安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>802号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------802号--2015.03.22------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「HACCP」

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---〔話題〕-------------------------------------------------

 「食品安全情報blog」にこんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■津波による日本の福島県での核惨事から4年後をJustin McCurry
が報告する。

(終わりのほう)

 長引く避難生活で、避難住民の健康状態が悪化している。

 Imperial College Londonの分子病理学教授Gerry Thomasは福島
の子どもたちのスクリーニングでみつかった甲状腺がんは他の県と
同様でウクライナやベラルーシのベースライン報告低いが、次の検
査では子どもたちの年齢が上がって自然発生甲状腺がんが急激に増
える年齢になるため増加するだろう、という。

 自宅での放射線由来の健康影響より長期にわたる避難生活のほう
が遥かに大きな健康への脅威であることに他の専門家は合意してい
る。Oxford大学の物理学名誉教授Wade Allisonや「正確な放射線情
報のための科学者」の他のメンバーは、「避難により避けられる被
曝量が健康に影響するにはあまりにも少なすぎるためほとんどメリ
ットのない長期避難による健康への有害影響がわかっていたのに、
福島でもチェルノブイリと同じ間違いが繰り返された」という。彼
らはWHOに対し、「避難している人たちは2012年には自宅に戻れて
がんリスクの増加もなかった。もしWHOが福島の住人に対して自宅
に戻ってもがんリスクは増えないというしっかりとした確固たる声
明を発表していたら、恐怖を排除し日常生活に戻るのに役立っただ
ろう」と述べた。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150316#p13
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「避難している人たちは2012年には自宅に戻れてがんリスクの増
加もなかった。」だから、この段階ではすでに避難は間違った対応
だったということです。

 次は漁業に関して、朗報といえるものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 福島の漁業の完全復活の日も遠くはない。そう思わせるニュース
が2つ、立て続けに報じられました。

 まずは、福島県が継続している魚介類のモニタリング調査で、今
年2月に採取したすべての検体が国の基準値を下回ったというニュ
ース。月間で1検体も基準値超えがなかったというのは調査以来初
めてとのこと。これはまさに「吉報」ということになりましょう。

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■魚介のセシウム、全て国基準値以下に(朝日新聞/2015.3.20)

 東京電力福島第一原発事故後に県が沿岸海域で続ける、魚介類1
キロあたりに含まれる放射性セシウム濃度を調べるモニタリング検
査で、2月に取った全ての検体が、国の基準値(1キロあたり10
0ベクレル)を下回った。月間で1検体も基準値を超えなかったの
は、調査を始めた2011年4月以降で初めて。

 19日、いわき市であった地元漁業者の会合で県水産試験場が示
した。それによると、2月は696検体を取り、基準値超えはなか
った。検出限界値(同16ベクレル前後)未満が全体の84・2%
を占めた。数値は試験操業対象魚種を決める材料とされる。
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 国の基準値を超えた個体が1つもなかったことも喜ばしいのです
が、さらに重要なのはその中身。全696検体のうち、実に84.2%が
検出限界値(16ベクレル前後未満)を下回ったということは特筆す
べきことでしょう。安全性が確認された魚種はすでに試験操業に対
象になっていますが、それ以外の、沿岸の比較的浅い海域を泳ぐよ
うな魚種についてもセシウムの排出が進んでいるものと推察されま
す。

 こうした傾向は別の調査でも明らかになってきました。この記事
が報じられたのと同じ日に福島民報に掲載されたニュースによると、
福島第一原発周辺部以外の海域で、セシウムの濃度が原発事故前の
水準に戻っていること、そして、ほとんどの魚種でセシウム濃度が
低下していることがわかったというのです。

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 海水セシウム事故前水準に 第一原発の周辺以外 福大研究所報
告(福島民報/2015.3.20)

 福島大環境放射能研究所の第1回成果報告会は19日、福島市の
同大で開かれた。研究所の青山道夫教授は、東京電力福島第一原発
周辺部以外の海水中の放射性セシウムが、原発事故前の水準に戻っ
ているとの調査結果を示した。魚の筋肉への放射性セシウムの移行
が、ほとんどの魚種で濃度低下していることも明らかにした。
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 2つ目のニュースに関しては、海域についての詳細なデータが掲
載されていないので、このニュースのみをもってして「福島の海域
はすべて安全だ」と言い切ることは当然できませんが、2つのニュ
ースに共通して言えることは、

