安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>770号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------770号--2014.08.10------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「HACCP違反」

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ブログ毎日?更新中

http://why0531.sblo.jp/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 例の上海の食品工場の件ですが、やはり日本向けのものには問題
なかったという報道がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国の食品会社「上海福喜食品」が期限切れの肉を使っていた問
題で、日中両政府の実務者協議が6日、北京市内で開かれた。出席
した厚生労働省の三木朗輸入食品安全対策室長によると、中国当局
は「これまでの調査では、対日輸出された食品に問題はないことが
分かっている」と説明した。引き続き調査を進める方針という。
(2014/08/06-15:40)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2014080600584
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 中国政府が言っていることなので、どこまで確かかはわかりませ
んが、たぶんそのとおりだと思います。

 そもそも、この事件は中国国内では「外資叩き」なのです。以下
はそんな説明です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 まずは同20日、上海テレビ局が米国系中国現地企業である上海
福喜食品の「期限切れ鶏肉問題」を取り上げて大きく報じた。2日
後には上海公安局が捜査を開始した。それに伴って国営メディアは
問題の会社が米国企業の子会社であることを強調して、批判の矛先
を「外資企業の品質管理問題」に向けた。

 こうした中で、親会社の米企業だけでなく、最大の仕入れ先であ
るマクドナルドまでが謝罪に追い込まれた。マックの受けた経済的
損失もさることながら、世界での信用失墜も深刻なものであった。

 この一件において、上海福喜食品のやり方は当然許せるものでは
ないが、多くの中国企業と比べれば特別に悪質というわけでもない。

 にもかかわらず、国営テレビ局は異様な執念深さで丹念な潜入取
材を行い、報道を受けて当局は間髪を入れず本格捜査を行った。そ
の直後から国営メディアは「悪いのは外資だ」とのキャンペーンを
一斉に始めた。同じ時期に発表された韓氏論文に照らしてみれば、
どうやら中国当局は本気で、外資企業に対する「新しい闘争」を始
めたようだ。

 そして同28日、中国当局は突如、米マイクロソフトの中国各地
の事務所に対する立ち入り調査を一斉に開始した。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140807/chn14080714160003-n2.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は最新の「外資叩き」のニュースです。「告発ビデオ」は上
海の件と同じ手口ですね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 広東省深セン市にある米国系の小売り世界最大手「ウォルマート
・ストアーズ」のスーパーで、期限切れの肉を使った総菜や不衛生
な食用油を使った食品を販売していた疑惑が浮上した。従業員が撮
影したとする告発ビデオを地元テレビ局が7日、報じ、これを受け
市衛生当局が調査に乗り出した。

 報道によると、このスーパーでは、品質保持期限が切れた鶏肉を
使っていたほか、黒く変色した食用油で鶏肉を揚げていた。記録簿
には「(油は)交換済み」と記入していたという。また、虫が入っ
ていた米も再利用していたという。ウォルマート側は「違法行為は
見つかっていない」と疑惑を否定したが、調査を受け入れるという。

http://mainichi.jp/select/news/20140810k0000m030064000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この外資叩きに使われた映像にインパクトがありすぎたため、外
国(日本やアメリカ)でより大きな騒ぎを引き起こしてしまったわ
けです。

 中国としても輸出先の信用を失うのはまずいですから、外国向け
は問題なしとせざるを得ません。また、実際に輸出用に故意に不良
品を混ぜるのはリスクが大きすぎるため、普通はしないというのが
私の予想でした。

 次のニュースは韓国産のレトルト食品ですが、どうも先日のニチ
レイフーズと同様に、未殺菌または殺菌不良が出ているようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 さいたま市保健所は8日、食品販売会社「有利」(同市桜区田島)
が輸入した韓国産のレトルト食品「アワビ粥(かゆ)」の抜き取り
検査で微生物の陽性反応があったため、同社に対してこの製品の販
売中止と回収を指示した。

