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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------80号--2001.05.20------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「アスパルテーム」「Q&A」「飲料(つづき)」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

【アスパルテーム】

 飲料の話に出てきたので、こちらに書きます。甘味というのは、
要するに砂糖の味ですので、たいていの場合、砂糖だけで十分なの
でしょうが、カロリーを抑える、という点で、甘味は強いがカロリ
ーの少ない甘味料というものがいろいろと出ています。

 その中でも、「アスパルテーム」というのは、いろんな意味で注
目されている甘味料です。

 甘味は砂糖の200倍ということですが、ちょっとクセのある甘
味で、私はどうも苦手です。なんとかライトとか言って、ダイエッ
ト(要するにカロリーを抑えてやせようということ)に良い、と言
われますが、はっきり言って私はそんなもの飲まなければ済む話な
のに・・といつも思います。

 市販の飲料でも、甘味のないものはいくらもありますものね。

 と悪口から入ってしまいましたが、安全性についても、いろいろ
と言われています。

 アスパルテームはアミノ酸の一種である、アスパラギン酸とフェ
ニルアラニンという二つの分子を結合させたものです。いずれも、
私たちの身体を作っているたんぱく質の材料として、ごくありふれ
たもので、そもそも毒性をどうか、というような物質ではありませ
ん。

 アスパルテームを悪くいう人が必ず取り上げるのが、「フェニル
ケトン尿症」という病気です。これは先天的なもので、フェニルア
ラニンの代謝能力に問題があって、フェニルアラニンの摂取を制限
する必要がある、というものです。

 フェニルアラニンはその名に「フェニル」というのが入っている
ように、例の「亀の甲」が分子中に入っているもので、トリプトフ
ァンやチロシンというものの仲間です。また、必須アミノ酸でもあ
りますので、普通にたんぱく質を含んだ食べ物には、必ず入ってい
る、と考えてよいものです。

 母乳にも当然含まれていますから、この病気をもって生まれた赤
ちゃんは、母乳を与えることはできません。特別に作られた、フェ
ニルアラニンをほとんど含まない人工乳で育てる必要があります。

 厳しい制限は脳の発育がほぼ終るころまで続ける必要がある、と
いうことですが、だいたい赤ちゃんのうちはこのような管理が必要
だそうです。

 昔なら、この病気を持って生まれれば、まず育たなかっただろう
と思われます。それほど重大な病気なのですが、発生率は百万人に
一人とかいう話ですし、病院では新生児のときに必ず検査するので、
検査でひっかからなかった赤ちゃんにとっては、関係のないことで
す。

 そこで、アスパルテームについてですが、「フェニルアラニンを
含んでいるから、フェニルケトン尿症の人にとって危険である、と
いうことは、一般の人にも・・」というような言い方をしている人
がいます。

 このことについては、次のように私は考えます。

(1)フェニルケトン尿症はあくまで特殊な、先天性の病気ですの
で、この病気の人に害があるからといって、普通の人に害があると
いうことにはなりません。

(2)フェニルケトン尿症の対策は赤ちゃんのときの話です。赤ち
ゃんが自動販売機でコーラなんかを買う、というのは想像もできな
いことです。

(3)フェニルケトン尿症の赤ちゃんに、アスパルテーム入りの飲
料を飲ます、というのは、食品添加物の害の話ではなく、単純な障
害または殺人事件です。

(4)普通の人にも害があるように言うのは真っ赤な嘘です。何か
利益があって、このようなデマを流しているのか、それとも単なる
思い込みなのか、私にはよくわかりません。

 アスパルテーム自身の安全性は、確認されています。食品添加物
の中では、最もよく調査され、安全性も確認されているものの一つ
です。

 とは言え、私はやっぱりこの添加物はきらいですね。あんなのを
飲んで美味しいと思う人がいるのだろうか、といつも思っています。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.「燻液」なるものについてお聞きします。スモークチーズ風味
の食品やスモーク風味のチーズ製品などの原料表示のところに「燻
液」とありました。ものによっては「スモーク」なんとかというカ
タカナの名前でしたが、正確なところは忘れてしまいました。

 語感的にちょっと気味が悪いのですが、これらのものは一体どう
いうようなものなのでしょうか?名前が違っても成分などは似たよ
うなものなのでしょうか?また,それらの成分は,そもそも普通の
製法で作られたスモークチーズに含まれているものなのでしょうか?

