安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>796号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------796号--2015.02.08------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「食品標準成分表と食事摂取基準」

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---〔話題〕-------------------------------------------------

 以前に異物混入とマスコミの動きについて書きましたが、同じよ
うな見方の記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 では、どのような対応をすべきか。反面教師になるのは、今回、
大炎上したペヤングとマクドナルド。彼らを見れば、おのずと答え
が見えてくる。

 まず大切なのは、マスコミから「面白い」と思われないことだ。

 ペヤングの場合、先ほども述べたように、「ゴキブリ焼きそば」
という響きがキャッチーだということもあるが、マスコミ的に面白
かったのは、ペヤングの露骨な企業防衛だろう。

 ゴキブリ画像を拡散した大学院生が、「お互いのためが云々いっ
て圧力かけてくるあたりカチンときた」「普通に買った値段が返っ
てきただけ」なんて不満をつぶやいたことからもわかるように、ペ
ヤングは発覚当初から大学院生に対して、平身低頭というよりも
「詫びず、払わず」で交渉に臨んでいたことが伺える。

 このようなコワモテ対応は、「ソース焼きそば」なんて庶民的な
製品をつくっている企業イメージと大きなギャップがある。そちら
もマスコミからすれば「面白い」と思われたのだ。

 ちなみに、ペヤングが叩かれたのは単にグロい写真がSNSで拡散
されたからだと主張する人もいるが、15年前の「カエル牛丼」の時
代から、消費者がおかしな情報や写真を晒すというのはよくある。
近年も、うどんのザルにカビがはえていたり、お菓子を開封したら
幼虫が入っていたりという写真がSNSで拡散されたが、それだけで
店舗や工場がストップされるほどの騒ぎにはなっていない。

 それをふまえると、やはりゴキブリ混入写真と対応のまずさ、す
べてひっくるめたものがネット世論やマスコミに「面白い」と思わ
れてしまったと考えるべきではないか。

 では、マクドナルがここまで吊るし上げられた理由は何か。「異
物混入」が原因ではないことは、先も述べたようにビニールだ、ナ
ットだと定期的に起こっていることからも明らかだ。そこで浮かび
上がるのが、マスコミから「弱っている」と思われた点だ。

 ご存じのように、異物混入を叩かれた前のマックといえば、中国
産チキンの影響をもろにうけて、世界中で業績がガクンと下がって
いる真っただ中だった。実はこれにも“伏線”があって、この業績
悪化の遠因として、本国アメリカで数年前からおこなっている「情
報公開キャンペーン」の失敗を挙げる声も多い。

 「マック=健康に悪い」というネガティブイメージを払拭するた
め、商品の製法や成分などを積極的に公開していたのだが、それが
裏目に出ていたのだ。たとえば、マックフライポテトが「17の成分」
からできていると明かし、「酸性ピロリン酸ナトリウム」(色の保
持)、「クエン酸」(保存料)、「ポリジメチルシロキサン」(消
泡剤)などの化合物名を羅列するのだが、これがかえって消費者の
不安を増幅してしまったのだ。

 そんな世界的な“逆風”のあおりで、日本マクドナルドも2桁マ
イナスという苦しい戦いを強いられるなか、追い打ちをかけるよう
に「人の歯」だとかいう“面白ネタ”が出てくる。一般人の感覚な
らば「お気の毒に」という感じだが、マスコミはそうではない。こ
ういう「弱り目にたたり目」という状況がなによりも大好物なのだ。

 スポーツ報道が顕著だが、マスコミは強い者が相変わらず強さを
見せつけてもたいして大きく取り扱わないが、圧倒的な強さを誇る
絶対王者が無惨に敗れたり、ガクッと膝をつくと、まるで鬼の首を
とったかのように大きく報じるという性質がある。マスコミがよく
「水に落ちた犬を叩く」と言われる所以だ。

