安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>780号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------780号--2014.10.19------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「牛乳の味」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
------------------------------------------------------------
ブログ毎日?更新中

http://why0531.sblo.jp/
------------------------------------------------------------
---〔話題〕-------------------------------------------------

 久しぶりに韓国ネタで、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 クラウン製菓の製品から食中毒菌が検出されて、衝撃を与えてい
る。

 ソウル西部地検・不正食品事犯合同捜査団によれば9日、基準値
以上の細菌が検出されて廃棄しなければならない製品を5年間市場
に流通させた疑い(食品衛生法違反)で、クラウン製菓生産担当理
事のシン某(52歳)など役員3人を拘束起訴し、工場長のキム某
(52歳)など4人を在宅起訴した。

 シン容疑者らは『有機農ウエハース』、『有機農チョコウエハー
ス』など2品目に対する社内品質検査の結果で基準値以上の微生物
と食中毒菌が検出されたが、2009年3月から今年 8月まで31億ウォ
ン分を流通した疑いを受けていて衝撃を与えた。

 社内品質検査でこのような不適合の結果が出た場合、必ず保健当
局に申告する事になっているが、これらは任意で再検社をした後市
場に販売した事が分かった。

 このような経路で販売された一部の製品からは、1g当たり最大28
0万個の細菌が検出されて衝撃を与えていて、何と基準値の280倍も
なる数値だ。

 問題になった製品は主に忠北、鎮川工場で製造された。

 検察は清掃しにくい配管構造など、設備の問題によって細菌が増
えたと推定している。

http://www.honmotakeshi.com/archives/41305651.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここでは書かれていませんが、他のニュースでは「黄色ブドウ球
菌」も出ているようです。

 一般の加工食品なら、殺菌温度と品質保持のバランスは結構難し
いのですが、お菓子の場合はかなり高温長時間の加熱を行うのが普
通です。だからお菓子の細菌数が多すぎるというのは異常な事態で
す。

 いったいどうすればこんな菌数になるのか、不思議です。

 笑ってしまうのが、少し昔の話ですが、このメーカーがこんなこ
とを発表しているのです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 クラウン製菓とヘテ製菓は3日、食品添加物に対する消費者の不
安を解消するため、最近問題視されている7つの添加物の使用を中
止すると明らかにした。約450種類に及ぶ商品のうち、26の商
品に使用していた添加物の代わりに、今後はクチナシの実などから
抽出される天然素材や酵素・核酸などを使用するとしている。

 両社関係者は「食品添加物が人体に及ぼす影響の事実関係にかか
わらず、顧客が安心できる条件を整えるのが重要だと判断し、添加
物の使用中止を決定した」と話している。

http://www.wowkorea.jp/news/korea/2006/0403/10007442.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 安全性確保の問題を、顧客を騙すことと同列に考えていから、
今回の事件のようなことが起こるのだと思います。

 さらに最近、他の食品でも問題が発生しているようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食品医薬品安全処は13日、東西(トンソ)食品が製造したシリア
ル製品『ポスト・アーモンドフレイク』の流通・販売を暫定禁止し
たと明らかにした。

 食品医薬品安全処によれば、該当の製造会社は鎮川工場でこの製
品を生産して、社内品質検査を通じて大腸菌群(大腸菌と同じよう
な細菌集合)を確認しても直ちに廃棄せず、汚染製品を他の製品と
交ぜて完製品を作った。

 現在、食品医薬品安全処では流通した製品を緊急回収して検査し
ており、大腸菌群の検出結果が出次第発表して継続措置を取る予定
だ。

http://www.wara2ch.com/archives/7891655.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 韓国の衛生状態が悪いのは今に始まったことではないですが、こ
の事件は汚染が確認されたものを他と混ぜて売っていたということ
で、悪質な犯罪行為です。

 おまけは中国ネタですがこちらは笑える話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 かつては80元(約1400円)で取引されていた高級白酒「芽
台(マオタイ)」の空き瓶の需要が消えた。政府の倹約令の影響で、
芽台価格が大幅下落したため、空き瓶を回収して作る偽造芽台ビジ
ネスも崩壊している模様だ。12日、北京青年報が伝えた。

