安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>793号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------793号--2015.01.18------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「ネオニコチノイド農薬」

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---〔話題〕-------------------------------------------------

 まずはこんなニュースから。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■飯田保健所管内の飲食店で、腸管出血性大腸菌による食中毒が発
生しました

【事件の探知】

 平成27年1月8日から1月10日にかけて、飯田市内の医療機関か
ら腸管出血性大腸菌O157 の患者発生の届出が飯田保健所にありま
した。

【飯田保健所による調査結果概要】

○ 患者は、平成26年12月28日から12月30日にかけてこの施設で食
事をした3グループ10名中の3グループ5名で、12月30日午後5時
頃から腹痛、血便、発熱などの症状を呈していました。

○ 患者は、この施設が提供した食事を共通して食べていました。

○ 飯田保健所等が行った検査により、患者便及び食品から腸管出
血性大腸菌O157 が検出されました。

○ 患者の症状は、腸管出血性大腸菌による食中毒の症状と一致し
ていました。

○ 患者を診察した医師から食中毒の届出がありました。

○ これらのことから、飯田保健所はこの施設で提供された食事を
原因とする食中毒と断定しました。

 本日、飯田保健所は下伊那郡内の飲食店「焼肉レストラン孫悟空」
を食中毒の原因施設と断定し、この施設に対し平成27年1月14日か
ら1月17日まで、4日間の営業停止を命じました。

 患者は平成26年12月28日から12月30日にかけてこの施設で食事を
した3グループ10名中の3グループ5名で、飯田保健所等が行った
検査により、患者便及び食品から腸管出血性大腸菌O157が検出され
ました。

なお、患者は2名が現在も入院中です。

http://www.pref.nagano.lg.jp/shokusei/happyou/documents/ch150114.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 焼き肉店ですから、牛肉を生で食べたのでしょうか。肝心の原因
食には触れられていないのは不明ということでしょうね。

 次は貿易関係のニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■日豪EPA:早速「豪州産牛肉の特売」も…15日発効

 日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)が15日午前0
時、発効した。豪州からの輸入牛肉にかかる関税の引き下げなどが
柱だ。国内の一部小売店では、豪州産牛肉の特売を始めるなど発効
を受けた動きが早くも活発化している。一方、豪州向けの自動車関
税なども撤廃され、日本の輸出拡大に期待がかかる。

 日豪EPAで最大の焦点だった日本の牛肉関税は15日以降、冷
蔵が38.5%から32.5%に、冷凍が30.5%にそれぞれ下
がる。その後も段階的に引き下げられ、冷蔵は15年目に23.5
%、冷凍は18年目に19.5%となる。ワインは15%か1リッ
トルあたり125円の安い方を選ぶ現行関税が7年かけて撤廃され
る。一部のチーズも無税で輸入できる枠が拡大する。プロセスチー
ズ原料用ナチュラルチーズの場合、当初4000トンの無税枠が2
0年かけて2万トンに広がる。

http://mainichi.jp/select/news/20150115k0000m020117000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これでオーストラリア産牛肉が増えるのでしょうか。小売り業界
のネタとしては悪くないので、あちこちでセールも行われるようで
す。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.冷凍えび(ブラックタイガー等)をボイルすると、殻に白い斑
点が出たり、少し小さな干しえび等に白い斑点があったりしますが、
これはえびの何かの成分が白くなったものでしょうか。

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A.これはちょっと難しかったのですが、こんなページを見つけま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 冷凍エビが白く変わっていたのは、冷凍で保管していたときにエ
ビの表面が乾燥したためと思われます。冷凍で保管している食品は、
乾燥して色が変わることがあります。冷凍で保管している食品が乾
燥するのは、食品の水分が水分の少ない冷凍庫の空気中にでていっ
てしまうためです。

http://www.ucoop.or.jp/shouhin/qa/fm/fmqa_7508.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 とりあえず、冷凍でよくある、「乾燥」が関係しているのではな
いかと思います。

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Q.さしみこんにゃく(生で食べるこんにゃく)について教えて下
さい。私の地域の直売所では、業者が製造しているこんにゃくと、
農家が製造している手作りこんにゃく(保健所の許可をとった工房
で作っている)が販売されており、それぞれさしみ(生)で食べら
れると表示していますが、業者が云うのに、炭酸ナトリウムで固め
た手づくりこんにゃくは、さしみ(生)こんにゃくで食べられると
表示することは違法であり、水酸化カルシュウムで固めたこんにゃ
くでなければ、さしみこんにゃくで食べられると表示出来ないと云
っています。これは、本当のことでしょうか?さしみこんにゃくと
して食べられるかどうかは、鮮度の問題ではないかと考えますが?

