安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>822号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------822号--2015.08.09------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「地理的表示(GI)保護制度」

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---〔話題〕-------------------------------------------------

 まず、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

配信内容興味深く拝読させて頂いております、下記記事の内容に
違和感を覚えましたので考えを述べさせていただきます。

■輸出入取--〔↓引用はじめ〕--------------------------------

■輸出入取引法に基づく行政処分(戒告)を行いました
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

規則に不満があっても、故意に破ってはいけない、ということです。


 規則に不満ではなく、契約内容に違反しているから遵守しなさい、
と言う事で有るだけだと思いますが、規則(中華民国の?)に反し
た処分では無いと思いますが、此のコメントでは規則に反した事に
対する処分と受け取れます。

 経産省が5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県及び千葉県をい
う。以下同じ。)産食品を輸入しないと言う外国の主張に与してい
るのかと思いました。処分の必要性が有ったのかとは思いますが、
敢えて誤解するような書き方にされたのでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 形式的にはおっしゃる通りですね。 実質的には台湾当局の規制
に違反したわけで、その責任が輸出者にあるか、輸入者にあるかと
いうことです。今回の件は輸出者側の責任が問われたわけですが、
事態収拾策の一環だと考えています。

 ご指摘ありがとうございました。

 次は前回の記事に補足です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■動き出した日本版GAP構想の課題

 農林水産省は今年3月、食の安全性向上や農産物の輸出促進など
を目的にGAP(グッド・アグリカルチャル・プラクティス)戦略
協議会を立ち上げた。同協議会ではグローバルGAPの認証を取得
する日本の農業生産者の拡大と、国際的に通用する日本発の新しい
国際規格の策定に取り組む。

 GAPは農業生産工程管理による持続的な改善活動。農業生産を
行ううえで守るべき「管理点」と呼ぶチェック項目を、生産者が順
守・記録・点検して、適正に運用されていることを審査機関が審査
・認証する。

 2000年に欧州の小売りなど仕入業者などからなる「ユーレッ
プGAP」が発足し、制度がスタートした。07年に「グローバル
GAP」に名称を変更した。流通・小売りなどの買い手事業者が、
GAP認証を取得している農家から優先的に農産物を購入する制度
である。

 欧州ではグローバルGAP認証を取得する農業生産者が確実に増
える傾向にある。農産物を欧州に輸出したい域外生産者は、グロー
バルGAP認証の取得が迫られる。認証取得は農家にとってビジネ
スを行う通行手形ともいえる。

 日本でもGAP導入が始まっているが、認証機関はさまざまだ。
農水省によると、都道府県のGAPが28%、JAグループGAP
が23%のほか、民間団体(JGAP・日生協GAP・グローバル
GAP、イオンGAP)が7%などと乱立している。GAPの定義
や運用方法もさまざまで、例えばJGAPは店頭に並ぶ農産物の小
売り包装にロゴマークを表示することも可能。

 GAPの乱立は農家や産地の負担が増えるだけでなく、消費者に
は分かりにくい表示になっているようだ。農水省は10年にGPA
の共通基盤に関するガイドラインを策定するなど基盤整備を進めて
きたが、考え方が違うGAPをまとめるのは簡単なことではない。
ガイドラインに則したGPA導入は全産地の4割程度で、十分に広
まっていない。

 GAP戦略協議会は、日本発の国際的に通用する新しいGAPの
策定を目指している。ただ新たに策定するGPAが輸出促進に貢献
できるかは疑問が残る。輸出したい生産者はグローバルGAP認証
を取得することを選択するだろう。また海外で日本の農産物が評価
されるためには、品質やコスト、ブランディングなど地道な努力が
必要だ。海外の消費者が好んで購入する農産物を提供できないと輸
出拡大につながらない。

 協議会が日本発GAPを策定するにしても、農家や消費者にとっ
て本当に有益な規格なのかの議論が必要といえるだろう。

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/06/15-20576.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「グローバルGAPとJGAP」と題していましたので、この二
つの対立のような印象を与えてしまいました。実際には都道府県、
JAグループGAP、JGAP、日生協GAP、グローバルGAP、
イオンGAPといろいろあるのですね。申し訳ありませんでした。

