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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------830号--2015.10.03------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「個別危害要因」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 食品安全情報blogにこんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■研究がコメとコメ製品のヒ素による問題を明らかにする

 スウェーデン食品局による新しい研究がコメとコメ製品にヒ素が
あることを確認した。スウェーデンのほとんどの人は健康リスクに
なるほどの量のコメを食べていない。しかし毎日コメを食べる人は
たくさんのヒ素を摂ることになるので食べる量を減らすようにすべ
きだ。もしコメをたくさんの水で茹でてそれから水を捨てるように
すればヒ素の量は半分に減らせる。

 最も多くヒ素を含むのはライスケーキである。従ってスウェーデ
ン食品局はライスケーキを6歳以下の子どもには与えないよう薦め
る。

■毎日食べないこと

 スウェーデンでは多くの人がそうであるように、週に数回コメや
コメ製品を食べることは健康リスクとはならない。子どもはコメや
コメ製品を週に4回以上食べるべきではない。コメ製品にはライス
プリン、ライスヌードル、ライススナックが含まれる。

 成人は毎日コメ製品を食べるべきではない。毎日、あるいは一日
に数回コメを食べる人はたくさんのヒ素を摂取することになる。

「例えばアジアの多くの国々の人のように、コメを多く食べる伝統
の人にとって、それは難しいことを我々は理解している。しかしそ
れでも我々の助言は徐々にコメを減らすべきであるということであ
る。」とEmma Halldin Ankarbergは言う。

 また自分で調理することでコメのヒ素を減らすこともできる。た
くさんの水で茹ででその水を捨てれば、コメのヒ素は半分以下にな
る。しかし茹でる前に洗うだけではヒ素はなくならない。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20151001#p1
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 コメとヒ素はなかなか難しい問題ですね。日本でも、もう一段コ
メの消費量を減らす必要があるのかもしれません。

 次は食物アレルギーについて。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■ピーナツアレルギー予防のためピーナツを摂取すべき 世界の小
児科、アレルギー学会が合意声明発表

 米国小児科学会や米国アレルギー喘息免疫学会を中心に、欧州や
豪州、日本のアレルギー、小児科の学会が、ピーナツアレルギーの
発症リスクが高い子どもには、1歳になる前にピーナツを含む食物
を与えるべきであるとする合意声明を発表した。

■ピーナツアレルギー予防法が大きく変わった

 これまで、アレルギーの原因となる可能性のある食品や物質は、
乳幼児のころは避けるべきとされてきた。しかし、英ロンドン大学
の研究者らが、ピーナツアレルギーの発症リスクが高い生後4〜11
カ月の乳児640人を、週3回以上ピーナツ6グラム以上を含む食品を
とるグループと、5歳までピーナツ製品を避けるグループに分類。

 その後のピーナツアレルギー発症率を比較したところ、ピーナツ
を食べていたグループのピーナツアレルギーの発症率は約3%だっ
たが、食べていないグループでは17%を上回っていたとする研究結
果を、2015年2月26日に総合医学雑誌「New England Journal of Me
dicine」で発表していた。今回の合同声明はこの研究結果を受けた
もの。

http://agingstyle.com/2015/09/28000622.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 しばらく前から、こういう情報がいろいろ出てきていますが、い
よいよ確定的になってきたように思います。

 できるだけ早い時期に、アレルギーの原因になりそうな食品を、
積極的に食べさせるべきであるというのは、今までの常識的な感覚
からは違和感があると思いますが、どうも正しいようです。

 最後は食べ物ではないのですが、毎日新聞にこんな記事がありま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今年は既に20個以上発生している台風。地球温暖化が進むと、
日本をこれまで経験がない「スーパー台風」が襲う可能性があると
いう。一体、何が「スーパー」なのか。【大場あい】

 スーパー台風とは、米軍合同台風警報センターの定義で「地表付
近の風速が1分平均で67メートル超の台風」を指す。日本では1
分平均風速の0・88倍に相当する10分平均が一般的なので、換
算すると「風速59メートル超」になる。大きな被害が出た

▽狩野川台風(1958年)
▽伊勢湾台風(1959年)
▽第2室戸台風(1961年)

