安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>808号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------808号--2015.05.03------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「日本ワイン」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
============================================================
煎りたてナッツ、入荷しました!【祝☆開店】
EVERYDAY HAPPY CRAZY!
ローストナッツの専門店「ロースターズ&ナッツ」
お試し3種セット<数量限定1200円>で発売中!
http://www.roastersandnuts.com/
============================================================
---〔話題〕-------------------------------------------------

 毎回書いている「機能性表示」について、こんな記事がありまし
た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 健康への働きを表示する「機能性表示食品」として届け出が受理
された商品の中に、特定保健用食品(トクホ)の審査過程で「安全
性が確認できない」と指摘された成分を用いる商品があることを受
け、山口俊一消費者相は28日、「一般論として安全上問題がある
ということになった場合には機能性表示食品から外さざるをえない」
と述べた。

 消費者庁の板東久美子長官は機能性表示食品の情報は公表され事
後的な監視の仕組みが働くと説明し、「安全性、機能性が科学的根
拠に基づかないことが明らかになった場合、機能性表示食品として
販売してはならないとなる。届け出の撤回を求めることもある」と
述べた。

 商品はリコム(東京都)が届け出たサプリメントの「蹴脂粒(し
ゅうしりゅう)」。エノキタケ抽出物を含み、「体脂肪(内臓脂肪)
を減少させる働きがある」と表示する。今月始まった機能性表示食
品は届け出制で、6月中旬以降販売が可能になる。一方、同社はト
クホに同じ成分を含む飲料を申請しており、食品安全委員会の専門
調査会は「安全性が確認できない」とする評価書案を作成し、最終
的なとりまとめを進めている。

http://www.asahi.com/articles/ASH4X5DC5H4XUTFL00Z.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件に関しては以下の記事で解説されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■機能性表示食品「えんきん」の根拠は、お粗末すぎる

 この「えんきん」の論文は、試験参加者に行った質問表のデータ
の取り扱いの記述がない。これは、科学的には信用に値しない。普
通の学術誌なら、査読を通過できず、間違いなく掲載拒否される。

 しかし、この論文は査読のある学術誌に掲載された。消費者庁は
論文のレベルについて、「国際的にコンセンサスの得られた指針に
準拠した形式」も求めているが、私は要求レベルを満たしていない、
と考える。

 付け加えれば、この論文を掲載した雑誌のeditor in chief、つ
まり主任編集者は、内閣府の規制改革会議で「企業責任により機能
性表示を」と旗ふり役を務めた森下竜一・大阪大学大学院教授であ
る。

 制度を作り、サプリメント企業最大手の研究者が出した非常にレ
ベルの低い論文を、自らが責任を持つ学術誌に掲載し、「ちゃんと
根拠があるのだから、表示していい」という体裁を作ってやってい
る、と見られても仕方がない。そして、論文があり書類が揃ってい
るから、と受理した消費者庁……。

http://www.foocom.net/column/editor/12648/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 しかし、「届出制」でスタートしたとたんに審査が必要なような
ことを言うのはおかしいですね。

 元々、アメリカの制度ではメーカーの自主表示であって、国家は
責任を持たないのですが、日本でそういうやり方が通用するとは思
えません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 問題は事故がおきたときの責任の所在で、食品の安全性確保の常
識(同じものばっかり食べない)に矛盾する制度をごり押しした人
たちが責任とるとも思えないのだが。食品として販売されてしまう
以上、食品安全委員会や農水・厚労が全く関係ありませんとも言え
ないだろう。この点は、「ダイエタリーサプリメント」は食品では
ないのでヒトが死んでもFDAに責任はない米国とは全く違うところ。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150501#p9
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 被害が出たら国の責任にされてしまうのに、「届出制」を導入す
るとは大した度胸です。それが今更ながらちょっと怖くなったとい
うところでしょうか。

 次は「生レバーで逮捕者」のニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■牛の生レバー提供 焼き肉店オーナー逮捕