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A.くん液=スモークフレーバーということのようです。

「くん液(サトウキビ、竹材、トウモロコシ又は木材を燃焼して
発生したガス成分を捕集し、又は乾留して得られたものをいう。)」

ということです。ようするに香料のように使用するのだと思います。
燻製の不足を香料で補う、という感じでしょうか。

 安全性については、製法からもわかるように、特定の物質という
わけではありませんので、不明、とした言いようがないでしょうね。

 燻製(スモーク)というのは、本当に木片をいぶして、その煙に
あてるわけです。燻製にした食品は日持ちがよくなる、という昔か
らの知恵なんですが、その保存性の実態は、結構毒性の強い物質
(たとえばホルマリンとか)が関係している、という話です。

 一つ一つの物質は量的にすくないので、それほど問題ではないの
ですが、本当に燻製したものも、危険性はある、ということです。

 フレーバー成分と味や保存性が密接に関係しているわけです。直
接、煙にかける代りに、煙の成分を付けるということですので、本
質的には同じようなものだと思います。どちらの方が安全性が高い
かは、よくわかりません。

 味はきっとちゃんと燻製したものの方が美味しいんだと思います
が。

 スモークチーズなんかも同様で、ちゃんとしたものは直接燻製し
ているのでしょうが、くん液で安直に作った、などというものがあ
るのかも知れません。その場合は「スモークフレーバー」使用と表
示しているはずです。

 くん液は、「安全性が確認かれていないが、使用に制限がない」
ということになっています。何だか奇妙ですが、これはくん液を規
制するなら、燻製した食品全部を規制しないとおかしいからだと思
います。

 少しくらい危険があっても、燻製食品がなくなるわけではありま
せんから、くん液を使用した食品も、燻製食品と同等の危険性であ
るなら、許容範囲としよう、ということです。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「飲料」(つづき)
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 自動販売機の飲料というと、缶入りと決まっていましたが、この
ごろ都会では、ペットボトル入りのものもよく売られています。

 都会では、とことわったのは、私の近所では何故か缶入りのもの
ばかりだからです。こういうものにも地域差というのがあるのでし
ょうか。

 ペットボトルといえば、以前は1リットル以上のものばかりでし
たが、500ミリリットル入りが出てから、すごく増えてきました。
たしかにあれは手で持ってそのまま飲むのに、ちょうど良いサイズ
なんですね。申し訳ないですが、私は結構好きです。

 ペットボトルについては、いろいろと言われていますが、その話
はまた別の機会にします。今回は中身の話、ということで。

 缶入り、ペットボトル入りの飲料の添加物としては、ビタミンC
があります。特にお茶系の飲料には、必ず入っています。ビタミン
Cが入っていないと、すぐに色が変ってくるのです。

 以前、麦茶を売ろう、ということで、ボトル入りのものを試作し
たことがありますが、このときもビタミンCなしではとても商品に
ならない、という結論でした。

 ビタミンC自身は無害なものですし、大切な栄養素ですから、別
にこだわる必要はないのですが、やっぱりちょっとしたこだわりだ
ったんでしょうね。

 最近、ビタミンCという表示がないものをみかけました。これに
は「緑茶抽出物」という表示がありましたので、緑茶からとったビ
タミンCを使っているようです。ビタミンCだけに精製すればビタ
ミンCとしか言えませんが、未精製だと、天然物の表示で良いよう
ですね。緑茶はとてもビタミンCの多いものなので、効果のほどは
あまり変わらないと思います。

 ビタミンCにもいろいろある、などと思っている人もいるようで
すが、これは誤解です。ビタミンC自体は簡単な構造の物質ですし、
L−アスコルビン酸という物質であれば、どれも同じビタミンCと
呼ばれる物質です。

 ビタミンCについては、「壊血病」という病気の歴史の本を最近
読みましたが、昔のヨーロッパの船乗りは、ものすごい率でこの病
気にかかっています。海軍では、戦死より壊血病の死者の方が圧倒
的に多かった、という話です。それほど重要な栄養素ですし、大量
療法なんかをとなえている人もいるくらいですから、まずどんなに
とっても大丈夫と思って良いでしょう。(大量に摂取することが身
体に良いかどうかは知りません。)

 保存料の類は、基本的に飲料には使いません。これは缶やボトル
につめる際に、中身の飲料を高温に保って詰めることができるから
で、開封まで、ほぼ無菌の状態を保つのは、そんなに難しくないよ
うです。

 いちばん不利なのは、あまり高温にできない、100%のストレ
ートジュースの類です。そのせいもあるのか、この手のジュースは
一番美味しいのに、あまり自動販売機では見かけません。(コスト
の関係もあるのでしょうが。)

 それ以外の食品添加物としては、スポーツ飲料などの缶をみれば、
いろいろと書いてあるのが、実はみんなそうなのです。

 そういう意味で、スポーツ飲料なんかは、使用している食品添加
物の数では、チャンピオン級、ということになります。でも、「無
添加のスポーツ飲料」といったら、それは単なるミネラルウォータ
ーですよね。

 食品添加物がどうしてもきらいな人は、やっぱりこういうものは
やめておいた方が良いです。

 ミネラルウォーターといえば、最近WHOから、水道水を飲もう、
というアピールがありました。実は水道水の基準の方がミネラルウ
ォーターより、何倍も厳しく、すでに世界中のほとんどの上水道で、
ミネラルウォーターより安全な水を供給している、ということらし
いです。

