安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>826号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------826号--2015.09.06------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「太平洋クロマグロ」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 機能性表示食品について、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 機能性表示食品として受理されたリコムの「蹴脂粒」の安全性を
巡る問題で、消費者庁の板東久美子長官(=写真)は8月31日、
「(制度に沿って)安全性に問題がある結果が生じているとは認め
られない」との見解を示した。「蹴脂粒」の届出を容認したことを
受け、リコムは今秋をめどに通販などで販売を始める考え。一方、
この決定に一部の消費者団体は、「リコムの問題は制度の欠陥を如
実に表したケース」として反発。9月1日付付けで、制度見直しを
求める要望書を送る事態に発展している。

 4月に届出が受理された「蹴脂粒」を巡っては、同じ成分を使い
トクホ申請していた「蹴脂茶」の安全性に疑義が生じたことから問
題が拡大した。

 リコムは09年にエノキタケ抽出物を関与成分とする「蹴脂茶」
をトクホ申請。今年5月、食品安全委員会が作用機序の問題を指摘
し、「安全性を評価できない」との結論に至った。これを受け、ト
クホ許可を巡る消費者庁の最終判断が待たれていた。一方、機能性
表示食品としてはすでに受理されていたことから問題になった。

 消費者庁は、制度活用の要件となる場合がある「ヒト試験による
安全性評価」、と「作用機序に対する考察」の違いから判断。「安
全性試験に問題がなく作用機序で懸念があったことが難しい。ただ、
食安委も安全性試験に対する問題は認めておらず、『影響の可能性
があるかもしれない』という段階では届出内容を否定する十分な理
由ではない」(板東長官)とした。

 消費者庁も独自に健康被害情報を収集。リコムと同種の加工処理
がされたエノキタケ抽出物では、10年以上で4万キログラム以上
が流通しており、別の加工処理がされた原料も含めると25年の流
通実績があったという。2000年以降、保健所への報告や、事故
情報データベース、パイオネットも確認したが健康被害の報告はな
かった。

 ただ、制度の義務である健康被害情報の収集体制の構築について、
リコムには改めて要請書を送ることで、体制の充実を求めた。

 リコムは、10月をめどに「蹴脂粒」の販売を予定している。ト
クホ申請は8月28日付けで取り下げた。「食安委の評価を分析し、
必要があれば新たなデータを追加し再申請も視野に入れる」(同社)
とした。

http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2015/09/post-2289.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それに対して、FOOCOMの松永さんはお怒りのようです。

機能性表示食品制度は、自壊した?
蹴脂粒問題に思う
http://www.foocom.net/column/editor/13178/

 関連して、畝山さんはこんなコメントを書いています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 消費者庁長官が食品安全確保のための基本を無視して消費者を守
らないと宣言したのか・・それって悪い意味で「画期的」だけど。
まあ米国同様健康被害が企業から報告されることは多分なく、隠し
ようのないほど死体が積み重なって初めて問題になるのだろう。そ
の時には責任者は逃げている可能性が高いが。死体になりたくなけ
れば手を出さないこと。

 アメリカでダイエタリーサプリメントで何人死んでもFDAの責任
ではない、ということを消費者庁は認識してなさそう。FDAはその
名の通り食品と医薬品には責任をもつが「ダイエタリーサプリメン
ト」は食品ではない。監視しない代わりに責任も企業にある。機能
性表示食品は食品なので役所の責任は問われるんじゃないかな。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150904#p7
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 そもそも届出制にした時点で、こうなることは予想できました。
現在、届出制なのに国が責任を持たねばならないという論調が多い
ですが、それなら許可制にしなければなりませんでした。

 届出制なのだから、内容に関しては国は責任を持たない、と明確
にした方がよいと思うのですが。

 次はめでたいニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

<石巻魚市場>津波全壊から再建…全面運用

 東日本大震災の津波で全壊し、再建中だった石巻魚市場(石巻市)
が1日、全面運用を始めた。高度衛生管理型とし、国際的な食品衛
生管理方式「HACCP(ハサップ)」に対応。付加価値の高い水産物
を出荷し、水産業の本格的な復興を目指す。