 取材では多くの業者が「芽台の空き瓶回収はやめた」と証言。1
5年もの、30年もの、50年ものの空き瓶や箱の買い取り価格も
暴落している。

 背景にあるのは本物の芽台の値下がりだ。ある酒屋は「元々18
00元だった芽台が今は1000元に値崩れしている」と語った。
また、高級酒を売りさばくネットショップの担当者は「芽台の顧客
の多くは公費で購入していた。倹約令以降、酒の価格が下がっても
買う人は減った。2年前に2万元だった1981〜86年の芽台も
今は8000元がせいぜいだ」と肩を落とす。

 偽造酒に対する取り締まりの強化も影響している。ある廃品回収
業者は「芽台の価格下落に加えて、偽造品のチェックも厳しくなっ
ており、偽造は割に合わなくなった」と明かした。

http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economy/398153/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 偽造用に空瓶が高価に取引されているという話は以前からよく聞
きました。やはり本当にやっていたのか、と改めてわかったニュー
スです。

 最後はノルウェーの話ですが、ちょっと驚きの数値が出てきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 旧ソ連のチェルノブイリ原発で大事故が発生してからほぼ30年が
経過したが、数千キロ離れたノルウェーでは最近、トナカイの肉に
含まれる放射能濃度が急上昇し、食肉として消費するのは不適格と
なっている。同国政府機関が9日、明らかにした。

 ノルウェー中部では今年、原発事故で大気中に放出された放射性
同位元素のセシウム137のトナカイの肉に含まれる濃度が1キロ
当たり最大8200ベクレルに達した。同地域は1986年の原発
事故で発生した「放射性プルーム(放射性雲)」により甚大な影響
を受けた。

 ノルウェー放射線防護機関の研究者、インガー・マルグレーテ・
アイケルマン氏は、AFPの取材に「これは、トナカイの食肉処理
を行える上限値をはるかに上回っている」と語った。

 2年前にトナカイの肉に含まれていたセシウム137の平均値は
1500〜2500ベクレル。同国の許容限界値は3000ベクレ
ルに設定されている。結果、毎年9月末に伝統的に行われているト
ナカイ数百頭の食肉処理が実施されることはなかった。

 「生態系では長年にわたってセシウムの減少がみられており、今
年のトナカイでも基準値を下回ると考えていた」とアイケルマン氏
は話す。

 放射能濃度が上昇に転じた原因は、今年の夏の暖かく、湿気の多
い気候が、「ショウゲンジ」というキノコの成長を促進させたこと
にある。ショウゲンジは、トナカイやヒツジなどの放牧されている
家畜が好んで食べる餌の一つだ。

 ショウゲンジは、土壌上層部に含まれる栄養を吸収する。ここに
はセシウム137の大半が存在する。

 アイケルマン氏によると、トナカイがショウゲンジを食べなくな
れば、体内の放射能濃度は2〜3週間で半減するという。またショ
ウゲンジは初霜が降りると、自然に姿を消してしまう。

 ただ野生で得られるトナカイの餌に改善がみられない場合、所有
者らはトナカイを囲いのある牧草地に閉じ込めて適切な餌を与える
ことで、11月〜12月には射殺処分することができるようになる
とアイケルマン氏はみている。

http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_all&k=20141010031882a
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 30年前の事故の影響で、今でも3000ベクレルを超えるとい
うのも驚きですが、「許容限界値」が3000ベクレルというのも
驚きですね。

 日本では100ベクレルが規制値で、それを超えるものがほとん
どないのが現実です。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.豚もも肉を水・しょうが・ねぎと一緒にゆでてゆで豚にしたと
ころ、煮汁がピンク色になっており、ゆで豚をまな板に乗せたらま
な板もピンク色に着色してしまいました

------------------------------------------------------------

A.豚肉そのものもピンク色に発色していたのではありませんか?

 肉の色素はミオグロビンといって、血液中のヘモグロビンと同じ
ような色素です。ふだんは黒い色をしていたり、酸素と結びついて
赤かったりするのですが、調理するときの加熱で茶色く変色するの
が普通です。

 このミオグロビンがピンク色に発色して、その後色が変わらない
ということが起こります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ご家庭で餃子、メンチカツ、ハンバーグ、ロールキャベツなどを
作ったら、十分に時間を掛けて加熱しているのに中の肉が生肉のよ
うな色(ピンク色)だったことはありませんか?

