安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>786号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------786号--2014.11.30------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「カンピロバクター」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
------------------------------------------------------------
ブログ毎日?更新中

http://why0531.sblo.jp/
------------------------------------------------------------
---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 世界的に普及しつつある「電子たばこ」について、厚生労働省の
専門委員会は27日、ニコチンの入っていないタイプでも発がん性
物質が含まれ、「健康に影響を与える可能性がある」との見解をま
とめた。電子たばこを巡っては、現在は医薬品医療機器法(旧薬事
法)でニコチン入りのタイプの国内販売を規制しているが、個人輸
入であれば未成年でも入手できてしまう現状がある。同省は国内の
普及状況を調査し、関係省庁に法規制の検討を求める。

 ◇ニコチン入ってなくても

 厚労省によると、ニコチンの入っていない商品の成分を分析した
ところ、一部の商品から、約5分の吸引で紙巻きたばこ1本分の約
110倍の発がん性物質「ホルムアルデヒド」が検出された。液体
を加熱した際に化学反応で発生したとみられる。発がん性物質の量
は商品の種類や同じ商品でも製造番号により差があったという。専
門委は「長期的な人体への影響を調べる必要がある」と指摘してい
る。

 世界保健機関(WHO)によると、電子たばこは2013年には
世界で30億ドル(約3500億円)を売り上げたとされるが、禁
煙効果は確認されていない上、健康へのリスクが否定できないとし
て、今年8月、屋内での使用や未成年者への販売禁止など規制を設
けるよう各国に求めていた。【桐野耕一】

 ◇電子たばこ◇

 香りや味の成分を添加した液体を電気式の器具内で加熱し、蒸気
を吸う仕組み。2004年に中国で開発され、08年ごろから「禁
煙に効果がある」などと広告され急速に普及した。ニコチン入りと
そうでないタイプがあり、世界で466銘柄7764種類の風味の
商品が販売され、たばこ味やバニラ味などもある。器具が数千円、
カートリッジが数百円で販売されているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141128-00000016-mai-soci
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 禁煙の手法としては有効だと思いますが、電子たばこへの移行で
止まってしまっては無意味だということですね。一刻も早く禁煙す
べきというのが結論です。

 次は以前にも掲載したことがある、オーストラリアで豆乳による
健康被害が出たという事件について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 Erin Downieは入院して手足が動かせない最も重症の時ですら健
康によいと信じてBonsoyを飲み続けた。

 脱毛、歯茎からの出血、動悸、手足を動かせないなどの恐ろしい
症状が、Ms Downieが信じて毎日飲んでいたBonsoy豆乳が原因であ
ることがわかったのは2年後だった。

 彼女は26才で妊娠し、他の多くの母親と同じように、赤ちゃんの
健康のために最良のことをしたいと思った。彼女は乳糖不耐だった
ため、毎日1-2カップのBonsoyを飲み始めた。「私はそれが最良だ
と宣伝されていたから、妊娠後に飲み始めた」と彼女はnews.com.
au.に語った。娘を出産後、母乳の出が悪くて母乳コンサルタント
が飲み物を多く摂るように勧めたため2-3カップに増やした。その
後4週間で健康状態が悪化し髪の毛が抜け歯茎から出血し鼓動が早
くなり腫れ物だらけになった。さらに体重が急減したり急増したり
した。医師の診察を受けたところ甲状腺(ホルモン)レベルが極め
て高いと言われた。数ヶ月後には意識不明で入院した。医師は脳卒
中か心筋梗塞と考えた。約1年寝たきりだった。

 何がおこったのか誰もわからなかった。この時点ではBonsoyを飲
み始めて2年になっていた。そして2009年12月にこの製品がリコー
ルされ、Ms Downieは閃いた。「私は寝たきりの時ですらそれが毒
だと知らずに飲み続けていた。私は腹が立った。」

 Ms Downieは集団訴訟の筆頭原告となり、月曜日に2500万ドル
(25億円くらい?)で決着した。オーストラリアの史上最高記録で
ある。オーストラリアでの販売業者Spiral Foodsと日本のMuso と
Marusan-Ai Coが責任を認めず賠償することで合意した。