はその条件を満たしていたが、上陸時には勢力が弱まり「スーパー」
でなかったという。

 だが、今世紀末にはスーパーのまま日本に上陸する可能性がある
と、多くの専門家は指摘する。ポイントは海水の温度だ。

http://mainichi.jp/shimen/news/20151002ddm013040049000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうしてこの記事を紹介したのかというと、記事の本文とは裏腹
に、提出された台風のデータからは、本物の「スーパー台風」はも
う50年以上発生していないことがわかるからです。

 いずれ発生する、というのはどうとでも言えることですが、かつ
ては頻繁に現れたスーパー級が、50年も発生していないというのは、
いったいどういうことなのでしょうか。

 事実と言っていることが違っていても平気なのは、いつもの毎日
新聞クォリティです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「個別危害要因」
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 またまた食品安全情報blogから、こんな記事を紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■食品事業者は新しい食品安全規則に対する意見を求められる

 MPIが来年3月に発効する新しい食品法Food Act 2014について食
品業者からの意見を求めている。新しい法では食品に関する異なる
活動には異なるリスクがあることを認めていて、例えば食事を作る
といったハイリスク行動に対しては食品安全上のリスクを同定しそ
れらのリスクを緩和するための対策について定めた食品管理計画を
書面で準備して行うことが求められる。包装済み食品の販売のよう
な低リスク行動は国家計画の元で行われる。それには管理計画は必
要はないが安全な食品のための規則には従う必要がある。法律は基
本を定めるがこの法に従うためにはいくつかの規則などが定められ
る。今回の募集は実際の履行についての意見である。

(飲食店でもHACCP)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20151002#p12
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ニュージーランドの話なので、この記事自体は重要ではないです
が、最後の「飲食店でもHACCP」が気になりました。

 確かに、飲食店などでもこうした取組が必要になってきていると
思います。

 私としてはHACCPまで行かなくても、せめて以下のあたりは
実行してほしいと思っています。

○厨房の床はドライにする。

○イスをテーブルの上にあげない。

○卵を割り置かない。

○全面禁煙にする。

 ところで、「HACCP」というのは日本語に訳すと「危害分析
と重要管理点管理」になるわけですが、全段階として危害分析があ
り、それに対する管理点を設定し、そこを管理することで危害を予
防するわけです。

 食品についての危害は食中毒菌以外でもいろいろありますが、そ
のリストが公開されているので、紹介します。

 元のサイトでは項目だけが表示されていて、そこからリンクされ
いるPDFファイルに詳細が書かれているというスタイルです。

 それでは読みにくいので、本文中に簡単な説明部分を引用してお
きました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■■個別危害要因への対応
(健康に悪影響を及ぼす可能性のある化学物質)


■環境中に存在するもの

□優先的にリスク管理を実施する必要のある危害要因※1

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カドミウム
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 1968年、厚生省(当時)は、富山県神通川流域において発生した
イタイイタイ病の原因は、神通川上流の鉱山から排出されたカドミ
ウムであり、これが神通川水系を通して水および土壌を汚染し、汚
染した飲料水および農作物等を長年にわたって摂取した結果による
ものであると発表した。これを契機に食品衛生法にコメ(玄米)の
Cd の基準値が設定されるとともに、農用地法が制定され、同法に
基づく土壌の汚染防止対策が開始された。

 その後、より低濃度の Cd でも長年にわたり摂取すると腎機能障
害を引き起こす可能性があることが明らかになり、コーデックス委
員会が食品中の Cd の国際基準を設定した。

○我が国では米からの Cd の摂取寄与が最も大きい(約40%)。

○飼料の中では、魚粉がカドミウムの含有濃度が高い

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ヒ素
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 ヒ素は古くから毒として用いられてきており、また犯罪に用いら
れる場合もあることから一般に毒性の強い元素というイメージが強
い。

 我が国では鉱山労働者の健康問題、鉱山周辺の環境汚染問題の他、
粉ミルクに混入したヒ素による中毒事件があげられる。

 2004年7月、日本から輸入したヒジキに無機ヒ素が多く含有され
ていることから、UKFSA(英国食品規格庁)が摂食を控えるように
勧告したことにより、日本の消費者がヒジキの安全性を懸念した。
これに対応して厚生労働省がQ&Aを作成した。

