経路については分かっておりませんが、今回は通常
の食中毒として処分と指導を行いました」

 と言うのは、京橋エリアを管轄する中央区保健所だ。

 「店内を巡回したところ、お冷を入れるピッチャーが客席から見
える場所にあったので、囲いを設けて外部からの接触を避けられる
よう指導を致しました」(同)

 再発防止に万全を期したと胸を張るが、店内部で混入した可能性
はないのか。

 「店からは従業員が誤って混入させてはいないとの回答を得てい
ます。調理場には市販の塩素系消毒剤があるのを確認致しましたが、
フキンを洗うのに使うもので問題はない。改めて、お客様に提供す
るものから遠ざけるように指導致しました」(同)

 念には念を入れての再オープンとなったが、何者かの故意による
ものだとしたならば、再び犯行が繰り返される懸念もある。警察は
事件性の有無も含めて、慎重に捜査を続けるという。

http://www.dailyshincho.jp/article/2015/11050815/?all=1
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「従業員が誤って混入させてはいない」というのは何を根拠に言
っているのでしょうか。

 以下に紹介するのは、いつもお世話になっている及川さんの見解
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2015.10.30
食品衛生レビューNo.78

●うっかりミスが大きな事故に

 10月21日の新聞、テレビが「15日に東京都中央区京橋の老舗の飲
食店で、お冷の水を飲んだ女性客が舌の痺れやのどの痛みなどを訴
え、病院で手当てを受けた。すでに営業自粛をしているが、中央区
保健所は21日午前に、3日間の営業停止命令を出した。」と報道し
ました。食器洗浄用の塩素系洗剤(漂白剤)が混入されたとされ、
うっかりミスと思われ、その結果として7日間の休業となりました。
そこで概要、原因の推定、対策を述べます。

■概要

発生日時  10月15日(木) 午前11時頃
発生場所  東京都中央区京橋 飲食店
原因食品  飲み水
患者数   5人(女性)
原因物質  塩素
休業期間  7日間
(営業自粛:10月17〜20日、行政処分:21〜23日)

■新聞等の報道で考えられること

 まだ、発生原因について、飲食店、行政からの発表がありません
ので推定です。

 新聞等の報道では、塩素濃度は500ppmで、ピッチャーから注がれ
た水とされています。これから一番考えられることは、前日閉店時
に従業員がピッチャーに塩素系洗浄液(漂白剤、次亜塩素酸ナトリ
ウム液の希釈水)を入れて帰宅。翌朝、前日とは異なる従業員が塩
素系洗浄液は捨てられ水道水が入っているものと思い、氷を入れて、
客用のコップに注ぎ、当日一番早い客に提供したものと考えます。

 塩素系洗浄剤の希釈水を飲んだ場合には、緊急に胃洗浄をしなく
てはならないので、救急車を呼ぶ必要性があります。時には救急隊
から警察へ「毒物の疑い」との連絡が入り、保健所へも連絡が入り
ます。営業自粛(自主休業)が当日からでないので、口に含んで吐
いた程度で、飲み込んでいなかったと思います。舌の痺れやのどの
痛みなどの軽症だったと思います。

 飲食店等への営業自粛(自主休業)は原因が特定できない場合に
行政機関(保健所)から指導を行います。発生日は15日ですので、
多くの場合、営業自粛は15日からで、15日に新聞、テレビで報道さ
れます。

 新聞、テレビで報道は行政処分日の21日です。21日の新聞報道で
は『女性客らは、翌日、保健所に「水から塩素臭がした。気分が悪
い」と訴えた』とされており、保健所の探知は16日で、状況調査を
して17日からの営業自粛を指導したものと思います。そして、「警
視庁が、毒物が混入した可能性がるので調査をしている」との報道
があります。
 
■まとめ及び対策

 今回の開店時に、飲み水に塩素系洗浄剤が混入する事故は、毎年
のように全国で一回程度は発生しています。交通事故ならば赤信号
なのに飛び出して事故を起こすような、個人的には何十年に一回あ
る事故のような、「うっかりミス」の典型的な事例です。しかし、
飲食店にとっては7日間の休業、信用の低下等など大きな事故に発
展しました。

