安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>772号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------772号--2014.08.24------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「穀物相場」

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ブログ毎日?更新中

http://why0531.sblo.jp/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつもメールを楽しみに読んでいます。

 冷やしきゅうりのO157事件を何故マスコミが取り上げないか?
理由は単純で、今が旬のきゅうりの生産農家に迷惑を変えるなと行
政から指導が入っているから。(かな?、ほんと?)

 まだ原因が断定されていない段階で、「きゅうり怖い」と持って
いけません。

 それを言ったら、きゅうりの相場が暴落して、生産者には首をつ
る人も出るかも、というのはカイワレで経験済み。

 おそらくは、一部のきゅうり生産者が発酵不足の堆肥を使用して、
そこに落ちたり手指を介してO157に汚染されたきゅうりがあっ
て、そこから浅漬け液を経由して1000本全部が汚染されたので
しょう。GAPを導入して、自分が生産する農作物の微生物リスク
を評価できる農家が増えれば解決するかもしれませんが、導入を仕
入れる側が評価できなかったら意味ありませんし。

 一昨年の今頃発生した白菜浅漬けキムチと全く同じ構図ですが、
あの時も生産農家がわかっていても公表できなかったように、今回
も最終的「きゅうりは稀にO157に汚染されているので、気をつ
けましょう」なんて発表は絶対ないはずです。

 ま、食パンノロ事件の真の原因を追及できなかったのか、公表で
きなかった静岡県ですから、あまり期待はしていませんが。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 なるほど、という見解ですが、マスコミが「行政の指導」を守る
ほどお行儀がよいとは思えません。自発的な「配慮」なんですかね。

 カイワレの件は二つの矛盾した結論があります。疫学調査上は原
因食品はカイワレで間違いないのに、損害賠償訴訟は原告の勝訴に
なりました。

 直接証拠がなければ指名手配してはいけない、ということなので
しょうか。O157の難しいところは、先日の馬刺しでもわかるよ
うに、製品検査ではなかなか見つけることができないということで
す。

 個別の食中毒菌ではなくて、細菌数が多い牛乳というニュースが
ありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 岩手県は22日、菊池牧場(岩手町、菊池淑人代表)が製造・販
売した牛乳に食品衛生法の基準の5倍に当たる細菌が検出されたと
発表した。県は原因が判明するまで製造・販売を自粛するよう指導
した。

 商品は「菊池牧場牛乳」の名称でガラス瓶入り。200ミリリッ
トル80本と900ミリリットル128本を岩手町内の一般家庭に
宅配し、同町と盛岡市の直売所に出荷した。製造日は12日で賞味
期限は20日。

 県の検査で判明した。出荷前検査では異常がなかったことから、
県は流通過程の管理に問題があったとみている。健康被害は報告さ
れていないという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140823-00000012-khks-l03
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は当事者のブログ記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 本日、夕方、保健所から連絡がありました。18日に検査した、12
日製造の(19日までの期限)牛乳から、基準値をこえた細菌数が検出
された、とのことでした。

 すでに、期限が切れている製品で、店舗にはない製品ですし、個
別配達のお客様もすでに消費されたと思われる製品ですが、もし、
まだお手元にある方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、廃棄
をお願いいたします。
 
 今回のことに伴いまして、原因が判明するまで、出荷はしないこ
とに決めました。

 ご迷惑、ご心配をおかけしてしまい、本当に申し訳ございません。

 これから、原因究明に全力をあげて取り組み、今後、このような
ことがないよう、心してまいります。

 取り急ぎ、ブログにて、お詫びを申し上げます。

http://blog.kikuboku.com/?eid=141
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 最初、ビン入り牛乳の賞味期限が20日間あるのかと誤解してい
ましたが、「12日製造、賞味期限は19日」が正しいようです。

 19日までの賞味期限の牛乳を18日に検査したということです
から、細菌数の超過はあり得ると思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 菊池牧場の面積は125haである。その半分以上が牧草地となってい
る。そこに乳牛60頭と豚20頭を放牧している。豚も放し飼いである。