 魚市場の須能邦雄社長は「一つの峠を越え、やっとスタートライ
ンに立った。石巻の魚の安全性や価値を一層高めるため、買い受け
人や業界と歩調を合わせていく」と強調。初競りや入札では、買い
受け人らの威勢のいい声が飛び交った。

 魚市場は鉄骨一部4階、延べ床面積約4万6000平方メートル。荷揚
げ場の延長876メートルは「日本一」とされた震災前の650メートル
を上回り、全国でも最大規模を誇る。

 荷さばき所は鳥獣や排ガスが入らないよう壁で囲む閉鎖型。効率
的な水揚げと徹底した衛生管理を実現させるため、定置網や底引き
網といった漁業種ごとに水揚げのゾーンを設定した。

 荷さばき所などへの出入り時には長靴の洗浄・消毒を義務付ける。
今後は魚を運ぶフォークリフトを排ガスを出さない電動式に切り替
えるなどし、衛生基準が厳格な欧州連合(EU)への輸出も視野に入
れる。

 再建工事は2013年8月に始まった。総事業費192億8730万円は国が
負担した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150902-00000005-khks-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 全国の魚市場がこのレベルになる日が来ればいいですね。

 次は「牛乳なし給食」の変な結論です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■牛乳なし給食 小学校で本格始動 新潟 三条

 ごはんに合わないという理由で牛乳を献立から外すことになった
新潟県三条市の学校給食が31日、多くの小学校で始まりました。

 三条市は7年前から行っている「米飯給食」に牛乳はあわないと
して、夏休み明けからすべての小中学校の給食で牛乳を献立から外
す一方、「ドリンクタイム」を設けて提供自体は続けることを決め
ました。このうち、大島小学校でも給食が再開され、炒めた大豆や
のりと野菜の酢あえなど、豊富な食材が並びました。一方、牛乳は
テーブルの真ん中に置かれ、食べ終えた子どもたちが順番に手に取
っていました。三条市は、「ドリンクタイム」の設定については各
学校に任せているということです。

 文部科学省によりますと、自治体が牛乳のない学校給食を実施す
る例は聞いたことがないということです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150831/k10010210781000.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 結局、牛乳を出しているのですから、一体何をしたかったのか、
意味不明な結果になりました。市幹部の「牛乳は和食に合わない」
という思い込みだけがあったようですが、結局牛乳を排除しきれな
かったのでしょう。馬鹿だ…。

 次はいかにも中国らしい話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■中国・クコ産地で数千人が略奪

 中国青海省ゴルムド市で最近、刃物などを持った数百〜数千人の
男女が、遊牧民が所有する草原を襲撃し、野生のクコを略奪する事
件が相次いでいる。クコの価格上昇が背景にある。地元当局は22
人を拘束したが「多勢に無勢」で取り締まりは難航している。31
日付の中国各紙が伝えた。

 8月に入り、市内各地の草原で未明に男女の集団が突然現れ、自
生するクコを略奪、抵抗した遊牧民を刃物で刺したり、遊牧民が暮
らすテント式住居「ゲル」を燃やしたりする事件が続発。子どもを
含む5千人以上が略奪行為に加わったとの情報もある。

 クコは薬用や食用に利用され、健康食品などとして親しまれてい
る。特にゴルムド市の草原に自生する黒色のクコは、専門家によっ
て希少価値があると認定されたことから人気が高まった。価格上昇
を受け、毎年収穫期に全国から略奪者が現れるようになった。

http://www.sankei.com/world/news/150831/wor1508310030-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 目先の利益しか考えない人間が10億人以上いるのですから、この
国の環境や資源が維持できるとは思えないです。こういうのを無理
やり押さえつけている政府にも同情しますが、その共産党政府が一
番困った存在でもあります。

 最後はこんなニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■酒たばこ「18歳から」に反対続出 自民提言は先送り

 18歳をどこまで「大人」とするか――。成人年齢の線引きにつ
いて自民党が2日、政府への提言をまとめようとしたが、18歳か
ら酒やたばこを認める案に反対論が続出。提言は先送りされた。選
挙権年齢は来夏の参院選から18歳に引き下げられるが、どの範囲
まで「18歳」で足並みをそろえるか着地点は見えていない。

