安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>801号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------801号--2015.03.15------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「有機野菜はウソをつく」

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---〔話題〕-------------------------------------------------

 「僕が菜食をやめた理由」というブログが一部で話題になってい
ます。菜食といっても「マクロビオティック」だそうですが、要約
は以下のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
はちま起稿
2015.3.6 17:50

 ベジタリアンをやめたブログ『僕が菜食をやめた理由』が話題に!
「健康的かと思いきや体調不良に」「マクロビオティックは宗教の
よう」

しあわせごはんとおやつneem
僕が菜食をやめた理由
http://neem.ti-da.net/c320433.html

1〜8までの記事を要約

・菜食やマクロビオティックについて自身の紹介を踏まえて紹介

・22歳の時にベジタリアンライフをスタートし、31歳になるまでほ
ぼヴィーガンスタイル(完全菜食主義)な食生活だった

・白砂糖は食べないし、野菜や米や調味料を厳選して食べてきた

・健康的だと思うかもしれないが、体調不良にしばしば陥った

・また常に低血糖症という問題に悩まされた

・マクロビオティックの教えにあるような食生活をしても体調トラ
ブルを重ねるばかり

・そんな時、歯科医である長尾周格先生の「肉食を推奨し、菜食を
痛烈に批判」する情報発信に出会った

・人類が誕生して以来、農耕による炭水化物主体の食生活をしてい
るのは、わずか1/700という期間

・先住民族は食事の7割程度を動物性から摂取しており、植物性の
みで健康体を維持した民族は皆無

・マクロビオティックと真逆の考え方だが、歴史的な検証をもとに
語られる情報は、根拠の説明できない陰陽論をベースに語られるマ
クロビオティックよりも遥かに信憑性が高いと感じた

・肉食の方がヒトの食性にあっていると判し、思い切って断糖肉食
をスタートした

・その結果、低血糖感が消え、劇的な体調の好転が訪れた

・また、心が穏やかになり怒りっぽくなくなった

・断糖肉食によってマクロビオティックを信じていた価値観が180
度変わった

・マクロビオティックで体調が良くなった人達もいるが、それは
「甘いもの中毒」など元の食事が悪すぎる人の場合

・しかし数年経つと、その人達は疲れが見えるようになり、人によ
っては深刻な体調不良に見舞われえる

・マクロビオティックの講師や信仰者は、その体調不良を口を合わ
せたかのように「過去の動物性、砂糖、添加物の取りすぎの排毒」
とか、「正しいマクロビオティックが出来ていない」と言う

・僕も似たようなことを言ったことがあり、心の底から反省してい


・玄米の炊き時間の1分2分の差が人生を左右するとか言うバカな人
までいて、酷いビジネスだ

・そもそもマクロビオティックに何の根拠も研究もなく、宗教的感
覚のようなものだ

http://blog.esuteru.com/archives/8083587.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 確かに、「マクロビ」をやっている人で、健康そうな人は見たこ
とがない…。

 と思っていたら、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 森永製菓は、マクロビ素材を使用した「マクロビ派ブラウニー」
と「マクロビ派チップス」を4月7日より発売する。

 今回発売となる2商品は、穀物や野菜中心の食事を摂ることによ
り健康的なライフスタイルを目指す「マクロビオティック」という
考え方に基づいて開発したシリーズを拡充したもの。

 昨年春には、白砂糖やバターなどを使用せずナッツやドライフル
ーツなど10種のマクロビ素材を詰め込んだビスケット「マクロビ派
ビスケット」が発売されており、コンビニの健康食品売場を中心に
計画比150%の好調な売上を示しているという。

 同社の分析によると、マクロビ派ビスケットはこれまで健康食品
の購入機会が少なかった層である20〜30代の女性による購入率が高
いことが分かった。

http://www.zaikei.co.jp/article/20150311/239878.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 森永ほどの大会社が、こんな詐欺まがいをしてはいけないと思い
ます。「根拠の提示」を求められたらどうする気なのでしょうか。

 「マクロビ」は単なる迷信です。それを商売に利用するというの
は、些細な利益のために会社の信用をなくすという背信行為です。
つまり会社も、それを推進した担当者も、犯罪だということです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.カット野菜などに含まれている次亜塩素ナトリウムによってお
肉の色が加熱したはずなのに赤茶色になることはありますか?豚肉
の生のピンク色というか、赤茶色、という感じなのですが。