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A.日本こんにゃく協会のサイトでは、こんな説明があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

さしみこんにゃく

 他のこんにゃくよりも水分が多く、そのまま食べられるタイプ。
ゆずやごま、のりなどで風味をつけたもの、板状のほかにソーメン
状のものもあります。本物の刺し身のように、酢じょうゆやわさび
じょうゆなどをつけて食べるほか、サラダやマリネ、あえ物などに
向いています。

http://www.konnyaku.or.jp/dekiru/f_dekiru03.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 また、「こんにゃく製品に関する表示基準」でも、特に凝固剤に
関する言及はありませんでした。各種こんにゃくの定義は以下のと
おりです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

板こんにゃく

 こんにゃくのうち、型枠等の中で凝固させ、厚い板状に切ったも
の又は包装容器に詰め凝固させ、厚い板状に形成したものをいう。

突きこんにゃく

 こんにゃくのうち、板こんにゃくをトコロテン状に突き出したも
の又はトコロテン状に凝固させたもの。

しらたき (糸こんにゃく)

 こんにゃくのうち、ひも状に凝固させたもの。

玉こんにゃく

 こんにゃくのうち、玉状に凝固させたもの。

粒こんにゃく

 こんにゃくのうち、米粒状に凝固させたもの。

さしみこんにゃく

 こんにゃくのうち、板状又は薄片状に成形し、又は切ったもので、
そのまま又は簡単な水洗いすることで食べられるもの。

生芋(いも)こんにゃく

 こんにゃく芋(冷凍したものを含む)を生若しくは蒸煮した後、
摺りおろし又は搗き砕き作ったもの。

http://www.konnyaku.or.jp/pdf/hyoujikijyun_h24.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 刺身で食べられるかどうかは、鮮度の問題というより、こんにゃ
く特有のえぐみを抑えて、そのまま食べられるようにしているかと
いかことと思います。

 凝固剤に特に規定はないようですが、ご質問の業者の方はそれな
りの思いがあって、そう言っているのでしょう。「違法」とまでは
言い過ぎですが、それなりの根拠はあるのだろうなと思います。

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Q.増粘多糖類っていうのは結局は糖質なのですか?炭水化物や甘
いもの控えてて増粘多糖類の入ったもの摂取してたら結局は控えて
ることにはならないのですか?

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A.増粘多糖類として使われるものは「難消化性の多糖類」=「食
物繊維」と考えてよいと思います。体内で消化吸収されないのです
から、カロリーとしてはゼロですね。

 同様の目的で使われるものに寒天やゼラチンがありますが、寒天
はやはり食物繊維です。ゼラチンはたんぱく質由来ですからカロリ
ーが100グラムあたり400キロカロリー弱とされていますが、
使う量はごくわずかです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「ネオニコチノイド農薬」
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 年末にこんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

農薬:ネオニコチノイド系「基準緩和は妥当」 厚労省部会

 ミツバチの大量死の一因とされるネオニコチノイド系農薬につい
て、厚生労働省食品衛生審議会の農薬・動物用医薬品部会は24日、
野菜などの食品に残留してもよい水準を大幅に緩和する新基準値案
を妥当とする結論をまとめた。基準値を巡っては厚労省が昨年6月
に新基準値案を公表したところ、市民団体から「緩和しすぎだ」な
どと反対の声が出て、注目されていた。部会が妥当としたことで厚
労省案が採用される可能性が高くなった。

 この農薬は「クロチアニジン」。基準値は作物ごとに異なるが、
最も注目されていたのはホウレンソウ。厚労省案は、現行の3pp
m(1ppmは100万分の1)より大幅に高い40ppmとした。
これに対し、市民団体から「子供が一度に大量のホウレンソウを食
べたら急性的な健康影響が生じる」との反対意見が多く寄せられた。