 次は「機能性表示」に農産物が、というニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■温州ミカン、機能性表示へ 「生鮮食品で初」の見通し

 食品が体にどのように良いかを国の許可なく表示できる「機能性
表示食品」として、消費者庁が浜松市のJAみっかびの温州ミカン
の届け出を近く受理する方針を固めたことが6日、政府関係者への
取材で分かった。

 4月の制度開始以降、60件超の加工食品が受理されたが、生鮮
食品では初となる見通し。

 JAみっかびは、温州ミカンが含む成分「β―クリプトキサンチ
ン」には骨の健康を保つ効果があるとの研究結果を消費者庁に提出
していた。届け出から60日後以降に、包装に機能を表示できるよ
うになる。

http://www.47news.jp/CN/201508/CN2015080601002003.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 他の産地のみかんも同様でしょうから、販売の際に優位性を語る
のは難しいと思いますが、そのあたりはどう考えているのでしょう
か?みかん産地全体で取り組んだ方がよさそうに思います。

 次は食中毒のニュースですが、当初原因菌がわからなかったもの
で、ようやく黄色ブドウ球菌だという報道がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■ウナギ弁当による食中毒15人に /和歌山

 和歌山市は28日、同市友田町5の近鉄百貨店内の飲食店「江戸
川」で24日に販売された「うなぎ弁当」を食べた40〜70代の
7人が新たに腹痛などを訴えたと発表した。食中毒症状を起こした
客は計15人になった。市によると、患者から食中毒の原因となる
黄色ブドウ球菌が見つかった。

http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20150729ddlk30040403000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 うなぎの蒲焼のような、よく焼いたもので食中毒とは変な感じで
したが、作業員の手から来たものなのでしょう。

 以下は今年の食中毒に関したまとめです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

今週の注意事項・・・黄色ブドウ球菌、アニサキスに注意。食中毒
発生数も昨年同時期以上です。 (2015年08月03日)

 うなぎ弁当による黄色ブドウ球菌が検出、調理時の手指の可能性
もある中、原料の温度管理(10℃以下)は当然ですが、調理者の手
指のしっかりとした洗浄殺菌を徹底してください。生魚のアニサキ
スは、冷凍すると死滅するといわれています。目視での確認ととも
に、アジ、イワシ、サバの生食には注意してください。また、食中
毒は、各地で前年の同時期を上回って発生しています。


◆保育園で集団食中毒/多摩・・・給食で出たイワシから「ヒスタ
ミン」が検出 (2015年08月03日)

◆留置場の34人 嘔吐訴え/香川・・・給食業者が調理した食事
を食べた。 (2015年08月03日)

◆東根 食中毒患者54人に/山形・・・流しそうめんを食べた人
が腹痛などを訴えた集団食中毒で

◆都留のゴルフ場でも/山梨・・・レストランで飲食した男女8人
が嘔吐や下痢。黄色ブドウ球菌による食中毒

◆焼き肉店で5人食中毒/群馬・・・カンピロバクターによる集団
食中毒 (2015年08月03日)

◆ウナギ弁当による食中毒15人に/和歌山・・・患者から食中毒
の原因となる黄色ブドウ球菌が見つかった。 (2015年08月03日)

◆フグ釣って食べ、鳴門の男性発症/徳島・・・妻が調理したフグ
を食べ、フグ毒による食中毒の症状を発症 (2015年08月03日)

◆久留米の飲食店、男女8人症状/福岡・・・飲食店で刺し身やサ
ラダなどを食べ、約3時間後に発症。 (2015年08月03日)

◆盛岡の飲食店で食中毒/岩手・・・すしを食べた30歳代の男性
客から「アニサキス」 (2015年08月03日)

http://souzai-deli.com/Weekly/cat-12/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 事件として報道されたものだけで、これだけ多いのですから、今
年は特に要注意のようです。

 こういうニュースを見ていると、以下のようなことも無理はない
と思えてきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■ニューヨーク、すしネタの冷凍義務化 食中毒対策にとまどいの
声 解凍後に風味落ちると和食店