○我が国では総ヒ素の摂取量のうち8割以上が魚介類、海藻由来。
農産物ではコメからの摂取寄与が比較的大きい。

○国産米に含まれるヒ素の多くが無機ヒ素である。また、海藻のう
ち、ヒジキは無機ヒ素を多く含む。

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□その他、リスク管理の必要がある危害要因※2

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 鉛は世界中において、古くは塗料や化粧用色素、近代では、水道
管、ハンダ、ガソリン等の原材料として、様々な用途に利用されて
きた。これに伴う鉛中毒も古くから報告されており、最古の記録は
古代ギリシャまでさかのぼる。

 現在では、先進国を中心に鉛を原料とする産業利用の割合は減少
傾向にあるが、利用の歴史が長いことやその用途が広範にわたった
ことから、現在でも、環境中に広範に残留している。また、発展途
上国を中心に、いまだ鉛を利用した水道管、ガソリン等の利用が継
続している地域も存在する。このような状況下で栽培された農産物
には、大気中の鉛の植物表面への降下などにより、鉛が移行する可
能性がある。

 鉛は蓄積性の毒であり、ヒトの様々な部位に悪影響を与える。特
に幼児は低いレベルの暴露でも神経系に影響を与えるため、世界的
に懸念されている。

○(汚染される可能性がある農作物/食品は幅広いため、個別の生
産実態の報告は省略)

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メチル水銀
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 1959年に熊本県水俣市で中毒性中枢神経疾患「水俣病」が発生し、
1973年に厚生労働省がその原因物質であるメチル水銀及び総水銀に
ついて、暫定的規制値を通知した。

 公害への対応とは別に、通常天然に含まれるメチル水銀について、
2003年に厚生労働省が妊娠している方又はその可能性のある方を対
象とした水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項を公表し
た。

 国際的には、JECFA において評価が行われ、米国、EU等において
も一部の魚介類について、妊婦等を対象とした摂食の注意事項を公
表している。

○魚介類 全ての魚介類は、濃度は異なるがメチル水銀を含有する
可能性がある。ただし、高次捕食者(メカジキなど)や食性にもよ
るが長命の魚(キンメダイなど)などが比較的高濃度に含有する。

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ダイオキシン類
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 1957年の米国におけるヒヨコの大量死事件、ベトナム戦争でアメ
リカ軍が使用した枯葉剤(除草剤)に不純物として含まれていたダ
イオキシン類が原因とみられる奇形多発の指摘、西日本を中心に米
ヌカ油の摂取による大規模な化学食中毒(カネミ油症)事件(その
後の研究調査によってPCDFとCo-PCBであるとの結論)、1976年のイ
タリア・セベソの農薬工場での爆発事故による近郊の家畜が死亡し
奇形の発生が多くなったこと等によりダイオキシン汚染問題が注目。
我が国においては、1990年、NHKテレビのキャンペーンに端を発す
る反ダイオキシンの世論を背景に厚生省が「ダイオキシン類発生防
止等ガイドライン検討委員会」を設置し、「ダイオキシン類発生防
止等ガイドライン」をまとめた。

 また、1995年、耐容一日摂取量の検討が始まったころから消費者
の関心が再び高まる。

 その後、1998年に大阪府能勢町において土壌の高濃度汚染が見つ
かったほか、1999年に埼玉県所沢市周辺における産業廃棄物処理施
設の密集の問題が報道で取り上げられた(所沢ダイオキシン問題)。

2010年には、ドイツの飼料工場で製造された飼料を原因とした畜産
物中のダイオキシン類汚染問題が欧州で発生。

○全ての食品

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ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)
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 環境中に放出されたPBDEs がヒト母乳中に存在するというスウェ
ーデンの研究者の報告により注目されるようになった。PBDEs は次
のような特徴を持つ。

・もともと自然界には存在しない。
・燃えにくいため、繊維や電気器具を難燃化するために使われてき
た。
・化学的に安定なため環境中に放出されても分解しない。

・直近30-40年間で環境中の汚染濃度が上昇している。

○電気製品や繊維を難燃化するために使われた物質が環境中に放出
されており、あらゆる食品が汚染されている可能性がある。

○魚類、牛乳、母乳の汚染が知られている。

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パーフルオロオクタン酸(PFOA)
 及びパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)
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 米国環境保護庁(EPA)は、調理器具に広く使用されているテフロ
ンの製造の際に助剤として使用されているパーフルオロオクタン酸
のヒトへの健康リスクについて、不確定ではあるが懸念があるとし
て情報提供と意見公募を公告。