 このため、厚労省は短時間に大量の農薬を摂取した場合の急性毒
性を判断する指標となる「急性参照用量」を基に子供への健康影響
を検討してきた。

 その結果、厚労省は子供が40ppmのクロチアニジンが残留す
るホウレンソウを多めに食べた場合でも、急性参照用量を下回り、
健康への影響がないとの試算結果を同日の部会に提示。部会は「当
初の(厚労省の)案のまま見直しは不要だ」との結論を出した。

http://mainichi.jp/select/news/20141225k0000m040130000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 先日からときどき話題になる「急性参照用量」ですが、ここでは
基準値を緩和するために使われたようです。基準値が厳しくなって
使えなくなった農薬も出たようですが。

 この背景には、「収穫前日」までこの農薬を使用してもよいよう
にしたいという要求があったそうです。上の記事には書いていませ
んが、同じ記事の毎日新聞の紙面ではそう書いていました。

 ところで、「ネオニコチノイド」というのはどんなものかという
と、こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■ネオニコチノイド系殺虫剤とは?

 第二次世界大戦後に化学合成殺虫剤であるDDTが使用されるまで、
日本の農業では、天然由来の物質が殺虫剤として使われていました。
シロバナムシヨケギク(白花除虫菊)の乾燥花(殺虫成分ピレトリ
ン等を含む)、マメ科デリス属植物の乾燥根(ロテノンを含む)、
そしてタバコ乾燥葉(ニコチンを含む)が代表的なものです。

 戦後、DDTが農業に使用されるようになると、日本でも新しい化
学合成農薬の開発が始まりました。合成農薬の開発手法の一つとし
て、天然成分をモデルとして、その欠点を減らし長所を伸ばした新
しい物質を作るという方法があります。たとえば、シロバナムシヨ
ケギクに含まれるピレトリン類(ピレスロイドと総称する)は、ほ
乳動物に低毒性である一方、昆虫類には速効性であるという特徴が
あります。この特長を残して、自然環境下で分解しやすい欠点を改
良したピレスロイド系と呼ばれる合成殺虫剤が次々と開発され、現
在でも広く使われています。他にもカーバメート系(豆成分由来)、
ネライストキシン系(釣り餌に使うイソメ成分由来)などの新しい
合成農薬が開発されました。一方、ロテノンやニコチンをモデルに
した殺虫剤は実用化されませんでした。ニコチンは、毒物に指定さ
れているように人に対する急性毒性が極めて高く、環境中では不安
定で、それを克服する類似の化合物を作ることができなかったので
す。

 さて、1978年に海外の企業が開発した殺虫剤の候補物質ニチアジ
ンは、光に弱く農薬として実用化しませんでしたが、今までの殺虫
剤と違った性質を持っていました。そこで、日本のある企業が関連
化合物の研究を地道に続け、全く新しい殺虫剤イミダクロプリドを
開発し、1993年に発売を開始しました。

 イミダクロプリドは植物に散布すると根や茎葉から吸収され、特
にカメムシ目の昆虫に高い効果を示します。

 カメムシ目には、カメムシ、ウンカ、ヨコバイ、カイガラムシ、
コナジラミ、アブラムシといった吸汁性の重要害虫が多く、全世界
で使われるようになりました。

 イミダクロプリドは、ニコチンと同様に、神経伝達物質アセチル
コリンの受容体の一種である「ニコチン性アセチルコリン受容体」
に結合することで、正常な神経伝達を阻害します。この作用特性か
ら、類縁構造を持つ殺虫剤を含めて「ネオ(=”新しい”の意)ニ
コチノイド系殺虫剤」と呼ばれるようになりました。前述したよう
に、ニコチンは人に対して強い毒性を示しますが、ネオニコチノイ
ド系殺虫剤の人に対する毒性は高くありません。これは、人のニコ
チン性受容体に対するネオニコチノイド系殺虫剤の親和性が弱いな
どの理由によります。現在、農薬登録されているネオニコチノイド
系殺虫剤は7剤あり、そのうち6剤は日本で開発されたものです。

■ネオニコチノイド系殺虫剤の水田での利用

 イミダクロプリドはイネの重要害虫に卓効を示し、育苗箱処理剤
という新しい農薬施用法が開発されました。現在では他の系統の薬
剤や殺菌剤との混合剤も使用され、日本の移植水稲栽培において水
田での農薬散布が大幅に軽減されています。