 集団訴訟では安全でない量のヨウ素(昆布由来)がBonsoy豆乳に
添加されていたと主張している。ヨウ素は1杯で1日推奨摂取量の50
倍であった。

 集団訴訟に参加したのは約500人。Ms DownieはBonsoyを中止して
5年経つがまだ完全には回復していない。彼女は今自己免疫疾患で
慢性疲労を患っている。「病気にならなければもっと子どもが欲し
かったのに。キャリアも夢も失った。私の人生の7年は完全に破壊
された。」

 企業は2500万ドルを支払うがそれがどう個人に分配されるかは不
明。また和解は1月29日に行われるヒヤリングで最高裁判所に認め
られる必要がある。

 娘は健康。

 (特に注目。「健康食品」による健康被害の典型事例なのだがさ
らに特筆すべきはこれらの会社は「和食」イメージで売り込んでい
たこと。むそうはマクロビ。「和食が健康に良い」などと言ってる
人たちは少しは学習しないのだろうか。

 どっちの会社もこの裁判については何も言ってない

http://www.muso-intl.co.jp/

http://www.marusanai.co.jp/

しかもここでは

http://www.muso-intl.co.jp/enkaku.php

 2009年(平成21年)オーストラリアで豆乳(ボンソイ)販売が急伸

って書いてある。健康被害を出したことには触れない。これが「日
本の伝統」?)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20141125#p11
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いつもお世話になっている食品安全情報blogからの転載ですが、
うねやまさんはかなりお怒りのようです。

 この件は日本人だけがヨウ素を過剰摂取しているという特殊な事
情がからんでいます。

 つまり普段から過剰な日本人では別に問題にならないが、欠乏気
味の人がヨウ素を過剰に含んだ食品を食べると甲状腺に異常をおこ
してしまうということです。

 このヨウ素は減塩のために「うま味」をつける目的で添加された
「昆布エキス」から来たものです。素直にグルタミン酸ソーダを使
っていれば何の問題もなかったのに、メーカー自身が「無添加」の
呪縛にかかっていたようです。

 これも一つの「無添加は危ない!」の実例です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「カンピロバクター」
------------------------------------------------------------

 英国の話ですが、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 英食品基準庁(Food Standards Agency、FSA)は27日、英国で販
売されている鶏肉のうち約70%から食中毒の原因となるカンピロバ
クター菌が検出されたとして、小売業者らに改善を求めた。

 FSAが、冷蔵された丸鶏を対象に6か月かけて行った調査では、最
高レベルのカンピロバクター菌汚染が全体の18%で確認された。

 また、大手スーパーマーケットで同細菌を減らすための業界基準
を満たしていたところは一つもなかったという。カンピロバクター
菌は加熱されることによって死滅するが、英国では毎年28万人がこ
の菌によって食中毒となっている。

http://news.livedoor.com/article/detail/9519659/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 鶏肉のカンビロバクター汚染は日本でも似たような事情です。こ
のところ減少傾向の食中毒の中では、最も問題となっている食中毒
菌です。

 以下はそのカンビロバクターの解説です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■新たな食中毒菌への正しい理解を

 ほとんどの細菌性食中毒が減少傾向にあるにもかかわらず、1983
年に新たな食中毒菌として指定されたカンピロバクターは、患者数
が少なく小規模化していながらも、近年、発生件数が増加の一途を
たどる重要な食中毒菌です。

 本菌のこうした特徴を理解し、カンピロバクター食中毒の微生物
制御対策を考えていかなければなりません。

■カンピロバクターの特徴

 カンピロバクターは、サルモネラ、O157など代表的な食中毒菌と
様々な点で大きく異なります。

☆形態が螺旋系であること

☆酸素が3〜15%含まれる微好気的条件で発育し、大気中や嫌気的な
環境では発育しない

☆大気中では死滅しやすく乾燥にも極めて弱い

☆従来の食中毒菌の発育可能温度は10〜46℃だが、カンピロバクタ
ーは31〜46℃

 こうした特殊性から、カンピロバクターは家畜や家禽、あるいは
人の体内や腸管内の限られた環境でしか発育・生存できず、通常の
食品内では増殖できません。しかし感染菌量が100個程度と少ない
ことから、食品を汚染した菌量で、人は食中毒を起こすことが考え
られます。

