安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>813号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------813号--2015.06.07------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「堺のO157食中毒」

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---〔話題〕-------------------------------------------------

 まず、先日から話題になっていた「豚肉の生食禁止」ですが、施
行日が決まっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■豚肉の生食禁止、12日から罰則=改正規格基準を告示−厚労省

 豚肉の生食を禁止し、飲食店などに加熱を義務づける食品衛生法
の改正規格基準が2日、告示された。施行日は12日。違反した場
合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される。

 豚の生レバー(肝臓)は、牛のレバ刺しが2012年に規制され
たため「代用品」として出す店が増えたとされる。厚生労働省は
「豚の生レバーにはE型肝炎や寄生虫のリスクがある」とし、十分
に加熱して食べるよう注意を呼び掛けている。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201506/2015060200311&g=soc
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は北朝鮮のマツタケの事件です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 北朝鮮産マツタケの不正輸入事件で、北朝鮮側が日本へのマツタ
ケ輸出が禁じられた後も国家事業として取り組むとした文書を、京
都府警が捜索で押収していたことが捜査関係者への取材でわかった。
府警は外貨獲得を狙ったとみている。京都地検は2日、取引にかか
わったとされる2人を外国為替・外国貿易法違反(無承認輸入)と
関税法違反(虚偽申告)の罪で起訴した。

 2人は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)議長の次男で総連傘
下の食品商社「朝鮮特産物販売」(東京)社員の許政道容疑者(5
0)と社長の金勇作容疑者(70)。ともに逮捕された男性元社員
(63)は「関与が従属的」として不起訴(起訴猶予)となった。

 起訴内容は2010年9月24〜27日、日本政府が経済制裁で
輸入を禁じている北朝鮮産マツタケ計約3トンを関西空港経由で輸
入し、大阪税関に「中国産」と虚偽の申告をしたというもの。地検
は認否を明らかにしていないが、関係者によると否認とみられる。

 捜査関係者によると、押収文書は日本政府が北朝鮮からの輸入を
禁じた06年10月以降に作成され、故・金正日総書記らの資金管
理組織「朝鮮労働党39号室」の名義があった。マツタケ輸出は北
朝鮮の国家事業として行い、日本での受け取りは朝鮮特販が担うと
いう趣旨の記述があったという。府警は許容疑者が中心的役割を担
ったとみている。

http://www.asahi.com/articles/ASH624SVBH62PLZB00X.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たかがマツタケを売ったカネが国家事業とは恐れ入ります。

 最後はちょっと笑ってしまう話ですが、こんなニュースがありま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 米ファストフード大手ヤム・ブランズ傘下のフライドチキンチェ
ーンKFCは、足が8本ある鶏を使ったなどと同社の食品の品質をめぐ
るうわさを広めたとして1日、中国企業3社を提訴したと発表した。
KFCが中国で信用の挽回に取り組むなかでの動きだ。

 KFCは同社の中国語のウェブサイトで、中国のメディア企業3社が
ソーシャルメディアでKFC製品について虚偽の情報を広め同社のイ
メージを失墜させたと主張した。KFCは文書で3社がミニブログ、写
真や記事で同社が使う鶏に足が8本、翼が6枚あるなどとうわさを広
め「消費者を欺いた」としている。KFCは各社に最大150万元(約30
00万円)の損害賠償と謝罪を求めている。

http://jp.wsj.com/articles/SB12759595096617873597504581022342779225426
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ケンタッキーの鶏は足が8本?という話は私も昔聞いたことがあ
ります。でも、あのフライドチキンを実際に食べたことがあれば、
腿肉ばかりではないことはわかるはずです。

 ケンタッキーの工夫は、一羽の鶏から5種類、9個の部位を同じ
ような大きさにしてフライにしたことで、足がたくさんあることは
必要ありません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q.1羽から何個の「オリジナルチキン」ができるの?