1、福島第一原発の湾外では、海水のセシウム濃度が下がっている。

2、従って、その海域を泳ぐ魚からセシウムの排出も進んでいる。

3、基準値を超えるほど汚染された魚はほとんど見当たらなくなっ
ている。

ということです。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/komatsuriken/20150320-00044053/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 マスコミ報道からは信じられない気がしますが、事態は完全に
「アンダーコントロール」されています。次も同じようなニュース
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■本県沖の魚、基準値超はゼロ 2月検査、震災後初

福島民友新聞 3月20日(金)11時34分配信

 本県沖で2月に採取した魚介類の県の放射性物質検査で、放射性
セシウムが食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えた検体
がゼロだったことが19日、分かった。月ごとの検査結果で基準値超
の検体が一つもなかったのは震災後初めて。県水産試験場が同日、
いわき市で開かれた同市漁協の会合で検査結果を示した。

 2月の結果について同試験場は「震災から4年が経過し、高濃度の
放射性物質を蓄積した魚が死に、代替わりしていることや、魚体に
蓄積された放射性物質が体外に放出されていることなどが要因」と
分析する。

 2月に検査した検体数は696検体で、国が出荷制限を指示している
アイナメやイシガレイ、ヒラメなども含まれる。不検出の検体は全
体の84.2%だった。

 同市漁協の矢吹正一組合長は「今後の試験操業や本格操業に向け
て好材料。時間をかけ安全な魚を提供できるようにしていきたい」
と語った。東京電力福島第1原発からはこれまで、汚染水が流出す
る問題が相次いでいるが、同試験場は「海に流れてもすぐ海水で希
釈され、魚への影響は少ない」とみている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150320-00010003-minyu-l07
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「汚染水」の濃度と量から考えて、こういう結果は当然と言えま
すが、連日「汚染水」報道をされると誤解している人も多いと思い
ます。

 中には誤解ではなく、意図的に悲観的な予想(願望)をたれ流す
人たちもいます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

―しかし、低線量被曝では鼻血はあり得ないとする専門家も多いで
すね。

雁屋 でもね、彼らは鼻血が出ない根拠を科学的に説明しないで、
あり得ないと言う。御用学者が言うことは科学でもなんでもない。
彼らは政治言語をしゃべっているだけです。

http://news.livedoor.com/article/detail/9905029/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この人たちにとって「科学的根拠」というのは自分たちの思想や
願望を裏付けてくれるものしか認めないものなのです。

 人畜無害な願望ならよいのですが、その願望が多くの人を中傷し
ていることにさえ気づかない。

 以下はそうな人たちに対する感想です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 福島県差別を繰り返す人々は、一見戦争に反対していたり、安倍
政権を批判しているように見えます。多大な負担を強いられている
沖縄県にも寄り添っているように見えますし、何より、芸術や音楽
を愛している方が多そうに見えます。しかし、そうした方が福島県
を差別し、差別的な言動で誰かを傷つけている。これはいったいど
うしたことか。

 私だって原発事故で大変な思いをした1人です。原発は、やはり
減らしていければいいなあと考えています。しかし、「福島ではガ
ンで人がバタバタ死ぬ」とかいう人と一緒に手をつないで未来を共
有できるかと言われれば難しい。私は、分からないなりに学び、科
学的な視座に立ってデータを読み取り、1つひとつ不安を解消しな
がら、より現実的で、より誰かを傷つけない手法でエネルギーにつ
いて考える人たちと一緒に未来を考えたい。

 原発を減らそうと考えるならば、そろそろ(というか遅すぎるく
らいですが)、差別主義者とは決別しなければなりません。

http://ewa4618.tumblr.com/post/108356900488
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「HACCP」
------------------------------------------------------------

 厚生労働省で「食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及の
ための検討会」というのが開かれています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■厚労省、HACCP普及へ素案 自主的取組み促す

 厚生労働省の「食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及の
ための検討会」は16日、具体的な普及方策の素案について検討した。
年度内にまとめる予定の最終報告のたたき台。承認制度である総合
衛生管理製造過程(マル総)と異なり、企業の自主点検など自主的
取組みを促す、近い将来のHACCP義務付けの準備を急ぐための制度
だ。

http://news.nissyoku.co.jp/Contents/urn/newsml/nissyoku.co.jp/20150318/ITO20150316083145872/1
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は厚生労働省のサイトの資料から。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2 我が国における HACCP 普及状況