 また、環境条件により菌体が螺旋系から球形に変化し、球形化し
た菌体は培養が不可能となります。そのため、これまでの常識では
球形化した菌体は死滅したとしてきましたが、球形化した菌体を実
験動物や発育鶏卵に接種すると元の螺旋系に戻り、増殖が可能にな
るとする報告がなされてきました。

 現在、カンピロバクターが生きていくための解決策としての球形
化や、環境適応性に関す研究が進められつつあります。

 カンピロバクターが下痢症の原因菌であることが明らかにされて
以降、世界各国で本菌の検査が実施され、下痢症患者の10%〜20%か
ら検出されることが判明しました。特に小児・学童の主要な原因菌
となっています

 国内では、1983年に元厚生省がカンピロバクターを食中毒菌であ
ると認識し、食中毒統計に計上されるようになりました。

■カンピロバクター食中毒発生状況

 この統計によれば、カンピロバクター食中毒の発生件数(患者数
2名以上の事例)は1996年以前と以後では大きく変動し、前者では
年間20〜50件を推移、後者では年とともに発生件数が増加し2005年
には年間200件以上にもなりましたが、2007年では143件とやや減少
しています。

 患者数は、1996年以前では大規模発生が多く見られ、年間5000名
以上を記録しました。それ以降は、発生件数の増加にもかかわらず
年間2000〜3000名に留まっています。

■カンピロバクター食中毒発生の原因施設

(略)

■カンピロバクター食中毒発生の原因食品

 カンピロバクターは牛、豚、羊、山羊の腸管内に高い確率で保菌
されていますが、これら市販食肉からの汚染率はそれほど高くあり
ません。

 しかし、鶏、ウズラなどの家禽での保有率が極めて高く、市販鶏
肉の汚染率が50%以上であることから、カンピロバクター食中毒の
原因食品として鶏肉やササミなどの生食が多いと言えます。

 過去5年間の事例でもササミなど鶏肉の生食が85件と多く、鶏や
牛レバーも注意が必要です。鶏肉料理、焼肉・バーベキューでは、
加熱不足や過熱後の二次汚染が考えられます。

■カンピロバクターのリスク低減対策

 カンピロバクター食中毒の原因食品として鶏肉やその生食が多い
ことから、生産段階であるプロイラー養鶏場、食鳥処理場、鶏肉加
工場、飲食店、集団給食施設、消費者の各段階におけるリスク低減
対策を推進しなければなりません。

 また、食鳥処理工程での汚染が極めて高いことから、本施設での
脱毛、内臓摘出、冷却、カットなど各工程の高度な衛生管理の早急
な構築、さらに、ササミやレバーなどの生食による事例が多いこと
から、食鳥処理場での生食用鶏肉の解体工程の衛生管理や飲食店で
の生食肉の取扱いを含めた、生食用の規格基準の制定が必要になる
でしょう。

 また、最も発生件数が多い飲食店においては鶏肉の適切な保管と、
ドリップ、包丁やまな板、手指などからの二次汚染防止対策、鶏肉
料理の加熱(75℃、1分以上)の厳守が求められるでしょう。

表2:カンピロバクター食中毒の原因食品

2002〜2007年(患者数2名以上)
原因食品         発生件数
鶏肉とその料理
    ささみなど    85
    鶏レバーなど   36
    生鶏肉      6
    鶏肉料理     81

焼肉・バーベキュー    58
焼鳥           5
牛レバー         25
飲料水          5
その他          0
小計           309(33.6%)
不明           610(72.4%)
計            919

■麻痺性疾患との関連にも注意

 カンピロバクターは、感染後1〜2週後に運動麻痺を主微とする
ギラン・バレー症候群を併発することがあり、急性期の治療が適切
でないと死亡することも稀ではありません。国内ではギラン・バレ
ー症候群の約40%がカンピロバクター感染症を原因としていると考
えられています。カンピロバクターは麻痺性疾患との関連もある重
要な病原菌であることを再認識し、感染防止対策を講じなければな
りません。

http://www.kenko-kenbi.or.jp/science-center/foods/topics-foods/75.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一番最後にちょっと怖いことが書いてあります。その「ギラン・
バレー症候群」についての説明です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ギラン・バレー症候群とは ?