 開店時の点検表にピッチャー点検を加えても「魔が差す」ことが
あるので、元を絶つのが一番と思います。

 参考として、2013年に同様な事故が発生した飲食店チェーンでは、
次のような再発防止対策を行うことにしました。

○容器本体に直接希釈液を入れての殺菌(漂白)を行わない。

○塩素系漂白剤の使用については、同一担当者が責任をもって完了
する。(笈川:ウォーターピッチャーへ入れるのは水だけなので、
漂白剤希釈液を入れておく必要はありません)

 漂白剤・洗浄剤の市販品の塩素濃度は、おおむね6%ですので、
今回の500ppmは約100倍希釈となります。可能性は少ないですが、
飲み込んだ場合には、早い胃洗浄が必用で救急車を呼びます。毒物
混入が疑われたらパトカー、鑑識の車がサイレンを鳴らしてきます。
あってはならない事故ですが、どこかで発生する可能性はあります。
このような光景を思い浮かべて対策を考えてください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 報道されている事実から見て、これ以外に考えようはないです。
店の方は自分は被害者であると主張したいようですが、ちょっと無
理があります。

 さて、今週は及川さんからもう一通いただいていまして、過去の
食中毒事件のうち、特筆されるべきものをピックアップしています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

時を変えた食中毒事例

 食品衛生法及び規則等の改正は、食中毒事例との関連が深いもの
が多い。そこで、主な「時を変えた食中毒事例」の概要及び、その
事例を基に変わった法、規則等を説明する。

■森永ヒ素ミルク事件で食品衛生管理者制度、食品添加物の規格基


 1955年、森永乳業徳島工場が製造した粉乳を飲んだ乳児多数が原
因不明の発熱下痢、肝臓障害、皮膚が黒くなるなどの症状を呈した。
製造工程中に中和剤として第ニリン酸ナトリウムを添加したが、そ
れはボイラーの清缶用で、有毒な亜ヒ酸が大量 (3〜9%)に含まれて
いた。患者は27府県に広がり患者数 13,000人を超え、死亡者130人
に達した。

 1957年6月15日法律第175号で食品衛生法が改正された。主な改正
内容は添加物の定義の明確化、化学的合成品の定義化、食品添加物
公定書の作成、食品衛生管理者制度など。そして、1959年12月28日
厚生省告示第370号で食品添加物の規格基準が定められた。

■生カキが原因による集団下痢症で生食用か きの成分規格基準

 1966年、広島産カキの生食(酢カキ)が原因と推定された集団下
痢症が東京以西11都府県で発生した。症状は軽度の腹痛と下痢で重
症者はみられなかった。国立衛生試験所、広島県衛生研究所等で食
中毒起因菌等の検査をしたが原因物質は検出されなかった。患者数
1,596人。

 1967年8月24日厚生省告示第349号で、生食用かの成分規格、加工
基準及び保存基準が規定され、さらに容器表示について「生食用」
「調理加熱用」の明示が義務付けられた。

■カネミ油症事件で食用油脂製造業(脱臭工程を行うもの)に食品
衛生管理者の設置

 1968年、福岡県を中心に西日本一帯で、北九州市のカネミ倉庫が
製造した米ぬか油の摂食者が、油症(爪の異常、皮膚の黒点、ニキ
ビ様発疹など)症状を呈した。原因は米ぬか油を精製する加熱脱臭
工程で、熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)、
PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)などが、ピンホールから精製油に
移行した。約14,000人が被害を訴えたが、認定息者数は約1,900人。

 1969年7月25日食品衛生法施行規則が改正され、食用油脂製造業
(脱臭工程を行うもの)に食品衛生管理者の設置が義務付けられた。

■鶏卵が関連したサルモネラ食中毒続発で鶏卵の賞味期限表示

 1993、94年の2年間で三重県桑名保健所管内において3件(仕出
し弁当「卵うどん」患者数1,004人ほか)のサルモネラ・エンテリテ
ィディス(以下SE)食中毒が発生し、鶏卵汚染が原因と考えられた。
そこで、SE食中毒の全国調査を実施、97年3月の報告書の主旨は
「汚染卵を0にすることは難しい、SE量を増やさないこと、特に流
通は何らかの対策が必要」である。