 同市食品安全推進課によると、市場で販売されている可能性があ
る同製品は最大で6カートン、144個。販売先は東京都で2カ所、
川崎市で1カ所、さいたま市で1カ所。

 微生物の陽性反応がある同製品を食べると、体調によっては嘔吐
(おうと)や下痢などの症状が出る可能性があるという。同課は、
手元に製品がある場合は食べないで廃棄するか返品するよう呼びか
けている。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140808/trd14080823530022-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 レトルト食品の殺菌不良は重大な事故なのは前回書いたとおりで
す。

 食中毒関連では、こんなニュースがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 静岡市は2日、市内で7月26日に開かれた「安倍川花火大会」
の露店で売られた「冷やしキュウリ」を食べた6〜48歳の男女3
2人が下痢や血便、発熱などの症状を訴え、うち4人から腸管出血
性大腸菌O157を検出したと発表した。6〜22歳の女性12人
が重症で入院しているが、全員命に別条はないという。

 市保健所は、冷やしキュウリが原因の集団食中毒と判断。他に食
べた人がいないか調べるとともに、販売した露天商の特定を急いで
いる。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140802/dst14080216520006-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 報道の量が少ないように思いますが、実は結構被害が大きく、重
症の子供が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 静岡市の花火大会で冷やしキュウリを食べた客から腸管出血性大
腸菌O157が検出された問題で、市は6日、市内の女児(6)が
腎不全などを伴う合併症「溶血性尿毒症症候群(HUS)」となり、
人工透析を受けていると発表した。腎臓が機能せず貧血の状態とい
う。市によると、合併症を伴う重症者が確認されたのは今回の食中
毒で初めて。

 また、市保健所は6日午後3時現在で、食中毒の発症者は5日よ
り67人増えて計388人、重症による入院患者数は6人増えて9
8人になったと発表した。重症者には、合併症の女児も含まれてい
る。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014080601001483.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 かなり危険な状態のようです。キュウリに限らず、野菜のO15
7汚染はこれから問題になっていくと思います。

 アメリカ、ヨーロッパでは野菜が原因のO157食中毒が大規模
に発生しています。食中毒情報の集約に問題がある日本ではあまり
話題になってきませんでしたが、こういうのが「始まり」のニュー
スなのかもしれません。

 殺菌しない生野菜も危険だという時代になってしまいました。

 以下は厚労省からの通達です。通常の店舗ではない、祭の屋台の
管理というのも大変そうですね。屋台では生ものを食べないという
のが原則です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今般、静岡市で開催された花火大会において、保健所が取扱食品
及び提供方法等を把握していない出店者が販売した「冷やしキュウ
リ」を原因食品とする腸管出血性大腸菌O157による食中毒が発生し
ているとの報告を受けました。

 静岡市からの報告では、患者数が 388名(8月6日現在)となっ
ており、過去10年間で2番目に多くなっています。現在、静岡市に
おいて徹底的な原因究明及び再発防止に向けた指導を実施している
ところですが、同様の食中毒の発生の防止を図る必要があることか
ら、改めて、関連通知に基づき、祭事等において出店する食品等取
扱者に対しても衛生管理、二次汚染の防止等について周知を行うと
ともに、監視指導の徹底をお願いします。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/140806enterohemorrhagic.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「HACCP違反」
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 上海の事件では、工場責任者が逮捕されたということですが、以
前にも書きましたが、日本では取り締まりそのものが存在しない状
態です。

 ところがお節介なアメリカFDAが日本まで来て食品工場の衛生
管理をチェックしているようです。

 以下は「食品安全情報blog」の記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■HACCP違反

 FDAが福岡市のシーフード加工施設を査察したところHACCP規制違
反がみつかり、結果を通知したが回答がない。

 違反項目はそもそもHACCP計画がない、モニタリングがない、従
業員が流しのそばでタバコを吸って手を洗わないまま仕事に戻った、
食品を加工する場所の照明が十分でない、等々。