 筋肉を動かす運動神経が傷害されて、両手両足に力が入らなくな
る病気です。約3分の2の患者さんが、発病の1-2週前に風邪をひい
たり下痢をしたりしています。手足のマヒの程度は発病してから1-
2週以内にもっともひどくなり、重症の場合には呼吸もできなくな
ります。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのか?

 ポリオが発生しなくなった先進国においては、脳卒中を除けば、
急に手足が動かなくなる病気の原因としてもっとも多いことが知ら
れています。人口10万人あたり年間約2人発症し、日本では少なく
とも年間2,000人以上発症していることが推定されており、難病
(特定疾患)の中ではそれほど稀な病気ではありません。

3. この病気はどのような人に多いのか?

 慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど多くの自己免疫
疾患は女性の方が多いのですが、ギラン・バレー症候群は男性の方
がかかりやすいようです。赤ちゃんからお年寄りまで、どの年齢層
の方も発病しうることが知られています。

4. この病気の原因はわかっているのか?

 ウイルスや細菌が、わたしたち人間の運動神経と似た構造を持っ
ていることが最近、明らかにされました。風邪をひいたり下痢をし
たりしたときに、そのもととなったウイルスや細菌を排除しようと
して、わたしたちの血液中には「抗体」という物質ができます(例
えば、「はしか(麻疹)」にかかったら、2度とかからないのは
「抗体」のおかげです)。その際誤って自分の運動神経を攻撃する
ような「自己抗体」ができ、その「自己抗体」が運動神経の機能を
障害して手足の筋肉が動かなくなる、という機序が明らかにされつ
つあります。

5. この病気は遺伝するのか?

 この病気は遺伝しません。

6. この病気ではどのような症状がおきるのか?

 手足が動かなくなります。ただし、片側の手足が動かなくなる脳
卒中と異なり、両手両足が動かなくなります。半数の患者さんで、
顔面もマヒし、目を閉じられなくなったり、呂律がまわらなくなっ
たりします。ものが二重に見えたり、食事がむせたり、呼吸ができ
なくなって息苦しくなることもあります。

 4分の3以上の患者さんが、運動神経だけでなく感覚神経も傷害さ
れて、手袋をはめたり靴下を履いたりする部分にしびれを感じます。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~kye/giran.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 カンビロバクターによる食中毒が原因で、二次的にギラン・バレ
ー症候群を引き起こしてしまうようです。

 もっと重要視されてよい食中毒菌ですが、原因は鶏肉にかなり偏
ります。以下は鶏肉調理についての対策です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

応用・対策編

-----------------------
■鶏肉料理を食べるときに
-----------------------
Q22 調理してすぐ食べれば大丈夫ですか?時間がたつと食中毒の危
険性は高くなりますか?

A22 カンピロバクターは食品中で増えにくい性質を持つ菌なので、
調理後の時間経過は食中毒の危険性の増大とは関係ありません。ま
た、加熱を十分に行った料理では、カンピロバクターは死滅してし
まいます。

 ただ、時間が経つと、他の細菌による食中毒にかかる危険性が高
くなります。おいしく食事をするためにも、調理後は早く食べまし
ょう。

-----------------------
Q23 鍋物や焼肉などを皆で囲んで食べるときに、注意したほうがよ
いことはありますか?