 もちろん、この条件にくわえてマスコミに対して強気の会見をし
たことが事態を悪化させたのは言うまでもない。「頭を下げたら負
け」といういかにも外資系企業らしいカサノバCEOのキャラクター
も相まって、なんとも傲慢な印象を与えてしまったのだ。

 つまり、マクドナルドが叩かれたのはいつ大炎上をしてもおかし
くない“土壌”が整っているところへ、ダメ押しに「異物混入」と
いう燃料がポンと投げ込まれた、と考えるべきなのだ。

 以上をふまえると、企業に異物混入が発生した際に注意をすべき、
3つのポイントが浮かび上がらないだろうか。

1.集団ヒステリック的な“食の安全トレンド”がきていないか

2.マスコミが「面白い」と思うような過剰な企業防衛をしていない


3.これ以前に報じられている「業績悪化」や「安全軽視」などと相
乗効果にならないか

 さらに一番気をつけていただきたいのは、マスコミというものは
常に「中立公平」であり、客観的に報じてくれるという“勘違い”
である。

 ペヤングやマクドナルドの報道について、「命に関わるものでは
ないのに取り扱い方がおかしい」とか「違和感がある」なんて声が
あがっているが、実は15年前の“異物混入ブーム”でもまったく同
じような警鐘が多く鳴らされた。それでもなにも変わっておらず、
喉元過ぎればなんとやらで、定期的にこういう過熱報道が繰り返さ
れているのだ。

 つまり、マスコミというものが変わらない限り、近いうちにどこ
かの企業が再びマクドナルドやペヤングのように槍玉に挙げられる
というわけだ。

 そうならないためには、マスコミを注意深く観察するしかない。
彼らがどういうトレンドに関心があり、何を問題視しており、どう
いう行動をとると非難されるのか。「安全」を扱う企業のみなさん
は、ぜひともこのあたりを肝に銘じていただき、炎上を避けていた
だきたい。

http://diamond.jp/articles/-/66252?page=4
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は異物混入などよりはるかに悪質な事件ですが、どうもマス
コミは興味を示さない「米のブランド偽装」です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農林水産省は30日、産地や品種などを偽ったコメを販売したと
して、米穀販売会社「東友精米」(大阪)に対し、日本農林規格
(JAS)法に基づき表示の是正を指示した。

 発表によると、同社は2013年6〜10月、実際は産地や品種
などが異なるコメを京都府京丹後市産や新潟県産のコシヒカリなど
と表示して、約502トン(12万4820袋)を販売した。22
都府県のスーパーなどに流通したという。

 同省の調査では大半のコメの産地や品種を特定できなかったが、
問題の産地や品種について、同社では仕入れ量に比べて販売量が大
きく上回っていたことから、表示を偽って販売したと判断した。同
社は調査に対し、「取引先からの注文に応えられるだけの仕入れ量
がなかったため、在庫のコメを使った」との趣旨を説明していると
いう。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20150130-OYT1T50122.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ご丁寧に業者の言い訳まで書いていますが、こんなものは嘘に決
まっています。

 この業者のサイトでは、この件については何も書かれていません。
http://www.to-yu.co.jp/

 完全無視かと思ったら、トップページ以外は削除されているよう
です。これはどういう対応なのでしょうか。いずれにせよ、マスコ
ミは食いつきませんね。
 
 最後はBSEの話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ノルウェーにおけるBSEの発生について

・ノルウェーにおいて、牛海綿状脳症(BSE)1例目が確認された
との情報を得ました。

・厚生労働省は、同国産牛肉等(加工品を含む。)の輸入手続きを
本日より停止しました。

1. 経緯

 1月22日、ノルウェー食品安全局ホームページにおいて、同国に
おける検査でBSEが疑われる牛(15歳の肉用繁殖雌牛)が確認され
たとの情報を得ました。同日、厚生労働省は、当該事例の事実関係
について、在京ノルウェー大使館に照会するとともに、ノルウェー
産牛肉等の輸入届出がなされた場合には、貨物を保留するよう検疫
所に指示しました。

