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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------789号--2014.12.21------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「グリシドール脂肪酸エステル」

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ブログ毎日?更新中

http://why0531.sblo.jp/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 中国ネタでこんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「Made in PRC」という表示を見て、どこの国で作ら
れたものかわかるだろうか。「PRC」は、中華人民共和国の英文
表記「People‘s Republic of China」
の頭文字を取ったもので、この表示は中国産を意味している。日本
では、「Made in China」と表示するのが一般的だが、
あえて浸透していない「PRC」を用いる真意はどこにあるのか。
中国産を敬遠する消費者の目をごまかし、売り上げを伸ばそうとす
る確信犯的行為との専門家の指摘もある。

(略)

 堀国際企業法務法律事務所の堀晴美弁護士によると、PRC表記
は平成20年1月に発覚した中国製ギョーザ中毒事件以降に目立つ
ようになり、現在も数は多くないものの流通しているという。中国
産を敬遠する消費者の目をごまかし、売り上げを伸ばそうという手
法で、規制をすり抜ける「黒に近いグレー」な行為と指摘する。

 景品表示法では、紛らわしい表示や一般消費者が判別困難な表示
を「不当表示」として規制しているが、PRCは正式な略称で、米
国産を「Made in USA」と表記することと同じともいえ
る。消費者庁表示対策課は「認知の度合いは低いとはいえ、事実で
あることは間違いない。不当表示に当たるかどうかは、パッケージ
全体から受ける印象で判断するので原産国の表示だけで判断するの
は難しい。不当表示に当たるとも当たらないとも言えない」と話す。

 だが一方で、同庁の食品表示企画課では、食品については、JA
S法の品質表示基準で、原産国は日本語で表記するよう定めており、
「Made in PRC」も「Made in USA」も原則、
認めていないとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141215-00000581-san-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「PRC」とは懐かしいですね。昔は「中国」でなく、「中共」
と呼ばれたりしていたので、それに対して左翼陣営ではこんな表記
をしたりしました。

 「北朝鮮」は「DPRK」(Democratic People's Republic of
Korea)ですね。今でもこういう表記を使う人がいますが、北のシ
ンパとみて間違いないです。

 それが「中国隠し」に使われるというのは面白い話です。食品に
この表記を使うのは違反だそうですので、見つけたら通報しましょ
う。

 私は中国産食品を忌避する理由はないと考えていますが、大手コ
ンビニなどで、中国で作った商品を、最終包装だけ日本でして、産
地を隠したりするのは問題だと思っています。

 表記の問題ではなく、このような本当の「中国隠し」を問題にし
てはどうでしょうか。

 次は「カフェイン」の話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 米食品医薬品局(FDA)は16日、純粋なカフェイン粉末の摂取を
避けるよう消費者に促した。若者2人の死亡に関連している強力な
物質だという。

 カフェイン粉末はインターネットで容易に購入できる。FDAは、
ティースプーン1杯分のカフェイン粉末がコーヒー25杯分に相当す
ると述べた。たとえ少量の摂取であっても心拍数が激しくなった
り、発作を起こしたり、死に至ったりするという。

■ティースプーン1杯分のカフェイン粉末でコーヒー25杯分に相当

 FDAの食品安全・応用栄養センターのマイケル・ランダ所長は16
日、ブログ投稿で、「粉末状の純粋カフェインの摂取を避けるこ
とがいかに重要か、いくら強調しても足りない」と述べた。

 FDAの広報担当官は、純粋なカフェイン粉末をめぐる懸念を払拭
するため、FDAが規制上の行動を検討していると述べた。FDAは7月
に消費者への警告を出し、純粋なカフェイン粉末がとりわけティ
ーンエージャーや若い大人たちに魅力的に映っている可能性があ
ると述べていた。

 5月には、オハイオ州の高校生ローガン・スタイナーさん(18)
がカフェイン粉末を摂取した後、死亡した。両親が後でカフェイ
ン粉末の小さな袋を見つけた。

 ジョージア州のジェームズ・スウェットさん(24)は、純粋カフ
ェインを摂取したあと、意識不明に陥り、死亡した。スウェットさ
んは、これを摂取すれば、エナジードリンクや炭酸飲料に含まれる
糖分を回避できると考えていたという。