A23 鍋物や焼肉などの料理でカンピロバクター食中毒が起こる場合
には、主に以下の理由が考えられます。

1.カンピロバクターの付いた鶏肉を、加熱不十分の状態で食べてし
てしまった。

2.鶏肉についていたカンピロバクターが野菜や箸に付着し、その菌
を摂取してしまった。

鍋物や焼肉などの料理では、次のようなことに注意が必要です。

1.肉や野菜は十分加熱して食べる(鶏肉の加熱方法はQ26,27を参
照してください)

2.生肉を扱う場合は専用の箸かトングを使用し、生の肉に触れたは
しなどで食事をしない。

3.肉と野菜は別の皿に準備する。

-----------------------
Q24 家庭で鶏わさや鶏肉のさしみを食べるのは良くないのでしょう
か。

A24 カンピロバクターなどの食中毒菌が付着していない鶏肉を材料
にできればよいのですが、見た目では付いているかどうか判断でき
ません。

 東京都が感度の高い検査方法で調査を行った結果では、流通して
いる鶏肉の4割から6割でカンピロバクターが検出されていること
から、鶏肉にはかなり高い割合でカンピロバクターが付着している
ことが推察されます。また、調理実験では、湯通し程度の加熱では
カンピロバクターを完全に殺すことはできませんでした。

 これらのことから、ほとんど加熱しない鶏肉を使う鶏わさや、生
で食べる鶏肉のさしみを家庭で食べることは食中毒になるおそれが
高いと考えられるので、控えてください。特に、小さいお子さんや
高齢の方、その他抵抗力が弱い方は感染しやすいと考えられている
ので、鶏わさや鶏のさしみを食べない(食べさせない)ように注意
してください。

 なお、国も、生や生に近い状態の鶏肉を食べることは、食中毒防
止の観点から推奨できないことを公表しています(平成16年3月
9日、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、環境省)。

-----------------------
Q25 飲食店で出される、鶏わさや鶏肉のさしみは安全ですか?

A25 鶏の処理に細心の注意を払うことにより、鶏肉にカンピロバク
ターが付かないようにすることは、技術的には可能です。このよう
な鶏肉が使われている場合以外は、鶏肉のさしみやほとんど加熱さ
れない鶏肉を使う鶏わさを食べることは、食中毒になるおそれがあ
ります。

 特に、小さいお子さんや高齢の方、その他抵抗力の弱い方は、食
中毒になる可能性がより大きいと考えられているので、生や生に近
い状態の鶏肉料理を食べないようお勧めします。

-----------------------
■鶏肉を調理するときに
-----------------------
Q26 カンピロバクターがいない料理にするための加熱の目安を教え
てください。

A26 焼き鳥、肉団子、鶏の唐揚げなど、焼く、煮る、揚げるなどの
調理をする場合には、肉の中心部の色が桃色(生の肉の色)から、白
く変わるまで加熱すれば、カンピロバクターはほぼ死滅するという
調理実験結果が得られています。肉の色の変化を食べ頃の目安とし
てください。

 バーベキューなどで肉を強い火であぶると、表面は食べ頃に見え
ても肉の中心はまだ生のことがあります。肉はじっくり焼いて、中
心まで肉の色が変わったことを確認してから食べてください。

 また、「湯引き」と呼ばれる、鶏肉を湯にくぐらせる程度の加熱
の効果を実験したところ、カンピロバクターは死滅しませんでした。
この程度の加熱では、カンピロバクターのいない料理を作ることは
難しいと考えられます。

-----------------------
Q27 何度まで加熱すれば安全ですか?

A27 カンピロバクターは、60℃、1分程度の加熱でほぼ死滅しま
す。また、調理実験からは、肉の中心部が65℃に達すれば、菌が
ほぼ死滅すると推測できます。調理時に肉の温度や加熱時間を測る
ことは難しいと思いますが、肉の中心が白くなっていれば、既に中
心温度が60℃以上になっていると推測できるので、肉の色の変化
を、加熱状態を判断する際の目安としてください。

-----------------------
Q28 生の鶏肉を扱うときに気をつけることはどんなことですか?

A28 過去に発生したカンピロバクター食中毒の原因を調べてみると、
鶏肉を生や生に近い状態で食べたことの他に、鶏肉に付着していた
カンピロバクターが調理器具や手指などを介して他の食品に付着
(二次汚染)し、それを食べたことで発症したと推定される事例が
多くあります。生の鶏肉を扱うときには、次のことに注意してくだ
さい。

1.鶏肉を扱った手指は、他のものに触る前に必ず洗う。

2.肉はなるべく専用のまな板を使って調理し、野菜などと共用しな
い。やむを得ず共用しなければならない場合は、調理器具(鶏肉を
切った包丁、まな板、ボール等)は、次の食品を扱う前に必ず洗う。

-----------------------
Q29 冷蔵庫で他の食品にうつったりしませんか?