 牛の生レバーを提供したとして、27日夜、香川・高松市内の焼
肉店の経営者が食品衛生法違反の疑いで逮捕された。

 逮捕されたのは高松市栗林町の焼肉店「天下一」を経営する金良
和容疑者(54)。警察によると、金容疑者は先月20日、「加熱
してください」などと客に告げずに牛の生レバーを提供した疑い。
警察では今年2月、「生レバーを提供している」との情報が寄せら
れたことから内偵捜査を進めていた。

 調べに対して金容疑者は、「間違いありません」と容疑を認めて
いるという。また、店のメニューには、「生レバー700円」と書
かれていたということで、警察では販売実績などを調べている。

 牛の生レバーは2011年に焼肉チェーン店で集団食中毒事件が
発生し、複数が死亡した事件をきっかけに、翌年7月以降、生で食
べるための販売が禁止されている。

http://news.livedoor.com/article/detail/10058509/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 生レバーを禁止する法律はおせっかいというものだと思っていま
したが、堂々とこれに違反する業者が出てくるとは…。禁止は悪徳
業者にとってはビジネスチャンスというものだったのかもしれませ
ん。

 最後はは鳥インフルエンザ終息というめでたいニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■我が国の高病原性鳥インフルエンザの清浄化について

 本日、我が国は国際獣疫事務局(OIE)の規程に基づき、高病原
性鳥インフルエンザの清浄国となりましたのでお知らせします。

 平成26年12月から平成27年1月にかけて、宮崎県、山口県、岡山
県及び佐賀県の5件の家きん飼養農場で発生した高病原性鳥インフ
ルエンザ(H5N8亜型)については、1月23日までに全ての発生農場
の防疫措置が完了しました。その後、サーベイランスを実施し、3
か月間新たな発生が確認されなかったことから、我が国は、OIEの
規程に基づき、4月24日付けで高病原性鳥インフルエンザの清浄国
となりました。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/150424.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 関係者の皆様にはご苦労様でした。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「日本ワイン」
------------------------------------------------------------

 知っている人は知っていることなので、今更ながらの話なんです
が、ときどき取り上げられるネタです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■国産ワイン、実は4分の3が輸入果汁を使っていた
政府が今秋以降に表示ルールを整備

 政府が国産ワインの表示ルールを見直す。国産ブドウのみを原料
に、醸造まで全ての工程を国内で行った「純国産」のワインを新た
に定義付ける。輸入果汁を原料に造ったワインも「国産ワイン」に
含む現在の表示方法と差別化を図り、純国産ワインのブランド価値
の向上につなげる。

 純国産ワインの新しい名称は「日本ワイン」となる見込み。純国
産ワインについて、これまで業界ではサントリーが2010年に「にほ
んワイン」、メルシャンが2012年に「にっぽんワイン」と、メーカ
ーが個別に名付けていた例はあったが、政府が表示ルールを検討す
るのは初めてだ。

 国税庁によると、2013年度に国内で造られたワインは8万8000キ
ロリットル(アンケート調査で回答した163業者の合計)。その4分
の3が、輸入した濃縮果汁を原料に使っていたという。

 現在の表示は日本ワイナリー協会と、主要産地である北海道・山
形県・山梨県・長野県のワイン業界団体の合計5団体で構成する
「ワイン表示問題検討協議会」の自主基準に基づいている。原料の
全てに国産ブドウを使った純国産の商品だけでなく、原料が国産で
ないワインや、純国産と輸入ワインとを混ぜ合わせた商品も全て
「国産ワイン」と位置付けている。

 つまり、自主基準では原料の産地に関係なく、生産地が国内であ
れば「国産ワイン」と名乗れるわけだ。産地の表示義務もないこと
から、消費者が誤解を招きやすかった。

 海外では産地ごとに厳しい基準を定めてブランド化している国や
地域が多い。例えばフランスではワイン法で「原産地統制名称」を
定め、地域ごとに使用するブドウ品種などを決めている。ブルゴー
ニュ地方のシャブリ地区で栽培したシャルドネ種を原料に、製造し
た白ワインのみが「シャブリ」を名乗れるのがその代表だ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20150422/280271/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は少し前の、同じような記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「国産ワイン=日本のブドウを使ったワイン」ではない!