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A.次亜塩素ナトリウムのせいではなくて、野菜に含まれる硝酸の
せいではないかと思います。

 主に窒素肥料過多などのため、野菜は硝酸態窒素を結構多く含み
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

日本の野菜の硝酸塩含有量

ほうれんそう    3560±552
サラダほうれんそう 189±233
レタス(結球)   634±143
サニーレタス    1230±153
サラダ菜      5360±571
春菊        4410±1450
ターツァイ     5670±1270
青梗菜       3150±1760

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/syosanen/ganyu/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この表は「単位」を書いていないという困ったものですが、mg/
kg(=ppm)と思います。1000ppm=0.1%ですからかなりの量です。

 硝酸は簡単に亜硝酸に変わりますが、亜硝酸はハムなどでおなじ
みの「発色剤」です。亜硝酸が肉の色素(ミオグロビン)と結合す
ることで発色しますが、この化学変化が野菜と肉で起こるわけです。

 ここで留意点は、「添加物」ではなく「野菜」そのものに原因が
あるということですね。

 野菜に硝酸が多く含まれるのはあまりよいことではありません。
そこでこんな取り組みもあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

野菜の硝酸イオン低減化マニュアル

 ヒトが摂取する硝酸イオンは、そのほとんどが野菜由来であると
いわれています。硝酸イオン自体は直接人体に害を及ぼすことはあ
りませんが、ヒトにとって全く必要のないものであり、体内で還元
されると悪影響を及ぼす恐れがあることも一部で指摘されています。

 また、硝酸イオンの野菜への蓄積は、窒素肥料の過剰施肥が大き
な要因と考えられていますから地下水汚染など環境負荷にも関連し
てきます。

 このような観点から、安全・安心および環境負荷低減の両面から
望ましいと考えられる、野菜中の硝酸イオンを減らす取り組みにつ
いて紹介します。

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/vegetea/pamph/010749.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 対策ととしては「肉は別に加熱」すると、このようなことは防げ
ます。煮物なんかでも、最初に色が変わるまで炒めておくとか。

 ミオグロビンは加熱によって不可逆的に変色しますので、その後
亜硝酸に触れても変化しないというわけです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「有機野菜はウソをつく」
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 今回は本の紹介です「Food Watch Japan」の斎藤さんが書いた本
です。少し遅れましたが、ようやく読んだので紹介します。

 まず、出版社のサイトから。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■何を基準に野菜や果物を選べばいいのか

 有機農作物は健康によい、安全、美味しいという大前提は必ずし
も成り立たない。おいしい&安全な野菜であることに有機栽培は必
須ではなかった! 有機信仰から頭を冷やし、賢い消費者として本
当にいい野菜とは何かが見えてくる一冊!

 有機信仰から頭を冷やし、賢い消費者として選ぶべき野菜とは?

■有機栽培は、おいしい&安全であることを保証しない!

 有機農業は非科学であるから、それを売り込んだり買い求めたり
するのは誤りで有害であるとか、そんな売り買いはやめるべきだ、
などとは言わない。しかし、「有機農産物」だから「安全」「安心」
「健康にいい」と結び付ける訴求の仕方(売り方)は明らかに誤り
だ。有機JASなどの規格によって定められた有機栽培が、農業で
最も理想的な栽培方法で、安全も担保するものであるという誤解を
とき、安易なオーガニック信仰に警鐘を鳴らす!

◆有機農作物は本当に健康によい、安全、美味しい? 

いえ、有機だからといってそんなことは保証されていません。

◆有機栽培の志やそれ自体を否定するわけではありませんが、有機
ということに対して、われわれ消費者は間違った期待や幻想を抱き
がちです。 これは有機農業信仰とも密接に結びついています。

◆有機であるから、値段が少々高くても仕方ない、だって安全でお
いしいのだし……。

しかし、そうした見方は、実は偏っており、一面的なものの見方と
言えます。

◆では、どういう基準で野菜を選べば間違いがないのか――

有機どうこうということではなく、野菜本来の姿、育ち方、流通過
程などを知ることが近道です。

野菜の本質を見抜く目をもって、賢い消費者になるための目からウ
ロコの必須知識を授ける一冊。

■目次:

第1章 有機野菜だから安全・安心は大きな間違い

第2章 作物・土・成長のしくみを知った上で、有機栽培を考える

第3章 有機農業はどのような経緯で支持を得てきたか

第4章 必ずしも有機栽培である必要はない

第5章 健康な野菜を見分けることができる、それが賢い消費者


齋藤訓之(さいとうさとし)

http://www.sbcr.jp/products/4797382143.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は齋藤さんの書いた記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

有機農産物だから、おいしい、健康によい、安全ということはない

 「うちの野菜は有機ですから」

 レストランなどでお客さんが食材について尋ねたとき、この一言
で説明が終わり、尋ねたほうもそれを聞いて目を輝かせているとい
った場面に出くわすことがしばしばあります。一般のお客さんなら
まだしも、新聞記者や雑誌編集者が「うんうん!」とうなずいてい
ると、「ちょっと待ちなよ」と言いたくなることもあります。

 有機農産物だから、それがおいしいとか、健康によいとか、安全
だとかということはありません。本来、そういうものとして立案さ
れた基準ではありませんし、現行のコーデックスガイドラインや有
機JAS規格の条文を見ても、そのような好ましい農産物であること
を保証するような内容は見つけられません。

 また、有機農法なるもののそもそもは、環境を破壊しない、環境
と調和することを目指して行われるようになったものですが、現在
有機農法を実践しているという人の田んぼや畑を訪ねてみると、そ
のことをあまり理解していない人もいますし、実際に環境に悪い影
響を与えてしまっている人もいます。それで、なぜ有機を選択した
のかと尋ねてみて、「高く売れるから」とか「有機なら買うという
業者がいたから」という答えが返ってくると、実に嘆かわしいとい
うか、悲しい気分になります。

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150306-00010001-biz_sbcr-nb
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 だいたいスタンスがわかると思います。次は同じく齋藤さんの、
出版の事情についての記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 本日、「有機野菜はウソをつく」(SB新書)が発売となりました。
なぜこのような本を書いたのか、少し事情をお話ししておきたいと
思います。

■有機・非有機両サイドからの指弾

 私はかねて、有機農業というのものが大衆化することに対する疑
問を抱いており、一方で有機農業という考え方自体には生産や社会
に役立つ何かはあるはずとも考え、それに関することを「FoodScie
nce」(日経BP社)で行っていた連載「食の損得感情」にも書いて
きました。

 ただ、こうした考え方は、有機農業に携わる方面からは“修正主
義”と見られ、一方自然科学に携わる方面からは“非科学的”と見
られ、結局のところ両サイドから指弾されるというのが、当時の状
況でした。

 いずれこれはまとめ直して私なりの決着をつけておかなければと
思いながらなかなかその機会を作れずにいたところ、昨年、恩のあ
る編集者から「『有機信仰は間違っている』といった内容の本を書
かないか」と声をかけていただき、「完全否定する話にはなりませ
んが」というところをわかっていただき、今日この本をみなさんに
ご紹介できることになったという次第です。

 タイトルは別案もありましたが、版元サイドで考えていただいた
ものが親しい者の間でも評判がよく、これを採用しました。

■有機から離れる需用者たち

 さて、私個人としては、「食の損得感情」から5年も経っており、
ずいぶん時間がかかったとも思っているのですが、半面、タイミン
グはよかったとも考えています。

 というのは、およそこの2年ほどの間と思いますが、農家、そし
て流通・小売・外食のバイヤー、料理人、実務で活躍しているフー
ドコーディネーターや野菜ソムリエで、「有機であることにはこだ
わらない」と言う人が増えたと感じています。彼らはそのことを誠
実に顧客に伝えています。それもしかたなく伝えるのではなく、む
しろ自分たちが選んだものの価値を説明する枕として、積極的に伝
えているのです。

 このタイプの人たちは、栽培や土壌のことについてよく勉強され
ていて、農家以上に詳しいだろうという人たちもいます。実のとこ
ろ、彼らは勉強して栽培や土壌の本当の有様を知った末に、有機認
証を取ることは自分たちの商業上無意味であるということに、自然
と気付いたのです。時代は変わった、いや進んでいると感じます。

 それで、市場にこうした人たちが先駆的にいるとすれば、国際土
壌年でもある今年、栽培や土壌について、一般向けにはちょっと詳
しすぎるかというぐらいの説明をしても読んでいただけるに違いな
いと考えました。その話をした上でなら、有機栽培の歴史――その
萌芽、展開、変容、さらに隘路にはまった現在の状況を紹介しやす
くなります。そして、そこまで知っていただいた上で、その是非を
読んだ方自身に考えていただきたいというのが、本書の趣旨です。

