安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>781号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------781号--2014.10.26------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「有機農業で使用可能な資材等」

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ブログ毎日?更新中

http://why0531.sblo.jp/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

福島)細菌数基準超す牛乳 業者に自主回収を要請 県
2014年10月23日03時00分

 牛乳に含まれる細菌数が食品衛生法の基準を超えたとして、県は
22日、ささき牛乳(福島市)に自主回収を要請した。健康被害は
報告されていないという。同社は牛乳316本(計284リットル)
の回収を始めた。

 県食品生活衛生課によると、20日の抜き打ち検査で1ミリリッ
トルあたり67万個の細菌が検出され、5万個以下の基準を超えた。
同社は5月にも同じ違反があり、県が自主回収と再発防止を求めた
ことがある。

http://www.asahi.com/articles/ASGBQ6HTLGBQUGTB00Z.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 実はこの工場は今年の5月にも同様の問題を起こしています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■2014年5月30日に新聞や公的サイト(農林水産省、各地方自治体
等)に掲載されたものです。

         告知文

商品名:牛乳(低温殺菌乳)ささき牛乳

対象の特定情報:
[商品名]
 ささき牛乳

 種別:牛乳(低温殺菌乳)

 包装形態:ビン入り

 内容量:900ml

 消費期限:「29」(平成26年5月29日)「31」(平成26年5月31日)
 ※牛乳ビンの紙栓に印字されています。

 製造者及び製造所所在地:
有限会社ささき牛乳 福島県福島市佐原字入左原50-1

 公表行政機関:
福島県-> 厚生労働省公表行政機関の掲載情報備考

[自主回収の理由]

細菌数の基準超過により

[健康への影響]

現在まで、当該食品の喫食による健康被害の報告はありません。

http://www.shokusan-kokuchi.jp/Notification/index/infoNo/20140568
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう一つ、2010年にもこんなことがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

◆牛乳を自主回収

県県北保健所は31日、福島市のささき牛乳が製造した
低温殺菌乳「ささき牛乳」に大腸菌群陽性の
規格基準違反を確認した。

規格基準違反の製品は消費期限を過ぎており、流通していない。
ささき牛乳は、その後に出荷した製品にも規格基準違反の
可能性があるとして自主回収している。

県によると、自主回収対象製品は消費期限が7月31日
(出荷数量433本)、8月2日(同400本)、同4日(同450本)の
「ささき牛乳」900ミリリットルビン入り。

福島民報 2010/07/31 22:25

http://www.logsoku.com/r/liveplus/1280583964/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうも衛生管理について、最低限のレベルに到達していないよう
です。

 以下はこのメーカーのサイトから。 

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■お届けするのは【牛乳】と【想い】です

 ささき牛乳は単なる乳業メーカーではありません。牛乳販売店で
もありません。

 ささき牛乳は、酪農家が自分で搾った牛乳を直接お客さんに届け
るために始めた経営のスタイルなのです。

 お届けする牛乳は乳処理工場の後ろの小さな牧場で飼われている
ホルスタインから搾った牛乳のみで生産されます。

どんな肥料をまいて作られた牧草なのか?
どんな作業で収穫されるのか?
どんな給飼の仕方をしているのか?
どんな性格の牛なのか?
一頭一頭のコンディションはどうなのか?
どの牛からどのくらいの量が搾れるのか?
牛乳はどう処理されるのか?
どこに宅配しているのか?

 これら、全ての行程に関わり、責任を持って生産される牛乳が
「ささき牛乳」なのです。

http://www.geocities.jp/i_cot_erikun/about.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 衛生レベルが基準に達していない以上、存続する価値はないと思
うのですが、いかがでしょうか。

 次は食べ物とは直接関係ないですが、ノロウィルスに有効な薬が
できるかもしれないという話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 エボラ出血熱への効果が期待される富士フイルムのインフルエン
ザ治療薬「アビガン(一般名ファビピラビル)」について、英ケン
ブリッジ大学の研究チームは21日、ノロウィルスに対しても効果
を発揮する可能性があるとの見解を示した。