(住所1-9-22 Minato, Chuo-kuだからここかな

http://www.toshi-sushiden.com/index.html

 アメリカ・デンバーに本店とあるので福岡から何かをアメリカに
送っていたのだろう。

 で、アメリカでもEUでも、輸出するならHACCP必須で、ここだけ
でなく日本の普通の飲食店でこのレベルに耐えられるのはほとんど
ない。日本の食品が日本産・製だから安全だと思っているのは日本
人だけ。自覚してないから向上しない。しかもちゃんと回答しない
なんて論外。)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140804#p18
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 その次にはこんな記事も登場します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■Marukai Foods Co., Inc. (Takasu Factory) 7/14/14

http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2014/ucm407118.htm

 広島県尾道市の施設をFDAが査察したところ、小さいイワシSmall
Young Sardine及び干物Dried Sardine(煮干し?)が連邦食品医薬
品化粧品法違反

・"sardine," として販売されていたが実際は"anchovies."

・栄養成分表示が米国の基準に従っていない

(ここかな
http://www.marukaifoods.co.jp/company.htm
 資本金1,000万円煮干しメインの小さい会社。輸出できる条件を
ちゃんと調べてなかったんだろう。日本語を英語に訳しただけでは
ダメ)

■MARUTOSHI 7/7/14

http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2014/ucm407087.htm

 鹿児島の施設をFDAが査察した。HACCP規制違反があり、現地での
指摘への回答を受け取ったが対応が不十分である。

(こっちはここか
http://www.e-marutoshi.co.jp/
 鰹節だから大丈夫だと思ったのだろうか?シーフードHACCPにつ
いてまともなコンサルに相談しなかったのかな?伝統とか新鮮とか
いうイメージでは海外は納得させられないんだが)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140806#p3
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ( )内の文はうねやまさんの感想です。

 ここでは3箇所が違反として指摘されていますが、果たしてどれ
だけの工場を回り、違反率はどの程度だったのでしょうね。

 日本でのHACCPの現状については、以下を参考にしてくださ
い。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Q10:国のHACCP認証について教えてください 

A10:一般に国のHACCP認証といえば、総合衛生管理製造過程承認制
度、および対米・対EU水産食品承認制度を指します。

■「総合衛生管理製造過程承認制度」

 平成7年5月24日制定(翌平成8年5月24日施行)、平成15年5月30
日の「食品衛生の一部改正」により食品衛生法第13条に規定され、
また第14条に更新制度が新たに加えられました。

 目的:国が定めた製造基準に適合しない製法の製品を、安全性を
担保した状態で流通させること(製造基準以外の製法を認めるため
の規制緩和の法律)

 業種:製造基準のある5業種6品目(乳・乳製品、食肉加工製品、
容器包装詰加圧加熱殺菌食品、魚肉練り製品、清涼飲料水)

 承認状況:平成25年12月31日現在の承認状況は433施設770件

 情報:「HACCP情報関連データベース」
http://www.shokusan.or.jp/haccp/guide/1_4_sogo_eisei.html

 法律制定の目的は、規制緩和の流れを背景にして食品衛生法で定
められた製造基準以外の製法を認めることにありました。しかしな
がら、製造基準以外の製法を認めるために承認を取得した企業は1
工場のみで、ほとんどの企業は、事実上、国によるHACCP認証とい
う位置付けで承認を得ています。

 本制度では食品の種類ごとに危害原因物質が示されており、ジェ
ネリックモデルも充実していますので、承認を受けるための資料に
は事欠かないでしょう。しかし危害分析を行い、CCPを決めるのは
あくまでも各企業自身です。