 97年6月2日開催の厚生省食品衛生調査会食中毒サーベイランス部
会で桑名保健所長が調査結果を説明。同年9月2日に鶏卵の安全性を
確保するために、品質保持期限(賞味期限)の表示を義務付ける方
針が決まった。この方針を受けて鶏卵日付表示等検討委員会が設立
され、98年6月1日に、現在の鶏卵表示の基本となる「鶏卵の日付等
表示マニュアル」を定めた。

■堺貝割れO157食中毒事件で検食の保存方法

 1996年、大阪府堺市学校給食施設で貝割れが原因で腸管出血性大
腸菌 O157(以下O157)食中毒が発生した。息者数7,936人
(47校の児童・教職員)、死亡3人(児童)。

 1996年7月25日衛食第201号で、検食の保存方法が「調理品48時間
冷蔵保存」から「原材料及び調理品を、-20℃以下で2週間以上保存」
と大きく変わった。

■飲食店で自然毒食中毒が発生、裁判で初めて製造物責任法適用

 1999年、千葉県勝浦市の飲食店でイシガキダイを食べた客が、シ
ガテラ毒と疑われる食中毒症状を呈した。患者が東京地方裁判所へ、
飲食店に対し「イシガキダイの調理が製造物責任法の「加工」にあ
たる」として損害賠償請求を提訴した。患者数10人。

 2002年12月13日東京地方裁判所は「飲食店が調理した料理を提供
し、これに含まれていたシガテラ毒素(欠陥)により食中毒に罹患
されたものと認められる。製造物責任法第3条に基づき、損害の賠
償を負うべきである」と判決した。

■白インゲン豆によるレクチン食中毒でテレビ放送局へ注意

 2006年、テレビの全国放送で白インゲン豆ダイエット法が紹介さ
れた。この方法で調理し食べた視聴者が嘔吐、下痢等の症状を呈し
た。番組で紹介された方法「白イングン豆を2〜3分煎り、粉末状に
して食べる」では、生の白イングン豆が持つ有害物質のレクチンが
熱変成しなかった。息者数158人(内入院患者30人)。

 2006年5月22日に厚生労働省監視安全課は全国放送を行ったTBSに
対し、文書により注意を行った。TBSは「食品の安全性に関する番
組制作ガイドライン」を制定した。

■ユッケによる食中毒で生食用食肉の成分規格、生食用食肉の加工
基準

 2011年、北陸地方を中心とした焼肉チェーンの4県6店舗でユツケ
(生牛肉)によって腸管出血性大腸菌O111、O157食中毒が
発生した。患者数181人、重篤な疾病のHUS(溶血性尿毒症症候群)
患者が32人と極めて高い比率、死亡(全てO111)5人。

 2011年9月12日厚生省告示第321号で、生食用食肉の成分規格、生
食用食肉の加工基準が定められ、10月1日から施行。

■このほかにも、次のような事例がある。

 1999年、千葉県の家庭でレトルト食品と間違われた「ハヤシライ
スの具によるボツリヌス食中毒」が発生。1999年8月30日衛食120号
で「気密性のある容器包装詰めの要冷蔵食品は、要冷蔵品であるこ
とが消費者等に明確に分かるようにする」との通知。

 2012年、札幌市を中心に「白菜の浅漬けによるO157食中毒」
が発生。2012年10月12日食安監発1012第1号で「漬物の衛生規範」
が改正。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 森永ヒ素ミルク事件は、今年61歳になった私の弟の赤ちゃん時
代の出来事で、弟も森永のミルクを飲んでいたそうです。その後病
気がちだったため心配したと親が言っていました。

 卵のサルモネラについては、私が生協にいた時代のことで、真っ
先に対応したものです。養鶏場にHACCPを導入したのは画期的
なことだったと考えています。

 あのころは「サルモネラの検査をしています」で済ませていたと
ころが多かったのです。検査で見つかるものではないことが理解さ
れていませんでした。

 今でも、検査で実害が防げると思っている人は多いのではないか
と思いますが、そうではないことがHACCPの出発点なのです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 金曜日から北京に来て、日曜に帰ります。ちょうど初雪が降った
そうで、その後雨に変わりました。天気は悪いのですが、おかげで
空気はそれほど悪くはなかったです。

 今年できた北京郊外のイオンモールの北海道フェアに顔を出した
のですが、日本のイオンモールと全く同じで、中にいると中国にい
るという気がしません。中国も変わったものだと感じました。

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