A.1羽を9ピースにカットしています。

手羽(ウイング=wing)、あばら(リブ=rib)、腰(サイ=thigh)、
脚(ドラム=drum)の部位がそれぞれ2ピースずつ。胸(キール=
keel)が1ピース。あわせて9ピースです。このカット法は、KF
C独自のカットの仕方です。

https://www.kfc.co.jp/qa/original.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 フライドチキン=腿肉と短絡的に考えた人が言い出したデマなの
でしょうね。

 そもそも、人間はまだ生物の形を自由に改変できる技術を持って
いるわけではありません。

 生物はそれぞれ、自然が作った美しい形をしています。原発事故
のときもよくありましたが、あまりグロなことを平気で言う人は、
何かしらの悪意を持っているのと同時に、想像力も欠けているのだ
と思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「堺のO157食中毒」
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 5月の話ですが、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

堺のO157食中毒 3人目の遺族と補償合意

 平成8年に堺市で発生した病原性大腸菌O157による集団食中
毒で、同市は19日、死亡した小学5年生だった女児=当時(10)
=の遺族と、補償について合意したと発表した。死亡した小学生3
人の全遺族と合意が成立した。

 市によると、補償額は慰謝料など計約7200万円で、すでに支
給された死亡見舞金2100万円を差し引いて支払われる。

 死亡した3人のうち、当時6年生だった女児については、民事訴
訟で市側の責任が認められ、市側は11年9月に補償金を支払った。

 しかし、市が計画した女児を追悼するモニュメントの設置をめぐ
って遺族の了解が得られず、ほかの遺族との交渉は中断。26年4
月に現庁舎の一角にモニュメントが完成したことで交渉が再開され、
今月15日には当時1年生の女児の遺族と合意している。

 市によると、8年7月12日夜から学校給食を食べた児童や教員
らがO157による下痢などを発症。同様の症状を訴えた人は約9
500人に上り、女児3人がO157による溶血性尿毒症症候群
(HUS)で死亡した。

 市は菌が検出された9119人と補償交渉を進め、これまでの補
償合意者数(辞退者を含む)は9108人で、支払総額は約7億円。
市は残る被害者11人との補償交渉を進める。

http://www.sankei.com/west/news/150519/wst1505190068-n1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここで言及されている「追悼モニュメント」はこんなもののよう
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■堺のO157集団食中毒:ご冥福、心からお祈りいたします 石
碑を設置へ 堺市、追悼と再発防止誓う /大阪

毎日新聞 2013年08月16日 地方版

 堺市で96年7月、学校給食を食べた児童らが病原性大腸菌O1
57に感染し、女児3人が死亡した集団食中毒で、堺市教委は、追
悼と再発防止を誓うために石碑を設置すると発表した。設置費用6
00万円を今年度一般会計補正予算案に盛り込んだ。来年3月に完
成する予定。

 石碑は高さ約2・3メートル、幅約1・8メートルで、市役所本
館の正面玄関前に設置する。「深く反省しおわびするとともに 二
度とこのような不幸を繰り返さないことを誓い 犠牲となられた児
童のご冥福を心からお祈りいたします」などと刻む。

 市教委は石碑の設置に向けて遺族と話し合いを続けてきたが、最
近になって文言や形状について合意が得られた。

http://ameblo.jp/town-watch/entry-11593640029.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件に関して、いつもいただいている笈川さんの「食品衛生レ
ビュー」で、「No.73 堺市のO157食中毒の和解とその教訓」とい
う記事がありましたので、紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■堺市のO157食中毒 女児家族と和解

 5月16日の各新聞で、「堺市のO157食中毒 女児家族と和解」と
の記事がありました。内容は「堺市教育委員会が死亡した女児(当
時小学1年生、7歳)の両親と、補償金7720万円を支払うことで、示
談が成立したと発表した」でした。この事件はご承知のことと思い
ますが、1996年7月に大阪府堺市の学校給食で発生したカイワレが
原因食品とされる腸管出血性大腸菌O157(以下O157)集団食中毒
です。児童約8,000人が発症し、3人の児童が亡くなるという痛まし
い食中毒でした。

 この記事を見て多くの人は、

(1)何年前の食中毒か、1996年7月であるので19年前

(2)補償金が高い

(3)なぜ、堺市だけが責任を問われ、カイワレ生産者が問われな
いのか

 と感じたと思います。

 そこで(3)を中心に当時の行政の対応、背景、そして飲食店営
業者の対策などを説明します。

■K厚生大臣の記者会見

 発生直後にK厚生大臣が記者会見で、「カイワレとは断定できな
いが、その可能性も否定できない」「カイワレの根を切って、青イ
ンクが入った水に浸けて、上へ青く染まっているのを実演し、O157
も導管を通って上がる」と説明しました。