■「対米・対EU水産水産食品承認制度」

 厚生労働省の定める「対EU輸出水産食品の取扱要領」(平成7年
制定、19年4月改訂)、「対米輸出水産食品の取扱要領」(平成9年
制定)がその基準となります。

 目的:輸出する相手国のHACCP規制にあわせて導入されたHACCPを、
厚生労働省が相手国政府の代わりに認定するもの

 情報:Q&A「海外のHACCPについて」(輸出入に関連して)を参


 水産食品は国際的に最もHACCP義務化が進んでいますが、日本は
それに対して同等性が認められていないため、いわゆるMOU方式
(了解覚え書き)による両国政府の許可制度が締結できていません。
そのため輸出する企業ごとに輸出国の規制に適合していることを証
明する必要があります。厚生労働省の認定のほかに第3者機関(大
日本水産会)による認定も行われています。

http://www.shokusan.or.jp/haccp/basis/QA/qa_d_01.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「日本はそれに対して同等性が認められていない」という一文が、
食品衛生の分野では日本は先進国なみとはいかない、という現実を
示しています。

 米国FDAはお節介にも輸出元国の食品工場にも自国と同等の衛
生管理を求めているので、今回の「視察」になったようです。

 はたしてFDAのチェックに合格する工場が日本にどれだけある
のか、興味はあります。

 上で指摘された3つの工場は、「寿司(鮮魚?)」「煮干し」
「鰹節」ですが、鮮魚はともかく、煮干しや鰹節の工場でFDAが
合格を出せるところはまずないでしょうね。

 鮮魚などの生ものを扱っていると衛生管理が難しいのですが、H
ACCPはよく考えられたシステムで、畜産や漁業にも適用できる
融通性を持っています。

 HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Point」
の頭文字をとったもので、日本語では「危害分析重要管理点」と言
われます。「危害分析」でその食品の想定されるリスクを洗い出し、
「重要管理点」を設けてリスクをコントロールしようという発想で
す。

 危害の想定が適切で、管理点での管理が合理的なものなら、少な
くとも想定内の危害は防げるはずです。

 問題点としては、

(1)適切な衛生管理が前提条件となるため、衛生管理できる設備
が必要となる。(カネ)

(2)具体的な作業手順などをあらかじめ決めて、文書化しておく
必要がある。(準備)

(3)管理点での記録を残す必要がある。(手間)

ということで、要するに面倒なのです。

 エリート層の管理職が設計、指導する欧米社会では比較的簡単に
導入していますが、大衆社会で職人が主導する日本ではなかなか定
着しないというのが実情です。

 このあたりに日本の食品産業が後進的であるという理由があると
考えています。

 さて、日本では原料となる鮮魚の扱い自体が衛生的とは言えませ
ん。以下は震災から復興しつつある石巻漁港についてのニュースで
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 東日本大震災で被災し、再建工事が進められている石巻市の石巻
魚市場で、東棟と中央棟東部分の利用が4日始まった。全施設は来
年6月に完成の予定。震災前は吹き抜け構造の開放型施設だったが、
壁を設けるなどして高度衛生管理方式を導入し、付加価値の高い水
産物の出荷を目指す。

 新魚市場は鉄骨一部4階、延べ床面積4万7500平方メートル。
先行して約9000平方メートルで使用が開始され、沿岸の刺し網
船などが水揚げした。

 漁業種別に水揚げのゾーンを設定した。東棟は海外巻き網船、中
央棟東部分は巻き網船が水揚げ。中央棟西部分と西棟の完成までは、
定置網船や近海底引き網船といった他の漁業種も東棟などを使用す
る。

 船から魚を揚げる岸壁に上屋を設け、水揚げ後の選別や競り・入
札は建物内に移して行われる。鳥や車の排ガスなどが入らないよう、
壁やドアで外部と遮断。車は乗り入れできず、フォークリフトで魚
を運ぶ。天井には大型ファンを設置して空調や湿度を管理し、鮮度
をできるだけ落とさないようにする。

