安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>762号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------762号--2014.06.15------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「うなぎが絶滅危惧種に」

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ブログ毎日?更新中

http://why0531.sblo.jp/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなニュースがありましたが、「アルコール健康障害対策基本
法」は初めて聞きました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 アルコール依存症、飲酒運転、イッキ飲み事故、暴力、失業など、
飲酒が引き起こす多様な問題に総合的に取り組もうという「アルコ
ール健康障害対策基本法」が一日、施行された。これから国が基本
計画、都道府県が推進計画を策定していく。より効果的な取り組み
を求める動きが全国に広がっている。

(略)

 <アルコール健康障害対策基本法> 2010年に世界保健機関
(WHO)が「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」
を決議し、総合的な対策のために基本法を求める声が高まった。ア
ルコール関係の3学会と、全日本断酒連盟、アルコール薬物問題全
国市民協会が中心となり推進ネットを結成。超党派の議員連盟に働
き掛けて、議員立法による基本法が昨年12月の国会で可決された。

 基本法では、健康障害に対し段階に応じた防止策の実施、当事者
・家族への支援を掲げ、飲酒運転、暴力、虐待、自殺などの施策と
の連携をうたっている。2年以内に国が基本計画をつくり、それを
基に各都道府県が推進計画を打ち出すよう求めている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2014061202000182.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 WHOはこのところタバコに続いてアルコールにも厳しいので、
その関係のようです。WHOは最近もこんな発表をしています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

過度の飲酒で死亡330万人 12年、WHO「対策を」
2014/5/12

 世界保健機関(WHO)は12日、過度の飲酒が原因の病気や事故
による死者が2012年に世界で約330万人に上ったとの報告書を発表
した。全死者の5.9%に当たり、アルコール規制などの対策を促進
させるよう各国に呼び掛けた。

 報告書によると、10年の15歳以上の1人当たりアルコール消費量
(純アルコール換算)は6.2リットル。ただ、15歳以上の人口の61.
7%がアルコール類を摂取していないことから、飲酒人口の1人当
たりの消費量は平均を大幅に上回るとみられる。

 12年の世界全体の肝硬変による死者の50%、口腔(こうくう)が
ん・咽頭がんによる死者の30%、交通事故死の15%は飲酒が原因と
みられるという。

 10年5月、酒類の安売りや広告宣伝の規制案を盛り込んだ決議が
WHO総会で採択された。報告書は「採択後に対策が進んだ国もあ
るが(全体的には)一層の進展が必要だ」と指摘した。

 日本の15歳以上の1人当たりアルコール消費量(10年)は7.2リ
ットルで、ここ数年減少傾向という。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG12044_S4A510C1CR8000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本人の飲酒量はそれほど多くありませんが、やはり被害は相当
出ているのでしょうね。

 タバコの方ではこんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

喫煙で認知症のリスク2倍…九大教授らが調査
2014年06月14日 15時36分

 たばこを吸う人は認知症になる危険度が2倍に高まるとの調査結
果を九州大の清原裕教授(環境医学)らの研究グループがまとめた。

 14日の日本老年医学会で発表した。かつて喫煙は認知症を減ら
すとの報告があり、近年、それを否定する報告も海外で相次いでい
たが、日本人対象の研究でも、たばこが認知症のリスクとなること
が示された。

 今回の調査は、1988年時点で認知症でなかった福岡県久山町
の高齢者712人の集団(平均年齢72歳)を15年間追跡した。
また、この集団の15年前(72〜73年、平均年齢57歳の中年
期)の健診記録を照合。中年期、高齢期の喫煙状況と認知症発症の
関係を調べた。

 追跡期間中に認知症を発症したのは202人。中年期、高齢期の
各時期で「喫煙」「過去に喫煙歴あり」「非喫煙」に分けて分析す
ると、喫煙者は非喫煙者に比べ、認知症の発症リスクが2倍になっ
た。過去に喫煙歴がある人と非喫煙者では明確な差はなかった。

http://www.yomiuri.co.jp/science/20140614-OYT1T50102.html?from=y10
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以前は「喫煙は認知症を減らす」説もあったそうですが、そのあ
たりを以下で解説しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いまだに、タバコはぼけ(認知症・痴呆)を予防すると勘違いし
ている方がおられます。最近、医師が出した本でも間違って書かれ
ています。間違った知識が広まってはまずいと考えますので、ここ
に書きます。

 実は、

→タバコを吸うとぼけやすい (認知症になりやすい)

ことが医学的には証明され、ほぼ決着がついています。


 確かに、1994年に出版された本に『タバコはボケを防止するか』
というものがありました。

 浜松医科大学の高田明和名誉教授が書かれた本ですが、その中で、
『タバコを多く吸う人ほどアルツハイマー病になりにくいといえて
しまうことになる。』と書かれています。

 現在でもJT(日本たばこ産業) の関連団体である喫煙科学研究財
団のホームページには、

 『アルツハイマー病のなかの家族性アルツハイマー病において、
喫煙とその発生率に負の相関関係が示唆されており1)、喫煙がアル
ツハイマー病の発症に予防的に働いている可能性が考えられる。』