○人間の暴露の経路が、大気中、水中、埃や堆積物中、食物経由の
いずれか、あるいはこれらの複合によるのかについては現在不明。

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■かび毒

□優先的にリスク管理を実施する必要のある危害要因※1

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アフラトキシン(AF)
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 AFは、1960年に英国で発生した10万羽以上の七面鳥が死亡した中
毒事件の原因物質として、飼料に使われていたブラジル産ピーナッ
ツミールから発見。

 その後、1960から80年代にかけて多くの疫学調査が行われ、食品
からのAF摂取とヒトの原発性肝がんとの相関が明らかとなった。

<食品>
○穀類(トウモロコシ、米、麦類)、さとうきび、落花生、木の実
類、綿実、コプラ、香辛料及びそれらの加工品等

<飼料>
○飼料用のとうもろこし及びとうもろこし副産物、油かす類等

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ゼアラレノン
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 とうもろこし飼料により、豚の過エストロゲン症による死亡事故
等の発生が報告。また、家畜の生育増進ホルモン剤※として使用さ
れているα-ゼララノールとともに、ゼアラレノンは、ヒトに対す
る内分泌かく乱物質として危惧されている。

※肥育ホルモン剤は、米国、カナダ、オーストラリア等では使用さ
れているが、日本では使用されていない。

(1962年にフザリウム属菌が感染したとうもろこしから初めて分離
され、1966-67年に構造が決定。)

○主として、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、ソルガム、はと
麦、小豆、その他雑穀及びそれらの加工品

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T-2トキシン、HT-2トキシン
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 1931-1947年、旧ソビエト連邦で、ほ場で越冬させた穀類により
中毒事故が発生。原因穀物から同定されたかびが T-2を産生したこ
とから、T-2が原因と推定(ATA症: alimentary toxic aleukia)。

 我が国でも、T-2 を含むトリコテセン類のかび毒による汚染が原
因と考えられる、人への健康被害(食中毒)が、1940-1950年代の
赤かび病汚染穀類で発生している。

○穀類、豆類及びその製品

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フモニシン
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 飼料のフモニシン汚染によって、ウマの白質脳症、ブタ肺水症が
発生することが以前から知られている。また、南アフリカ及び中国
での食道がん多発地帯において、農産物が著しくフモニシン類に汚
染されていたことから、発がん性が注目されるようになった。最近
では、トウモロコシ加工品を主食とする国・地域での新生児の神経
管に関する催奇形性から注目されている。

○フザリウム属によるフモニシン汚染が問題となる主な食品は、ト
ウモロコシ及びその加工品である。その他、低濃度の汚染が明らか
な食品としては、コメ、小麦、大麦、エン麦、ソルガム、大豆、コ
ーヒー※、ブドウ※、乾燥いちじく等がある。

※*印のものは、フザリウム属ではなくアスペルギルス属のかび
(Aspergillus nigar)による汚染と考えられている。

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□その他、リスク管理の必要がある危害要因※2

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オクラトキシンA
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 1960年代に、南アフリカの穀類から分離された後、各種の動物実
験で肝臓及び腎臓への毒性が確認されるとともに、北欧でのブタの
腎障害やバルカン諸国におけるヒトの腎炎(バルカン腎炎)との関
係が疑われている。

○穀類及びその製品(パスタ、小麦粉、そばなど)

○コーヒー(豆)、ぶどう(完熟)、干しぶどう、ココア、チョコ
レート、ワイン、ビール等

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デオキシニバレノール(DON)
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 1940-1950年代、日本では、赤かび病に感染した穀物がDONを含む
トリコテセン類のかび毒に汚染され、これらの穀物の摂食に起因す
る食中毒事故が複数報告されている。

 その後、2001年にJECFAはDONについて評価を行い、DONについて
PMTDI 1 μg/kg bw を設定。また、摂取量評価においては、5 つ
の地域のうち、4地域で本PMTDIを超過していると報告。