 冬場は、牛舎内でロールヘイレージを3日に1梱包与えるという。
「手をかけないように」しているという。夏は放牧のみであり、濃
厚飼料は、搾乳時に多少与える程度であるという。「酪農にお金、
労力をかけるべきではない」というのが、淑人さんの事業哲学であ
る。

(略)

 搾乳は朝晩行い、牛乳の処理・加工は日曜日に行う。それ以外の
生乳は、農協に出荷している。また、ハム・ソーセージは土曜日に
作っておいて、月曜日に奥さんと2人で袋詰めをする。この作業に
手間がかかり、大変だ。そして火曜日に配送する。

http://lin.alic.go.jp/alic/month/dome/1999/apr/senmon.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 12日は火曜日ですので、出荷日の日付をつけていたようです。

 この製造方法で、7日間の賞味期限設定は無理だったのだろうと
思います。今回はたまたま見つかっただけで、たぶん日常的に菌数
の超過はあったのでしょう。

 「食の安全」を大切だと思うのなら、こういう牛乳には手を出さ
ないのが賢明なのですが、なぜかこういうのが好きな人が多いので
す。今回の事件で反省できればよいのですが。

 次は日本でも漁業の「個別割り当て(IQ)」をやろうという話
です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 水産庁が、サバ類の漁船ごとに年間漁獲量の上限を割り当てる仕
組みを10月から試験的に導入する方針を固めたことが12日分か
った。サバ類の資源量が低迷しているためで、3〜5船団を対象に、
国が漁獲量を管理する。行政コストなどを検証した上で本格実施に
つなげるとともに、太平洋クロマグロなど他の魚種にも広げたい考
えだ。

 導入するのは「個別割り当て(IQ)」という方式。これまでは
年間の漁獲可能量の設定だけだったが、IQによって漁業者間の過
剰な競争を避け、取り過ぎを防ぐ。ノルウェーなど世界各国で導入
されており、日本でもミナミマグロなど一部で実施している。

http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014081201001781.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 しかし、まだ本当に「個別割り当て(IQ)」を実行できる環境
は整っていないと思います。はたしてどこまで実現できるのか、注
目です。

 最後はオリンピックを開くのに避けて通れない問題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 東京都の舛添要一知事は17日、フジテレビの番組で、2020
年東京五輪・パラリンピックの開催を念頭に、「飲食店でたばこが
吸える先進国は日本だけ。都議会の協力を得て(禁煙)条例を通し
たい」と述べ、飲食店などの全面禁煙化を検討する意向を示した。

 知事は番組終了後、記者団に対し、「全ての公共機関や飲食店は
禁煙にしたい。法的にどこまで強制できるか(議論する)」と話し
た。

 厚生労働省は以前から、公共の場は全面禁煙を原則とし、喫煙所
がある場合は外に煙が流れ出ないようにすることを求めているが、
なかなか浸透していない。知事は東京五輪開催までに受動喫煙防止
と完全分煙を徹底したい考えだ。(2014/08/17-12:00)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014081700065
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 先日、全面禁煙のはずのJR駅構内の店が禁煙でないのを知り、
ショックを受けました。こんなことでは国際的に恥ずかしいという
意見が出てきたのはうれしいです。

 東京が動けば全国的になっていくと思うので、期待ですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「穀物相場」
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 今年はトウモロコシが大豊作で、こんな記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「われわれは今年、過剰なトウモロコシにおぼれてしまうだろう」

 米イリノイ州ディケーター郊外に住む農家ジェフ・ブラウンさん
(45)の見通しだ。2年続きの記録的な豊作に直面する米国の生産
者、取引業者、加工業者といった大半のトウモロコシ業界関係者の
見方でもある。