 その後、カイワレの売り上げが激減したので、再度の記者会見で
「カイワレをモリモリ食べて、安全だ」と安全を強調しました。

 1回目の記者会見で、カイワレの注意喚起は適切だったと思いま
す。しかし問題は、学校給食の衛生管理について何も説明しなかっ
たことです。その理由は、最終提供者が安全な食品を提供する責任
が重いからです。

 アジなどの近海の魚類は、夏期は腸炎ビブリオに汚染されていま
す。飲食店において、不十分な水洗いで捌いて刺身として提供すれ
ば腸炎ビブリオ食中毒が発生します。この場合、飲食店が食品衛生
法の処分を受けます。

「学校給食施設での洗浄が不十分の可能性あった」などを付け加え
て説明する必要があったと考えます。

■カイワレの洗浄

 患者が多かった小学校では、カイワレを束のまま根を切らずに水
洗いしていました。どうも根を切って水洗いすると折れて給食のト
ッピングの際に「見栄え悪い」と思ったようです。根を切ってから
水洗いをした1小学校では食中毒患者が発生していません。根の部
分にO157が生息していたものと考えます。カイワレの下に部位か
ら、インクが導管を通り上昇することは考えられますが、分子量が
大きい細菌は無理と考えます。また、細菌が葉の気孔に入ることは
無理ですが、気孔の入り口に付着する可能性はあると思います。

 カイワレ生産者、カイワレ生産組合が訴えた国家賠償請求裁判で
は、国が負けていますが、国が負けた一つの理由として、カイワレ
生産者の出荷量の90%以上では事故などの食中毒が発生していまい
とされています。

■米国において発芽野菜でO157集団食中毒発生していた

 堺のO157食中毒が発生する1、2年前に米国において、カイワ
レと同様な発芽野菜のアルファルファでO157食中毒が発生してい
ます。堺市の使われたカイワレの種子の原産地は米国で、翌年3月
に、関東から東海地方で散発的に発生したカイワレが原因と疑われ
たO157感染の種子も米国産で、ロットNo.が近似していて、患者か
ら採取されたO157のDNAパターンが一致したとされています。

■発芽野菜は衛生的になったが

 現在、発芽野菜の種子の殺菌が徹底され、ほとんどの施設で衛生
的に栽培されているので、事故の発生は少ないものと考えます。

 しかし、露地野菜は土壌がO157などの病原菌に汚染されて可能
性があり、一見綺麗に見える水耕栽培においても、地下水を使用し
ていれば汚染されている可能性があります。

■「刻みネギ」と「浅漬け」

 2011年9月に、A社が委託を受けていた関東を中心とした13の事
業所給食施設で、病原性大腸菌O148による食中毒が発生し、患者
数は500人を超えました。原因食品はめん類の薬味として使用され
た生の「刻みネギ」でした。この「刻みネギ」は、長野県内のB社
が納入したもので、B社は「必ず殺菌効果のある工程を経て提供さ
れると認識して納品した」とされ、企業名は公表されていません。

 2012年8月に北海道札幌市の漬物製造業が製造した白菜の浅漬け」
によって、8人が死亡したO157食中毒は、原材料の白菜が汚染され
ていて、洗浄殺菌不足が原因の一つとされています。

■まとめ及び対策等

 堺市のO157集団食中毒の原因は、カイワレがO157に汚染されて
いたが、大きな原因は調理の際に洗浄不足だったと考えます。

 飲食店において、野菜は病原菌に汚染されている可能性があると
考え洗浄を徹底してください。野菜洗浄の専用場所(流し)を確保
してください。できない場合には、洗浄の際に、飛沫が飛散しない
ように注意してください。カット野菜も汚染されている場合があり
ます。加熱せずに提供する場合には、綺麗に見えても洗浄に心掛け
てください。仕入先を訪ね注意喚起も有効と考えます。

 再確認ですが、食品衛生法では、最終的な提供者(人、企業)が
安全な食品を提供する責任があります。

 事故を起こせば、補償金が7000万円にならなくても、一週間程度
の休業(行政処分だけでなく、自主休業を含む)と、行政機関の公
表による負の影響は数か月続く可能性があります。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この事件は後に最高裁でカイワレ大根の生産者が勝訴したことか
ら、カイワレ大根は原因ではなかったと思っている人が多いようで
す。

 しかし、この事件の原因食品がカイワレ大根であることは間違い
ない事実です。裁判では直接証拠が出なかったことでああいう結果
になったようですが、残念ながら裁判官は疫学をご存じなかったと
いうことです。