 研究はなお初期段階にあるが、マウス実験でノロウィルス感染を
低減、または除染する効果が確認された。

 アビガンの投与で、ノロウィルスが「致死突然変異誘発」と呼ば
れる自滅プロセスに至り、事実上、死滅するとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141022-00000008-reut-m_est
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 興味深いですね。以下はこの薬の作用機序について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 毎年、冬に流行する感染症の一つにインフルエンザが知られてい
ます。インフルエンザの感染力は強く、一人が感染するとその周辺
にいる多くの人に伝染していきます。

 そこで、インフルエンザを治療するために用いられる薬としてフ
ァビピラビル(商品名:アビガン)があります。ファビピラビルは
RNAポリメラーゼ阻害薬と呼ばれる種類の薬になります。

■ファビピラビル(商品名:アビガン)の作用機序

 インフルエンザはウイルスによって発症する感染症です。その原
因ウイルスはインフルエンザウイルスと呼ばれています。

 細菌とウイルスは異なります。細菌は自分で増殖する力があり、
一つの生命体として機能しています。一方、ウイルスは自分の力だ
けで増殖できず、宿主細胞を乗っ取ることで増殖するという性質を
備えています。

■ウイルスの構造

 ウイルスはDNAまたはRNAを遺伝情報として保有し、その周りを膜
を覆っただけの構造をしています。インフルエンザウイルスはRNA
をもっているため、RNAウイルスに分類されます。

 ウイルスが増殖を行うためには、宿主細胞へ吸着・侵入しなけれ
ばいけません。細胞内へ侵入した後、インフルエンザウイルスはRN
Aなどの遺伝情報を細胞内へと放出します。この過程を専門用語で
脱殻(だっかく)と呼びます。

 細胞内へ放出されたRNAは、細胞内の核と呼ばれる部位へと送り
込まれます。核はタンパク質や遺伝情報を複製する器官であるため、
インフルエンザウイルスのRNAがここに送り込まれることで、その
細胞はインフルエンザウイルスのタンパク質や遺伝子(RNA)を合
成するようにプログラムされます。

 タンパク質やRNAが作られると、新しくインフルエンザウイルスが
作られ、細胞の外へ出ていくことで他の細胞へと感染していきます。
これが、インフルエンザウイルスの簡単な増殖工程です。

 この中で、「核の中に入ったRNAを複製するとき」に重要となる
酵素にRNAポリメラーゼと呼ばれるものがあります。RNAポリメラー
ゼが阻害されれば、インフルエンザウイルスの遺伝子(RNA)を新
しく作れないため、インフルエンザウイルスの増殖を抑制できます。

■アビガン(ファビピラビル)の作用機序:RNAポリメラーゼ阻害薬

 このような考えにより、インフルエンザウイルスで必須となる遺
伝子の合成を抑制し、ウイルスの増殖を止めることで感染症を治療
する薬がファビピラビル(商品名:アビガン)です。

■ファビピラビル(商品名:アビガン)の特徴

 抗インフルエンザウイルス薬には他にも存在し、オセルタミビル
(商品名:タミフル)などが有名です。しかし、これらの薬は「イ
ンフルエンザウイルスを細胞内に閉じ込め、外に放出されないよう
にする」という作用機序のために発症から48時間以内(2日以内)
に投与しなければ効果がありませんでした。

 一方、ファビピラビル(商品名:アビガン)はインフルエンザウ
イルスの増殖自体を抑制する作用を有しています。そのため、薬の
投与開始が遅れたとしても効果を示すことが確認されています。

 オセルタミビル(商品名:タミフル)などの薬が効かないインフ
ルエンザウイルス(ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルス)や鳥イ
ンフルエンザウイルスに対しても、ファビピラビル(商品名:アビ
ガン)は有効であることが分かっています。

 なお、ファビピラビル(商品名:アビガン)は動物などを用いた
非臨床試験で催奇形性(胎児に奇形をもたらす作用)が確認されて
おり、ヒトにおいても同様に起こると考えられています。そのため、
妊婦への投与は避けなければいけません。