 雨がちな天候が数カ月間続き、トウモロコシ生産が極めて大量に
なった結果、来月始まる収穫後には、中西部全域でトウモロコシの
山があちこちに出現するとみられている。

 米農務省は先週、同国のトウモロコシ生産量が140億ブッシェル
を突破し、昨年の記録的な豊作をも上回るとの予想を発表した。

 多くのアナリストは、注目されている今週のプロ・ファーマー社
のクロップツアーで、極めて良好な作柄の証拠が増えるとみており、
需要の増加はこうした供給量急増を相殺するのに十分ではないと予
想している。

 トウモロコシ相場が下落すれば、消費者には恩恵になる。食料品
店にあるシリアルやクッキーなど、トウモロコシを原料とした製品
の販売価格上昇を抑えるからだ。ただし、アナリストたちは、大幅
に値下げする包装食品メーカーは少数にとどまるとみている。

 供給過剰の予想を受け、トウモロコシ相場は今年13%下落し、4
年近くで最低の水準近辺に落ち込んだ。昨年は40%下落している。

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970204162404580100472367841244
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 世界的に、あらゆる作物が豊作だという話です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■穀物の生産量は史上最高となる見込み

 世界の穀物全体の生産量は、小麦、とうもろこし、大麦、米で増
加し、史上最高の 24.4 億トンとなる見込みである。

 品目別には、小麦は、カナダが生育に適した土壌水分と天候に恵
まれて史上最高となったのをはじめ、EU、豪州、ロシア、ウクライ
ナ等でも収穫面積の増加や単収の上昇により前年度を大きく上回っ
たことから、史上最高の生産量となる見込みである。

 とうもろこしは、米国で例年より涼しい夏と生育期間の伸張によ
る単収の上昇で史上最高となることや、中国、ウクライナ等での増
加から、世界全体では史上最高となる見込みである。

 大麦は、EU、カナダ等の収穫面積の増加や単収の上昇により、
世界全体では増加する見込みである。

 米は、インドでモンスーンの遅れにより作付面積の減少となった
が、中国、バングラデシュ、ベトナム等の東南アジアでは天候に恵
まれ、大きな被害も無く、順調な生育となり、世界全体では史上最
高となる見込みである。

 一方、世界の穀物全体の消費量は、小麦、とうもろこし、大麦、
米で増加し、史上最高の 24.0 億トンとなる見込みである。

 品目別には、小麦は、ロシアの飼料用需要、インドの食料用需要
の増加により世界全体でも増加する見込みである。

 とうもろこしは、米国で飼料用、エタノール用需要、中国で飼料
用需要が増加すること等から、世界全体では史上最高となる見込み
である。

 米は、中国、インド等の需要増から、世界全体では史上最高とな
る見込みである。

 この結果、世界の穀物全体の期末在庫量は前年度より増加して4.8
億トンとなり、期末在庫率は前年度に比べて0.7ポイント上昇し20.2
%となる見込みである。

■油糧種子の生産量も史上最高となる見込み

 世界の油糧種子全体の生産量は、大豆、なたね、ひまわり種で増
加し、史上最高の 5.1 億トンとなる見込みである。

 品目別には、大豆は、米国で例年より涼しい夏となり、生育期間
が伸長したことによる単収の増加から史上最高となるほか、国際価
格が高値で推移する中、南米ではとうもろこしから大豆へのシフト
が促され、ブラジル、アルゼンチンともに大豆の作付けが増加し、
作付前の降雨に恵まれたことと併せ、史上最高の生産量が見込まれ
ること等から、世界全体では史上最高となる見込みである。