 すしのネタや刺し身は必ず事前に冷凍を−。米ニューヨーク市が
食中毒予防として8日からこんな衛生基準を導入する。解凍後に風
味が落ちる魚もあり、こだわりの店からは「せっかく鮮魚を仕入れ
ても台無しだ」と戸惑いの声が上がっている。

 新基準ではマイナス35度以下の低温で15時間以上の冷凍が必
要。寄生虫の比較的少ない養殖魚やマグロの一部は対象外。フレン
チやイタリアンレストランでも使われているエビやカキは規制され
ておらず、日系すし店と取引する卸大手は「和食を狙い撃ちにして
いる」といぶかる。

 最も影響を受けそうなのが白身魚だ。「白身魚は解凍すると水分
が抜けて特に劣化する」と話すのは、マンハッタンにあるすし店
「対馬」のオーナー兼すし職人の対馬次男さん(50)。静岡産の
ヒラメや石川産のアカムツを冷蔵で空輸しているが、規制対象外の
養殖ものを検討するという。

http://www.sankei.com/world/news/150806/wor1508060018-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ある政策に関する報道で、その意図や効果を論ずるのではなく、
一部のネガティブな反応を取り上げるというのは「日本のジャーナ
リズム」の特徴です。

 何事にもうるさいニューヨーク市ですが、これも真面目な取組の
一つなのだと思います。情緒に流されて反GMOなどとやっている
カリフォルニア州とは違います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「地理的表示(GI)保護制度」
------------------------------------------------------------

 少し前のものですが、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■松阪牛・夕張メロン…ブランド守れ、GI制度に申請続々
2015年7月19日

 地域の農林水産物に、国がお墨付きを与える「地理的表示保護制
度」(GI制度)が始まった。一定品質を満たせば登録され、「偽
物」は国が取り締まって農家らを守る。ブランド力を高め、地域農
業の再生や輸出促進につなげるのが狙い。消費者は正しい産地産品
を選べる。年内にも登録商品が店頭に並ぶ。

 八丁味噌(みそ、愛知県)、三輪素麺(そうめん、奈良県)、神
戸ビーフ(兵庫県)……。これまでに少なくとも20の地域ブラン
ド品の生産者らが農水省で、GIマーク取得を申請した。

 夕張メロン(北海道)を申請したのは夕張市農業協同組合。すで
にトップブランドだが、村上直人総務部長は「100年先も夕張メ
ロン作りを続けられるようにしたい」と話す。生産者は約120戸。
高齢化が進み、後継者難だという。ブランド力を高めて収益が増え
れば、後継者も呼び込めると見込む。

http://www.asahi.com/articles/ASH7B6K27H7BUTIL049.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下はこの制度の解説です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■地理的表示制度とは

 地理的表示(GI:Geographical Indication)保護制度が6月1
日からスタートした。新たな制度のもとで、各地域が農林水産物の
ブランド化を進めることで、消費拡大や地域活性化につなげられる
かが注目される。そのためには、地域が一体となって、制度を活用
したマーケティング機能の強化が重要になる。

 地理的表示保護制度は、地域独特の気候や風土、伝統的な製造方
法等によって、固有の品質や特徴を有する地域ブランド産品につい
て、地名付きのブランド名(地理的表示)を保護する制度である。
対象となるのは、農林水産物及びその加工食品で、国に認定された
商品には、認定マーク(GIマーク)が表示できるようになり、その
名称は他の産地では使うことができない。

■制度の対象となる地域ブランド産品

 欧州連合では、すでに1992年から地理的表示保護制度を導入して
おり、イタリアのパルマ・ハムやフランスのシャンパン等、独自の
製法で品質の特性が地域に由来していると特定され差別化された商
品の名称は、地理的表示として保護されている。

 日本においても、各地に固有の産品が多く、多様な食文化を持っ
ており、地域ブランド産品が認定されることで、ブランド力の向上、
品質の差別化を通じて、農林水産業等の振興等に大きな役割を果た
すものと期待されている。