 ミネラルウォーターには、資源の無駄遣いという大きな問題があ
るので、できるだけやめて、安全な上水道の水を飲もう、という趣
旨のようです。地球の裏側までエビアンを持って歩くフランス人に
聞かせてやりたい話ですね。

 安全性で選ぶなら、ミネラルウォーターより水道水、ということ
は、ぜひ覚えておいてほしいと思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

◎、△、×は水道水を飲む立場からみた判断。

△水道水とミネラルウォータで基準が同水準である項目

 一般細菌、大腸菌群、カドミウム、水銀、鉛、セレン、6価クロ
ム、シアン、硝酸性窒素、など

◎水道水だけあってミネラルウォータにない項目

 トリハロメタンなどの有機物、農薬類、その他多数。

×ミネラルウォータにだけ基準があって、水道水に無い項目

 バリウム、硫化物

×水道水の方が基準が緩い項目

 多分なし。

◎ミネラルウォータの方が基準が緩い項目
     ミネラルウォーター     水道水
 ヒ素  0.05mg/リットル   0.01mg/リットル
 フッ素    2mg/リットル   0.8mg/リットル
 ホウ素   〜5mg/リットル   1mg/リットル
 亜鉛     5mg/リットル   1.0mg/リットル
 マンガン   2mg/リットル   0.05mg/リットル

(市民のための環境学ガイド より
http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/Eco21Water.htm より)
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 その他の食品添加物では、甘味料、酸味料、香料などというもの
はたくさんの飲料に使われています。これらは不要な食品添加物と
いうわけではなく、飲料それ自体の個性の中心をなす部分です。

 砂糖以外の甘味料としては、ソルビトールなどの糖アルコール類、
カンゾウ、ステビア、ラカンカなどの抽出物、アスパルテーム、な
んかがあります。アスパルテームについては、〔話題〕の欄に書き
ました。

 酸味料では、クエン酸やリンゴ酸が一般的です。前回もちょっと
書きましたが、こういった飲料はみんなかなり強い酸性を示します。
(アルカリ性の飲料なんて、美味しくなさそうですね。)それで、
少しずつ、ちびちびと飲むのは、歯の健康にとって、良くありませ
ん。コップに入れ換えた方が良いと思うのですが、そうでなくても、
できるだけ、ゴクゴクと、いっきに飲んだ方が良いということです。

 最悪が哺乳瓶です。ちょっと大きくなった赤ちゃんに、哺乳瓶で
ジュースを与える、というのは実に良くありません。本当に歯がな
くなってしまいます。中身が牛乳であっても、口の中で簡単に乳酸
ができる、ということなので、基本的に、飲み物を哺乳瓶で与える
のは止めた方が良いと思います。

 香料については、非常にたくさんのものがありますが、いずれも
微量ですので、特に問題とされることもないようです。100%ジ
ュースでも、濃縮果汁還元のものは、必ず香料が入っています。

 これは濃縮するときに、揮発性の成分(要するに香りの成分)が
どうしても揮発していってしまうので、それを別に集めて、還元時
に添加してやる、という関係になります。なんとかフレーバー、と
言って、香料として売られているものは、だいたいこうしてできて
います。

 濃縮果汁を水で薄めて、香料を添加し、たいていはその上に甘味
料(主に砂糖)を加えたものが「濃縮果汁還元」というものです。
同じ「100%ジュース」といっても、ストレートのものとは全く
違う品質のものである、と私は思います。

 かといって、ストレートのまま輸入してくる、というのはあまり
に贅沢な話ですし、国産果汁は値段は高いし品質は疑問だし、いろ
いろと難しいものです。

 国産果汁の品質の問題というのは、国産の果汁というのは、要す
るに等外品などの、品質の劣る果実を買い取る、農家の救済手段と
しての面が強く、本当に美味しい果実からジュースを作る、という
ことが、外国と違ってされていないからです。

 これは日本では生食用の果実が異常に高価である、ということと
裏表の関係にあります。こういった価格構造が、国際的な競争の中
できしみをたてている、というのがこのごろの問題です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今週は久し振りにゆっくりとした週末です。

 「食中毒の話」は好評だったようで、薬剤師の人から、使っても
よいか、という問い合わせをいただきました。この件に限らず、私
のサイトの情報は、すべてご利用自由ですので、どうぞご自由に、
と答えておきました。

 ただ、あくまでも、専門家ではない個人の書いたものなので、正
確さなどは保証の限りではありません。その点さえご了承いただけ
れば、煮て食おうと焼いて食おうと、ご勝手にどうぞ、というとこ
ろです。

 また、間違いに気付いたときとか、違う意見があるときなんかに
は、遠慮なくご連絡ください。訂正、またはご意見の紹介をさせて
いただきます。

 掲示板もあります。原則として削除したりしませんから、私とは
違った意見など、ぜひ書き込んでやってください。
(私のサイトのトップページの「BBS」というボタンから行けま
す。)

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