安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>82号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------82号--2001.06.03------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「蜂蜜(Q&A)」「甘味料」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 ヨーロッパ旅行に行った人から、メールをいただきました。例の
狂牛病騒ぎで、ちょっと警戒しながら、行ってこられたようです。

 おもしろいので、全文引用します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ご無沙汰しております。5/2に無事、帰国しました。イギリス
は、15分おき位に晴れたり降ったり曇ったり猫の目天気でした。

 英国的実践食事ですが、牛・豚肉を食べたのは行き帰りの機内食
とロンドンのブラウンホテルで取ったアフタヌーンティーのハムサ
ンドイッチだけでした。割とがんばったと思います。最初は乳製品
も避けていたのですが途中からどうしても飲みたくなり半ば解禁し
ました。モカに生クリームをつけないでくれと言ったのに間違えて
つけられてしまいましたし(この時ウェイトレスがゴメンネという
感じでペロっと舌をだしたのは可愛かった)。まあモカには最初か
らミルクは入っているわけですが・・・

 鶏肉も解禁しました。最後のフレンチでは兎も食べました。兎は
大丈夫だろうと勝手に妻と話して。美味しかったです。後はイタリ
アン、オンパレードです。B&Bの近くに美味しいデリがありまし
たし、美味しいレストランもあったのでかなり食べました。当分イ
タリアンは欲しないと思います。

 インド料理・中華料理もありましたが、近くに美味しそうな店は
なくタイミングが合いませんでした。インド料理は食べたいと思っ
たら店が閉まっていたり(OPENと出ていたのに)中華料理は、
ロンドンで1・2を争う店と言われるロイヤルチャイナに行きまし
たが中国人の店員の感じは良くなく、味も美味しいには美味しかっ
たですがそれほどでもありませんでした。

 「地球の歩き方」に載っていた芸術的な味というのは一体・・・
ちなみに食したのは餃子ニ種類と福建炒飯です。他にも安くて美味
しい中華があったとは思いますがなかなか時間も無く、出会う事が
出来ませんでした。

 面白かったのは回転寿司です。「ITSU」(寿司はいつでも食
べたい物から来ているそうです)というお店に行ったのですが、味
も悪くなかったし雰囲気も良かった。ネタはサーモンが凄く多かっ
たです。マグロ・海老はありましたが、イカ・タコ・コハダ・ヒラ
メ・鯛などは見ませんでした。淡白なものは、そんなに求められな
いのかもしれません。

 びっくりしたのは、お味噌汁と海老の寿司にコリアンダーが入っ
ていたことです。お味噌汁のベースは、結構良いのにコリアンダー
はきつかった。海老は妻が食べて、顔をゆがめました。化学的なも
のを食べてるみたいと。

 総じて充実した食生活だったと思います。ただ牛料理は、やっぱ
り食べたかったです。食品売り場に並んでいるものは美味しそうで
した。

 それにしても欧米人はよく食べますねえ。一皿の量が多かった。
うちら夫婦はよく食べるといわれていますが全然かないません、若
い女の子もスゴイ量をペロリと食べていました。

 長々とすみません。遅くなりましたが報告させて頂きました。色
々と適切なアドバイスをありがとうございました。

「大きなリスクを回避するために、ある程度のリスクを甘受する」
教訓にしたいと思います。
それでは。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 つぎは掲示板にいただいた、タバコについて。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 メールマガジンのタバコのこと、同感でした。

 わたしは高校生の時ハイライトを吸って、こんな辛いものどこが
いいのだとそれっきり一度も吸っていません。

 私の治療室はもちろん禁煙です。タバコを吸ってもいいかと聞か
れたら「吸ってもいいが、吐かないで下さい」とお願いしています。

 宮沢賢治がニコチンの害を化学式を用いて農学校の生徒に教えた
という話が残っていますね。

 現在ではタバコの害の中心は過酸化水素という活性酸素であると
されているようです。発ガン性があります。これは国立がんセンタ
ー研究所の永田親義先生が解明されたことです。永田先生はノーベ
ル賞の福井門下の学者。

 講談社のブルーバックスに活性酸素というタイトルの本を書いて
おられます。

 ニコチンは脳に入って神経伝達のアセチルコリンの代替をする作
用があるらしくこれが頭をすっきりさせる理由だという説がありま
す。アセチルコリン受容体にはニコチンも受け付けてしまうという
ルーズさがあるからです。

 喫煙者にパーキンソン病や痴呆症になる人が統計的に少ないとい
う理由はここにあるようです。

 ニコチンには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もありま
す。ただしごく微量の摂取ですが。また薬物代謝も良くします。そ
れで食品添加物や農薬を早く体外に排出します。同時に痛み止めな
どの医薬の効きも悪くなります。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.蜂蜜を乳児に与えてはいけないというのはわかったのですが、
授乳中に母親が食べるのはいけないのでしょうか?
 あと、国産には抗生物質が検出されたということは、そういうも
のを食べると抗生物質を口にしているということで、妊娠中、授乳
中はよくないということなのですか?
 外国産のものは抗生物質が検出されてないのですか?