 「飲酒、喫煙による医学的な影響を慎重に検討すべきだ」「一気
飲みで死ぬ学生もいる」「喫煙者は肺がんなどの割合が高くなる。
なぜ早く解禁するのか」

 成人年齢をどう線引きするか、政府への提言案をまとめる予定だ
った2日の自民党「成年年齢に関する特命委員会」(委員長=今津
寛衆院議員)の議論は紛糾した。

 提言案には、民法改正で「大人」を18歳からとすることが盛り
込まれ、「大人になった18歳が飲酒・喫煙を制限されることは社
会的に保護が必要だと示しているともいえ、適当ではない」と指摘。
特命委では「16歳から飲酒、喫煙できる国もある」との意見もあ
ったことから、日本でも18歳から認めることが「妥当」としてい
た。特命委メンバーの一人も2日、「酒だけ禁止するのは理解でき
ない。自己責任で、社会が『ああだ、こうだ』と言う必要はない」
と発言した。

 しかし、4月の特命委の発足以降、議論を積み重ねてきた民法や
少年法といった「権利」「義務」の議論と違い、健康に直結する問
題だけに、発言した約15人のうちほとんどの議員は反対した。事
前に提言案が報じられたこともあり、特命委に出席した一人は選挙
区の学校関係者から「非行の温床になる」と反対するよう求められ
ていた。

http://www.asahi.com/articles/ASH925JJHH92UTFK012.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 選挙権を18歳以上に与えるのですから、民法や刑法の成人年齢
も18歳にしなければ整合性がありません。当然、酒やタバコの規
制も18歳以上とすべきところです。

 ところがその単純な論理が通らないのが日本の不思議なところで
す。

 規制年齢は18歳にした上で、全年齢に対して全面禁煙の施策を
実施するべきであると思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「太平洋クロマグロ」
------------------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■クロマグロ資源管理 緊急制限ルール作成へ

 乱獲による減少が続く太平洋クロマグロの資源管理について話し
合う国際会議で、資源が枯渇するおそれがある場合には禁漁も含め
た厳しい漁獲制限を緊急に行うルールを来年までにまとめることで
各国が合意しました。マグロの資源管理が一段と強化される道筋が
つくことになります。

 太平洋クロマグロの資源管理について話し合う「中西部太平洋ま
ぐろ類委員会」の小委員会は、3日まで4日間の日程で札幌市で開
かれ、参加国の間で今後の漁獲制限の在り方について議論が交わさ
れました。

 会議では、成長して大人になった成魚の資源量を2024年まで
に現在の倍近い4万3000トンに増やす目標を打ち出し、ことし
から重さ30キロ未満の幼魚の漁獲量を厳しく制限しています。こ
としの会議では、アメリカがさらに厳しい措置を求めて2030年
までにおよそ12万トンに成魚の資源量を増やすべきだと提案しま
したが、日本が現実的な目標ではないと反対し、提案は取り下げら
れました。

 一方、日本は、幼魚が著しく減って資源が枯渇するおそれがある
場合には禁漁も含めた厳しい漁獲制限を緊急に行うルールを来年ま
でにまとめることを提案し、各国が合意しました。

 会議では、今後、具体的な制限の内容や適用条件について議論し
ていくことになり、マグロの資源管理が一段と強化される道筋がつ
くことになります。

 会見した水産庁の遠藤久審議官は「新たに漁獲制限のルールを作
成することが決まり、クロマグロの資源管理について進展がみられ
た」と評価しました。

■マグロ漁の種類

 マグロを漁獲するにはさまざまな方法があります。

 水産総合研究センター・国際水産資源研究所の推計によりますと、
去年1年間に日本が漁獲した太平洋クロマグロは成魚と幼魚合わせ
ておよそ9600トンでした。

 このうち、全体の半数を超える5400トンを漁獲したのが「巻
き網漁」です。「巻き網漁」は、主に沖合漁業で行われる漁の方法
で、動き回るマグロの群れを見つけて大型の網を円形に広げ、包み
込むように取るのが特徴です。大量のマグロを一度に効率よく漁獲
できる方法ですが、マグロの幼魚や、取る必要がないほかの魚を取
ってしまい、乱獲につながるという指摘もあります。