A29 冷蔵庫内で、むき出しの鶏肉に接触したり、鶏肉から肉汁が漏
出しなければ、他の食品にカンピロバクターが付着することはあり
ません。鶏肉はふた付きの容器に入れて保存しましょう。

-----------------------
Q30 鶏肉を保存する際に気をつけることはありますか?

A30 カンピロバクター以外の病原菌による食中毒を防ぐためにも、
購入後は速やかに冷蔵もしくは冷凍で保存しましょう。

-----------------------
Q31 鶏肉を扱ったあとの調理器具はどうすればよいですか?

A31 生の鶏肉に触れたまな板やボールなどの調理器具は、そのまま
他の調理に使用することはやめましょう。特に、サラダや和え物な
ど、加熱しない食材を扱う際には、注意が必要です。

 使用した調理器具からカンピロバクターを除去するためには、調
理器具に70℃以上の湯を十分にかけることが効果的です。まず、調
理器具を台所用洗剤などで洗浄してから、湯をかけてください。

-----------------------
Q32 調理器具を洗剤で洗えば、菌は落ちますか?

A32 調理器具を洗剤で洗う実験では、菌をある程度減少させること
が出来ています。これだけでもかなり食中毒予防効果はあると考え
られますが、洗ったあと70℃以上の湯を十分にかけるとより効果的
です。

 調理の途中でも、洗剤で洗った後で湯をかける作業をすることを
お勧めします。特に小さいお子さんがいる家庭では、菌の除去に気をつかってください。

-----------------------
Q33 簡単にできる、調理器具などの消毒法はありますか?

A33 いろいろな消毒方法を試したところ、例えばふきんでは、70
℃以上のお湯か、塩素系漂白剤に1分以上浸けること、また、まな
板は、Q32のように70℃以上のお湯を十分にかけることで、十分
な消毒効果が得られました。

 また、カンピロバクターは乾燥に弱いことから、日光にあてて乾
かすことも有効な消毒法です。

-----------------------
Q34 手洗いはどのようにすればいいですか?

A34 調理の際の手洗いは、固形石けんよりポンプ式の液体石けんの
方が清潔に使える点で向いています。

 手洗い実験では、液体石けんでの2度洗いを丁寧にすることによ
り、手指についている菌(カンピロバクター以外の菌を含めて)を
1000分の1以下まで減らすことができるという結果が得られていま
す。

 水洗いや、石けんで1回洗うだけでは、肉などと一緒に手に付着
した菌をきれいにすることは困難です。肉を触ったあとは、他の調
理を行う前に、少なくとも液体石けんで2度洗いをするようにして
ください。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/campylo/report2a.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本の食中毒統計によると、食中毒の発生数はアメリカなどと比
べて非常に少ないことがわかります。日本の方が衛生的に優れてい
るからだと誤解している人が多いのですが、実はそうではなくて、
統計のとり方の違いです。

 日本では医療機関から届出のあった食中毒を統計していますが、
アメリカなどでは各種の調査結果から、実際にはこれくらいの食中
毒が発生しているだろうという推計値を出しています。

 日本でも同様の手法を導入すべきということで出ている研究結果
が以下のようなものです。
 
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■食中毒被害実態の推定

□背景1

 食品衛生行政における施策の決定や評価を行うためには、まず現
状の把握が必須である。

・喫食による被害実態の把握

・飲食店等における提供状況の把握等

現状把握後

・対策手法の検討、導入方法の検討等

対策実施後

・対策の効果を評価(被害者数の変化等)

□背景2

食中毒統計

 報告が上がってくるのを待つ形のパッシブサーベイランスである
食中毒統計に報告される食中毒患者数は、実際の食中毒被害者数よ
り少ない可能性がある。

 その原因として以下のことが考えられる。
・発症者が医療機関を受診しない
・医療機関での検便を実施しない
・食中毒として報告されない例(特に散発事例等)
etc.