 ただ、同制度で対象となる地域産品は、その特性を有した状態で、
概ね25年間程度、生産が継続されていることが要件となっている。
6月1日からの施行に合わせて、北海道夕張市の「夕張メロン」、
鳥取の「砂丘らっきょう」、「鹿児島の壺造り黒酢」、三重の「伊
勢本かぶせ茶」等、10以上の産地が登録を申請している。

■制度の特徴と地域の課題

 地理的表示保護制度では、国が地域と品質や特徴の関連性を保証
することから信用度が高いこと、また、模倣品等の取り締まりを国
が直接実施し、違反者には罰金も科されることなどから、実効性が
高いものと考えられる。また、保護期間も商標登録と異なり無期限
で、地域の生産・加工業者の団体等の期待は大きい。また、認定・
登録された団体等に加入すれば、地域の生産者は地理的表示を使用
することができ、地域ブランド産品が地域共有の財産となる。

 一方、生産者団体等は、申請時に地域ブランド産品の生産方法や
品質に関する基準を定めるとともに、品質管理の実施が求められて
いる。そのため、地域一体となって、組織的に生産・管理する体制
を構築する必要がある。品質等の線引きによっては、産物や生産者
等が限定され、地域の意味が問われることになる。

 また、認定マークをつけただけで自動的に売れるわけではなく、
より多くの消費者にブランドの価値を伝える必要があり、マーケテ
ィング機能の強化が必要となる。いわゆる6次産業化の推進に向け
た本格的な取組みが不可欠になると考えられる。

■消費者理解の促進と輸出促進への期待

 食品に関する表示制度では、日本農林規格(JAS規格)、飲食料
品の品質表示基準に加え、地域団体商標制度や地域ブランド表示基
準制度等が既に存在している。地理的表示は、これらの表示との関
係を含めて、地域ブランド産品の価値を消費者にわかりやすく伝え
る工夫が重要になると考えられる。国や地方自治体等には、地理的
表示制度に関する消費者の啓蒙・理解を促進し、消費者の適正な商
品選択につなげていくことが求められている。

 少子高齢化で、国内市場の縮小が想定される中、農林水産・食品
産業がさらなる発展を図るためには、輸出拡大が重要となる。しか
し、近年、海外で日本の地名を付した商標が第三者により出願・登
録される等の問題が発生している。今回の地理的表示保護制度の導
入により、同様の制度を有する諸外国において、地理的表示の保護
が進むことも期待されている。

http://www.dei.or.jp/opinion/column/150622.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下も同様の解説ですが、こちらの方がわかりやすいでしょうか。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■地理的表示「GIマーク」の運用が始まりました。

 2015年6月より運用が開始され、7月17日に最初の登録申請内容が
公示されました。 第1号は「夕張メロン」です。 このGI マークは
「地理的表示保護制度」によるもので、農林水産省への申請と審査
により登録された地理的表示に対し、 その基準を満たす商品(生
鮮食品、加工食品を想定)にマークを使用できるものです。

「地理的表示保護制度(GI)」の大枠は下記の通りです。

1.「地理的表示」を生産地や品質等の基準とともに登録。
⇒産品の品質について国が「お墨付き」を与える。

2.基準を満たすものに「地理的表示」の使用を認め、GIマークを
付す。
⇒品質を守るもののみが市場に流通。GIマークにより、他の産品と
の差別化が図られる。

3.不正な地理的表示の使用は行政が取り締まり。
⇒訴訟等の負担なく、自分たちのブランドを守ることが可能。

4.生産者は、登録された団体への加入等により、「地理的表示」
を使用可。
⇒地域共有の財産として、地域の生産者全体が使用可能。

(出典:地理的表示保護制度(GI)(農林水産省)より引用)

 やはり「3」の取り締まりがあること、そしてその対象はGIマー
クだけでなく「表示」まで含まれることで、登録された地域ブラン
ドの保護の実効性が高められている点がポイントかと思います。GI
マークについては複数国で商標出願・申請しているため、海外に輸
出される商品も取り締まりの対象となるとのことで、将来的には有
機(JAS)マークのような相互保護の枠組みづくりが進むのではと
思われます。ちなみにEUでは、ハムやチーズなどで地理的表示保護
(GI)マークのある製品がよくみられるようですので、一度旅行の
際に観察されると参考になるのではと思います。