 次いで多いのが「定置網漁」で、漁獲量は全体の19%に当たる
1900トン。「定置網漁」はマグロの通り道となる場所に網を仕
掛けて1度入ったら出られない仕組みになっている部分に誘導して
漁獲する方法です。北海道や青森県など北日本で盛んに行われてい
る漁法です。

 小型の漁船で釣り糸を船で引きながら漁をする「ひき縄漁」はお
よそ1000トン。

 また、「はえ縄漁」による漁獲はおよそ700トン。はえ縄漁は、
沿岸漁業から遠洋漁業まで広く活用されています。長さ数十メート
ルから長いもので150キロに及ぶ縄に何本もの釣り針をつけて、
マグロの群れを追いかけながら行う漁の方法です。多くの餌や漁船
の燃料代がかさみますが、釣り針の大きさを調整することで、狙っ
た大きさのマグロを漁獲することができるということです。

 釣りざおで釣り上げる「一本釣り漁」は5トン。マグロの群れを
見つけてマグロを一本ずつ取るため、マグロに傷をつけにくい漁獲
方法です。青森県の大間ではこの方法で漁獲され、正月などにマグ
ロ一本が市場で高値で取り引きされています。

■マグロ国際資源管理の枠組み

 マグロは回遊魚で世界じゅうの海を泳ぎ回るため、各国が連携し
て資源管理に取り組んでいます。

 現在、5つの国際管理機関があり、大西洋や中西部太平洋、イン
ド洋など、海域とマグロの生息域によって区分けされて管理が行わ
れており、日本は5つの機関すべてに加盟しています。

 クロマグロは日本が世界の漁獲量の3分の1を占めており、中西
部太平洋と東部太平洋、それに大西洋の3つの海域を管理する枠組
みで資源管理が行われています。3日まで札幌で開かれた国際会議
は中西部太平洋マグロ類委員会の小委員会です。3つの海域のうち、
資源の減少が進む太平洋では、ことしから漁獲制限が強化されてい
て、中西部太平洋ではことしから重さ30キロ未満の幼魚の漁獲量
がこれまでの半分に削減されたほか、東部太平洋でもことしから2
年間は年間の漁獲量を去年に比べて40%削減しています。一方、
大西洋では、厳しい漁獲制限を行った結果、資源が回復したとして、
ことしから3年間、漁獲枠が毎年、およそ20%ずつ増やされてい
ます。

 クロマグロは、日本では高級食材として人気ですが、去年、国際
自然保護連合から絶滅危惧種に指定されるなど、海外では野生生物
として保護を求める声が強まっています。日本としては、国内の漁
業者と消費者がクロマグロを将来にわたって持続的に利用できるよ
う、それぞれの枠組みで規制を強化していく積極的な姿勢をアピー
ルしながら資源管理の議論を主導したい考えです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150903/k10010214821000.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これに対しての勝川先生の意見です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 太平洋クロマグロの資源管理に関する国際会議(WCPFC 北小委員
会)が9/1−3まで開催されました。クロマグロの資源評価は、
2年に一回行われます。最新の資源評価は2014年で、次回は2
016年です。今年は谷間の年に当たるので、普段であればしゃん
しゃんでした。しかし、クロマグロの新規加入が劇的に低下してい
ることから、議論が紛糾しました。

 下の図はクロマグロの新規加入量の指標です。急激に減少してい
て、2015年はさらに悪くなりそうです。(水産庁と巻き網業界
以外の)関係者の間で、資源の存続に対する危機感が広がっていま
す。米国は親魚を含む規制を再検討して、長期的な回復計画を提案
しました。メキシコは、国際合意を待たずに漁獲枠を自主的に削減
すると宣言しています。壱岐や対馬の一本釣り漁業者は産卵期産卵
場での漁獲を自主的に禁漁しました。

 日本は、クロマグロの新規加入が減少した時に適用される緊急ル
ールを提案しました。すでに新規加入が激減しているにも関わらず、
「緊急時のルールを2016年に議論しましょう」と提案している
のだから、危機感が欠如しています。すでに火が燃え広がっている
のに、火事になったらどうするかを悠長に相談しているようなもの
です。しかも、この緊急ルールはそもそも2年前に決めておくべき
だったのです。