 ところで、「国産ワイン」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

 世界各地の主要なワイン産出国では、ワインを定義する「ワイン
法」がある。欧州の場合にはEUで定めたワイン法があり、「ワイン
は新鮮なブドウまたはブドウ果汁を醸造した酒」と定められている。
一方、日本にはワイン法自体がない。つまり日本では「何がワイン
なのか」が法律で定められていないのだ。その代わり、一部のワイ
ナリーが所属しているワイナリー協会という任意組織があり、そこ
が定める「国産ワインに関する自主基準」がある。

 それによると、国産ワインは「原料が日本産か海外産かに関わら
ず、日本で製造・販売する全てのワイン」を指す。さらに使用した
果実の全部又は一部がブドウであればよい。ちなみに瓶詰めするこ
とも製造したと見なされるようだ。

 言い換えれば、外国から持ち込んだ濃縮果汁を水で薄め、さらに
砂糖も加えて発酵させても国産ワイン、原料全てがブドウでなくて
も国産ワイン、さらには海外から持ち込んだワインにこれらを混ぜ
ても国産ワインになる。海外でワインを生産する主要国でワインと
して認められていないものが「ワイン」としてまかり通り、海外産
の原料を使っていても「国産」とされているのだ。

 近くのスーパーに出かけてワイン売り場を眺めてみてほしい。ワ
インの陳列棚で日の丸マークの付いた国産ワインのコーナーに並ん
でいるワインの大半は、実は輸入濃縮果汁を使ったワインだ(一つ
ひとつのプライスカードにもご丁寧に日の丸が付いていることも多
い)。

 なかでもひときわ目を引くのが、酸化防止剤無添加ワイン(一般
的には無添加ワインと呼ばれることが多い)。昨今の消費者の自然
志向の流れに乗り、この手のワインが売り上げを伸ばしている。

 メルシャンは2013年3月、海外原料を使った果実酒の生産量を500
万ケースから600万ケースにまで引き上げることを発表。同社は、
酸化防止剤無添加ワインの売り上げでは6年連続ナンバーワン。ワ
イナリーがない神奈川県の果実酒製成量が山梨県を抑えて1位に躍
り出たのも、この手の果実酒を造るメルシャンの工場が神奈川県に
あるからだ。

 この酸化防止剤無添加ワインのボトルを見てみると、どれもネー
ミングやラベルが似通っている。名前自体に「酸化防止剤無添加」
という言葉が使われており、さらに日本的イメージを喚起するため
か、筆で書いたようなやや太めの字体で酸化防止剤無添加ワインと
大きく記されている。おまけにどういうわけか、「おいしい」とい
う言葉をネーミングに使っているメーカーが多い(明治の「おいし
い牛乳」のヒットの影響か?)。

 背面のラベルを見ると、輸入有機ぶどう果汁使用とか、輸入ブド
ウ果汁使用というように、海外産原料を使ったことは記されている。
というのも、先の自主基準では、海外産原料を使用した場合には、
輸入ブドウなのか、輸入ワインなのか、それとも乾燥ブドウなのか、
使ったものの形状に応じてそれらを記すことが定められているから
だ。

 ただ、輸入ブドウ果汁(正確には加熱して濃縮した果汁)を薄め
るのに使った「水」は原料として表示されていない。実は先のEUの
規定では、ワインに水を使うことは禁じられている。またブドウの
原産国も記されていない。これほど食のトレーサビリティーが問題
に取り上げられるなか、原料や原産国くらいは記してほしいものだ。

 明治学院大学でワイン法を研究する蛯原健介教授は「現在、国際
的な視点から見てもワインや果実酒についての表示を再検討すべき
時期に来ている」と語る。筆者も全く同意見だ。

 一方、ここ2、3年、「日本ワイン」という言葉が頻繁に見かけら
れるようになってきた。例えば東京・渋谷の東急東横店のワイン売
り場。そこでは、「日本ワイン」というサインがワインの陳列棚の
上に掲げられている。この言葉は国産ワインと対比する形で「日本
のブドウから造ったワイン」という意味で使われている。