 その後、当該牛の検体については、英国の検査機関で更なる確認
検査が実施されていましたが、昨晩遅く、在京ノルウェー大使館よ
り、当該牛が非定型BSEであることが確定したとの連絡がありまし
た。

2. 対応

 当該情報を踏まえ、ノルウェー産牛肉等(加工品を含む。)の輸
入手続きを本日 より停止することとし、検疫所にその旨を通知し
ました。

※検疫所では、平成16年7月より、BSE非発生国であっても、 特定
危険部位(SRM)を含む食品は輸入しないよう輸入者を指導してい
ます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000071784.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「非定型BSE」というのは、おそらく自然発生しているであろ
うBSEです。15歳の牛の肉を食べるわけでもありませんから、
輸入停止までする必要はありません。

 BSE対策は特定危険部位の除去でよいというのが国際的に認め
られている考え方です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「食品標準成分表と食事摂取基準」
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 今年中に「日本食品標準成分表」の2015年版が出るのだそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 給食や外食のメニュー作りに活用される「日本食品標準成分表」
の2015年版は品目が2000超に増えるほか、通常の文書形式
に加えて「エクセル」など表計算ソフトのファイルでも公開される
見通しとなった。栄養士や管理栄養士らが使いやすくなると期待さ
れる。

 文部科学省の食品成分委員会が27日開かれ、今年12月の完成
を目指した作業状況が報告された。

 食品標準成分表の改訂は5年ぶり。品目は生の穀物や野菜、果実、
肉、魚などのほか、加工食品・飲料もあり、10年版では計187
8品目だった。15年版では別冊のアミノ酸、脂肪酸の成分表も改
訂するほか、新たにでんぷんやブドウ糖、果糖などの炭水化物の成
分表も作る。

 10年版は文科省のインターネットサイトで文書ファイルが公開
され、書籍が政府刊行物として販売されているほか、民間から関連
書が多数出版されている。(2015/01/27-20:06)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201501/2015012700877
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 不思議なことに「食品標準成分表」は文部科学省の担当なんです
ね。同省のサイトにこんな記事が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■日本食品標準成分表2015のポイント

1.日本食品標準成分表の収載食品を充実

1)天ぷらや刺身など日本の伝統的な食品の収載を充実

2)新規食品(「米粉めん」、「ベーグル」、「かんきつ類」等)
を充実

3)調理加工食品(「鶏の唐揚げ」、「野菜、きのこ類等の油いた
め、ゆで」、「魚のフライ」、「肉類の焼き」等)を充実

3)計算食品として、そう菜などを充実

2.炭水化物成分表の作成

 これまでは、100gから水分、たんぱく質、脂質及び灰分を差し引
いた「差引き法による炭水化物量」

  ↓

 単糖類、二糖類等を直接定量分析 (国際的な動きとの整合性)

  ↓

 炭水化物成分表を新たに作成


3.アミノ酸成分表、脂肪酸成分表の収載食品を充実

1)新たに分析することにより、アミノ酸成分表(現在337食品収載)
に約230食品、脂肪酸成分表(現在1,262食品収載)に約140食品を追加
(平成26年度現在)

2)外国の成分表や類似食品から推計した値についても収載し、収
載食品数を充実

4.国際的な視点の強化

1)英語版のデータファイルをインターネット上に公表

2)国際的なデータの共有を可能とするため、Tagname (注)を成分
項目に付与等を実施

5.社会のニーズに対応した成分表

1)食品の栄養表示義務化の動きに対応(新規食品や調理加工食品
の充実、そう菜など計算食品の追加)