 蛇足ながら、実はもう一つ“裏テーマ”があります。今日今のと
ころ専門知識とされている農業に関する知識を、私は“国民の知識”
“国民の関心事”にしていきたいのです。これにはFood Watch Jap
anとしても香雪社としても、今年さらに取り組んでいきますが、そ
れに先立つ形で、今回14万字を超えるものとなったこの本を新書と
いう形で、760円(税別)という廉価でご案内できたことはたいへ
んありがたく、版元SBクリエイティブの判断に感謝している次第で
す。

http://www.foodwatch.jp/strategy/tabledesk/51689
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次は個人のブログから、感想です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

齋藤訓之著「有機野菜はウソをつく」について

 Food Watch Japanを運営している齋藤訓之さんが「有機野菜はウ
ソをつく」という非常に刺激的な表題の著書を出された。この表題
から想像される内容を自分なりに予想しながら読み進めたが、中身
は表題ほど攻撃的ではなく、極めて常識的である。それでも、この
内容を書籍という形で世に出すのは、たとえば自分が著者であった
らできるかというとかなり勇気がいる(シャレではありません)。そ
ういった点で齋藤さんのその意気には敬意を表したい。

 第1章は有機農業の定義から、その存在の意義、中身について語
られている。その内容は我々農業の技術者、中でも土壌肥料や病害
虫関係の技術者にとっては常識ともいえる内容であった。ただ、環
境保全型農業の推進を掲げている行政の中で、そこに関わっている
立場からすると思ってはいてもなかなか口には出せない。それは以
前のエントリーでも述べたとおりだ。なので、齋藤さんのこの本が
世に出たことは非常にありがたいのである。

 ともかく、自分としても以前から「自然だから美味しいって本当
だろうか」や「化学肥料、何が問題なのか」などで述べてきたよう
に農業はけっして自然ではないし、自然だからおいしく、安全安心
なのだという考え方には異議を唱えてきた。

 その点において、第1章は論点をきちんと網羅してコンパクトに
述べており、理解しやすいと思う。ただ、この「理解しやすい」は
自分のような農業の技術者でない場合にもあてはまるかどうかは自
信がないので、様々な意見が出てくる可能性はあると思う。

 第2章は慣行農法の元肥偏重主義への疑問の提示からその性質を
よく知らないまま堆肥を使用することなどについての問題点の指摘
などが主体になっており、それに対比する形でブドウなどで取り入
れられている栄養周期理論が取り上げられている。

 元肥に極端に偏った慣行農法の、特に野菜の施肥体系については
問題点の指摘については全くその通りだが、現在の日本の農業の現
状(狭い農地面積で人手で集約的に行うなど)からすれば労力と収量
・品質などのバランスを考えた効率からすると元肥主体が今のとこ
ろベターなのである。もちろん本書ではそいういった点にも理解を
示してはいる。とにかく、技術的な問題点を示しながら、どのよう
に進むべきなのかが直接書いてあるわけではないが、どのように考
えていくべきなのかのヒントがそこにあるのではないだろうか。

 第3章は有機農業がどのように定着してきたかをメインに、近代
農業の歴史みたいな話だった。有機農業に対する認識はほぼ現場の
実感に近いと思う。特にコーデックスや有機JAS成立以前は生産者
も、流通業者も「有機農産物」に対する認識が甘く、何が有機農産
物なのかはっきりしない中でなんとなく良いイメージで世の中に浸
透していたのではないだろうか。一般の人はほとんどの場合有機JA
S法などはその中身を知らないためにそういう変化を知らないまま
のように思えるが・・・。

 第4章では安全安心は有機であるかどうかではなく、どのような
管理体系を組むのか、どういうところに注意すべきなのか重要なの
だと述べている。頻繁に自分の畑をみて、植物の状態を細かく把握
し、変化を見逃すことなく対応できる人が収量も品質も確保できる
のだ。

 私も以前から主張しているように、技術のある生産者の農作物は
有機であろうとそうでなかろうと美味いものは美味いし、技術のな
い人のものはたいがいまずいのである。ただ、ややこしいのはこの
「技術」にはセンスも含まれるというのが私個人の感想である。鍛
えて伸びる部分ももちろんあるが、センスのある人とない人(考え
方を整理できるかできないかも含めて)の間には越えられない壁は
あると思う。