○ 「食品製造業における HACCP手法の導入状況実態調査」(平成
25年度、農林水産省)によると、食品製造業界における HACCPの普
及状況は、大規模層(食品販売金額100億円以上)では約8割の事
業者が導入済みである一方、中小規模層(同1〜50億円)では約3
割にとどまっており、中小事業者における普及が進んでいない状況
にある。

○ 一方、同調査において、HACCP の「導入を検討している」及び
「今後、導入を検討する予定」の事業者がすべて導入した場合の中
小事業者を含めた導入率は、「乳製品製造業者」では9割を超え、
「調味料・製粉・油脂等製造業」、「その他の畜産食料品製造業」、
「水産食料品製造業」、「野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製
造業」では約5割となる。

○ これらを踏まえれば、中小事業者も含め、HACCP の導入に関心
を持っている事業者は少なくないと考えられ、これらの事業者にお
いて着実な導入を推進することが、我が国における HACCP普及に重
要であると考えられる。

3 更なる普及方策の方向性

(1)HACCP 導入に前向きな事業者やニーズが高い業種に対する助
言等の支援

 HACCP に関する事業者の関心は高まっており、中小事業者も含め、
導入の検討に前向きな事業者は少なくない。まずもって、導入に前
向きな事業者における HACCP 導入を実際のものにしていくことが、
今後、HACCP の普及を一層促進していくために重要である。

 また、HACCP は幅広い食品等事業者に対して普及を推進すること
としているが、特に以下のような業種については、HACCP 導入の必
要性やニーズが高いと考えられ、重点的に導入支援を行う必要があ
ると考えられる。

・我が国における衛生管理の一層の徹底を図る観点からは、フード
チェーンにおいて多くの事業者が関与する業種や、食中毒が起こっ
た場合に広域化・大規模化するおそれが高い業種

・輸入食品の安全性を確保する観点からは、相手国に対して適確な
HACCP の実施を求めていく必要性が高い業種

・輸出促進の観点からは、諸外国への輸出ニーズが高い業種

(2)消費者や流通・販売業界も含め、HACCP に対する本質的な理
解・関心の醸成

 中小事業者からの直接の購入者は、消費者に加えて、流通・販売
業界が多くを占めると考えられる。これまで導入率が低い業種にお
いても、消費者や流通・販売業界も含め、HACCP に対する本質的な
理解や関心が高まれば、HACCP 導入に積極的になることが期待され
る。一方、食品衛生の観点から求められる HACCPの内容がコーデッ
クス委員会の示す HACCPの考え方に合致したものになるよう、流通
・販売業界も含めた食品等事業者、自治体、関係団体等における理
解の共通化のための取組を進めるべきである。

(3)コーデックス委員会の柔軟性の考え方も踏まえた、事業者の
導入負担の軽減

 HACCP 導入が伸び悩んでいる中小事業者においては、「HACCP は
高度で難しい」というイメージがまだ根強いが、導入事業者からは、
「やってみると次第に定着していく」という感想も寄せられている。
導入にあたっての心理的ハードルを解消するための普及啓発と、実
際に導入するにあたってそのまま事業者の現場で活用できるツール
の整備を進めるべきである。また、コーデックス委員会が示す柔軟
性の考え方も念頭に置いて、中小事業者であっても7原則12手順を
確実に実施するための方法についても示していくことが必要である。

(4)HACCP 導入に取り組むメリットを向上させる仕組みづくり

 食品等事業者からは、HACCP に取り組むことのメリットが感じら
れるような仕組みづくりが求められている。流通・販売業界等にお
いては、製造業者等が HACCPに取り組んでいるかが分かるようにし
てほしいとのニーズがある。一方、これまで、HACCP の実施そのも
のよりも、総合衛生管理製造過程の承認等の認証を取得することが
目的化してしまったことや、HACCP は認証を求める一部の事業者の
みが実施するものと認識されてしまったこと等を踏まえる必要があ
る。HACCP の本質は、事業者において自主的な衛生管理の取組が継
続的に実施されることである。このため、中小事業者も含めた事業
者が自らの取組がコーデックス委員会の示す HACCPに適合している
かを自主点検し、行政としても、こうした事業者の取組をアピール
する仕組みについて検討すべきである。

(5)食品産業全体での推進の必要性

 食中毒の未然防止や食中毒発生時における迅速・適確な原因究明、
再発防止など、食品衛生を確保するための HACCPの導入効果は、食
品の製造、加工から流通、販売に至るフードチェーン全体で HACCP
による衛生管理が実施されることによって最大化される。我が国の
食品産業全体に対する信頼感の醸成と国際的な評価の向上を図るた
めにも、食品産業全体で HACCPの普及を推進することが求められて
いる。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000078044.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下はHACCPの「普及率」です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■食品製造業計(年次)
平.12(参考)             3.3
平.18                 10.6
平.22                 15.6
平.23                 20.3
平.24                 20.8