 こちらに2013年の決定事項があります。
http://www.wcpfc.int/system/files/CMM%202013-09%20CMM%20for%20Pacific%20Bluefin%20Tuna.pdf

 2ページ目に次のような記述があります。

 新規加入が劇的に減少したことがわかったときに、全ての加盟国
が従うべき緊急ルールを2014年に開発する。

 今回の会議で議論をした緊急ルールは、2014年に決めること
になっていたのです。議長が議事から外したために、実際には議論
をされませんでした。2013年の時点では新規加入はそれほど悪
くないと考えられており、将来のリスクに備えようということでし
た。この時点で緊急ルールを決めていれば、今年は緊急ルールが発
動して、資源の減少にブレーキがかかったかもしれません。議論を
先送りしている間に、緊急時が現実のものになってしまったのです。
2016年に緊急ルールが合意できたとしても、実際に緊急ルール
が適用されるのは2017年以降でしょう。後手後手の対応によっ
て、どこまでも水産資源が減っていくという、日本漁業ではおなじ
みの光景が繰り返されています。

 俺が疑問に思うのは次の二点ですね。

■なぜ2014年に緊急ルールを議論をしなかったのか。(北小委
員会議長の宮原氏が答えるべき質問です。)

■水産庁は現在の新規加入の激減は緊急時ではないという認識なの
か?

http://katukawa.com/?p=5975
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上記サイトにはクロマグロの資源量についての詳細な考察があり
ますので他の記事もぜひご覧ください。

■すでに新規加入が激減しているにも関わらず、「緊急時のルール
を2016年に議論しましょう」と提案している

 というのがツッコミどころです。一体水産庁は何を考えているの
かというと、資源管理をしたくないというのが本音なのでしょう。

 大西洋クロマグロはすでに厳しい漁獲規制が行われていて、資源
量は回復傾向にあるようです。大西洋でできて、太平洋でできない
のは、たぶん日本が悪いのです。

 以下は水産庁の資料「太平洋クロマグロの管理強化の取組状況と
今後の対応について」です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

○かつては実漁獲量6万トン。これをTAC12,900トンと実質8割も
の削減を実施!!

(東大西洋)
・30キロ未満の採捕・保持・水揚げ禁止
(但し、次の漁業は8キロ以上の漁獲可能:1.東部大西洋での曳き
縄等、2.アドリア海での蓄養 種苗採捕、3.地中海での沿岸小規模
漁業)
・漁業種類・海域毎に6〜11ヶ月の禁漁期設定(地中海は産卵期の
操業可)
・漁獲証明制度の実施
・全ての養殖生け簀におけるステレオビデオカメラの設置
・漁業国及び蓄養国は活け込み時に尾数及び重量をICCATに報
告(困難な場合はクロマグロの放流義務づけ)等

(西大西洋)
・科学委員会が西大西洋資源の崩壊の危機を認めた場合、漁業停止
の義務化。
・115cm又は30キロ未満の漁獲量制限(国別に漁獲量の10%未満等)
・産卵場(メキシコ湾)における産卵親魚の操業禁止
・漁獲証明制度の実施

◎資源状況
○水準:(東大西洋)中位(西大西洋)低位
○動向:(東大西洋)増加(西大西洋)増加

◎今後の見込み
○近年厳しい管理措置をとってきた結果、資源の増加が確認。
○今年行われる資源評価の結果を受けて、11月に開催される年
次会合ではTACが大幅に増大される見込み。

●しっかり管理すればクロマグロ資源は必ず回復する。

●そのためには、

○全ての漁業で資源回復のための犠牲を払う。

○一つの漁業で捕り残した分を他の漁業が捕らない。

◎この経験を、太平洋クロマグロ資源の管理に如何に反映させるこ
とが出来るかが課題。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/study/enoki/pdf/shiryo1.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この大西洋クロマグロの経験を活かして、太平洋でも同様の提案
をすると同資料では言っています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

○産卵親魚量を2015年から2024年までの間に60パーセントの確立で
歴史的中間値(約4.3万トン)まで回復させることを目標とする回
復計画を実施。

○全ての30キロ未満の太平洋クロマグロの漁獲量は、2002−2004年
の平均漁獲実績の50パーセントまで削減。当該漁獲上限を超過した
場合には、翌年の漁獲上限から削減。