 このような特徴により、遺伝子の合成過程に作用することによっ
てインフルエンザウイルスの増殖を抑制し、病気を治療する薬がフ
ァビピラビル(商品名:アビガン)です。

http://kusuri-jouhou.com/medi/virus/favipiravir.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もしかしたら本格的な坑ウィルス薬の登場なのかもしれせまん。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「有機農業で使用可能な資材等」
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 いわゆる「有機JAS制度」に関して、少し古いですが、こんな
情報がありました。

有機農業で使用可能な資材等
−有機JAS制度による有機農産物生産のために−
http://www.japan-soil.net/report/h22tebiki_04.pdf

という文書に、以下のような統計が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

表1 有機農産物の格付実績(平成21年度) (単位:t)

区分        国内       外国

野菜       37,644  167,230
果樹        2,436   24,593
麦           782    7,059
豆類        1,080  130,379
雑穀類         168   15,670
茶(緑茶、紅茶)  1,883      232
ナッツ類          0   13,600
さとうきび         7  212,674
こんにゃく芋      932      385
その他の農産物  12,410  132,382

計        57,342  704,204


表2 国内の品目別農産物の総生産量と有機農産物の格付数量
(平成21年度)

区分      国内総生産量    格付数量  有機の割合
(単位:t)    (単位:t)(単位:%)

野菜    15,958,000 37,644  0.24
果樹     3,379,000  2,436  0.07
米      8,474,000 11,565  0.14
麦        853,000    782  0.09
豆類       230,000    939  0.41
茶(荒茶)     86,000  1,873  2.18
その他      108,000  2,103  1.95

計     29,088,000 57,342  0.20

http://www.japan-soil.net/report/h22tebiki_04.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 まず、「表1」で外国産の方が一桁多いことに驚きます。「表2」
では「有機の割合」が壊滅的な低さです。改めて数字を見ると、有
機JAS制度が「すでに死んでいる」状態がよくわかります。

 この文書には有機JAS制度で使える資材が詳細に書かれていま
す。そのうち、農薬については以下のようなものが使えるそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

(1)殺菌剤

イオウゾル(硫黄剤)
イオウフロアブル(硫黄剤)
サルファーフロアブル(硫黄剤)
サルファーグレン(硫黄剤)
フロアブルサルファー(硫黄剤)
ユニクローサルファー(硫黄剤)
硫黄粉剤50(硫黄剤)
クムラス(硫黄剤)
ICボルドー66D(無機銅剤)
Zボルドー (無機銅剤)
コサイドDF(無機銅剤)
ドイツボルドーA(無機銅剤)
ハイカッパー(無機銅剤)
ハイボルドー(無機銅剤)
ベニドー水和剤(無機銅剤)
ベニドー粉剤DL(無機銅剤)
銅カル水和剤(銅水和剤)
硫酸銅(無機銅剤)
園芸ボルドー(無機銅剤)
コサイド3000(無機銅剤)
コサイドボルドー(無機銅剤)
サンボルドー(無機銅剤)
ポテガードDF(有機銅水和剤)
ハーモメイト水溶剤(炭酸水素ナトリウム剤)
ジーファイン水溶剤(炭酸水素ナトリウム・銅水和剤)
カリグリーン(炭酸水素カリウム剤)
バイオキーパー水和剤(微生物殺菌剤)
ボトキラー水和剤(微生物殺菌剤)
タフパール(微生物殺菌剤)
エコショット(微生物殺菌剤)
エコメイト(微生物殺菌剤)
ベジキーパー水和剤(微生物殺菌剤)
インプレション水和剤(微生物殺菌剤)