2)利用者がより栄養成分を検索しやすくなるよう、インターネッ
ト上で公開している食品成分データベースを改善

(注)食品の各栄養成分に割り当てられた国際的に共通な記号

http://goo.gl/qhGtR2
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「差引き法による炭水化物量」というのは意外と知られていない
と思います。栄養成分の分析は以下のように実施されているのが普
通です。(実際の手順は知りません…)

(1)試料を乾燥させて水分量を測定する。

(2)油脂分を分離して脂肪分を測定する。

(3)窒素量を測定し、定数を掛けてたんぱく質量とする。

(4)燃焼後の灰分量を測定する。

(5)全体を100として、上記の水分、脂肪、たんぱく質、灰分
を差し引いた残りを炭水化物とする。

 ついでに、炭水化物とたんぱく質の量に4、脂肪の量に9を掛け
て足したものが熱量になります。

 おそらく、この全体の流れは変えないで、単糖類、二糖類を直接
計測するのでしょう。

 「炭水化物成分表」には、炭水化物の内訳として「糖類」「多糖
類」「植物繊維」が並ぶことになりそうです。

 さて、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」というのが公表さ
れていて、こんな解説が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 厚生労働省は、1日に必要な食事の量を定めている「日本人の食
事摂取基準」を改定する。エネルギー摂取量の指標について、身長
と体重から算出するBMI(体格指数)で目標を示し、それを維持でき
る量を定める方針を決めた。個人による体格の違いを反映させ、生
活習慣病の予防・改善につなげる目的だ。

 現在の基準では、年齢や性別、身体活動レベルからエネルギー必
要量を決めており、例えば40歳代男性は1日2,300kcal、女性は1,750
kcalが適当などと定めているが、小柄な男性や高身長の女性などに
は対応できていない。また、2型糖尿病などの生活習慣病の改善や
重症化予防では、体重の減少が推奨されており、エネルギー摂取量
を過不足なく調整するだけでは不十分だ。加齢にともない食事や身
体活動も変化することから、ライフステージに合わせた基準を示す
必要もある。

 そこで2015年度から採用される新しい基準では、望ましいBMIの
範囲を維持できる食事量を基準とした。目標とするBMIは18歳〜49
歳で「18.5〜24.9」、50〜69歳で「20.0〜24.9」、70歳以上で
「21.5〜24.9」と設定。測定されたBMIが、目標範囲を下回ってい
れば「不足」、上回っていれば「過剰」として、目標範囲にとどめ
るように体重を改善することを勧める。

 国内外の論文をもとに総死亡率が低いBMIの範囲などを検討した
結果、年齢が高くなるほど栄養状態が悪い人の割合が増え、筋肉量
の減少(サルコペニア)の危険性が高まることが判明した。転倒予
防や介護予防の観点もふまえ、50歳代以上はBMIの下限を上げた。

 このほか、食塩の1日の目標量を厳格化。15歳以上の男性は8g
(現在は9g)、女性7g(同7.5g)としている。

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/021547.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 確かに、体重の増減と無関係にカロリーを考えても無意味です。

 でも、これでは「基準」の意味がないと思っていたら、カロリー
の「推定平均必要量」は今までどおり提示されるようです。

 以下は厚労省のサイトにある資料です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会報告書
平成26年3月 厚生労働省

■健康増進法に基づき定める食事摂取基準

1 国民がその健康の保持増進を図る上で摂取することが望ましい
熱量に関する事項

2 国民がその健康の保持増進を図る上で摂取することが望ましい
次に掲げる栄養素の量に関する事項

イ 国民の栄養摂取の状況からみてその欠乏が国民の健康の保持増
進に影響を与えているものとして厚生労働省令で定める栄養素

・たんぱく質
・n─6 系脂肪酸、n─3 系脂肪酸
・炭水化物、食物繊維
・ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビ
タミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パント
テン酸、ビオチン、ビタミンC

・カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マ
ンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン

ロ 国民の栄養摂取の状況からみてその過剰な摂取が国民の健康の
保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省令で定める栄養