 今月に入り、死亡した2人の親たちがランダ所長らFDA当局者と面
会した。彼らは純粋カフェインのサンプルを持ち込み、これを禁止
するようFDAに訴えたという。

 ランダ所長は「彼らの親は、2人の若者がいかに健康で知的で、
体に摂取するものに慎重だったかをわれわれに話した」と述べた。
ランダ所長によれば、2人はカフェイン粉末を「安く、容易に」入
手できたという。

 今月、公衆衛生推進団体である「公衆利益科学センター」は、減
量サプリメントとして純粋カフェイン粉末を小売り販売するのを禁
止するようFDAに請願した。

 同センターによれば、粉末状のカフェインは「薬剤クラスのカフ
ェイン」だと述べ、しばしば運動パフォーマンス増強ないし減量支
援用として市場で販売されている。

 カフェインはコーヒーや紅茶の中に自然に含まれているが、現在
ではエナジードリンクやキャンディーへの添加が増えている。FDA
が製品に対するカフェイン添加を明確に認可した唯一の例は、1950
年代、炭酸飲料に対してだ。FDAは当時、これほど多数のカフェイ
ン入り製品が最終的に入手可能になるとは予測していなかったとい
う。

 FDAは、1日当たり400ミリグラムのカフェインを摂取するのは総
じて安全だと述べている。これはコーヒー4杯ないし5杯分に相当す
る。

 FDAは現在、カフェインを含む食料品の安全性を調査しているが、
16日の警告はカフェイン粉末だけが対象だ。

http://jp.wsj.com/articles/SB11133530172994754599304580341692641400662
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「エナジードリンク」が世界的に流行していて、こんな問題も派
生しているようです。「エナジー」の本質はカフェインだからです。

 実はこのようなカフェイン含有飲料の草分けは日本のドリンク剤
なんだそうです。あれも本当の有効成分はカフェインです。

 欧米のエナジードリンクが日本のドリンク剤のパクリだというの
は最近まで知りませんでした。カフェイン飲料も日本でいるうちは
おとなしかったのですが、あちらではカフェイン含有量も増えて、
過激なものに変身しています。

 その上、それに飽き足りずに「カフェイン粉末」を直接食べるよ
うな馬鹿者まで登場しているという話題でした。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.今更かもしれませんが、福島の農産物についてご意見おうかが
いましす。親類が福島にいて、さすがに2011年は来ませんでしたが
2012年の冬から、夏は桃、冬はりんごが送られてきます。りんごは
大きくて蜜があり、桃も品質はよさそうです。ただやはり放射性物
質の心配があり、子どもには食べさせず大人(夫婦)だけで頑張っ
て食べきっています。それ自体は安全圏内だったとしても、東北や
北関東の他の野菜や果物からも少しずつ摂取することを考えると一
番多そうな福島は避けたほうがいいのではと思ってしまうからです。
このような用心は、現在は必要でしょうか。

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A.この問題は既に「終ったこと」です。現在、何の検査もせずに
福島産農産物をどれだけ食べても、何の悪影響もありません。

 その上、実際には非常に厳しい基準値に基づいた検査が実施され
ています。本当は必要ないのですが、「安心」を得るための措置と
解釈できます。

 つまり、心配かもしれないが、ちゃんと検査しているのだから安
心しろというわけです。

 それでも心配だというのはどうかしています。

 以下は「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」の出した結
論です。

 「今後がんや遺伝性疾患の発生率に識別できるような変化はなく、
出生時異常の増加もない」

 もちろん、それ以外の健康被害は初めから問題にもされていませ
ん。がんは自然に発生する病気ですから、「発生率に変化はない」
というのは原発事故ががんの発生に影響しない=被害はないという
意味です。

 福島産農産物に関して、一切の心配は無用である、というのが、
もう何度も書きましたが最終結論です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)報告書:

■福島での被ばくによるがんの増加は予想されない

 ウィーン、2014年4月2日(UN Information Service)−本日新た
に、2011年の福島第一原子力発電所事故が起こった後もがんの発生
率は安定したレベルを保つ可能性が高いとする国連報告が発表され
た。

 「2011年東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベ
ルとその影響」と題された当該報告書は、原子放射線の影響に関す
る国連科学委員会(UNSCEAR)により作成された。

 報告では、福島原発事故の結果として生じた放射線被ばくにより、
今後がんや遺伝性疾患の発生率に識別できるような変化はなく、出
生時異常の増加もないと予測している。

 その一方、最も高い被ばく線量を受けた小児の集団においては、
甲状腺がんのリスクが増加する可能性が理論的にあり得ると指摘し、
今後、状況を綿密に追跡し、更に評価を行っていく必要があると結
論付けている。甲状腺がんは低年齢の小児には稀な疾病であり、通
常そのリスクは非常に低い。

 「人々が自身や自分の子どもの健康への影響を懸念するのは当然
のことである」とUNSCEARの議長、カール=マグナス・ラルソン氏
は述べ、「しかし、本委員会は、今回の評価に基づき、今後のがん
統計に事故に伴う放射線被ばくに起因する有意な変化が生じるとは
予想していない」との見解を示している。

 これらの解析結果は、様々な集団(小児を含む)の被ばく線量の
慎重な推定と放射線被ばくを受けた後の健康影響に関する科学的知
見に基づいている。

 解析によれば、対象とした集団のがん発生率への影響は小さいと
予想されるとし、これは日本の当局側が事故後に講じた迅速な防護
措置に拠るところが大きいとしている。

 委員会は、報告された作業者の被ばくについても解析を行い、ま
た、一部の作業員の被ばくを独自に評価した。委員会の評価は、報
告された線量と概ね一致したが、事故の初期段階での被ばくについ
ては不確かさが残っている。「本委員会は、がんや他の疾病の識別
できる増加は予想されないと結論を出している」と、本評価の議長
であるウォルフガング・ワイス氏は述べている。

 委員会は、また、陸上および海中の生態系への放射線被ばくの影
響を評価し、影響があるとしても、いずれも一過性のもので終わる
とみている。

 海中の生態系については、植物相と動物相が影響を受ける可能性
は、原子力発電所に隣接する海岸域に限定され、長期的に影響が及
ぶ可能性はごく小さいと予想された。

http://www.unic.or.jp/news_press/info/7775/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「グリシドール脂肪酸エステル」
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 以前に話題になり、花王の「エコナ」が販売中止になった「グリ
シドール脂肪酸エステル」という物質の問題がありました。

 その件に関して、食品安全委員会から、最終の評価が出ました。

■高濃度にジアシルグリセロール(DAG)を含む食用油等に関連する
情報
http://www.fsc.go.jp/sonota/dag/dag_index.html

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性の評価について

1.高濃度にジアシルグリセロールを含む食品(DAG油)について

 DAG油はすでに流通しておらず、摂取した期間、量、年齢等が人
により異なるとともに、各人の背景(生活条件等の交絡要因)が様
々なため、過去に摂取した個人の生涯発がんリスクを判断すること
は困難である。

 実験動物において、グリシドール脂肪酸エステルを不純物として
含む経口投与によるDAG油の発がんプロモーション作用は否定され、
問題となる毒性影響は確認されなかった。

2.油脂類に不純物として含まれるグリシドール脂肪酸エステル
(GE)について

 食用油に微量に含まれるGEが代謝されたグリシドールについては、
遺伝毒性発がん物質である可能性を否定できないと考えた。

 しかしながら、現在使用されている食用油については、一定の仮
定を置いて保守的に試算した値でも、暴露マージン(MOE)は10,000
をわずかに下回る程度であり、直接健康影響を示唆するものではな
いと判断した。