 総事業費は約207億円。新施設は岸壁に沿った建物の延長が8
80メートルとなり、「日本一」と言われた震災前の650メート
ルを上回る。

◎手洗いや洗浄徹底、意識改革が鍵に

 水産物の輸出などを視野に石巻魚市場は再建を契機に高度衛生管
理方式を取り入れ、来年6月から本格運用する。震災前の開放型施
設と比べて空調設備などの経費増に加え、手洗いの義務化など利用
者の手間も増えるため、意識改革が鍵となる。

 開放型だったころは、水揚げされた魚の上を海鳥が飛び交ったり、
構内をトラックが走ったりする光景が珍しくなかった。周辺で漁業
者や買い受け人がたばこを吸う姿も見られた。

 新魚市場は出入りできる人を制限し、利用者には手洗いや長靴の
洗浄・消毒を義務付ける。漁業者や買い受け人からは「水揚げ効率
が落ちるのではないか」と心配する声も出ている。

 水産庁は被災した主要漁港の魚市場に対し、再建に当たって高度
衛生管理方式の導入を求め、施設再建費用の補助要件としている。

 石巻魚市場の須能邦雄社長は「以前より制約は多いが、石巻の魚
の安全性、価値を高めることにつながる。関係者全員に衛生管理を
徹底する意識を持ってもらいたい」と話した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140805-00000005-khks-l04
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう記事を読むと、日本産魚介類は安全性が高いはずだった
のでは?と疑問に思う人も多いと思います。

 しかし実際は「漁業者や買い受け人からは「水揚げ効率が落ちる
のではないか」と心配する声も出ている。」というのが実態です。

 安全性が高いはずがありません。水産庁もそのあたりは承知して
いて、何とか衛生レベルを上げようと意図して、こんな決定をして
います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

被災地主要漁港の高度衛生管理計画の策定について〜復興に向けた
水産物流通機能の強化〜

 水産庁は、本日、気仙沼漁港、石巻漁港、塩釜漁港、八戸漁港及
び銚子漁港における水産物の高度な衛生管理手法を導入するに当た
り、基本的な考え方や講ずる措置等を示した「高度衛生管理基本計
画」を策定しました。

1.概要

 現在、東日本大震災の被災地では、水産業の早期再開に向け、漁
港の復旧・復興が急ピッチで進められています。特に、全国的な生
産・流通の拠点漁港である気仙沼漁港、石巻漁港、塩釜漁港、八戸
漁港及び銚子漁港の復旧・復興に当たっては、漁港における水産物
の高度衛生管理手法を導入することとし、それを実現するための基
本的な考え方や講ずる措置等を示した「高度衛生管理基本計画」を
策定しました。

2.国が目指す高度衛生管理とは

 本計画における「高度衛生管理」とは、取り扱われる水産物の陸
揚げから荷さばき、出荷に至る各工程において、(生物的、化学的
又は物理的)危害要因を分析・特定し、取り除くためのハード及び
ソフト対策を総合的に講じるとともに、この取組の持続性を確保す
るための定期的な調査・点検の実施及び記録の管理を行うことによ
り、消費者等からの要請に応じてこれらの情報の提供を可能とする
体制の構築を目指しています。

 なお、当該5漁港は、いずれも第3種漁港(その利用範囲が全国的
なもの)のうち水産振興上特に重要な漁港として指定される「特定
第3種漁港」に当たり、国が「高度衛生管理基本計画」を策定する
こととしています。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/keikaku/120813.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「高度衛生管理」の目標はよいのですが、計画を見ていくと、現
場での軋轢を避けるためと思いますが、以下のような漸進的な取り
組みを考えているようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

(1)漁港漁場整備長期計画における目標

 漁港の衛生管理対策は、平成19年6月8日に閣議決定した第2
次漁港整備長期計画(H19〜H23)において、重点課題として定められ
た「国際競争力の強化と力強い産地づくりの推進」の項目により
「生産コストの縮減、鮮度保持・衛生管理の強化」として位置付け
られ、近年の漁港整備事業における重点推進項目となっている。