 登録を受けた場合は9万円の登録免許税が必要ですが、一旦登録
されると登録が取り消されない限りは存続し更新等の手続は不要で
すので、多くの地域産品が申請するのではと思われます。気になる
「生産地」の範囲ですが、地域産品と品質等の特性と「結び付き」
が認められれば、生産地に含めることが可能とのことですので、詳
しくは農林水産省のホームページをご確認ください。

 また注意点ですが、ある地理的表示が登録を受けた場合、下記の
表示はできなくなります。

1: 登録を受けた地理的表示と同一の表示
2: 登録を受けた地理的表示と類似する表示

つまり「夕張メロン」が登録された場合は、その基準を満たさない
ものに「夕張メロン」もしくは類似の表示をしてはいけない、とい
うことになります(当たり前のことではあるのですが…)。

 これにより、「生産量よりも流通量が数倍多い」といった課題の
解決策の1つとなるのではと思いますし、また同時に食品表示の実
務担当者にとっては「特色のある原材料(食品表示基準)」の判断
基準が1つ増えることにもなりますので、これまでよりも食品表示
確認の作業工程が一部明確になるという点で、詳しく知っておきた
い制度の1つであると言えると思います。

http://label-bank.co.jp/media/column/201508_2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 具体的にどんな産地が申請しているのか知りたいと思って探すと、
以下のところにに記載がありました。

 記事に付けられている画像が、申請産品の一覧表でした。記事の
方は省略して、表から入力したのが以下のリストです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

農林水産省が公表した主な申請産品

北海道 夕張メロン
茨城  江戸崎かぼちゃ
    つくば銀杏
千葉  生牧草
長野  市田柿
愛知  八丁味噌
兵庫  神戸ビーフ
    但馬牛
奈良  三輪素麺
鳥取  砂丘らっきょう
愛媛  伊予生糸
福岡  八女伝統本玉露
熊本  くまもと県産い草
    くまもと県産い草畳表
鹿児島 知覧茶

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/economic_confe/list/CK2015060402000207.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 意外と有名でないものもあります。その中でおやおや、と思った
のはやはり「三輪素麺」ですね。

 ご存じのように、大規模な産地偽装が発覚して問題になったとこ
ろです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 奈良の三輪素麺は、県内生産量より販売量のほうが上回っている
ことが昔からよく知られていました。

 数年前に大手3社(池利、山本、森井)が産地偽装で農水省から
改善指示を受け、社名を公表されました。実際の生産地は長崎の島
原素麺だったということです。最終的に14社が奈良県三輪素麺工
業協同組合から脱退したり除名されたりしています。

 ほぼ同じころ、大阪の業者が中国産の素麺を三輪素麺と表示して
売っていたとして逮捕された事件もありました。

 産地偽装はともかくとして、日本国内のうどん・素麺用の小麦粉
は、ほとんどがオーストラリア産の小麦粉です。国内産の地粉に最
も近い性質の中力粉です。国産小麦粉の生産量はごくわずかで、国
内需要をほとんど満たせません。

 揖保乃糸も一部の最高級品は国産小麦粉使用とうたっていますが、
ほとんどは輸入小麦粉です。
http://www.ibonoito.or.jp/recipe/obi.html

 どこの産地も同様でしょう。讃岐うどんも国産小麦粉はごく一部
だけ。オーストラリア産小麦粉なしでは成り立ちません。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1343174793
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は事件以降、奈良からの注文がなくなって苦労した、島原素
麺のサイトの記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 昔から島原の手延べそうめんは細くてのどごしもよく、業界から
は定評があった。しかし、一般的に有名なのは、兵庫県の「揖保乃
糸」や奈良の「三輪そうめん」であった。そのため、業界では定評
のあった島原のそうめんは、島原手延べそうめんとしてではなく、
生産が間に合わない「三輪そうめん」からの依頼を受けて、奈良の
「三輪そうめん」として出荷されていた。