 そもそも日本ワインブームのきっかけは、ブドウ栽培を重視した
小規模ワイナリーの隆盛だった。しかしここ最近になって、大手が
本気になって日本ワイン造りに乗り出している。2010年にサントリ
ーワインインターナショナルが「日本ワイン(にほんワイン)は日
本のブドウで造ったワインとする」と表明、追って12年にメルシャ
ンが「日本ワイン(にっぽんワイン)は日本のブドウで造ったワイ
ン」と発表した。

 「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれないが、海外産
原料を使った果実酒と日本のブドウで造った日本ワインを区別する
ことは長年タブーとされてきた。

 「ワイン造りはブドウづくり」、「ワインは風土を表すもの」と
いう言葉は、多くのワイナリーがモットーとして掲げる。しかし実
際には、1970年代に安価な海外産ワインが日本市場に押し寄せてき
た際に、多くのワイナリーは安価な原料を求め、日本の農家が育て
るブドウではなく、海外産の濃縮果汁やバルクワインの輸入を増や
した。

 標榜するモットーとは裏腹に、海外原料への依存度が高いのが実
状だった。大手ワインメーカー2社が「日本ワイン」の定義を表明
したことは、ワイン業界にとって非常に重要なことだったのだ。

 ただ国税庁の2011年のデータによると、日本ワインは国産ワイン
のうちの2割を下回り、残りの8割強は大手メーカーによる海外産原
料を使った果実酒ということになる。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130510/1049158/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は関東農政局のサイトにある、シンポジウムのお知らせです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■「日本ワイン」とその可能性を探る
〜日本の醸造用ぶどうは期待に応えられるか〜の開催について

 関東農政局では、平成27年4月9日(木曜日)にラフレさいたま櫻
ホールにて「『日本ワイン』とその可能性を探る〜日本の醸造用ぶ
どうは期待に応えられるか〜」と題し、シンポジウムを開催します。

 シンポジウムでは、「ヴィラデストワイナリー」のオーナーとし
て、長野県東御市にて醸造用ぶどうの栽培とワインの醸造をされて
いるエッセイストの玉村豊男氏をお招きして基調講演をいただくほ
か、日本ワインの製造や醸造用ぶどうの生産にかかわる各分野の実
践者の方に事例発表していただきます。

1.目的・経緯

 関東甲信地域は、山梨県、長野県を中心に、国内のワイナリーの
過半を占めるワイナリーが立地する国内随一の国産ワインの産地で
す。近年、各ワイナリーでは、大手、中小を問わず、地域の醸造用
ぶどうの生産農家からの買い取りを増やしたり、自ら醸造用ぶどう
の生産に取り組み、日本ワインを生産しようとする動きが活発化し
ています。

 これまでの努力により一定の評価が得られている日本ワインを更
に振興し、地域経済を活性化させるためには、醸造用ぶどう生産の
質的・量的な向上が不可欠です。こうした中で、有識者からの講演、
関係者間での情報交換などを通じて、日本ワインとそれを支える醸
造用ぶどうの生産振興のためのシンポジウムを開催いたします。

http://www.maff.go.jp/kanto/press/kikaku/150310.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今年になってから、こういう取り組みをしているのですね。

 私は宮沢賢治学会というのに所属していて、時々岩手県で開かれ
る催しに出席するのですが、ある時その場で地元産ワインというの
が出されたことがあります。

 当時の代表理事はフランス生活も長い詩人・学者の天沢退二郎氏
でした。「こんなものはワインではない!」と先生が怒っていたの
を思い出します。

 理由は言わずもがなですが、まずくて評価に値しないということ
でした。

 私も日本のワインの品質と生産量には疑問を持っています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■日本のワイン法制定の必要性

                        橋 梯二

 近年、日本でのワインの消費量は徐々に増加してきており(一人
当たりの消費量は2012年で3.1L、東京だけで見ると7.7Lになる。20
12年)、ワインは日本の食生活に定着しつつあると言ってよい。こ
れに伴い、日本のワインも良質のものが生産されるようになり、最
近では日本的特徴のあるワインの生産が追求されるようになってい
る。また消費者も産地を反映したワインを評価するようにもなって
おり、日本ワインブームのような現象も見られる。さらに、わずか
ではあるが日本ワインがヨーロッパやアジアに輸出され始めている。