 なたねも、カナダ、EU、ウクライナ等で増加し、世界全体では
史上最高となる見込みである。

 世界の油糧種子全体の消費量は、堅調な搾油需要から史上最高の
4.9億トンとなる見込みである。

 品目別には、大豆は、アルゼンチン、中国等で搾油用の需要増等
から、世界全体では史上最高となる見込みである。

 なたねも、カナダ等の増加から、世界全体でも史上最高となる見
込みである。

 この結果、世界の油糧種子全体の期末在庫量は前年度より増加し
0.9億トンとなり、期末在庫率は前年度に比べて2.7ポイント上昇し
17.6%となる見込みである。

(3)主要輸出国をめぐる動向

■米国を襲った春の寒波

 2013年の春先は、米国では前年の高温・乾燥の影響が尾を引き、
土壌水分量の不足が懸念されるまま冬小麦の越冬に入っていた。そ
れが、春の雪解けの時期に一転して低温・多雨型の天候となり、米
国全体では記録の中で2番目に寒い春となった。このため、とうも
ろこし、大豆の作付作業は例年に比べ2週間程度と大幅に遅れるこ
ととなった。

 しかしながら、5 月中旬には、天候の回復により作付けは大きく
進展し、乾燥天候で大幅に減産となった2012年に比べ、降雨が続い
たことによる土壌水分の回復は作物の生育に大きく寄与したとみら
れる。作付当初に心配されていたとうもろこし、大豆の生育が順調
に進展し、豊作となる見込みが立った7月中旬以降、それまで高値
で推移していた穀物価格は大きく値を下げ始めた。

■世界的な影響力が増す南米の作付動向

 2012年6月から米国を襲った高温・乾燥はとうもろこしや大豆の
生育に大きな影響を与え、世界最大の輸出量を誇った米国のシェア
を大きく落とすこととなった。一方、高水準で推移する穀物等の価
格は南米農家の作付意欲を大きく刺激した。米国のはしけ運送と比
べてトラック輸送によるコスト高のブラジルでは、輸送コストを吸
収できる水準まで価格が上昇したことにより増産は内陸部にも広が
り、2012/13年度の南米のとうもろこし・大豆は大幅な増産となっ
た。

 南米の増産に加え、2013/14年度の穀物等の世界的な豊作が確実
視されると、大豆の価格は2012年9月の最高値17.7ドル(ブッシェ
ル当たり)から13.2ドルへと25%程度低下したが、とうもろこしの
価格は2012年8月の最高値8.3ドル(同)から半値近くの4.2ドルま
で低下した。このため、2012年夏以降約2倍で推移していたとうも
ろこしと大豆の価格比は3倍以上の開きとなった。南米では大豆の
単収は米国と大きく変わらないのに比べ、とうもろこしの単収は米
国よりも低く、輸送コストや生産費が大豆に比べて不利なことや、
アルゼンチンではとうもろこしに輸出税に加え、輸出枠も設定して
いること等から、南米の2013/14年度の作付けは価格的に有利な大
豆にシフトすることとなった。

 南米では、中国の輸入需要増等による作付意欲の増加から、年々
大豆やとうもろこしの作付面積を増加させているが、特にブラジル
では作付可能な土地を求めて内陸部へと拡大している。しかしなが
ら、輸送インフラの整備が十分でないため運送費等のコスト上昇が
ネックとなり、道路、港湾、灌漑施設等のインフラ整備が喫緊の課
題となっている。

■揺れるタイの農業政策

 2013年10月のタクシン元首相の恩赦法から始まった反政府デモは、
12月にインラック首相の辞任や下院議会の解散でも収まらず、勢い
を更に増し2014年に入っても首都バンコクを中心に続いている。

 インラック政権は、農業政策に多大な影響を与えた、籾担保融資
制度(実質国による米の買取制度で、うるち米の籾の場合、水分15
%で15,000バーツ/トンで政府が買い入れる)他を公約に掲げ2011
年8月に発足した。本制度は市場価格よりも高い価格で政府が買い
入れを行うため、米農家は米の作付けが盛んとなり、生産量は増加
していったが、国際市場価格からかけ離れたタイ米の価格は、市場
ニーズを失い、市場に出回ることはなく、タイ国内の倉庫を埋め尽
くすことなった。また、倉庫に貯蔵された米は、他国からの米の買
入れや水分調整が良くなかったことから品質の低下による廃棄もあ
ったと言われている。