□背景3

 米国のFoodNetプログラム等では、アクティブサーベイランスで
臨床検査機関から得た菌検出データをもとに、住民電話調査、医療
機関や臨床検査機関に対する調査等の結果から算出した各報告率の
積算係数を除して患者数を推定し、食中毒被害実態の把握を行って
いる。

 その結果は規制機関等での施策検討や評価などのリスク管理に活
用されている。目的および手法

□目的:

 科学的証拠にもとづいた食品衛生行政における施策決定や評価に
活用するため、食中毒のより正確な被害実態を長期にわたり継続し
て把握する。

◎手法:

検査機関において、宮城県および全国についての多年度にわたる菌
検出情報を収集し、また住民電話調査を行うことで下痢症患者の医
療機関受診率及び検便実施率を推定する。それらのアクティブサー
ベランスデータを用いて確率分布を適用したモデルを構築し、モン
テカルロシミュレーション法により被害実態の推定を行う。

http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/kikikanri/H26/20141016-03.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下が推計された食中毒の発生数です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■宮城県データと全国データからの推定結果比較
  
検出菌

年度 ※宮城データからの推定 全国データからの推定 ※※食中毒患者数

カンピロバクター
2006  1,580,972      4,107,351      2,297
2007  1,546,069      5,320,324      2,396
2008  1,343,144      4,456,026      3,071
2009  1,146,218      3,367,972      2,206
2010  1,016,152      3,418,980      2,092
2011   930,641      3,470,162      2,341

サルモネラ
2006   156,897       907,796      2,053
2007   156,897      1,085,537      3,603
2008   191,200       774,689      2,551
2009   112,397       585,822      1,518
2010   173,967       641,656      2,476
2011    78,476       718,579      3,068

腸炎ビブリオ
2006    63,043       147,872      1,236
2007    56,062       165,796      1,278
2008    18,706        60,463       168
2009    14,016        44,190       280
2010    35,012       101,550       579
2011    16,306        58,121        87

http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/kikikanri/H26/20141016-03.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 全体としては減少傾向なのはうれしいですね。しかしカンビロバ
クターの多さに注目です。

 その上、驚くべきことに今までの統計(右端の数字)と推計され
た発生数の誤差は千倍ほどもあります。

 以下は上記の数字を人口十万人あたりにして、他国と比較してい
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

全国の人口10万人あたりの推定食品由来患者数(参考)
検出菌
年度/宮城データからの推定/全国データからの推定/食中毒統計から算出

カンピロバクター
2006  1,236  3,211  1.8
2007  1,208  4,155  1.9
2008  1,049  3,479  2.4
2009   895  2,631  1.7
2010   794  2,670  1.6
2011   728  2,715  1.8

サルモネラ
2006   123   710  1.6
2007   123   848  2.8
2008   149   605  2.0
2009    88   458  1.2
2010   136   501  1.9
2011    61   562  2.4

腸炎ビブリオ
2006    49   116  0.97
2007    44   129  1.00
2008    15    47  0.13
2009    11    35  0.22
2010    27    79  0.45
2011    13    45  0.07

          米国  英国  オーストラリア
カンピロバクター  917   870  1,083
サルモネラ     528   220   422

http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/kikikanri/H26/20141016-03.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本の統計数値より、この研究による推定値の方が実態に近いだ
ろうというのが他国との比較でよくわかります。

 実際の食中毒の発生数は千倍多い!というのが今回の最も重要な
情報です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 食中毒が原因でギラン・バレー症候群を引き起こすという認識は
あまりなかったので、ちょっと反省です。今年ネフローゼ症候群を
わずらった私としては人ごとではないです。あれも自己免疫性の疾
患で、ステロイド剤を使って治療しています。

 昔の話ですが、某生協で、生協の鶏肉は新鮮だから生で食べられ
る…と言って実際に生で食べさせるパフォーマンスをやっていまし
た。そこの専務理事には危ないからやめろと言っていたのですが、
こんな病気の話を聞くと、実に犯罪的なことをやっていたものだと
改めて思います。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-786号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数3790名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「[\]安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/