■業種別
畜産食料品製造業計             35.1
乳製品製造業              49.8
その他の畜産食料品製造業        30.7
水産食料品製造業              25.7
野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業  15.9
調味料・製粉・油脂等製造業         32.7
パン・菓子製造業              11.9
その他の食料品製造業            20.9
清涼飲料・酒類等製造業           12.4

■食品販売金額規模別
  5,000万円未満              11.9
  5,000万円〜1億円未満          11.0
  1億円〜3億円未満           13.6
  3億円〜10億円未満           25.3
  10億円〜50億円未満           47.9
  50億円〜100億円未満           65.5
  100億円以上               80.6
  (小計)1億円〜50億円未満       24.8

■従業者規模別
5  〜 9人            8.3
10  〜 19人            21.2
20  〜 49人            19.4
50 〜 99人            45.4
100  人  以  上           68.2

■輸出の状況別
既に輸出をしている           32.5
輸出を検討している           29.3
輸出は検討していない          18.8

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001120047
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 輸出している企業でも、1/3以下の普及率です。国際的にはす
でに常識となっているHACCPですが、日本では極端に低い普及
率になっています。

 「日本の安全な食品」などとはいったいどの口が言うのだ?とい
うことです。

 そこで、こんな普及事業を行うのだそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

平成27年度地域連携 HACCP 導入実証事業(モデル事業)

■事業目的

 食品製造等における衛生管理手法であるHACCPの普及促進を図る
ことにより、食中毒の未然防止や食中毒発生時における迅速・適確
な原因究明、再発防止など食品衛生の確保を図るとともに、政府の
農林水産物・食品の輸出促進策を視野に入れた国際的な対応を可能
とすることを目的とする。

 また、本事業実施により、HACCP導入促進に向けた地域の連携を
図るとともに、導入の過程・結果で得られた効果等について、助言
・指導を行う全国の自治体や関係事業者等において幅広く共有する
とともに、中小事業者を始めとした民間事業者のHACCP導入がより
促進されるための方策の検討に活用する。

■事業内容

(1)食品等事業者のHACCP導入を普及するために、自治体(近隣
自治体を含む)が地方厚生局等関係機関と協力しながら、普及策を
策定する。

(2)自治体に食品等事業者のHACCP導入を実際に支援してもらい、
食品等事業者がHACCPを導入していく過程で生じた課題、その課題
に対して実施した解決策などを詳細に記録し、またHACCPを導入す
る施設の導入状況の変遷も写真に記録し、国に報告する。

(3)また、HACCP導入による食品等事業者の従業員の意識の変化、
生産性の向上等、HACCP導入の効果についても調査し、国に報告す
る。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000078044.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私には無駄遣いの典型に見えてしまいます。食品の安全を確保す
るには、さっさとHACCPを義務づけて、対応できない業者には
退場してもらうしかないと思います。

 以下はおまけで、HACCPの原則について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 HACCPの導入では、あらかじめHACCPプランといわれる衛生管理の
ためのマニュアルを作成しておかなければなりません。このマニュ
アルには、「HACCPの7原則」を必ず盛り込む必要があります。これ
らの内容は、よく見ると食品の衛生管理の際に、誰でも考えること
です。

(1)安全で衛生的な食品は、どうすればつくれるか? どのよう
な種類の病原菌が、どのような時に汚染し、増えるか?それを、防
ぐにはどうすればよいか?

■原則1:危害分析

(2)どこの工程を注意すればよいか?

■原則2:CCPを決める。

(3)その工程では、どのような基準で衛生管理状態を判断すれば
よいか?

■原則3:管理基準を決める。

(4)どのような方法で判断するか?

■原則4:モニタリング方法を決める。

(5)もし、基準からはずれていることがわかったら、どうすれば
よいか?

■原則5:改善措置を決める。

(6)自分が行っている衛生管理に間違いや手抜かりはないか?

■原則6:検証手順を決める。

(7)以上の手順や判断結果を記録に残しておかなくてもよいか?