 以下は当時を知る人の生々しい証言です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

●腸管出血性大腸菌食中毒事件と風評被害

 ヨーロッパで腸管出血性大腸菌O104の感染が広がっている問題で、
ドイツ保健当局は12日、大腸菌による死者が35人となったと発表し
ました。世界保健機関(WHO)などによると、これまでの死者はス
ウェーデンの1人を除き、すべてドイツ国内で報告されました。欧
州疾病対策センター(ECDC)による12日時点のまとめでは、感染者
は3256人になりました。ドイツ当局は、同国北部ニーダーザクセン
州の農場で生産されたモヤシなどのスプラウト(新芽野菜)が感染
源となった可能性が高いとして、この農場から出荷された食品すべ
ての回収を指示しています。

 日本の新聞は「もやし」が原因と書いていますが、「スプラウト
(新芽野菜)」で、スプラウト(sprout)とは、植物の新芽の総称。
日本では主にブロッコリーやマスタード、クレスなどの野菜の新芽
を指す(発芽野菜、新芽野菜)。かいわれ大根やモヤシもスプラウ
トの一種である。日本では「もやし」は加熱して喫食され生では食
べません。食中毒の広がりからみて「かいわれ大根」のようにサラ
ダ等に生で食べる野菜です。

 日本の「かいわれ大根」が心配となりますが、1996年月に「かい
われ大根生産衛生管理マニュアル」、2003年に「生鮮野菜衛生管理
ガイド」がまとめられました。

 これはHACCPの考え方を取り入れたものです。この「生鮮野菜衛
生管理ガイド」を守っている業者は安全と判断できますので、納品
業者に尋ねてください。

 かいわれ大根というと1996年に大阪府堺市の小学校給食で集団発
生した腸管出血性大腸菌O157事件では、かいわれ大根が疑われまし
た。当時の菅厚生大臣が「かいわれ大根がO-157の感染源である可
能性は否定できない」と発表すると、風評被害で全国的にかいわれ
大根が売れなくなり、あわてて厚生大臣が「かいわれ大根」を食べ
る映像を流しました。

 堺市の場合は、3人の児童が亡くなり、溶血性尿毒症症候群(HUS)
が121人でした。食中毒発生6カ月後のフォローアップ腎臓検診結果
では、腎機能低下者が6人、検尿異常者が227人いました。

 ほかの食中毒菌に比べ、極めて少ない菌量(100個以下)で感染
するのがO157の特徴です。発症者のふん便からは、1g当たり100万
個程度のO157が検出されます。

 健康保菌者もいますので、用便後の手洗いが重要です。潜伏期間
が3日から9日と、長いことも特徴として、知っておくべきでしょう。

 その後、○○農園が使用したかいわれ大根の種子からDNAの同じ
O157菌が見つかり、一旦は厚生労働省は○○農園のかいわれ大根が
原因としましたが、裁判では食材のかいわれ大根及び、○○農園か
らO157菌が発見されなかったためにかいわれ大根犯人説は否定され
てしまいました。

 当時、私は食品衛生監視員をしており、大変興味深く事件の推移
を見ており、パソコン通信のNIFTYの生活衛生会議室の入り様々な
人の意見を聞いたり、意見を書き込んでいました。私は食中毒事件
では、事件の状況から該当する菌の生息場所や予想される感染経路、
過去の事例等を参考に食中毒を起こしうる食材は何かを考えていま
した。共通食材といった状況証拠を重視します。食中毒事件では、
食材からの菌の検出結果は決め手にはなりますが、患者便からは検
出されても想定される食材からは検出されない事が多いのです。

 堺市のO157事件は、献立は堺市学校給食協会の献立委員会で作成
し、調理マニュアルを学校保健課で作成し、その献立に必要な食材
は、同協会にて調達しています。献立の作成は、2ケ月単位で市内
を北・東地域、中・南地域、堺・西地域の3ブロックに分け、運用
についてはできるだけ3ブロックの献立が重複しないよう配慮され
ていました。また、調理は各校自校調理方式で行っていました。自
校調理方式でありながら47小学校で同時期に発生しています。O157
は牛などの大腸の常在菌です。学校給食の場合、納品業者を複数に
します。牛肉が汚染されていたとしても1頭単位です。複数の業者
が同じ牛の牛肉を学校に納品する可能性は少ないでしょう。それに
牛肉は加熱工程があり、給食室での過熱不足や2次汚染といった調
理人のミスが47校同時に起こることは考えにくいでしょう。共通の
食材の検討をすると、加熱工程が加わらないものは、「かいわれ大
根」「牛乳」「パン」の3点で、このうち、「牛乳」「パン」は複
数業者が納入しており、「牛乳」については製造施設に管轄保健所
より立入りし、殺菌処理記録が確認されています。「かいわれ大根」
のみ生食で使用され同一生産者の物が納品されています。