 冒頭で述べた「斑点米カメムシ防除」にも触れておきましょう。
水稲が出穂し実り始めると、周辺に生息していた吸汁性のカメムシ
類が水田に侵入して、もみから吸汁します。吸汁痕は変色して斑点
米となり、米の等級に影響します。収穫した玄米中の斑点米の数が
0.1%を超えると1等米ではなくなって価格が下ってしまい、場合に
よっては、不稔等により収量にも影響を及ぼすことから、水稲の出
穂期以降に殺虫剤を散布するようになりました。斑点米カメムシ防
除の難しさは、カメムシ類が水田で増えるのではなく、周辺から侵
入してくる点にあります。ネオニコチノイド系殺虫剤はカメムシに
対して優れた効果をもつことから、斑点米カメムシの防除に広く利
用されています。

 ところで、農薬は農薬登録をしなければ販売することはできませ
ん。登録に当たっては安全性に関する膨大な試験データの提出が求
められていて、「有用昆虫への影響評価」としてミツバチに対する
毒性も試験されます。ミツバチに毒性がある場合には、使用上の注
意事項として、ミツバチに影響があるので注意するよう記述されて
います。今回の調査では、へい死したミツバチやへい死がみられた
ミツバチ群が集めた花粉団子から、ネオニコチノイド系殺虫剤だけ
でなく斑点米カメムシ防除に用いられる他の殺虫剤成分も検出され、
水田で散布される殺虫剤が、ミツバチのへい死の原因となった可能
性が高いと考えられました。

 この研究は現在も進行中であり、今後は、殺虫剤の影響を緩和す
るため、ミツバチが水田で殺虫剤に曝露される経路を詳しく調べた
り、曝露を回避するための技術を開発したりすることが重要と考え
られます。

 そのため、農研機構と農環研では、イネの花粉や水田水における
殺虫剤の濃度を把握するとともに、代用花粉を利用して、ミツバチ
が水田に近づく機会を少なくする技術を検討しています。

http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/publish/niaesnews/104/10406.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ネオニコチノイド系農薬というと「ミツバチが死ぬ!」というよ
うな話が多いですが、殺虫剤である以上、ミツバチにとっても毒で
あることは間違いありません。

 問題は農薬の使われ方がミツバチの大量死をもたらすようなもの
か?ということです。農薬を散布した直後にミツバチがその場所に
来れば、当然死ぬこともあるでしょう。

 ミツバチを使って受粉している最中に殺菌剤をまくというのは考
えられない事態です。逆にホウレンソウにミツバチがやってくると
いうのも考えられません。

 常識的には問題ないと思いますが、より慎重に対応策を考えてい
るということなのでしょう。

 ネオニコチノイド系農薬の基準値を緩和するということは、ミツ
バチではなく、人間への影響についての話です。その科学的な評価
が出たということです。

 昔はニコチンを農薬として使っていましたが、これは虫にも人に
も毒性がありました。現在の殺虫剤はほとんどが虫には毒だけれど
哺乳類には毒ではないという物質です。

 このあたりについて、最近講演会があったようです。以下はその
話題です。「市橋達也君の適正な裁判を支援する会」というちょっ
と驚くような名称のサイトですが、中身は千葉大学名誉教授の本山
直樹氏の個人サイトです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2014年12月5日金曜日

 東京農業大学総合研究所研究会の農薬部会第96回セミナーは、い
つもの食と農の博物館ではなく、東京農業大学グリーンアカデミー
ホールで予定通り行われました。

(略)

「ミツバチとネオニコチノイド系農薬〜問題の解決はどこに向かう
か〜」と題した中村 純先生の講演は、内容構成も非常によく練ら
れていて、話術の巧みさもあって、参加者はひきこまれました。ミ
ツバチは世界的には減っているのではなく増え続けていて、アメリ
カでも日本でもネオニコチノイドが導入されてからの減少は見られ
ないということ、ミツバチがいなくなるような現象はネオニコチノ
イドとは無関係にずっと昔から起こっていたということ、現在ミツ
バチを苦しめている要因は何かなどについて、説得力のあるお話を
されました。

「ネオニコチノイドの選択性:メカニズムとレベル」と題した松田
一彦先生の講演は、nAChR(ニコチン性アセチルコリン受容体)の
分子構造を基にネオニコチノイドによる阻害反応の選択性について
説明をされました。実験手法も含めてこういう分野に馴染みのない
参加者にとっては理解するのが難しかったと思います。ニコチノイ
ドは脊椎動物のnAChRに対して、ネオニコチノイドは昆虫のnAChRに
対して活性が高いという選択性があり得ることを示されました。