 しかし、国産のブドウから醸造される日本ワインは国内消費量の
約6%にすぎず、しかも、日本ワインブームといっても最近日本ワ
インの生産量はほとんど増加していないと推計される。したがって、
消費量の増加は、輸入果汁によるワインと輸入ワインの増加で賄わ
れている。2012年では、輸入果汁からつくられるワインは全消費量
の23%であり、輸入ワインが71%も占めている。

------------------------------------------------------------
日本におけるワインの供給量(消費量)2012年 (千KL)
------------------------------------------------------------
国内で生産されたワイン(国産ワイン) 99
  日本産ブドウで生産されたワイン(日本ワイン)  21
  輸入果汁によるワイン              78
------------------------------------------------------------
輸入ワイン             245
------------------------------------------------------------
合計                344
------------------------------------------------------------

 しかも、農業の体力が衰えていることや、原料ブドウの価格が安
いことから農家のワイン用ブドウの生産は生産県により違いもある
が、総じて減少傾向にある。このようなことからワイナリーは、自
社でのブドウ生産を強化しているものの、原料ブドウが十分手当て
できないこともある状況である。これには農地法上の制約もある。
一方、輸入果汁は、良質のものが合理的な価格で入手することが可
能となっており、輸入果汁による国内産ワインがかなり多く生産さ
れるようになっている。

------------------------------------------------------------
ブドウのワイン用等加工仕向け量の推移  単位:トン
------------------------------------------------------------
2004  12,204
2005 11,646
2006 13,400
2007 12,656
2008 11,059
2009 10,590
2010 10,084
2011 9,671
------------------------------------------------------------

 この統計は、ワイン用ブドウの生産量の半分程度しか把握してい
ないと推計される不完全なものであるが、日本国内でのワイン用ブ
ドウの生産が増加していないことを示唆している。

 さらに、ワインのグローバル化は急速に進展しており、中国をは
じめインド、ヴェトナムなどでのワイン生産が盛んになりつつあり、
国際的な競争はますます激しくなることが予想される。二国間自由
貿易協定などによりワインやブドウ果汁の関税が一層引き下げられ
ると、日本にとっては国産ブドウによるワインを造り続けていく上
で難しい状況になりかねない。

 ワインについてフランスをはじめ世界では地理的表示・原産地呼
称制度を導入し、自国の産地でできたブドウを使い産地を表現した
ワインを上質ワインと位置付け、その質の向上と生産の振興、さら
には輸出の拡大に努めている。アメリカ、オーストラリアなどの新
世界のワイン生産国も地理的表示制度を採用し、ワインについては
地理的表示制度が上質ワインの世界的な枠組みになっている。さら
に、ワインの表示についてはかなり詳細で厳格な法的基準を設け、
消費者の利益の保護を図っている。

 一方、日本では、ワイン法自体が存在していないうえ、地理的表
示制度も法律によるものはなく、国産ブドウによるワインを積極的
に育てていく仕組みが存在しない。従って、ワインの表示において
輸入果汁によるワインであるかどうかが明快にわかるような仕組み
となっておらず国産ワインといってもどの程度あるいは何が国産な
のか表示では判然としない状況である。不思議なことに日本ではワ
インについては表示に関する法制度が存在しないのである。日本に
おいても地理的表示制度を導入しつつ、表示制度を整備しないと、
日本のワインはグローバル化に呑みこまれて、国産のブドウによる
日本ワインが消滅する危険すらあろう。

 これに対して、日本のブドウによるワインがなくなっても輸入果
汁からつくられる合理的な価格のおいしいワインが供給されればそ
れでよいのではないか、上質ワインは輸入ワインでまかなえばよい
という意見もあろう。こうなるとワインに対する価値の置きどころ
と食文化の問題である。日本でワイン用ブドウの生産が消滅すると
いう問題以上に消費者がワインの価値をどう見るかという問題に帰
着する。