(2)殺虫剤

硫黄粉剤50(硫黄剤)
サンクリスタル乳剤(脂肪酸グリセリド)
スラゴ(燐酸第二鉄水和物)
ナメキール(メタアルデヒド粒剤)
ガードジェット水和剤(BT水和剤)
エスマルクDFBT水和剤(BT水和剤)
サブリナフロアブル(BT剤)
エスマルクDF(BT水和剤)
ダイポール水和剤(BT水和剤)
デルフィン顆粒水和剤(BT水和剤)
トアロー水和剤CT(BT水和剤)
トアローフロアブルCT(BT水和剤)
バシレックス水和剤(BT水和剤)
ゼンターリ顆粒水和剤(BT水和剤)
ファイブスター顆粒水和剤(BT水和剤)
レピタームフロアブル(BT水和剤)
クオークフロアブル(BT水和剤)
粘着くん液剤(デンプン液剤)
フローバックDF(BT水和剤)
フェロディンSL(性フェロモン剤)
コンフューザーV(性フェロモン剤)
ヨトウコンH(性フェロモン剤)
ヨトウコンS(性フェロモン剤)
コナガコン(性フェロモン剤)
コナガコンープラス(性フェロモン剤)
エンストリップ(生物農薬・天敵)
エルカード(生物農薬・天敵)
スパイテックス(生物農薬・天敵)
スパイカルEX(生物農薬・天敵)
スワルスキー(生物農薬・天敵)
カブリダニPP(生物農薬・天敵)
ツヤコバチEF30(生物農薬・天敵)
アフィデント(生物農薬・天敵)
アフィパール(生物農薬・天敵)
ククメリス(生物農薬・天敵)
タイリク(生物農薬・天敵)
アブラバチAC(生物農薬・天敵)
ヒメコバチD1(生物農薬・天敵)
コマユバチDS(生物農薬・天敵)
マイネックス(生物農薬・天敵)
オリスターA(生物農薬・天敵)
ミドリヒメ(生物農薬・天敵)
パイオセーフ(生物農薬・天敵)
パストリア水和剤(微生物殺虫剤)
ボタニガードES(微生物殺虫剤)
エコマスターBT(BT生菌剤)
ゴッツA(微生物殺虫剤)
マイコタール(微生物殺虫剤)
チューンアップ顆粒水和剤(BT水和剤)
バシレックス水和剤(BT水和剤)
エスマルクDF(BT生菌剤)
フローバックDF(BT生菌剤)
プリファード水和剤(微生物農薬 糸状菌)

http://www.japan-soil.net/report/h22tebiki_04.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 リストはすべて「商品名」ですので、これらの農薬を普通の農薬
販売ルートで入手することができます。

 「BT」は「バチルス・チューリンゲンシス」という細菌の略で、
この菌そのもの、またはこの菌が産出する毒素を農薬として使いま
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 わが国における農作物の生産は農薬などの有機化学工業に依存し
ているが、農薬に対するニーズも環境に影響の少ないものへと様変
りしつつある。このような状況の中、BT剤はその効果は言うまでも
なく、標的害虫に対して特異性が高く、非標的生物や人畜への影響
が極めて少ない安全性の高い薬剤1)として、現在、アブラナ科野菜
の大害虫であるコナガの基幹防除薬剤として広く使用されている。

 BT剤はBacillus thuringiensisの産生する結晶性タンパク毒素
(σ-トキシン)を製剤化した微生物殺虫剤である。現在わが国で
は、主にkurstakiとaizawaiの2つの亜種のBT剤が販売および開発
されており、この亜種により殺虫スペクトラムや抵抗性の発達が異
っている。また、BT剤には芽胞を含む生菌剤、芽胞を含まない(芽
胞を死活化してあるものも含む)死菌剤と呼ばれるものとがあり、
芽胞の有無により殺虫活性等の特性が異なるようである2)。

http://www.agrofrontier.com/guide/t_84f.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この毒素を作る能力を作物自身に与えた遺伝子組み換え作物があ
るのは有名です。「遺伝子組み換え作物を食べたチョウが死んだ」
と騒いだことがありますが、殺虫成分を作るようにした作物ですか
ら、食べたら昆虫が死ぬのは当たり前です。

 遺伝子組み換え作物を許容しない有機JAS制度で、BT剤が使
えるというのも変な気がしますが、「生物由来であればOK」とい
う、わりといい加減な理由なのでまあよいのでしょう。