○30キロ以上の太平洋クロマグロの漁獲量は、2002−2004年の平均
漁獲実績より増やさないための措置を講じることを推奨。

○特に未成魚の太平洋クロマグロを漁獲する各国は、未成魚の加入
状況を監視し、迅速な結果を得るための措置を講じる必要。

○この計画の進捗は、2016年から3年ごとにISCが実施する資源評価
結果に基づきレビュー。この保存管理措置は、当該レビューに基づ
き必要に応じて改正。

○各国は自国法令に従い、この保存管理措置の効果や管理措置を損
なう太平洋クロマグロ及びその製品の商業的な流通を防止するため
に必要な措置を講じる必要。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/study/enoki/pdf/shiryo1.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、水産庁は自分の言っていたこととは違う提案をし
ているようです。

 マグロ類の国際会議には以下のようなものがあります。日本はす
べてに参加しているそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ICCAT 大西洋マグロ類保存国際委員会(大西洋)

IOTC インド洋マグロ類委員会(インド洋)

IATTC 全米熱帯マグロ類委員会(東部太平洋)

WCPFC 中西部太平洋マグロ類委員会(中西部太平洋)

CCSBT ミナミマグロ保存委員会(ミナミマグロ生息域 海域を定
めず)

http://www.wwf.or.jp/activities/2014/08/1217311.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここまでの記事は上記の「WCPFC」についてのものですが、太平
洋マグロについては「IATTC」も似たような状況のようです。以下
はWWFの記事から。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2015年7月23日 追記 / 2015年 IATTC年次総会報告

■資源回復計画が合意に至らず 太平洋クロマグロは依然として危
機的な状況に

 2015年6月29日から7月3日まで、南米エクアドルのグアヤキルで
全米熱帯マグロ類委員会(IATTC)の第89回年次会合が開催されま
した。この会合では、各国は求められていた太平洋クロマグロの資
源回復計画の合意に至ることができませんでした。このことは、枯
渇が深刻な太平洋クロマグロが重大な危機にあることを示していま
す。また、科学的に推奨されている最適な基準を、現状で50%も超
過している漁獲能力の抑制についても、折り合いがつきませんで
した。

■依然として続く太平洋クロマグロの危機

 「太平洋クロマグロ資源の保全に向けた建設的な交渉がほとんど
行なわれなかったことは、極めて残念です。太平洋クロマグロ漁業
の回復には、とりわけ稚魚の保全に関する厳しい基準を含む、厳格
な回復計画が必要でしたが、合意に至りませんでした。

 これは、太平洋クロマグロが依然として枯渇の危機にあるという
ことを意味しています」と、WWFの国際漁業プログラム東部太平洋
コーディネーターであるパブロ・ギレロは、述べています。

 科学的な分析によると、太平洋クロマグロの産卵可能な親魚(成
魚)の資源量は、かつての資源量(初期資源量)の4%にまで減少し
ています。これは、ミナミマグロや大西洋クロマグロと比較しても、
これまでにない最低の水準です。

 さらに、現在漁獲されている太平洋クロマグロの90%は、産卵す
ることができない未成魚(3歳未満)で、この状況が資源の回復を
妨げ、枯渇をさらに促進させる要因になっています。

 今回の会合では、IATTCに加盟している21の国と地域は、太平洋
クロマグロ資源を保全するという重要な決議を先延ばしにしました。

 そのため、太平洋クロマグロ漁業の未来を守るには、2015年の12
月にインドネシアのバリで開催される中西部太平洋まぐろ類委員会
(WCPFC)で、保全措置が採択される必要があります。

http://www.wwf.or.jp/activities/2015/06/1270429.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 やらねばならないことは明白なのに、屁理屈をこねて妨害してい
るのが水産庁自身であるというのが現状であると思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 妻が一晩姉妹で出かけたため、息子夫婦が食事に誘ってくれまし
た。しかし、支払いは私ですので、それってどうよ?一人にしてお
いてくれた方がマシなのですが、孫には勝てない…。

 福島県楢葉市の避難指示が解除されました。何はともあれ一歩前
進です。報道姿勢も以前と比べたら落ち着いてきたように思います。
http://bit.ly/1N8rQmq

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