1. DAG油に関する評価の経緯等

2005.9 高濃度にDAGを含む食品の安全性について食品健康影響評価
を依頼を受け、食品安全委員会ではワーキンググループ(WG)での
検討を開始。

2009.2 厚生労働省は、追加試験として実施された高濃度にDAGを含
む食用調理油等の二段階発がん試験等の結果を提出。WGにおける検
討(2009年2〜8月)の結果は、以下のとおり。

・DAG油については、適切に摂取される限りにおいては、安全性に
問題はない

・微量の不純物として含まれるグリシドール脂肪酸エステル(GE)
についても検討する

2009.9  製造販売元がエコナ関連商品の販売自粛

2009.10 製造販売元が消費者庁に特定保健用食品の許可の失効届
書を提出

2010.6 食品安全委員会において、GEの毒性試験等に関する審議を
継続。本年12月まで、計6回WGを開催。今般、農林水産省からのグ
リシドール脂肪酸エステルの食品中の含有実態調査の結果を受け、
最終取りまとめ

※ DAG油は、現在も製造販売が中止され、流通していない。

3. DAG油に関する評価等

DAG油に関する知見のまとめ(評価書 参考1)

DAG油を摂取する場合の発がんプロモーション作用によるリスクは
無視できると判断

 マウスにおいて、DAG油の経口投与による舌を含む口腔内、食道、
前胃及び大腸の発がんプロモーション作用は認められなかった。

 DAG油の経口投与による乳腺の発がん性は認められなかった。

※上記の実験動物の知見は、ヒトにおける一日摂取目安量を数十倍
以上上回る高用量まで実施された試験により得られた。

 結果として、DAG油の発がんプロモーション作用は否定され、DAG
油はグリシドール脂肪酸エステルを不純物として含むが、実験動物
を用いた試験系において、問題となる毒性影響は確認されなかった。

4.グリシドール脂肪酸エステルに関する知見のまとめ
(評価書 参考2)

 我が国で現在流通している食用油に含まれるグリシドール脂肪酸
エステル含量は低く、そのすべてが等モルのグリシドールに変換さ
れるという仮定において、保守的に試算した値でも、暴露マージン
(MOE)は10,000をわずかに下回ると試算された。

 したがって現在使用されている食用油については、一定の暴露マ
ージンが確保されており、直接健康影響を示唆するものではないと
判断した。

【背景】

 食用油には、グリシドール脂肪酸エステルが不純物として微量に
含まれている可能性があり、グリシドール脂肪酸エステルが代謝さ
れたグリシドールについては、遺伝毒性発がん物質である可能性を
否定できないと考えた。

 一方、グリシドール脂肪酸エステルについては、グリシドールで
みられた以上の遺伝毒性は認められず、皮下投与での発がん性に関
する試験成績からは、グリシドールにみられた腫瘍の発生及び程度
を超えるような知見は得られていない。

5. DAG油とは

・身体に脂肪がつきにくくなる働きが認められている油脂成分の一
種であるジアシルグリセロールを高濃度に含む食用油脂

・不純物としてグリシドール脂肪酸エステルが含まれていることが
確認された(「6. グリシドール脂肪酸エステルとは」参照)

6. グリシドール脂肪酸エステルとは

 グリシドールに脂肪酸が1個結合した物

 生体内でグリシドール脂肪酸エステルは、グリシドールに分解さ
れると考えられる

 油脂の脱臭工程においてわずかに生成される物質

 DAG油には、原体混在物としてグリシドール脂肪酸エステルが高
濃度で含まれている可能性が高い旨の説明が厚生労働省からあり

http://www.fsc.go.jp/sonota/dag/dag_kisha_lec_141217.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 わかりにくい書き方ですが、要点は以下のところです。

(1)ジアシルグリセロールを主成分とした油脂(DAG油)に発
がん促進作用は認められない。

(2)DAG油に含まれるグリシドール脂肪酸エステルに特に毒性
はない。

(3)グリシドール脂肪酸エステルから発がん性がある可能性があ
るグリシドールが分解によって生成する可能性はある。

(4)しかしグリシドール脂肪酸エステルの全量がグリシドールに
分解されたとしても、通常のグリシドール脂肪酸エステルの暴露マ
ージンは十分に低く、対策は必要ない。

 この結論で、エコナに関しても無罪放免となったと考えてよいと
思います。

 ただし、暴露マージンに関しては、現在エコナが販売されていな
いことが前提となっているようで、エコナが再発売される方向に動
くことはないでしょうね。

 メーカーにしても、トクホ商品の大失敗を取り戻すために再チャ
レンジするというリスクを冒す意味は認められないと思います。

 以下はそのあたりの経過も含めた、厚労省のサイトにあるQ&A
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