■原則7:記録の維持管理方法を決める。


 以上の7つの原則をHACCPプランに盛り込む前に、次の5つの手順
が必要です。これらをあわせて、「HACCP導入のための12手順」と
いわれます。

□手順1

 食品生産者自身がHACCP導入の必要性を強く認識し、プランの作
成およびそれによる衛生管理の実施を担う専門家チームを編成。

□手順2

 原材料および最終製品はどのようなものか。

□手順3

 その食品はいつ、誰が、どこで、どのようにして食べるのか。

□手順4

 その食品の製造工程一覧図および製造施設内見取り図を作成。

□手順5

 手順4で作成された製造工程一覧図および施設内見取り図を現場
で確認し、同時にSSOPによる一般的衛生管理プログラムの作業状況
も確認。

■危害分析

 7原則の中で、最も基本になるのが危害分析です。危害分析の結
果に基づいて、CCP、管理基準、モニタリング方法、改善措置、検
証方法が決まるからです。

 危害分析とは、原材料から最終製品に至るまでの工程の中から危
害の発生する恐れのある工程、それらの各工程における危害、その
発生要因および防止措置を明らかにすることです。これらを一覧表
に示した表を「危害リスト」といいます。次の5つの段階を経て作
成します。

(1)原材料に由来するすべての危害をリストアップします。

(2)工程順に各工程で発生するかもしれないすべての危害をリス
トアップします。

(3)手順1および2でリストアップされた危害の中で、必ず管理
することが必要な危害を選びます。

(4)選ばれた危害について、その発生する要因を明らかにします。

(5)発生する要因をなくすための方法(防止措置)を明らかにし
ます。

■CCP

 CCPを決めるには、まず危害リストに示された各工程の危害につ
いて、その発生要因を一般的衛生管理プログラムでなくせるかどう
か判断します。なくせない場合に、次の4つの質問を順次行ってCCP
か否かを判断します。

質問1 危害をなくすための方法はありますか?

● 方法がある場合は、Q2に進んでください。
● 方法がない場合は、CCPではありません。

質問2 この工程は危害をなくしたり許容範囲にまで少なくするこ
とを特に目的としていますか?

● 目的としている場合は、CCPと判断します。
● 目的としない場合は、Q3に進んでください。

質問3 危害が許容範囲を超える可能性がありますか?

● 可能性がある場合は、Q4に進んでください。
● 可能性がない場合は、CCPではありません。

質問4以降の工程で、危害をなくしたり許容範囲にまで少なくする
ことができますか?

● できる場合は、CCPではありません。
● できなけれは、CCPと判断します。

http://www.n-shokuei.jp/food_safety_information_shokuei2/food_hygienic/haccp/sec05.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「危害には許容範囲を決める」「危害をなくすための方法がなけ
ればCCPもない」「後の段階でコントロールできるなら、そこで
はCCPを設定しない」くらいが注意点でしょうか。

 HACCPは根本的な考え方が従来の品質管理とは違います。以
下はその対比です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

HACCPによる工程管理で食品事故の未然防止(製品検査との違い)

○最終製品検査のみを実施する場合に比べ、全工程を管理すること
で、効果的に問題のある製品の出荷を未然に防ぐことが可能。

■従来の製品検査

□取り組む段階:最終製品

□取り組む方法:一定率の抜き取り検査(一定の見逃し率が存在)

□対応・効果:検査で不適合を見つけたら、一連の全ての製品の廃
棄が必要

■HACCPによる工程管理

□取り組む段階:原材料受入れから最終製品までの全工程

□取り組む方法:あらかじめ危害を予測し、危害防止につながる特
に重要な工程を継続的に監視・記録

□対応・効果:効果的に問題のある製品の出荷を未然に防止

※HACCPを導入しない場合は、品質管理の方法である最終製品
の抜取検査が、主な食品安全の担保手段です。なお、HACCP導
入後も最終製品の抜取検査を行いますが、これは、HACCPシス
テムの検証を目的として行うものであり、導入前の抜取検査とは目
的が異なります。

http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/haccp/h_about/pdf/haccp.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 食品企業の半数くらいが「製品検査」さえほとんどしていないの
が実情だと思います。

 HACCPを普及させていくのが正しい道だと思いますが、日本
はここでも世界最後の「秘境」として残るのかもしれません。「高
貴な野蛮人」の誇りを持って生きるというのも一つの道ですが。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 いよいよ桜の季節です昨年はちょうどこの頃に入院していたので、
今年は花見を楽しみたいですね。

 二歳の孫が反抗期の始まりで、何をしても「いやなの〜」などと
言っています。まもなく妹?が生まれるのに困ったものです。

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