 IMF(国際通貨基金)等は、タイ政府が巨額の損失を被る可能性
が高い籾担保融資制度の見直しを勧告したが国内優先の政策推進は
変わらなかった。

 首相の辞任後の暫定政府は、籾担保融資制度の予算確保が出来ず、
籾の買入れの休止や買入数量上限の設定、1〜2ヶ月に及ぶ籾の支払
い滞留もあり、農家は精米業者や輸出業者へ籾担保融資制度よりも
低い7,000〜9,000バーツ/トンの価格で直接販売を行ったことから
タイ米の価格は下がりはじめ、国際市場に再び出回ることとなる。

 国際市場では、かつての勢いを取り戻しつつあるタイ米。だが農
家の作付け意欲は、籾担保融資制度の休止後も続いていくかどうか
は今後の情勢を注視する必要がある。

http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_rep/annual/2013/pdf/01_sd_w_1.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は相場関係者の解説です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 トウモロコシ価格は4ドルの大台割れ、大豆価格は13ドルの大台
を割り込み、下値が見えない展開となっています。

 中西部は空前の豊作ムード。USDA米農務省は6月30日、今年の穀
物の実作付面積を発表しました。

トウモロコシ⇒9,164万エーカー(3月の意向面積9,169万エーカー)

大豆 ⇒8,483万エーカー(意向面積8,149万エーカー、+334万エーカー)

 ということで、3月末に発表された作付意向面積比でトウモロコ
シはほぼ同じでしたが、大豆作付が大きく増加。加えて6月末〜7月
上旬の産地天候は良好。

 両穀物の作況も「優」と「良」合わせて75%と、豊作だった昨年
の67%を上回っているという状況です。

 現在は天候相場真っ只中。トウモロコシは7月中旬の開花受粉期、
大豆は8月の開花・着サヤ期と、作柄を決定する最重要期を控えま
すが、今のところ高温乾燥天候の懸念はなく、高単収がほぼ確定的
となっています。

 皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。今回は資源・
食糧問題研究所 柴田明夫さんにお話を伺いました。

 柴田さんによると、作物に影響を及ぼす高温乾燥を招くのはラニ
ーニャ現象の方だとか。エルニーニョ発生懸念だけで春先に買われ
すぎたのが、昨今の下落の大きな要因となってしまっています。

 柴田さんは足元は下値模索の展開にあっても、ここからの大崩れ
のリスクは大きくないとお話くださいました。

 アメリカ、上・下院議会で策定が進められている2014年新農業法
が、ここ数年の高騰した市場価格を基準に農家の収入保障を図る内
容となっているのだそうです。

 今回は、この農業法の変遷についてお話を伺いました。

 アメリカの農業政策は、この20年間で「低迷する穀物価格に対す
る農家の所得保障」といった性格から「増加した農業所得を如何に
保障するか」に重点がシフトしています。

 そもそもアメリカの農業法は1933年ルーズベルト大統領が、ニュ
ーディール政策の一環として農産物価格の上昇を目指して行った農
業調整法に由来しています。

 農業法は基本的に5年間の時限立法。価格・所得支持制度、輸出
振興政策、環境政策が3本柱です。

【1990年農業法】(1990〜95年):

 供給過剰の時代にあって政府の減反計画への参加を条件に、農家
は「不足払い」を受けることができました。「不足払い」とは農家
の生産コストを考慮した「目標価格」と「市場価格」(生産者の全
国平均販売価格)の差を補てんするものです。

 市場価格が価格支持水準(ローンレート)を下回った場合には、
農家は農作物を担保に商品金融公社から融資を受けることができま
した。結果として、ローンレートが市場の下値(フロアープライス)
となったのです。

【1996年農業法】(1996〜02年):