 原因は肉の発色現象です。通常、肉は熱を加えると褐色になりま
すが、加熱によりピンク色に変化することがあります。これは肉に
含まれるミオグロビンという成分が亜硝酸塩と結びつくことで起こ
ります。ハムやソーセージの製造時には、発色剤としてこの「亜硝
酸塩」を加えて、見た目をきれいなピンク色に変化させることがあ
ります(意図的な発色)。

 また、ロールキャベツ等の具材であるタマネギやキャベツの中に
含まれている硝酸塩が微生物によって「亜硝酸塩」に還元された場
合、同じ現象が起こる可能性があります。肉に具材を加えてすぐに
加熱すれば発色しませんが、しばらく放置していた場合、ミオグロ
ビンと「亜硝酸塩」が結合し、加熱によりピンク色に発色すること
があります(非意図的な発色)

http://www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/back/115-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たぶんこういう現象が起こったのだと思います。化学的な変化で
すが、別に毒性があるとかいう話ではありません。

------------------------------------------------------------

Q.シンクに手作りのプリンを落としてしまい、もったいないと思
い上の部分だけ少し食べてしまいました。その後不安になり少し調
べたところシンクには色々な菌がいることをしりとても恐ろしいで
す。上記のわたしの行動で感染症にかかる可能性はあるでしょうか。
また症状の目安があれば教えて頂きたいと思います。

------------------------------------------------------------

A.今、別に症状は出ていないのでしょう?それなら心配すること
はありません。ここで症状というのは、下痢をしたり、お腹が痛く
なったり、発熱したり、という具体的な身体症状です。

 そういう症状が出ているかどうかは誰にでもわかります。わから
なければ症状はないということです。

 微生物はとても小さいものです。人間の感覚から言うと自分で移
動してくるようなものではありません。食べ物に微生物が付着する
のは、下に落してしまったときか、上から落ちてくるときです。

 空気中には必ず微生物がいますから、上から落ちてくるものは時
間がたてば増えてきますが、量的には大したことはありません。

 床やシンクにはたくさん微生物がいますが、直接触れていないと
ころに付着してくることはありません。だから上の部分だけを食べ
たのであれば、問題ないと思います。

 ただ、お行儀としてはあまり感心しませんので、落ちたものを拾
って食べるのは今後はやめておいた方がよいと思います。

------------------------------------------------------------

Q.農薬除去について質問がございます。重曹を使って農薬除去が
出来ると聞きました。少量を水に溶かし、その水に野菜を約1分ほ
どさらし、その後流水で洗い流す、というものです。それで100
%落とすことは不可能にしろ、やらないよりはやったほうが体によ
いのなら、簡単なひと手間だし、と、安心感を増すためぐらいの意
識で実践しています。

 ですが、その効果とはいったいどれほどのものなのか、本当のと
ころを知りたいと思い、ご質問させて頂きました。

 現在フランス在住で、こちらの農薬に関する情報をもっておりま
せんうえ、フランスの河川や地下水が、農薬にかなり汚染されてい
る等の情報を聞き、口に入る前に、少しでもなにか対処が出来れば
と思い始めたのです。ですが、重曹自体が農薬としても登録されて
いる物質だ、と書かれているのを読み、もし、安心感を増すために
実践していることが、逆に、体によくない事をしている可能性はな
いのだろうかと疑問です。実践するには値しないものなのでしょう
か?

------------------------------------------------------------

A.率直に言って、無駄なことをしていると思います。

 今、使われている農薬の多くはそれほど強い毒性を持っていませ
んし、大量に残留しているという事実もありません。農作物を食べ
るだけの人に危害を与える可能性は元々ほとんどありませんので、
残念ながら重曹を使って残留農薬を除去する努力は無駄というもの
です。

 また、何かの事件や事故で、大量に農薬が残留していた場合は、
重曹でそれを無害化できる保証はありません。

 救いは重曹程度なら、農薬除去が却って危害の可能性を増やすと
いうことはないということで、気休めとわかってやるのなら、あえ
て止める必要もないだろうな、というところです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「牛乳の味」
------------------------------------------------------------

 こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 近年、全国各地の小中学校の学校給食で提供された牛乳で、品質
や安全性に問題はないものの異味・異臭を訴える事例が起こってい
る。これらの原因は、牛の飼料などの飼育環境や気温、湿度による
もので、牛乳の特性によって起こったものといえる。この冊子では、
こうした牛乳の味や風味についての基礎的知識のほか、給食指導の
ポイントなどを解説している。