高濃度にジアシルグリセロール(DAG)
を含む食用油等に関するQ&A

Q1.厚生労働省が花王(株)のエコナ等を特定保健用食品として許可
していましたが、許可の経緯を教えてください。

■特定保健用食品とは、食品の持つ特定の保健の用途を表示するこ
とが認められた食品で、特定保健用食品として販売するためには、
製品ごとに食品の有効性や安全性について審査を受け、表示につい
て国の許可を受ける必要があります。

 花王「健康エコナクッキングオイル」は、身体に脂肪がつきにく
くなる働きが認められている油脂成分の一種であるジアシルグリセ
ロール※を高濃度に含む食用油脂であり、当初、平成10年5月に
特定保健用食品として許可されました。

 その後、平成15年に、エコナマヨネーズタイプの製品について
も特定保健用食品としての許可申請が行われた際に、薬事・食品衛
生審議会における審議に加え、食品安全基本法に基づき食品安全委
員会に対しても食品健康影響評価を依頼し、「薬事・食品衛生審議
会において行われた、特定保健用食品としての安全性の審査の結果
は、当委員会として妥当と考える。」との評価を得て、15年9月
に許可されました。

 なお、特定保健用食品の表示の許可に関する業務は、平成21年
9月1日、消費者庁発足を受け、厚生労働省から消費者庁に移管さ
れました。

 その後、平成21年10月8日付けで、花王(株)は特定保健用食
品の表示許可を自主的に取り下げています。

※一般の食用油はグリセリンに3本の脂肪酸がエステル結合したト
リアシルグリセロールが主成分です。一方、グリセリンに2本の脂
肪酸が結合したものをジアシルグリセロールと呼びます。トリアシ
ルグリセロールは体内に吸収後、血中中性脂肪として全身に回り、
利用されなかった中性脂肪は体脂肪として蓄積されます。一方ジア
シルグリセロールは構造が異なることから吸収後に血中中性脂肪が
上昇しにくいとされています。なお、ジアシルグリセロールは、一
般の食用油にも、数%程度含まれています。

Q2.ジアシルグリセロールには発がん促進作用があると聞きました
が本当ですか?

■平成15年に新たに特定保健用食品として申請された、エコナマ
ヨネーズタイプの薬事・食品衛生審議会新開発食品調査部会におけ
る審査において、「発がん性を示す所見は認められず、発がん促進
作用を引き起こすとの報告もない」として特定保健用食品として認
めることは差し支えないと判断されましたが、「念のために、発が
ん促進作用を観察するため、より感度の高い試験を行う」こととさ
れました。

 この時、厚生労働省は、食品安全基本法に基づき食品安全委員会
に対し食品健康影響評価を依頼し、その結果、「薬事・食品衛生審
議会において行われた、特定保健用食品としての安全性の審査の結
果は、当委員会として妥当と考える」「ジアシルグリセロールに係
る試験については、結果がわかり次第、食品安全委員会にも報告さ
れたい」との評価を得て、特定保健用食品としての表示の許可を行
いました。

 これを受け、ジアシルグリセロールの発がん促進作用については、
様々な条件で試験が実施され、これらの試験結果を食品安全委員会
へ報告し、現在、食品安全委員会において、食品健康影響評価が行
われているところです。

Q3.花王(株)は平成21年10月に、エコナ関連製品を一時販売自
粛しましたが、それはなぜですか?