 それまでの減反計画への参加とセットになっていた「不足払い」
制度が廃止され、作付を自由化した上で、生産とは切り離した形で
農家への直接支払いを実施しました。しかし、96年農業法がもたら
したものは、過剰生産とそれに伴う穀物価格の低迷であり、政府は
農家所得の減少を補うため補助金の追加支給を余儀なくされました。

【2002年農業法】(2002〜08年):

 自由な生産(作付)を維持しつつ、「不足払い」制度を再導入。
固定支払の継続および対象作物の拡大価格支持水準の引き上げなど、
全体に農業保護水準が引き上げられました。

【2008年農業法】(2008〜12年、14年まで延長):

 穀物価格が高騰するなかで成立しました。高価格を基準とする農
家の収入保障が「新しい不足払い」とのオプションとして成立。

【2014年農業法】(2014〜19年):

 現在2012年に成立した上院案と下院案の一本化に向け調整中。調
整が遅れたのは、フードスタンプの扱いを巡り、民主党(削減額が
大き過ぎる)と共和党(削減額が少な過ぎる)との調整が難航して
いるためですが、フードスタンプまでをも考慮した包括的合意でな
く、まずは農業法合意を急ぐという流れとなってきているようです。

 10年間での支出削減を図りつつ、生産コストの上昇に対応して
「作物保険を基礎とする収入保障」あるいは、「収入保障」と「不
足払い」の何れかを選択する法案が検討されているようです。

 この新農業法が、ある程度の価格の下支えとなってくると見られ
る他、2012年の大干ばつ時に暴騰した穀物価格によって米国農家は
潤った資金をサイロ増設などの設備投資を向けており、需給相場に
入ってくると、生産者は安値では売らないだろうとみられます。

http://blog.radionikkei.jp/trend/2014_2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここ数年の相場高騰で、農家は金持ちになっていて、「安値では
売らない」という見通しもあるようです。売り急ぎがなければ暴落
はしないとしても、今年は安いままで推移しそうです。

 食糧の価格は「上がったときに騒ぎ、下がったときに無視する」
報道姿勢ですので、ずっと上がり続けていると思っている人も多い
です。

 下の記事で長期の穀物相場の推移グラフがあります。これによる
とここ数年は確かに高騰していて、ようやく以前の水準に近づいて
きているという感じです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

○穀物等の国際価格は、2010年7月以降再び上昇し、現在は、2006
年秋頃に比べ1.5〜2.0倍の水準。

・2012年6月以降の米国の高温・乾燥の影響から、とうもろこしは、
8月に史上最高値(327.2ドル/トン)、大豆は、9月に史上最高値
(650.7ドル/トン)。2013年7月以降、とうもろこし・大豆共に、
米国産の豊作見込みから低下していたが、堅調な輸出需要や高温・
乾燥による南米の大豆の作柄懸念から上昇。小麦は、2012年6月以
降、とうもろこしに追随して上昇。その後低下したものの、2014年
2月以降、米国での乾燥・凍害懸念等から上昇。

 2014年5月以降、とうもろこし・大豆は、米国の順調な生育、小
麦は、世界在庫量が潤沢なこと等から共に低下。

・米は、2011年6月以降、タイで担保融資制度(実質的な国の買上
げ制度)の再導入等により上昇。一方、輸出需要は、安価なインド
産米等へシフト。

 2013年7月以降、タイで担保融資制度の見直しの動き、政府在庫
米の一部放出等から低下。

http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_zyukyu_kakaku/pdf/kaka_0815.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 米の国際価格がタイの政情に影響されているという話は初めて聞
きました。

 アメリカもカリフォルニアは旱魃で大変だということですが、穀
物の産地である中西部は豊作のようです。

 食糧に関しては、生産も消費も、プレーヤーが増えてなかなか難
しい相場の動きになっているようです。でも、相場が上がれば生産
が増えるという原則はまだ健在のようです。まだまだ増産の余地が
あるということの証明となっています。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 相場の話はさっぱりわからないのですが、畜産をやっている人は
一息ついたことでしょう。原油価格も落ち着いてきています。

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