 また、同計画の成果目標として、水産物の流通拠点となる漁港で
取り扱われる水産物のうち、漁港整備事業を通じた高度な衛生管理
対策の下で出荷される水産物の割合を23%(H16)から概ね50%に向
上させることが示されている。

(2)水産物流通機能高度化対策事業の制定

 平成20年3月31日には「水産物流通機能高度化対策事業」が
制定され、その後同年の6月12日に発出された水産庁漁港漁場整
備部長通達により、「漁港の衛生管理基準」(以下:衛生管理基準)
が明確化された。これにより、どのような対策を実施すれば衛生管
理対策が図られたと判断できるかの目安が示された。

 衛生管理基準では表−1に示すとおり、レベル1から3までの3
段階で基準が設定されており、

■レベル1は水産物を陸揚げするすべての漁港で早期に対策を講じ
ることが必要とされている。

■レベル2については水産物の流通拠点となる漁港で最低限達成す
べき目標として設定されており、これが前述(1)の成果目標達成の
指標となっ ている。

■レベル3については、レベル2を達成した漁港より順次対策を講
じるものと位置付けられている。

■漁港の衛生管理基準

□レベル1

 食中毒菌の混入を防止するため、危害要因となり得るすべての項
目において必要最低限の措置が行われている漁港

(1)「岸壁での陸揚げ作業」「荷さばき所でのせり・荷さばき作
業」の全行程を通じた危害要因の特定

(2)全行程を通じて危害要因をなくすためのハード及びソフト対
策の実施 等

□レベル2

 各種対策により食中毒菌の混入がないことが確認されているとと
もに、効果の持続化が図られている漁港

 レベル1の対策に加え

(1)各種基準を満足するために必要となるハード及びソフト対策
の実施

(2)取組の持続性を確保するための定期的な調査・点検の実施

□レベル3

 衛生管理に対する総合的管理体制が確立されている漁港

 レベル1、2の対策について

(1)記録の維持管理

(2)要請に応じた情報提供が可能となる体制等の構築

(略)

 なお、衛生管理基準による主なソフト対策の一例としては「手洗
いの徹底」「廃棄物と魚介類の分類」「シート等による屋外での魚
体露出防止」「魚介類の床面直置きの禁止」といった、利用者の意
識や工夫で行うことができる簡易なソフト対策も定められている。

 また「取水の定期的な水質調査又は殺菌施設の定期点検」「清浄
な水を用いた容器・床等の洗浄の徹底」「漁港利用者に対する衛生
管理講習会の定期的開催」等、ハード施設や漁具・容器等の日常的
な清掃・メンテナンスといった直接的に衛生面に関する対策、施設
利用者の衛生管理意識向上に至るまで、その項目は多岐に亘ってい
る。

http://thesis.ceri.go.jp/db/giken/h22giken/JiyuRonbun/GT37.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 レベル1はほとんど衛生管理とは言えない、最低レベルのもので
す。ほとんどの小漁港はこれに該当します。

 震災復興にあたって、ここで言うレベル3を一気に実現しようと
いうのが上記の「被災地主要漁港の高度衛生管理計画」です。

 当面は「高度衛生管理」を実現した設備で扱う量を全体の半分に
しようという計画ですが、現状、目標ともにあまりに低い値なので
びっくりされたのではないでしょうか。

 そのうえ、現場の意識レベルはまだまだのようなので、前途多難
というところだと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 最近、農産物や畜産、水産物を輸出しよう!という掛け声をよく
聞きます。しかし衛生管理もろくにできていないレベルで言っても
仕方ないと思っています。熱心だけれど独りよがりの日本人という
イメージをどうしても持ってしまうのです。

 食品を扱う現場で、「タバコを吸うな!」と言わねばならない実
態もひどいものです。取引のあった食肉処理場で、せっかくクリー
ンルームを設置してもらったのに、中で職人がくわえタバコで仕事
をしていたことを思い出します。それから30年ほど経過しました
が、旧態依然のところもあることがFDAの報告でわかりました。

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