○穀類(小麦、トウモロコシ、オーツ、ライ麦、大麦、米)及びそ
の加工品

○我が国においては、摂取量及び汚染の実態から、麦類が重要。

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ニバレノール(NIV)
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1940-1950年代、日本では、赤かび病に感染した穀物が NIV及び
4-Ac-NIVを含むトリコテセン類のかび毒に汚染され、これらの
穀物の摂食に起因する食中毒事故が複数報告された。

○穀類(小麦、トウモロコシ、大麦、オーツ、ライ麦)及びその加
工品(パン、麦芽、ビール)。

○摂取量及び汚染の実態から、我が国においては、麦類が重要。

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パツリン
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 1942年に発見され、当初は抗生物質として注目されていたが、毒
性が高いことが判明。子供は、大人と比較して体重に対するりんご
果汁の摂取量が多く、子供の健康保護の観点から重要。

○果実及び果実飲料(特にりんご)

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■調理、加工などで生成するもの

□優先的にリスク管理を実施する必要のある危害要因※1

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アクリルアミド
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 2002年 4月、スウェーデン食品庁とストックホルム大学が、炒め
たり、焼いたり、揚げたりしたばれいしょ加工品や穀類加工品にア
クリルアミドが高濃度で含まれることを発表した。

 これを受け、FAOとWHOは、2002年6月に専門家会合を開催した。

 2005年、2010年にFAO/WHO合同食品添加物専門家会合(JECFA)が
リスク評価をした。

 2009年、Codex委員会がアクリルアミド低減のための実施規範を
策定した。

○アスパラギンと還元糖を含み、かつ高温で加熱された加工食品や
調理食品にアクリルアミドが含まれる。

・アクリルアミド(1頭当たり 1.5 g/日)を牛に与えると、乳に移
行することが確認されている。

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多環芳香族炭化水素(PAH)
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 魚肉や畜肉の焼け焦げ中にBaP等の発がん性物質が存在すること
は知られていた。

 PAH の多くに遺伝毒性発がん性があることが確認され、IARCの評
価では2006年にBaPがグループ2Aからグループ1に変更された。

 環境由来(原油流出事故等が原因)のPAHsによる魚介類汚染も欧
州では問題となっている。

○畜肉類や魚介類の燻製、直火(食品と炎が接触)で調理した畜肉
類、油糧種子、穀物など
(JECFAでは、PAHsの主要な摂取源は、穀物・穀物製品、植物油脂
とされている。)

○食品がPAHsの主要な暴露源で、先進国では水及び空気を介した
暴露は小さい。

○汚染海域から水揚げされた魚介類

○日本の場合、かつお節及びその加工品や直火調理の焼き肉、焼き
鳥、焼き魚が主な摂取源と推察される

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フラン
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 2004年5月、米国食品医薬品庁(FDA)は、缶詰、瓶詰のように熱
処理した食品中に、フランがこれまで考えられていたよりも高い濃
度(〜125 μg/kg)で含まれることを確認したと発表。

○不飽和脂肪酸やアスコルビン酸等の前駆体を含み、加熱する食品、
特に缶詰、瓶詰、レトルト食品はフランが揮発しにくいため高濃度
になりやすい。

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ヒスタミン
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 冷凍流通網が未発達であったころは、ヒスタミン食中毒の発生件
数が多かった。その後、冷凍技術の発達によりヒスタミン食中毒件
数は減少しているが、依然、発生事例は散見される。

 特に2009年には、札幌の小学校で給食に供された輸入食材(マグ
ロ切り身)を原因として一度に 279人が罹患するなど大規模な食中
毒が発生しており、発生防止のための対策が求められている。

○赤身魚(サバ類、カツオ類、マグロ類、サンマなど)のようなヒ
スチジン量の高い魚及びその加工品(缶詰、干物、すり身など)

○発酵食品(ワイン、チーズ、ヨーグルト、発酵ソーセージ、味噌、
醤油、魚醤、納豆など)