 以下はもう10年ほど前の解説ですが、今でも状況は変わりません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 さて11月17日発表の有機農産物認証に関する昨年度の実績報告
を見れば、消費者から指示されるはずの国内の有機農産物をめぐる
状況はそれとかけ離れたものである。 

 国産有機農産物の伸び率を示す指標として農産物の国内総生産量
に占める有機認証された農産物の割合がある。日本の有機農業はま
だまだ数少ないが、それでも2001年度が0.10%、2002年度0.14%、
2003年度0.16%と緩やかであれ伸びてきた。しかし今回、2004年度
は0.16%と前年と変わらず、早くも4年目にして横ばいとなったの
である。

 この数字から判断すれば、生産者の有機農業にかける意欲が低下
したのか、有機食品マーケットにおける需要が低迷しているのかと
いうことになる。しかし国内の生産行程管理者(生産者)認定件数
の対前年比は、昨年が20.9%増、一昨年が21.6%増と着実に伸びて
いる。海外の認定件数は昨年が86.3%増、一昨年が51.2%増と急激
な伸びを示している。この数字からは有機食品マーケットそのもの
は拡大していることがうかがえる。

 一方で、農家数で比較すれば、現在国内の認定農家が4574件であ
るのに対し、海外が1万9366件であり、絶対数においても伸び率に
おいてもその差は歴然としている。海外で認証された農産物の多く
は、国内で豆腐や納豆、醤油などの原料になる大豆や小麦、それに
飲料の原料になる果実などであり、国内で認証された有機加工食品
もその原料をたどればほとんどが海外ということになる。

 その結果、有機農産物の自給率ともいえる有機JAS法によって格
付けされた全有機農産物のうち国内有機農産物の割合は一昨年が
13.5%、昨年は9.6%となり、ここでも国内有機農産物の低迷がう
かがえる。消費者ニーズは様々なデータを見る限り、食の安全・安
心の確立にある。そして意識の中では安全は環境問題とも結び付い
ている。とすればこの国内における有機農業の低迷と消費者ニーズ
は必ずしも一致していないのである。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/j/10/index1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 要するに、販売面から見れば「有機JAS制度」は意味があるが、
国内でまともに生産されていないため、結果として外国のオーガニ
ック生産物を輸入して販売する、ということになっているわけです。

 外国から輸入して販売するとしても、一般の輸入業者が簡単に輸
入・販売できるわけではありません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 有機農産物や加工食品に「有機」、「オーガニック」と表示して
日本国内で販売するためには、当該食品に「有機JASマーク」を貼
付する必要があります。有機JASマークの貼付(「格付け表示」と
もいう)は、有機JAS規格に適合して生産が行われていることを登
録認定機関が検査し、認定した事業者のみに認められます。


■有機食品の輸入手続き

 「有機」、「オーガニック」などを表示して輸入販売する際には、
一般的な食品輸入手続きのほか、有機JASマークを貼付するため
の手続きが必要です。すなわち、海外の有機食品を日本で販売する
場合も日本で有機JAS規格の認定を受けなければ、有機JASマークの
貼付および「有機」、「オーガニック」などの表示はできません。
海外で認定された「Organic」、「BIO」などと表示されている食品
をそのまま輸入販売すると法律違反になります。

 海外の有機食品に有機JASマークを付すには、3つの方法がありま
す。

1.日本国内の登録認定機関または登録外国認定機関から認定を受け
た外国製造業者が生産・製造した有機食品に有機JAS マークを貼付
して流通させる方法

 日本の農林水産省に登録している登録外国認定機関(2013年12月
時点で18機関)、または外国で認定を行っている日本の登録認定機
関に申請し、JAS認定を受けた外国製造業者等は自社で有機JASマー
クを貼付できます。日本の輸入業者は有機JASマークが貼付された
当該物資を日本に輸入し、「有機○○」等の表示をして販売できま
す。