■平成21年7月、花王「健康エコナクッキングオイル」に、グリ
シドール脂肪酸エステルという不純物が高濃度に含まれることが判
明したことへの対応です。グリシドール脂肪酸エステルは、主に油
脂の製造工程(脱臭過程)において副成されます。一般の食用油中
にもわずかに含まれていますが、花王エコナ関連製品には、特に高
濃度に含まれていることがわかりました。

 グリシドール脂肪酸エステルの毒性や体内における消化、吸収等
については、まだ明らかにされておらず、その健康影響について結
論は出ていませんが、花王(株)は、消費者の不安に配慮し、製品
中のグリシドール脂肪酸エステルの低減が図られるまで、一時販売
を自粛することとした、と発表しています。

Q4.グリシドール脂肪酸エステルとは何ですか?グリシドール脂肪
酸エステルは発がん物質なのですか?

■グリシドール脂肪酸エステルは、グリシドールに一本の脂肪酸が
エステル結合したものです。

 グリシドール脂肪酸エステル自体の毒性については明らかになっ
ていませんが、体内で消化・分解されてグリシドールになる可能性
が指摘されています。グリシドールは国際癌研究機関(IARC)によっ
て「人に対し発がんの危険性あり」(グループ2A)と分類されている
ことから、グリシドール脂肪酸エステルの発がん性について評価が
必要になっています。

 花王(株)からのグリシドール脂肪酸エステルに関する補足資料の
提出等をうけて、食品安全委員会において食品健康影響評価が再開
されることとなっています。

Q5.他の食用油等にはグリシドール脂肪酸エステルは含まれていな
いのですか?

■厚生労働省では、花王エコナ関連製品に、不純物としてグリシド
ール脂肪酸エステルが高濃度に含まれていることが判明したことか
ら、国立医薬品食品衛生研究所において、エコナ関連製品のほか、
なたね油、大豆油、オリーブオイル、マーガリンなどの一般の食用
油等中にグリシドール脂肪酸エステルがどの程度含まれているかを
確認するための調査を実施してきました。

 エコナ関連製品からは166〜277ppmのグリシドール脂肪酸
エステルが検出されたものの、一般の食用油等中からは、一部のこ
め油製品で定量限界(5ppm)を超えて検出(11ppm〜16ppm)
された他は、検出されない又は検出されても定量限界未満のごく微
量なものでした。

 この結果は平成22年6月3日の食品安全委員会において報告し
たところです。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/090930-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このQ&Aは今回の報告以前のものです。

 今回の報告にあたり、食品中のグリシドール脂肪酸エステルなど
の調査が行われ、同じ日付で発表されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■平成24〜25年度 食品中の3-MCPD 脂肪酸エステル及びグリシドー
ル脂肪酸エステルの含有実態調査」の結果について/農林水産省

 農林水産省は、平成24〜25年度に実施した食品中の3-MCPD脂肪酸
エステル及びグリシドール脂肪酸エステルの含有実態調査の結果を
取りまとめました。

 今回の調査から、海外の食品と同様、我が国で流通している食用
植物油脂、油脂の含有率が高い他の食品等にも含まれること、その
濃度は海外での報告よりも低い傾向であること、が分かりました。

 両物質については、今後、国際的なリスク評価が予定されていま
す。農林水産省は、本実態調査結果が活用されるよう、国際機関に
データを提供します。

http://news.e-expo.net/gyousei/2014/12/post-105.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 似たような経過で問題となった「アクリルアミド」は差し迫った
危険というわけではないが、対策が必要と考えられました。

 グリシドール脂肪酸エステルに関してはほぼ問題ない、という結
論になったと思います。

 エコナはとんだとばっちりで、今更無罪放免してくれても取り返
しがつかないですが、これもトクホなどの制度を利用してうまくや
ろうとしたことの因縁です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 中国語検定2級の「不合格通知」が来てしまいました。ちょっと
失敗したのでダメだとは思っていましたが、筆記の方で合格に4点
足りませんでした。残念。

 このところ体調も安定してきて、少し長く歩けるようになりまし
た。発病以来10ヶ月ほど経ちましたがようやく先が見えてきた感
じです。体調面からは検定の受験は少し早まったようです。ヒマだ
ったもので…。

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