・脂質、飽和脂肪酸、コレステロール
・糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限
る。)
・ナトリウム

(略)

2─1─2 栄養素の指標

●推定平均必要量(estimated average requirement:EAR)

 ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団
(例えば、30〜49 歳の男性)における必要量の平均値の推定値を
示すものとして「推定平均必要量」を定義する。つまり、当該集団
に属する50%の人が必要量を満たす(同時に、50%の人が必要量を
満たさない)と推定される摂取量として定義される。

 推定平均必要量は、摂取不足の回避が目的だが、ここでいう「不
足」とは、必ずしも古典的な欠乏症が生じることだけを意味するも
のではなく、その定義は栄養素によって異なる。

●推奨量(recommended dietary allowance:RDA)

 ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団
に属するほとんどの人(97〜98%)が充足している量として「推奨
量」を定義する。推奨量は、推定平均必要量が与えられる栄養素に
対して設定され、推定平均必要量を用いて算出される。

 推奨量は、実験等において観察された必要量の個人間変動の標準
偏差を、母集団における必要量の個人間変動の標準偏差の推定値と
して用いることにより、理論的には、(推定必要量の平均値+2×
推定必要量の標準偏差)として算出される。しかし、実際には推定
必要量の標準偏差が実験から正確に与えられることはまれである。
そのため、多くの場合、推定値を用いざるを得ない。

 したがって、

推奨量=推定平均必要量×(1+2×変動係数)
=推定平均必要量×推奨量算定係数

として、推奨量を求めた。

●目安量(adequate intake:AI)

 特定の集団における、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な
量として「目安量」を定義する。十分な科学的根拠が得られず「推
定平均必要量」が算定できない場合に算定するものとする。

 実際には、特定の集団において不足状態を示す人がほとんど観察
されない量として与えられる。基本的には、健康な多数の人を対象
として、栄養素摂取量を観察した疫学的研究によって得られる。

 目安量は、次の三つの概念のいずれかに基づく値である。どの概
念に基づくものであるかは、栄養素や性・年齢階級によって異なる。

1)特定の集団において、生体指標等を用いた健康状態の確認と当
該栄養素摂取量の調査を同時に行い、その結果から不足状態を示す
人がほとんど存在しない摂取量を推測し、その値を用いる場合:対
象集団で不足状態を示す人がほとんど存在しない場合には栄養素摂
取量の中央値を用いる。

2)生体指標等を用いた健康状態の確認ができないが、健康な日本
人を中心として構成されている集団の代表的な栄養素摂取量の分布
が得られる場合:栄養素摂取量の中央値を用いる。

3)母乳で保育されている健康な乳児の摂取量に基づく場合:母乳
中の栄養素濃度と哺乳量との積を用いる。

●耐容上限量(tolerable upper intake level:UL)

 健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の
上限を与える量として「耐容上限量」を定義する。これを超えて摂
取すると、過剰摂取によって生じる潜在的な健康障害のリスクが高
まると考える。

 理論的には、「耐容上限量」は、「健康障害が発現しないことが
知られている習慣的な摂取量」の最大値(健康障害非発現量、no
observed adverse effect level:NOAEL)と「健康障害が発現した
ことが知られている習慣的な摂取量」の最小値(最低健康障害発現
量、lowest observed ad-verse effect level:LOAEL)との間に存
在する。しかし、これらの報告は少なく、特殊な集団を対象とした
ものに限られること、さらには、動物実験や in vitro など人工的
に構成された条件下で行われた実験で得られた結果に基づかねばな
らない場合もあることから、得られた数値の不確実性と安全の確保
に配慮して、NOAEL 又は LOAEL を「不確実性因子」(uncertain
factor:UF)で除した値を耐容上限量とした。具体的には、基本的
に次のようにして耐容上限量を算定した。

・ヒトを対象として通常の食品を摂取した報告に基づく場合:

UL=NOAEL÷UF (UF には 1 から 5 の範囲で適当な値を用いた)