 第5章では、消費者としてどのようなことに気を付けて農作物を
選ぶべきかということについて述べられている。調和がとれている
ものは見た目にも調和がとれている、という視点はなかなか面白い。
言われてみればその通りなのだが、説明の仕方についてはこういう
やり方もあるのかと感心した。

 一点気になったのはチップバーンをカリウムの欠乏としていると
ころである。もちろん欠乏症状として下位葉から出始め、縁が枯れ
るようになってくるというのも間違いではないが、自分の認識とし
てチップバーンと言えばカルシウムの欠乏症で新葉から出てくるこ
とが多く、葉の先端が枯れこんでひきつれたようになる、というも
のである。手元にある資料を調べてみたが、チップバーンはほぼカ
ルシウム欠乏が原因と書いてあるが…カリウム欠乏による下位葉の
枯れこみもチップバーンと呼ぶ場合もあるかもしれないので、ここ
はちょっと保留である。

 ともあれ、全体としてはおおむね同意できるところが多く、この
内容を世に問うてくれたところは大いに評価したい。これだけで流
れが変わるとは思えないが、きっかけの一つになってもらえるよう、
私も自分の立場から働きかけてみたいと思う。

http://gan-jiro.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-3d6b.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私もほぼ同感ですが、印象としては「土壌の話」に偏っているな、
ということを感じました。

 Food Watch Japanに、こんな連載がありました。

土を知る、土を使う(関祐二)
http://www.foodwatch.jp/primary_inds/sekisoil

 世界中の土壌と肥料について書かれていますが、非常に参考にな
ります。特に驚いたのは以下のようなところです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■日本の土は“だしがら”

 筆者は、日本企業が海外で行う栽培事業などのコンサルティング
を請け負い、これまでにオーストラリア、ミャンマー、中国大陸、
韓国、スペイン、イスラエル、サイパン、ドミニカなどの現地に赴
いて、実際にいくつもの土壌調査を行ってきました。それらを通じ
て、日本にいては入手できない実態を知るチャンスを得たのです。

 その結果、降水量の多い日本の土壌と海外の土壌とは、全く異な
る観点から対処していかなければならないものなのだということに
気付きました。

日本の土壌は、風化過程で言うと極限まで進んでしまっているのに
対して、他の多くの地域の土壌では、物理的には形状として粉々に
なってはいても、化学的には岩石が風化している程度が少ないとい
うことです。

 料理にたとえて言えば、日本の土はだしを取った後の“だしがら”、
海外の土はだしを取る前の素材といったところでしょうか。

 日本の土壌は、高温多雨によって岩石が持つさまざまな成分を出
し切ってしまった後の残骸ということです。ですから、一見肥えて
いるような黒い土でも、化学分析すると、そこには成分はほとんど
抜けた状態のものがあるだけです。

 このような状態の土について研究を進めてきた日本の土壌学は、
実は海外にあるほとんどの乾燥地土壌には応用できず、役に立たな
いのです。

http://www.foodwatch.jp/primary_inds/sekisoil/12697
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 世界の「穀倉地帯」と呼ばれる場所では、ほとんど施肥の必要が
ないというのは驚きでした。

 日本が進出した満洲、いまの中国東北部なんかでも同じです。一
見豊かな農地や山林の広がる日本の方が、荒れ地同然の大陸の大地
より、痩せた土だというのですから、驚かずにはいられません。

 「有機農業」に対する日本と世界の違いも、そのあたりに背景が
あるのかな、と思いました。

 齋藤さんの本でも、この関さんの意見を参考にしていると書かれ
ていました。

 それから、同じサイトの中で齋藤さんが書いている、こんな連載
記事も紹介しておきます。

繁盛の秘密・付加価値の正体
http://www.foodwatch.jp/tertiary_inds/truevalue

 「値下げするとお客が減るのはなぜか?」というあたり、商売を
している人は必読と思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 このところ、急に視力が落ちてきて、メガネを作り直しました。
もしかすると薬の副作用かも…。次の運転免許更新では、メガネを
しないと合格しないですね。

 パソコンを使うのにも、以前はメガネを使わなかったのですが、
今では必要になりました。昨年買った「度数を調整できる老眼鏡」
を使っています。「寝たままノートパソコンを使えるデスク」や
「一本で二匹の犬をつなげるリード」など、変なものばかり買って
います。

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