<参考>

○ヒスタミンは、魚類や発酵食品の原料などに含まれるアミノ酸の
一つであるヒスチジンが、それらの食品に混入した微生物が産生す
る酵素により脱炭酸されて、生成する。

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□その他、リスク管理の必要がある危害要因※2

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クロロプロパノール類
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 1970年代に酸加水分解植物性たんぱくの製造工程で副産物として
クロロプロパノール類が生成することが報告され、2001年の英国の
調査でしょうゆ加工品に高濃度の3-MCPDを含むものがあることが判
明。

 EUは、2001年3月に酸加水分解植物性たんぱく及びしょうゆの基
準値を定め、貿易上の問題が顕在化。

 Codex委員会では2000年から食品中のクロロプロパノール類に関
する検討が開始された、2008年基準値及び実施規範を採択。

○酸加水分解植物性たんぱく(アミノ酸液)及び酸加水分解植物性
たんぱくを原材料とする食品(しょうゆ(混合醸造方式及び混合方
式)、ソース類、漬物、つゆ・たれ類、佃煮等)

○サラミ、牛肉ハンバーグ、乳製品(プロセスチーズ等)、パン、
ビスケット類、ドーナッツ、麦芽抽出物、コーヒー等

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トランス脂肪酸
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 疫学調査により、油脂中の不飽和脂肪酸に水素添加して製造され
たマーガリン類やショートニングに含まれているトランス型の脂肪
酸の摂取によって以下の知見が報告されたことで注目を集め、国際
的に低減の取組が行われている。

(1)トランス脂肪酸の過剰摂取は、LDL コレステロール(悪玉コ
レステロール)を増加させ、HDL コレステロール(善玉コレステロ
ール)を減少させる。

(2)悪玉コレステロールの増加と善玉コレステロールの減少は虚
血性心疾患の発生と正の相関関係がある。

○マーガリン、ショートニング、牛乳、乳製品、牛肉、食用植物油
脂、食用精製加工油脂、マーガリン・ショートニング等を使用した
加工食品

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■その他の一次産品に含まれるもの

□その他、リスク管理の必要がある危害要因※2

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硝酸態窒素
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 硝酸態窒素を高濃度に含む飲料水(井戸水)により2人の幼児に
メトヘモグロビン血症が発症した事例が1945年に米国で初めて報告
された。

 その後、北米とヨーロッパで2000の事例が報告され、そのうち
7〜8%が死亡に至っている。

 野菜中の硝酸態窒素に起因するとされる事例として、西ドイツで
1959年からの7年間に、ほうれんそう中の硝酸態窒素により15件の
メトヘモグロビン血症が発生し、その患者のすべてが3か月齢未満
であったことが報告されている。

 我が国では、人での中毒の報告はほとんどないものの、反すう家
畜で、飼料作物中の硝酸態窒素により昭和40年から46年の間に98件、
458頭(うち128頭が死亡)に中毒が発生した事例が報告されている。
近年では、平成19年に、硝酸態窒素を含む輸入乾牧草を原因とする
牛の中毒事例(8頭死亡)が報告されている。

 我が国の人での中毒については、硝酸態窒素を高濃度に含む井戸
水を原因とする新生児のメトヘモグロビン血症の事例1件が1996年
に報告されている。

○野菜類(特にホウレンソウやサラダ菜等の葉菜類、欧州の報告で
はルッコラの濃度が高いとされている。)

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麻痺性貝毒
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 日本では、1975年に赤潮が三重県尾鷲湾で発生し、アサリ及びム
ラサキイガイが毒化(日本で初めての公式報告)。翌年、伊勢湾で
も赤潮が発生し、二枚貝が毒化。同年、岩手県大船渡湾でも毒化し、
その後も同湾でほぼ毎年毒化。

 また、1978年にはホタテガイ生産高が日本最大の北海道噴火湾で
ホタテガイが毒化。

 このように麻痺性貝毒による二枚貝の毒化が相次いで報告される
ようになり、それに伴って食中毒の発生も報告されるようになって
きた。

○貝毒原因プランクトンを捕食する海産二枚貝及びその捕食者(ト
ゲクリガニ及びイシガニなど)並びにそれらの加工品

○我が国で麻痺製貝毒の原因となる主な渦鞭毛藻は以下のとおり。

Alexandrium tamarense
Alexandrium catenella
Gymnodinium catenatum
Alexandrium tamiyavanichi
Alexandrium ostenfeldii
Alexandrium minutum