・ヒトを対象としてサプリメントを摂取した報告に基づく場合、又
は、動物実験や in vitro の実験に基づく場合:

UL=LOAEL÷UF (UF には 10 を用いた)

●目標量(tentative dietary goal for preventing life─style
related diseases:DG)

 生活習慣病の予防を目的として、特定の集団において、その疾患
のリスクや、その代理指標となる生体指標の値が低くなると考えら
れる栄養状態が達成できる量として算定し、現在の日本人が当面の
目標とすべき摂取量として「目標量」を設定する。これは、疫学研
究によって得られた知見を中心とし、実験栄養学的な研究による知
見を加味して策定されるものである。しかし、栄養素摂取量と生活
習慣病のリスクとの関連は連続的であり、かつ、閾値が存在しない
場合が多い。このような場合には、好ましい摂取量として、ある値
又は範囲を提唱することは困難である。そこで、諸外国の食事摂取
基準や疾病予防ガイドライン、現在の日本人の摂取量・食品構成・
嗜好などを考慮し、実行可能性を重視して設定することにした。目
標量を理解するための概念図を図 4 に示す。

 各栄養素の特徴を考慮して次の 3 種類の算定方法を用いた。

・望ましいと考えられる摂取量よりも現在の日本人の摂取量が少な
い場合:範囲の下の値だけを算定する。食物繊維とカリウムが相当
する。これらの値は、実現可能性を考慮し、望ましいと考えられる
摂取量と現在の摂取量(中央値)との中間値を用いた。小児につい
ては、目安量で用いたものと同じ外挿方法(参照体重を用いる方法)
を用いた。ただし、この方法で算出された摂取量が現在の摂取量
(中央値)よりも多い場合は、現在の摂取量(中央値)を目標量と
した。

・望ましいと考えられる摂取量よりも現在の日本人の摂取量が多い
場合:範囲の上の値だけを算定する。飽和脂肪酸、ナトリウム(食
塩相当量)が相当する。これらの値は、最近の摂取量の推移と実現
可能性を考慮して算定した。小児のナトリウム(食塩相当量)につ
いては、推定エネルギー必要量を用いて外挿し、実現可能性を考慮
して算定した。

・生活習慣病の予防を目的とした複合的な指標:構成比率を算定す
る。エネルギー産生栄養素バランス(たんぱく質、脂質、炭水化物
(アルコール含む)が、総エネルギー摂取量に占めるべき割合)が
相当する。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067132.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 基準と言っても、いろんな意味の値があるのですね。

 先に書いた「炭水化物の内訳」については、こう書かれています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

1─4 炭水化物
1.基本的事項

 炭水化物はその細分類(特に、糖類・多糖類の別、多糖類はさら
にでんぷんと非でんぷん性多糖類の別)によってその栄養学的意味
は異なる。しかしながら、現状においては、食品成分表(日本食品
標準成分表2010)にそれらの含有量が収載されていないものが多い
ため、その摂取量及び給与量を日本人において測定することは困難
である。そこで、ここではこれら(総)炭水化物と食物繊維に限定
してその栄養学的意義と食事摂取基準としての指標並びにその値に
ついて記す。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067132.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「糖類(単糖類、二糖類)」「でんぷん」「非でんぷん性多糖類
(植物繊維)」に分けることになりそうです。

 言葉の意味としては、「糖質」=「炭水化物」ですが、「糖類」
は(単糖類、二糖類)でよいのでしょうか。難消化性の糖アルコー
ルなどを含めるとややこしくなりそうです。

 英語では単に「Sugar」と言うらしいので、こちらの方がわかり
やすいかもしれません。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 私のBMIを計算してみたら、22ほどでした。昨年病気して以来、
かなり痩せました。医師からは体重を増やさないように言われてい
ますが、現在の体重を維持するのに必要な食事量はびっくりするほ
ど少ないです。

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