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A.乳児ボツリヌス菌症は、ボツリヌス菌が乳児の体内で繁殖する
ことでおこります。同じものを大人が食べても大丈夫なのは、普通、
体内ではボツリヌス菌は繁殖できないからです。したがって、母乳
中にボツリヌス菌が出てくることは絶対にありませんので、ご安心
ください。

 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が存在していることが多いのですが、
1歳未満の赤ちゃんに直接与えない限り、別に問題はありません。

 抗生物質については、国産の蜂蜜からはよく検出されるというこ
とです。輸入のものはどうなのか、といいますと、蜂蜜から抗生物
質が検出されてはいけないことになっていますので、輸入時に検査
を受けているのですね。

 もちろん、生産現場で使用されているかどうかはわかりませんが、
少なくとも、検出限界以下であることは確かと思います。

 同じ基準が国産にも適用されるのですが、国産の蜂蜜で検査を受
けているものはまずないので、実質上は野放し状態です。

 したがって、国産蜂蜜には抗生物質が入っている、と思った方が
よいです。

 ある生協で国産蜂蜜を扱っていたのですが、やっぱり抗生物質の
検査もしよう、ということになりました。そこで納入業者は、抗生
物質が検出されないように、輸入の蜂蜜を混ぜて出荷していたのが
ばれて、騒ぎになった、ということがありました。

 形式上は業者が約束違反した、ということなのですが、私は実情
を知りながら、国産である、ということと、抗生物質が検出されな
いこと、の両方を要求した、生協側がいけなかった、と評価してい
ます。

 抗生物質というのは、カビなどが細菌を殺すために作る物質です。
人間などの動物には直接には全く害はありません。ただ、人間の体
内や身体の表面に、多くの細菌が存在し、いわば人間と共生してい
る状態になっています。そこで、不用意な抗生物質の摂取は、この
細菌を殺して、バランスをくずす、という問題があります。また、
耐性菌の問題などもあり、通常の食品には抗生物質は検出されては
いけないことになっています。

 量的には微量ですし、人間に直接害があるわけではありませんが、
やはり授乳中なんかには、できるだけ摂取しないようにしたいです
ね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「甘味料」
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 アスパルテームについて、前々回にかきましたが、ついでに他の
甘味料について。

【サッカリン】

 これは名前だけは有名です。しかし、日本では原則使用禁止にな
っています。(ガムにだけは使えるようです。)

 発ガン性がある、ということで使用禁止になっていましたが、最
終的には発ガン性は否定されたようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

サッカリンが雄のラットの膀胱に対して弱い発癌性を示すことが報
告され、ヒトでも可能性があるとしてFDAがサッカリンの使用を
禁止するよう勧告したのが1977年だそうです。ところがその後の研
究で、サッカリンが雄のラットの膀胱にのみ発癌性を示すのは、高
濃度の検体がもともと結石を作りやすい条件の雄のラットの膀胱で
結石を生じ、その物理的刺激によるものだということが明らかにさ
れました。これはヒトでは起こり得ないことで、その結果サッカリ
ンは「ヒトに対して発癌性があると考えられる物質リスト」から外
されています。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~Uneyama/sacch.html より
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、国際的にはA1(ほぼ安全なもの)にランクされ
ていますが、日本では使用禁止という、ちょっと変則的な事態にな
っています。これは日本の情報鎖国という面が出た一例です。

 かつては広範囲に使用され、特に漬物にはよく使われていました。
昔は「全糖」という表示の漬物がありましたが、あれはサッカリン
やチクロではなく、砂糖を使用している、という意味です。

 私のつきあっていた漬物屋さんの中には、砂糖はちょっとくどい
味なので、サッカリンの方が美味しいんだが・・などと言う人もい
ました。(もちろん、それは困ります、と言いました。)

 アメリカでは、コーヒーに入れる砂糖の変わりに、サッカリンが
よく使われているそうです。レストランなどでは、砂糖とサッカリ
ンの両方置いているところが多く、カロリー制限している人はサッ
カリンの方を使うそうです。

 カロリー制限しているなら、甘味料なんか使わず、ブラックで飲
めば、などと思いますが、当人にとっては、そういうわけにもいか
ないのでしょうね。

【ステビア】

 ステビアというキク科の植物の葉からとれる、天然の甘味料です。
これもちょっと独特の風味ですが、アスパルテームよりはましでし
ょうか。天然物ですが、毒性などについてはよくわかりません。

【カンゾウ】

 甘草という名の植物から作られます。主成分はグリチルリチンで、
これは確か肝臓の薬だったと思います。生理活性は大いにあるわけ
ですから、こんなものを甘味料に使っていいのかな?と私は疑問に
思っているのですが・・。