「ネオニコチノイドの評価〜EFSAは何をどう評価したのか」と題し
た畝山智香子先生の講演は、一般にEUはネオニコチノイドを2年間
禁止したと言いふらされていることの内容を特にイミダクロプリド
とアセタミプリドについて具体的に解説し、Kimura-Kuroda論文に
対してEFSAがどこが問題として指摘し、何故この論文は何も明らか
にしていないという低い評価をしたか具体的に説明されました。

 グリーンピース・ジャパンから参加された3名の方々は熱心にメ
モをとりながら聴講していました。参加された3人の方々のバック
グランド(理系か文系か)は存じませんが、それぞれの分野の第一
人者の研究者によるこういう科学的な講演を直接聴くことができて、
恐らく「目からうろこ」の印象を受けたのではと想像します。食と
農業担当のSさんとは会場で名刺交換し言葉も交わしましたので、
質疑応答の時間に、農薬支持の参加者ばかりの会場で遠慮されては
いけないと思って何か質問やご意見はありますかと訊いて発言の機
会を提供しました。どの講演者も政治的な発言ではなく、科学的な
事実だけを話したということもあって、グリーンピース・ジャパン
の先日の新聞広告にあったような政治的な発言は不適切との雰囲気
を感じられたのか、畝山先生の講演の中ででてきた基準値を決める
場合の安全係数(不確実性)の根拠についてだけ質問をされていま
した。

(略)

 会場である人から、イギリスの新聞THE TIMESに面白い記事が載
っているという情報をもらいましたので、ネットで検索したら次の
サイトが見つかりました。

http://www.scientific-alliance.org/node/898

 他にもこの問題を論じたサイトがありましたが、肝心の2014年12
月4日付けの「ザ タイムズ」の記事を以下にコピーしておきます。
見出しは Scientists accused of plotting to get pesticides
banned (農薬を禁止に追い込む目的で策略を立てて研究をしたと
して科学者が非難された)となっていました。4人の科学者が2010
年6月14日にスイスに集まり、行政を動かしてネオニコチノイドを
規制させるために、著名な研究者に2編の論文を発表させる策略を
立てて実行したことが私的ノートで明らかになったというものです。

 科学の研究は客観的な事実を明らかにするために行われるものな
のに、主観的な政治的な目的を達成する目的で研究を行って論文を
発表した、ということが問題にされています。

 ネオニコチノイドについては、日本でもネオニコチノイドを禁止
に追い込もうという活動をしている活動家グループが活動の根拠と
してよく引用する2報の論文が最近発表され、その両方とも信頼性
や内容に深刻な疑問が呈されています。まさか同様のことが行われ
たようなことはないと思いますが・・。

http://naokimotoyama.blogspot.jp/2014/12/96-3000-50608020-nachrnachrnachr.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 例の「マッチポンプ商法」の人たちがメシのタネにしたがってい
るという印象がありますが、はたしてどうなるでしょうか。

 この件に関しては松永和紀さんの以下の文も参考になります。

ミツバチとネオニコチノイド系農薬、「予防原則」で思考停止にな
らないために…
http://www.foocom.net/column/editor/10031/

奇跡のリンゴとネオニコチノイド問題。農薬の影響を、整理して考
えよう
http://www.foocom.net/column/editor/9981/

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「市橋達也君の適正な裁判を支援する会」には驚きました。本山
先生はこんなことをしているのですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

(略)取り返しのつかない大きな間違いを犯した。その結果、やは
り将来に大きな夢を抱いていた筈の一人の若い女性の命が無残にも
亡くなったのだから、市橋君はこれから一生をかけてその償いをし
なければならない。それでも元教師としては、道を踏み外した元学
生に救いの手を差し伸べてやりたい。この青年が、自分の犯した間
違いを反省し、亡くなったリンゼイさんとそのご家族に心から謝罪
し、何年かかるかはわからないが、罪を償った上で残りの人生をや
り直す機会を与えてやりたい。私の知っている市橋君は、それにし
っかり応えてくれる筈である。

http://naokimotoyama.blogspot.jp/p/2010220.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、訴訟費用の援助をしているようです。

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