 NIFTYの生活衛生会議室は、若いドクターがリードしていました。
ドクター達は検査結果のみを重視し、疫学を軽視していました。ま
た、外国や過去のO157事例は知らないため事件の推理が出来ません
ので、検査結果至上主義です。しかし、当時のO157菌の検査はPCR
法が普及してなかったので培養法です。患者便はお腹で増殖してい
ますので検出されますが、食材からの検出は菌量が少なく、培養法
での検出は非常に難しかったのです。

 食材からO157を検出事例が厚生省のHPにあり、
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/jokyo/o157rei.html

 堺市の食中毒事件以前に食材からO157菌が検出されたのは1例だ
けです。同じ年の7月に4番目、5番目が福岡市の事例で、私が収去
した市販の牛の内臓肉からの検出になっています。

 それと報道を見ていると当時の堺市の担当部局は、大量の検便検
査と施設検査に忙殺され、原因追求の調査が遅れているようでした。
食品衛生上の調査は事件の拡大を止めて、再発防止といった公衆衛
生上の観点が主目的ですので、事件の状況から判断して○○農園の
立ち入り調査や同農園のかいわれ大根の検体の確保を急いで行って
いれば違っていたのかもしれません。司令塔がうまく機能してなか
ったのかもしれません。状況証拠とアメリカでの新芽野菜によるO1
57食中毒事例を考慮して、出荷停止や回収命令を出しておけば、そ
の後の数件の事件も防ぐ事ができ、風評被害も抑えられたのではな
いかと考えます。同日、老人ホームに出荷されたかいわれ大根でO1
57事件が発生し、DNAパターンも小学校給食の事件と一致しました。

 裁判は「疑わしきは罰せず」で決定的な食材からの菌の検出が必
要なのでしょうが、公衆衛生上は「疑わしきは速やかに止める」こ
とです。また、風評被害の広がりを伝えるマスコミ報道で事件めぐ
る空気が変わってしまいました。

http://www32.ocn.ne.jp/~abcq/mag1-242.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下はこのメールマガジンにいただいた証言です。この話は中西
準子先生の本でも紹介していただいたことがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 トリハロメタンの記事共感をもって読んでおります。いつも貴重
な資料、コピーしております。

 ペルー政府の失敗は、何を優先すべきかを示す事例として印象的
です。この記事は、広く知られてほしいものと思います。

 じつは、堺市で起きたカイワレ大根を原因とする腸管出血性大腸
菌O157も、教育委員会が、トリハロメタンに必要のない”おののき”
を示し、事件から10年前に次亜塩素酸ナトリウムによる野菜等の
消毒作業を取りやめていたのです。

 もし、カイワレ大根に対し次亜塩素酸ナトリウムによる消毒作業
を行っていたら、あの事件は起きていなかった、3人の子供の命を
失うことも無かったのにと悔やまれてなりません。

 堺市内34校のうち、1校だけは一人の患者も発生していません
でした。その学校では、栄養士の指示で、3時間水道水に浸漬して
いたのです。微量の残留塩素と大量の水による菌の希釈で発病に至
らなかったことが追試験でも立証されています。

 規定の塩素消毒をしていたら、事件は起きていないと言えます。
このことは、マスコミもあまり報道されていません。事件後は、ま
た、次亜塩素酸ナトリウムを調理場にまき散らしているような状態
です。

 冷静な科学的知識の徹底のむつかしさを思います。

http://food.kenji.ne.jp/review/review469.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 食品衛生の歴史的大事件でしたが、その後も何度か大きな食中毒
事件は起こっています。

 今年も食中毒の季節となりましたが、事故のないように願ってい
ます。

 この季節には、厚労省ではこんな取り組みをしています。

■平成27年度食品、添加物等の夏期一斉取締りの実施について
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000088092.pdf