 その昔、もう亡くなった私の父が、「グリチルリチン」の錠剤を
持っていて、それを飲むと、その後酒を飲んでも、全然酔わないの
で、かえって気持ち悪かったです。あれとカンゾウ抽出物とはどう
違うのか?という疑問がとけないままなのです。

 どなたか、ご存じの人は教えてください。

【糖類】

 砂糖以外にも、いろんな糖類が甘味料として使われています。中
でも代表的なのが、「ブドウ糖・果糖 液糖」と表示されているも
ので、いろんな食品に使われていますので、皆さんもご存じのこと
と思います。

 あれはもとはデンプンなんです。デンプンを分解すると、水飴が
できます。水飴の成分は麦芽糖というもので、これはブドウ糖が二
つつながったものです。

 私の子どものころ、紙芝居でよく水飴を売っていました。割り箸
につけて、グルグルやるのですが、あれは面白かったですね。

 水飴がさらに分解されると、ブドウ糖になります。ブドウ糖は上
品な甘さが特徴なのですが、あまり甘くありませんので、甘味料と
してはほとんど使用されません。

 このブドウ糖に「転化酵素」というものを働かすと、一部が果糖
に変わります。ブドウ糖と果糖は化学的には分子式が同じで、構造
が違うという「異性体」です。この酵素はブドウ糖を見つけると果
糖に変え、果糖をみつけるとブドウ糖に変える、という目的意識の
ない働きをするのです。

 この結果、最終的には、ブドウ糖と果糖が半分ずつになった溶液
ができます。果糖は砂糖より甘いので、トータルでも砂糖とそれほ
ど違わない甘さになります。保水力は弱いので、ジャムを作ったり、
パンを柔らかくしたり、というような用途にはむきませんが、甘味
料としてはかえって使いやすいものだそうです。

 原料がデンプンで、製造コストも安いので、砂糖より大幅に安く
供給されます。砂糖の国際価格が暴落して、砂糖生産国の経済が落
ち込んだ原因の一つがこの「転化糖」の登場だった、というわけで
す。

【キシリトール】

 語尾に「オール」がつくのは、アルコール類の名前です。これは
キシロースという糖がアルコール化したもので、名前からもわかり
やすいですね。(ソルビトールの欄参照)

 キシロースというのは、木糖という別名がある糖類で、グルコー
スなどが炭素数6個の「6炭糖」なのに対して、炭素数5個の「5
炭糖」です。ちくわやかまぼこに焼き目をつけるのに、このキシロ
ースがよく使われています。

 キシリトールはこのごろ、虫歯にならないガムのコマーシャルで
有名になりました。砂糖以外の甘味料は基本的に虫歯の原因にはな
らないんですが、キシリトールは虫歯菌の生育を阻害するような作
用もあるようです。

【ソルビトール】

 これもよく使われる甘味料です。ブドウ糖(グルコース)をアル
コール化したものですが、名前のせいで保存料であるソルビン酸と
混同する人がよくいます。「グルコトール」などという名前だった
ら良かったんですが。

 自然食品のグループの人が、「魚のすり身に保存料が使われてい
る」などと言ってさわいでいたので、聞いてみると、ソルビトール
のことだった、ということがありました。

 こんなレベルの知識で食品を扱うのは、ちょっと怖いことです。

 ソルビトールは甘味とそれほどないのですが、保湿力が強く、自
身も程よい粘りをもっているので、のり佃煮などの粘り気のある食
品には、その物性を利用するために、よく使われています。

 さっきの、冷凍魚すり身にも、冷凍による劣化を防ぐために使用
されていました。

 毒性については、ブドウ糖と同じくらい、ということです。ソル
ビン酸もそれほど毒性の強いものではありませんが、全く違う物質
であることはもう一度書いておきます。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 もう一つのメールマガジン「宮沢賢治 Kenji Review」
http://why.kenji.ne.jp/

にも書いたんですが、とうとう50歳になってしまいました。子ども
の頃から、21世紀には50歳だな、と計算はしていたんですが、や
っぱりそうなりました。

 今回紹介したヨーロッパ旅行のかたはだいぶお若いようですが、
タバコの話をいただいたのは、鍼灸治療師をされている人で、私と
同年代(少しお若いですか)の方です。掲示板にお名前をかかれて
いますので、ホームページを紹介しておきます。
http://member.nifty.ne.jp/hmishima/

 このメールマガジンも何とか100号までは到達できそうになっ
てきました。それ以降はどうしようかと思っているのですが、でき
るだけ続けていきたいので、よろしくお願いします。

 「宮沢賢治 Kenji Review」の方は来週、120号になります。
こちらは今、宮沢賢治の青春時代をとりあげていますので、晩年に
さしかかるまではまだまだかかりそうです。

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--82号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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