 さらに、日本ではワインについて地理的表示制度がほとんど存在
しないことによる現実的な問題もある。世界のワインの枠組みによ
ると地理的表示ワインでないと通常消費ワインとみなされ、輸出す
る場合、産地表示が認められないなど不利な取り扱いを受け、輸出
障害となる。特にヨーロッパはこれに関する取り扱いが厳しく、地
理的表示ワインでないと、産地表示以外にも「樽熟成」、「樽発酵」、
「シュールリ」、「びん内二次発酵」、さらには「シャトー」など
の表示は認められない。従って、現在、甲州ワインがヨーロッパに
も輸出されているが、産地表示ができないなど表示の問題で困難に
直面している。

 ただ、山梨のワインについては、2013年7月に国税庁から地理的
表示の指定があったので、以上のような問題は、解消されると期待
されるが、その他のワインは問題が残る。

 また、自由貿易協定などで、地理的表示の取り扱いについて取り
決めが行われる例が多くなっており、これに伴って互いの市場で保
護すべき地理的表示ワインが登録されるようになっている。たとえ
ば、日・EUの自由貿易交渉において、地理的表示の考え方が議論
され、また、地理的表示ワインで保護されるべきワインの登録が行
われると予想されるが、日本にはそのベースになるものがないとい
うことになり、日本には登録すべき上質ワインは何もないという海
外の評価になりがちであるという問題もある。ただ、地理的表示山
梨のワインだけは、協定に登録されると期待される。

 以上のような状況にあるにもかかわらず、日本では、行政も、業
界もワイン法を制定する積極的な動きは、まだ示していない。山本
博氏が業界と学識経験者から成る日本ワイン法制定研究会を設立し、
運動を展開しているが業界全体の反応は、まだはかばかしくない。

 消費者はヨーロッパなど海外の地理的表示ワインを高く評価して
いるものの、日本に地理的表示が必要とはあまり認識しておらず、
ワインの表示の厳格さを求めてもいないようにも見える。

 現在、日本では日本ワインブームともいえるほど、日本ワインが
注目されるようになっており、ワイナリーを訪問する消費者も多く
なっている。ここで「日本ワイン」というのは国産のブドウによる
ワインのことである。近年、生産者の努力により品質が向上し、日
本的特徴があるワインがつくられ始めている。ワインをつくる人は
その土地のブドウを使い土地(テロワール)を表現したワインつく
りに情熱を傾ける。消費者も産地を語ることに楽しみをみいだすよ
うになっている。このような方向を大切にし、支援し、確かなもの
とするため日本のワインの法制度を整備する必要があろう。

http://www.ab.auone-net.jp/~ttt/winelaw.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 突然、「日本ワイン」がブームになったり、生産量が飛躍的に伸
びたり、国際的にも高い評価を得たり、という記事をよく見かけま
すが、ここに紹介されている数字を見る限り、どうにも信用できな
いと思ってしまいます。

 ブドウの生産量が減少傾向なのに、そのブドウを使ったワインの
生産量が増えるというのはどういうマジックなのでしょうか。

 そもそも日本の風土で、高級ワインの原料たる、高糖度のブドウ
ができるとは思えないのです。(不可能とは言いませんが、大量に
生産できるほどとれるとは思えません。)

 ということで、ワインに関しては「日本のブドウによるワインが
なくなっても輸入果汁からつくられる合理的な価格のおいしいワイ
ンが供給されればそれでよいのではないか、上質ワインは輸入ワイ
ンでまかなえばよいという意見」の方が当たっているように思いま
す。

 それとも、そういう「偏見」を覆す「技術革新」があったのでし
ょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 5月6日から開かれる展示会のために、上海に行く予定でしたが、
義母が今までいた施設から病院に移され、予断を許さない状況とい
うことで、急遽断念しました。元々母の手術予定があったり、息子
に第二子が誕生予定だったりした中で、風当たりが強かったのです
が、上海行きをあきらめたことで許してもらいました。

 2歳半になる孫もそのあおりでこの春から保育園に通っています。
今までの母親と二人の甘い生活が終わり、苦難の人生の始まりです。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-808号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数3790名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「[\]安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/