2.日本の登録認定機関から認定を受けた輸入業者が有機JASマーク
を貼付して流通させる方法

 輸入時点でJASマークが貼付されていないケースでは、以下のA、
Bをともに満たしていれば、日本国内で有機JAS認定を受けた輸入業
者が国内に流通させる前に有機JASマークを貼付することで、国内
で販売できます。

A. 日本政府がJAS格付け制度と同等の水準にあると認めた格付け
制度を有している国(以下、有機JAS同等国)で生産されているこ


B. 上記有機JAS同等国の有機認定を受けた有機農産物・同加工食
品であり、これらの国の政府機関やこれに準ずる機関が発行する証
明書が添付されていること

 1.との違いは、「有機JAS同等国」の有機認定事業者は、当該国
の格付制度により認定された商品に「有機JASマーク」を自ら貼付
することができない点です。また、日本側の認定輸入業者は輸入す
る商品に有機JAS表示を付すことはできますが、当該商品に加工を
加えること(輸入された物資の小分け、ブレンド、精米等を含む)
はできません。

【有機JAS同等国】<五十音順、2013年7月現在>

アメリカ合衆国、アルゼンチン、オーストラリア、スイス、ニュー
ジーランド、およびEU加盟国(アイルランド、イタリア、英国、エ
ストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、クロア
チア、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、
デンマーク、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブル
ガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、
リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク )

http://www.jetro.go.jp/world/qa/t_basic/04M-080304
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「同等国」はEUを除くと数カ国しかないですね。先日、カナダ
がこれに加わるというニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本、カナダ両政府は9月17日、両国の有機認証制度が同等であ
ることを相互に認めることで合意した。これにより、日本国内の有
機JAS認定を取得すれば、カナダ国内の有機認証を受けなくても、
「有機」や「organic」などと表示して輸出できるようになる。

http://www.jacom.or.jp/news/2014/09/news140924-25405.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 正しく言うと「輸出できるようになる」のではなくて、「輸入で
きるようになる」なんですけれど。

 さらに来年は韓国も加わるようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

韓国を「有機同等国」に追加へ
2014年10月23日 13:48

 農林水産省は22日、有機農産物・加工食品の認証で韓国を「有機
同等国」に追加する案について、国民から意見を募るパブリック・
コメントを開始した。11月20日に締め切る。

 農水省によると、韓国政府は、日本と同等の有機認証制度を持つ
国として位置づけることを要請。審査の結果、(1)韓国に適切な
格付制度がある、(2)日本農林規格の基準を満たしている――こ
とを確認した。来年1月から施行する予定としている。

http://ib-kenko.jp/2014/10/post_843_1023_dm1248_2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 韓国や中国の認証制度ではあまり信用できないんじゃないか?と
思いますが、よく考えると違反続出の日本も似たようなものです。

 「同等国」の認定は相互主義でしょうから、よくアメリカやEU
が日本の制度を認めたな、という印象があります。やはり農産物の
輸入大国という実力がなせるワザなのでしょうか。

 日本を「同等国」としても、どうせ日本から輸出してくるわけで
はありませんからね。

 一般食品の場合は日本からの輸出もありますので、FDAから査
察が入ったりします。先日、その査察結果のニュースを紹介したり
しましたが、この査察を受ける側への情報提供がジェトロから出て
います。

米国食品医薬品局(FDA)による日本の食品供給施設査察ガイドブ
ック(2014年10月)
http://www.jetro.go.jp/industry/foods/reports/07001873

 体験談のようなものもたくさん掲載されていて、非常に面白いで
す。FDAの査察官はその都度応募して採用されてくる、とか、英
語しかできない人が来るので、通訳は(こちらで手配してもよいが)
無料で連れてくる、とか面白いネタもいろいろあります。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 先日、カナダ政府の招待で商談会に参加した人から、カナダが
「有機同等国」になる話を聞きました。日本ではほとんど話題にな
りませんが、先方には期待感があるようです。

 「有機JAS」について、「すでに死んでいる」と言っている割
には何度も取り上げるのは、私にも期待感はあるということなのか
な、と思いました。

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