 サイズはA4版で32ページ、フルカラー。Jミルクホームページ
から無料でダウンロードできる。Jミルクでは、「より多くの児童
・生徒が食に対する正しい理解と適切な判断力を養うために役に立
てれば」と、活用を期待している。

http://www.jacom.or.jp/news/2014/10/news141015-25572.php
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここで紹介されている公開された資料は以下のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 わが国における学校給食は、戦後の食糧難の時代から、児童・生
徒の心身の健全な発育に欠かすことのできない制度となっています。

 日本における戦後の学校給食は、脱脂粉乳給食がスタートとなっ
ていますが、国内各産業の振興とともに酪農・乳業も発展し、昭和
33年から「牛乳」の供給が順次始まりました。

 学校給食で牛乳の供給が始まってから50年余りが過ぎ、今では、
牛乳はカルシウム摂取を主な目的として毎日の献立でおなじみの食
品となり、毎年約18億本の牛乳が全国の小中学校等の学校給食で飲
まれています。

 学校給食の牛乳は、地産地消を基本として、同じ地域内で生産さ
れた牛乳が供給されており、全国の牛乳生産量の約12%が学校給食
に供給されています。また、乳業メーカーでは品質管理にHACCP手
法を導入し、安全・安心確保のための取り組みを進めています。

 こうした状況の中、最近、学校給食の牛乳で異味・異臭に関する
大きな事案が発生しました。関係者の皆様にはたいへんご迷惑をお
かけいたしましたが、原因を調査した結果、農薬等の異物混入や微
生物による変敗ではなく、原因は牛乳が本来持っている特性による
ものと考えられています。

 これらの事案を踏まえ、本テキストは、味覚教育の専門家の監修
により味や風味に関する基礎的知識を再確認するとともに、栄養教
諭・学校栄養職員の皆様が学校給食管理を行うための参考として牛
乳の特性を理解いただくとともに、牛乳を活用した食育活動を推進
していただけるよう取りまとめたものです。

 本テキストを通して、より多くの児童・生徒が食に対する正しい
理解と適切な判断力を養うことのお役にたれれば幸いに存じます。

平成26年9月
一般社団法人Jミルク

http://www.j-milk.jp/tool/kiso/berohe000000jdiv-att/berohe000000jdlo.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下、「牛乳と味」についていろいろと書いています。どうも言
い訳めいたものが多いと感じるのですが、その中に次のような記述
がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■生乳における発生事例

 9月10日に製造した牛乳を翌日11日早朝にメーカーで検査したと
ころ、大豆のような臭いのする風味の異常が判明した。出荷できな
いと判断し出荷停止とした。

 追跡調査の結果、製品は細菌学的にも理化学的にも品質の問題は
なく、牛乳工場の製造管理記録においても生乳、製造工程、保管、
配送には異常を認めなかった。

 そこで、関係酪農家ごとの生乳について官能検査を実施したとこ
ろ、風味異常を示すものが発見され、分析の結果、原因は生乳であ
ることが判明した。

 生乳の風味の異常が原因であったことから、当該酪農家に対して
は関係者より品質改善指導を行うとともに、再発防止のため生乳を
牛乳工場に受入れる時の検査体制の強化と官能検査を充実させてい
る。

http://www.j-milk.jp/tool/kiso/berohe000000jdiv-att/berohe000000jdlo.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この農家で、風味異常をきたした原因を知りたいですね。ニュー
スなどでもこのレベルまでしか情報がありません。具体的に何をや
ってそうなったのかまでわかっていると思うのですが。

 「異味・異臭」について、他の言い訳はあまり説得力がなく、や
はりこの事件のように、生産現場で何か起こっているのではないか、
と想像しています。

 牛乳の味に関しては、生乳由来の要素が大きいのですが、殺菌温
度による違いもあります。以下はそれを調べてまとめたものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

4.牛乳の風味評価 −殺菌温度の違い−

 同一ロットの新鮮な生乳を用いて、殺菌温度の異なる4種類の牛
乳(LTLT法[63℃30分間]、HTST法[75℃15秒間]、UHT法[130℃およ
び140℃各2秒間])を製造し、官能評価および各種分析を行った。
尚、LTLT法はバッチ式殺菌、HTST法と UHT法はプレート式殺菌機を
使用した。