 食品工場などへの立入検査が主なものですが、その中で食中毒に
ついても触れられています。今年の題目は以下の3つなのですね。

腸管出血性大腸菌食中毒
カンピロバクター
E型肝炎

 これが現状から国が考えている三大食中毒ということです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2.食中毒防止に係る事業者への指導及び消費者等への注意喚起に
ついて

 次の(1)〜(3)については、事例の重大性や事業者及び消費
者の認知状況の不足等を考慮して、事業者への指導及び消費者等へ
の注意喚起を積極的に行うこと。あわせて、事業者に対し、食品衛
生上の危害の発生防止における、食品衛生責任者の役割の重要性に
ついて啓発するとともに、食品衛生責任者が常に食品衛生に関する
新しい知見を習得すべく、積極的に実務講習会等を受講するよう指
導すること。

(1)腸管出血性大腸菌食中毒について

 平成23年の飲食チェーン店での腸管出血性大腸菌による食中毒の
発生を受けて、生食用食肉の規格基準を設定した。本規格基準に適
合する生食用食肉であっても、引き続き、「食品、添加物等の規格
基準の一部を改正する件について」(平成23年9月12日付け食安発
0912第7号)に基づき、若年者、高齢者などの抵抗力の弱い者に生
肉を食べさせないよう事業者を指導するとともに、消費者に対して、
抵抗力の弱い者は生肉を食べないよう注意喚起を行うこと。

 食肉等の他、団子などの菓子類、生食用野菜及び浅漬による食中
毒が発生している。加熱して喫食する食品については十分な加熱を
行うと共に、加熱しないで喫食する食品については、必要に応じて
殺菌等の処理、衛生的な取扱い及び汚染防止を行うことなど事業者
への監視指導を徹底すること。なお、指導及び情報提供に当たって
は、「腸管出血性大腸菌Q&A」(平成19年8月8日付け健感発第
0808001号及び食安監発第0808004号別添)も活用すること。

(2)カンピロバクター食中毒について

 平成26年のカンピロバクターによる食中毒件数及び患者数は、平
成25年と比べて増加した(件数227件→306件、患者数1,551名→1,8
93名)。

 鶏肉等の肉類・肉類加工品による食中毒が依然として多く発生し
ていることから、「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」
(平成19年3月5日付け事務連絡)等の情報提供を行い、喫食に当
たっては十分加熱すること、未加熱又は加熱不十分な食肉を若齢者、
高齢者及び抵抗力が弱い者に提供しないよう事業者を指導するとと
もに、消費者に対して注意喚起を行うこと。

(3)E型肝炎ウイルスについて

 E型肝炎ウイルスによる健康被害については、「E型肝炎ウイル
ス感染事例について」(平成16年11月29日付け食監発第1129001号)、
「食肉を介するE型肝炎に関するQ&Aの改訂について」(平成18
年11月16日付け食安監発第1116001号)、「豚レバーの提供に関す
る指導等について」(平成24年10月4日付け食安監発1004第1号)
等により、野生動物の肉や豚レバーなどの豚由来の食品については
十分に加熱調理を行うよう注意喚起を行う旨お願いしてきた。昨年、
野生鳥獣肉の取扱いについて「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針
(ガイドライン)について」(平成26年11月14日付け食安発1114第
1号)を示したことから、当該ガイドラインに基づき、飲食店に対
して、野生鳥獣の肉や内臓などを調理する際には、食肉処理場にお
いて処理されたものを仕入れ、十分に加熱調理を行うよう指導する
とともに、消費者に対して注意喚起を行うこと。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000088092.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「腸管出血性大腸菌」はO157以外にもありますので、こう言
った方が正確なのでしょう。現在でも食中毒の筆頭に上げられるの
は無理もありません。

 そこでは、「生野菜の危険だ!」ということを忘れてはいけない
と思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 久しぶりに大連に行きましたが、何と地下鉄が開業していました。
工事が難航していて、いつできるかわからないと陰口を叩かれてい
ましたが、ようやく開業にこぎつけたようです。早速、ピカピカの
列車に乗ってきました。

 もう一つ、大連で大連賓館という、満洲鉄道が経営したホテルの
建物をそのまま使ったホテルに泊まりました。建造からちょうど百
年目になるという超クラシックホテルです。ちょっと感動ものです
が、一度で十分という気もしました。次回からはいつもの安いホテ
ルに戻りそうです。

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