 転機となったのは平成20年。生産者の産地表示が義務となり、島
原産の三輪そうめんは通らなくなった。そのため、三輪からの注文
は無くなり、島原手延べそうめん協会は自分たちで「島原手延べそ
うめん」として販売することとなった。しかしながら、元来定評の
あった「島原手伸べそうめん」は瞬く間にその名前が知れわたり、
今では全国的にも有名となったそうめんである。

http://www.yuyutuhan.jp/producer/002.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 事件が発覚したのはもう十年も前です。私のサイトの素麺の記事
はそれ以前に書いたもので、今でも「三輪素麺の産地は島原だ」と
書いたままになっています。

 そろそろサイト全体を見直す時期なんですが、それはさておき、
三輪素麺の業界では過去の事件はなかったことになっているのでし
ょうかね。最近もNHKでこの取組を報道していましたが、昔の話
は全く出てきませんでした。

 さて、この地理的表示保護制度とは別に、地域団体商標制度とい
うのがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■地域団体商標制度

 近年、特色ある地域づくりの一環として、地域の特産品等を他の
地域のものと差別化を図るための地域ブランド作りが全国的に盛ん
になっています。このような地域ブランド化の取組では、地域の特
産品にその産地の地域名を付す等、地域名と商品名からなる商標が
数多く用いられています。しかしながら、従来の商標法では、この
ような地域名と商品名からなる商標は、商標としての識別力を有し
ない、特定の者の独占になじまない等の理由により、図形と組み合
わされた場合や全国的な知名度を獲得した場合を除き、商標登録を
受けることはできませんでした。

 このような地域名と商品名からなる商標が、地域ブランド育成の
早い段階で商標登録を受けられるようにするため、平成17年の通常
国会で「商標法の一部を改正する法律」が成立しました。平成18年
4月1日に同法が施行され、地域団体商標制度がスタートし、高い関
心を集めています。

 現在のところ、全国各地の特産品等が地域団体商標として570件
以上が登録となっています。

https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/t_dantai_syouhyou.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 農水省と特許庁の縄張りがあるのでしょうが、なかなかややこし
いものです。そこで以下のような取組もされています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■特許庁、地域団体商標と地理的表示の相違を説明した活用Q&A
公表

 特許庁は7月6日、地域団体商標の権利者及び地域団体商標の取
得を考えている団体のための説明資料として、地域団体商標と地理
的表示(GI)の両制度の相違点や、それぞれの制度のメリット、
留意点、また、両制度併用時のメリット、留意点などをわかりやす
くまとめた「地域団体商標と地理的表示(GI)の活用Q&A」を
公表した。

 「地域団体商標制度」は、「地域ブランドの名称を商標権(出所
表示)として登録し、その名称を独占的に使用することができる制
度」で、「地理的表示(GI)保護制度は、「生産地と結び付いた
特性を有する農林水産物等の名称を品質基準とともに登録し、地域
の共有財産として保護する制度」であり、この活用Q&Aでは、比
較表のかたちでまとめた相違点なども含め、わかりやすく説明して
いる。

 たとえば、保護対象は、「GI」が農林水産物、飲食料品限定で、
地域特定可能なら地名なしでも可なのに対し、「地域団体商標」は、
全ての商品・サービス対象で、「地域名」+「商品・サービス名」
限定、とか、登録要件は、「GI」が生産地と結びついた品質の保
持や一定期間(概ね25年)の継続生産実績なのに対し、「地域団
体商標」は、地域の名称と商品の関連性や、需要者に広く認識され
ていることなど、さらに、使用方法や効力、費用・保護期間、申請
先(農林水産省と特許庁)なども含めて11項目で比較している。

http://news.braina.com/2015/0708/rule_20150708_001____.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「地域団体商標制度」は食品に限らないので、食品は「地理的表
示保護制度」の方がよいのかと思ったりしますが、はたしていかが
でしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 毎日暑いですね。この時期に暑いのは当たり前なんですが、エア
コンをよく使うようになったのは歳のせいでしょうか。

 今年は特に食中毒が多いようなので、ご注意ください。話題にな
っていた弁当の路上販売規制は今年は間に合わなかったようですが、
事故が起こらなければよいのですが。

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