 牛乳の官能特性に重要と考えている13の属性評価項目について7
段階評価を行った結果、UHT130牛乳とUHT140牛乳はミルク臭、甘味、
ミルク味、コクが強いと評価された。

 一方、LTLT牛乳とHTST牛乳はミルク臭、甘味、ミルク味、コクが
弱いと評価された。

 更にこれら属性の評価点をもとに主成分分析を行い2次元マップ
上にプロットすると、UHT130牛乳とUHT140牛乳は濃厚感が強く、風
味のくせが少ない牛乳、LTLT牛乳とHTST牛乳はさっぱり感が強く、
風味のくせがある牛乳と位置づけられた。

 理化学分析では、製品の熱履歴を把握するための指標としている
乳清蛋白質変性率、ラクチュロース、フロシン、レンネッタビリテ
ィーを測定した。

 その結果、いずれの値もUHT牛乳の方がLTLT牛乳、HTST牛乳より
大きく、UHT牛乳の熱履歴が大きいことを示した。

 香気分析では、UHT牛乳の方がLTLT牛乳、HTST牛乳より総香気量
が多く、AEDA法で調べた全体の匂い強度も強かった。これらの結果
は濃厚感が強いと評価されたUHT牛乳の裏付けとなる。

 またGCクロマトグラムとFDクロマトグラムで香気量と匂い強度の
関係を見ると、牛乳の匂いに強く関与する成分が必ずしも量的に多
いとは限らなかった。

 匂いセンサ分析では各牛乳は判別され、各香気成分量、官能評価
との関係を調べると、匂いセンサの結果は加熱により生成した成分
量、ミルク臭と高い相関を示した。味覚センサ分析では大まかにLT
LT牛乳、HTST牛乳とUHT牛乳に判別された。

 この判別された各牛乳の位置関係は先の官能評価と同等であった。
このように、官能評価だけではなく科学的なデータを組み合わせる
ことで、より説得力のある官能評価となる。また、センサ分析は官
能評価のサポート的な役割あるいは官能評価と同等の評価を期待で
きる手法と考えられる。

http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/foodsci/101210.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 だいたい世間で受け取られている通りの結果がでています。

 UHT=濃厚、LTLT、HTST=さっぱり

 この傾向はいつも同じです。違いの元は「熱履歴」ですが、高温
にさらされた牛乳は濃厚に感じるとともに、加熱臭も出てきます。
それを利用したこんな方法が実用化されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

雪印メグミルクは2014年9月23日、「さらさら飲めて、ふわっと
香る、シルクのような口当たり」の牛乳「雪ミルク」を北海道・東
北・関東地域で発売する。

■超高温瞬間殺菌でコクと香りを引き出した

 新開発の「シルキーミルク製法」を採用。生乳を脱脂乳とクリー
ムに分離し、それぞれ、フィルター除菌と超高温瞬間殺菌(130度、
2秒間)を行う。その後、再び混合し、パスチャライズド殺菌(75
度、15秒間)を実施することにより、乳たんぱく質への加熱の影響
(加熱臭)が少なく、さらさらとした飲み口を実現した。また、ク
リームを超高温瞬間殺菌することで、ミルクならではのコクと香り
を引き出している。

 同製法では衛生性の高い製造システムを構築しており、15日間と
いう長い賞味期間の設定が可能になった。容器は、開けやすく再封
できるキャップ付き。

http://www.j-cast.com/trend/2014/09/22215284.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 牛乳を脂肪分とそれ以外に分けて殺菌し、UHTの特徴である
「濃厚さ」を活かし、熱履歴の結果としての「加熱臭」を低減する
という手法です。

 また、キャップ付き容器も使いやすそうです。

 なかなか面白い発想ですが、ここまでやるとやり過ぎ感も出てき
ます。消費者に受け入れられるものなのか、注目です。でも、残念
ながら北海道、東北、関東限定なので、私は入手できそうもないで
す。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 土曜日の夜に大阪のNHKホールで、「岩崎宏美コンサート」を
見てきました。帰って来て一旦寝てからから書いたので、例によっ
て日曜日早朝の作成です。

 牛乳はあまり好きではなかったのですが、春の入院以来、なるべ
く飲むようにしています。一時は57キロまで減った体重が薬の減
量とともに増えてきて、どうしたものかと思案中です。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-780号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数3790名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「[\]安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/