○我が国で麻痺性貝毒の報告事例がある二枚貝は以下のとおり。

ムラサキイガイ
イガイ
ホタテガイ
ヒオウギガイ
アカザラガイ
マガキ
イワガキ
アサリ
イタヤガイ
チョウセンハマグリ
ヤマトシジミ
トリガイ
アカガイ
ウバガイ(ホッキガイ)
バカガイ(アオヤギ)
ウチムラサキガイ
サラガイ
ハボウキガイ
アコヤガイ
タイラギ
クチバガイ
ナガウバガイ
ムラサキインコ

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下痢性貝毒
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 日本では、1976年に宮城県産ムラサキイガイを食べた者に下痢を
主徴とする集団食中毒が発生。調査の結果、この貝の中腸腺にマウ
スを殺す毒が含まれていることが分かり、これが後に下痢性貝毒と
判明。

 日本では下痢性貝毒による中毒患者数が多く1983年までに1,300
人以上になった。

○貝毒原因プランクトンを捕食する海産二枚貝及びそれらの加工品

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シガテラ毒
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 亜熱帯から熱帯の地域で、魚を食べて麻痺などの症状を発症する
ことが知られており、シガテラと呼ばれていた。原因物質として毒
ウツボからCTX-1Bが、渦鞭毛藻から他のシガトキシン類(CTX-3C、
CTX-4A)が単離されたことから、シガテラは食物連鎖により蓄積し
たシガトキシン類が原因であることが解明された。

○イッテンフエダイ、ウツボ、アズキハタ、イシガキダイ、バラハ
タ、アカマダラハタ、オオアオノメアラ、カンムリブダイ、サザナ
ミハギ、バラフエダイ、ギンガメアジ、オニカマスなどからシガト
キシン類を検出した報告がある。なお、汚染の程度は魚の種類や生
息海域、季節などによって異なる。

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ドウモイ酸
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 ドウモイ酸は記憶喪失性貝毒に分類される貝毒の一種である。19
87年カナダにおいて、ムラサキイガイに含まれるドウモイ酸に由来
する食中毒が発生し、107人の患者が出た。

 その後、2004年CCFFPにおいて基準値を設定するための議論が行
われたことをうけて、FAO/IOC/WHO合同専門家会合にてリスク評価
が行われた。また、2001年には FSANZ(豪州・NZ)が、2009年には
EFSA(EU)がそれぞれリスク評価を行った。

○赤藻、珪藻を食べる魚介類(ムラサキイガイ、マテ貝、アメリカ
イチョウガニ、ホタテガイ等)およびその加工品。ホタテガイでは
主に中腸腺及び筋肉以外の軟組織に分布する。

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ブレベトキシン
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 1844年にメキシコ湾で採取された貝が毒化し、これを食べたこと
による食中毒が発生した。その後、赤潮の原因となる渦鞭毛藻から
ブレベトキシン類が単離され、食中毒の原因物質であることが確認
された。

 1992〜1993年には、ニュージランドで 180名以上の患者が報告さ
れるなど、メキシコ湾以外でも発生している。

 メキシコ湾で、赤潮により、2002年にマナティが2004年にバンド
ウイルカが大量死した際の原因物質として、ブレベトキシン類が検
出されている。

○アサリ、ハマグリ、カキ、食用巻貝など。

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 農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリス
トに基づき分類。

※1:リスク管理を継続するため、直ちに、含有量実態調査、リスク
低減技術の開発等を行う必要のある危害要因

※2:リスク管理を継続する必要があるかを決定するため、危害要因
の毒性や含有の可能性等の関連情報を収集する必要がある危害要因、
または既にリスク管理措置を実施している危害要因

http://www.maff.go.jp//j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最後の注釈にある、※1と※2の二段階に分けられていることに
ご注意ください。

 食中毒菌以外でも危害要因はこれだけあるのですね。今回は以上
の紹介のみとしておきます。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 危害要因のリストの紹介が思わぬほどに長くなってしまいました。

 ようやく秋晴れの季節になりました。散歩に出てもそれほど汗を
かかなくなったのはありがたいです。花巻で買った「花農りんご」
が到着しまして、しばらくはおいしいリンゴが食べられます。

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