と書かれています。


 この論文も含め、確かに過去に「喫煙はアルツハイマー型痴呆を
予防する」とした症例対照調査(後ろ向き調査)と小規模追跡調査
が発表されました。しかしその後、「喫煙はアルツハイマー型痴呆
を引き起こす」としたより信頼のおける大規模追跡調査(前向き調
査)がいくつも発表され、現在では喫煙はアルツハイマー型痴呆の
主要な危険因子と見なされています。

 実は、『タバコはボケを防止するか」の作者は現在は本の内容を
否定されています。

「データが語る 生老病死」 「喫煙で痴ほう発症早まる」
 浜松医科大教授 高田明和 毎日新聞夕刊 2000年11月18日
記事より

『「たばこを吸って肺がんになるか、吸わずにアルツハイマー病に
なるかだよ」というような冗談が喫煙者の間で交わされることがあ
る。

 アルツハイマー病では脳内のアセチルコリン伝達物質にする神経
が死滅しているという特徴がある。アセチルコリンが神径を刺激す
る時の受容体はニコチンによっても刺激されるので、たばこのニコ
チンがアセチルコリン神経を刺激すると考えられたのだ。

 喫煙はストレス解消に役立つと考える人が多いが、ストレスは脳
細胞を死滅させ、ぼけを促進する。これも喫煙がアルツハイマー病
を予防する理由の一つとされた。事実、喫煙者に家族性アルツハイ
マー病を防ぐという論文も発表された。しかし、我々の多くを襲う
散発性のアルツハイマー病の予防に効果があるという報告はほとん
どなかった。つまり家族性アルツハイマー病のデータが拡大解釈さ
れていたのだ。

 最近、英国で3万4000人以上の男性医師を約50年間追跡調査した
結果が報告され た。それによると喫煙はアルツハイマー病や血管
性の痴ほうを抑制する効果はなく、 むしろ発症年齢を低下させる
ことが示された。また、10年以上も前に喫煙をやめた人 も喫煙者
と同じくらい痴ほうになる危険があるということも分かった。』

 なぜ、このように研究結果がひっくり返ったかというと、過去に
さかのぼって研究(後ろ向き研究)すると、「認知症で喫煙できな
くなった」「アルツハイマー病で過去に喫煙していたことを忘れて
しまった」などで調査が狂いやすいことと、もっとずばりいうと
「喫煙者は肺がんや心臓病、脳血管疾患で早死にするため、ぼける
まで生きていられない。したがって現在生きている人で調査をする
後ろ向き研究では、間違った結果が出る。」ということがあります。
そこで、未来に向かって行なう前向き研究をしたところ、タバコを
吸うとぼけやすいという結果が出たわけです。

http://goo.gl/mFbY77
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上記の記事は以下のURLのところにあります。
http://www.kinen-sensei.com/

 ところがドメイン以下を全部日本語で書くという荒技を使ってい
るため、とんでもなく長いURLです。そのため短縮のものを使っ
ています。

 最後に食べ物ではありませんが、「レジオネラ菌」のニュースで
す。死者が出ているというのは尋常ではないです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 埼玉県は14日、同県北本市の日帰り入浴施設「湯楽の里」北本
店を利用した男性3人がレジオネラ菌に感染し、うち同県桶川市の
男性(66)が死亡したと発表した。浴槽の塩素消毒が不十分だっ
たとみられる。

 浴槽の水から、基準(100ミリリットル中10個未満)を上回
る同10個のレジオネラ菌が検出され、男性のたんから検出された
菌と遺伝子パターンが一致した。県は同日から菌の不検出を確認す
るまでの間、施設を営業停止とした。(2014/06/14-17:49)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014061400234
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「うなぎが絶滅危惧種に」
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 大きく扱われたニュースですが、うなぎについてこんなことがあ
りました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 国際自然保護連合(IUCN)は12日、絶滅の恐れがある野生
生物を評価したレッドリストで、ニホンウナギを絶滅危惧種に分類
したと発表した。3ランクある絶滅危惧種の中で2番目に高い「近
い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」と判定した。

 レッドリストは生物の生息状況の科学的な評価結果で、掲載され
ても捕獲や国際取引の規制には直結しないが、ワシントン条約で国
際取引規制を検討する際の有力な材料となる。世界最大の消費国と
して日本も漁獲規制など本格的な保護対策を迫られ、食卓にも影響
が出る可能性がある。

 IUCNはニホンウナギ減少の理由として乱獲や生息地の破壊、
河川構造物の建設で回遊が妨げられたことなどを挙げた。日本の環
境省は昨年、日本版のレッドリストにニホンウナギを絶滅危惧種と
して掲載。養殖原魚のシラスウナギや親ウナギの漁獲削減が業界の
自主的な取り組みなどの形で進んでいるが、資源レベルに大きな改
善は見られていない。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140612/trd14061210350013-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は水産庁に取材した記事ですが、案外のんびりしています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 国際自然保護連合(IUCN)が12日、ニホンウナギを絶滅危
惧種に分類したことに関して、水産庁幹部は「捕獲が規制されるこ
とはない」と述べ、影響は限定的との見方を示した。

 幹部は「天然のシラスウナギが減っているのは事実だ」とも指摘。
完全養殖の実用化に向けた技術開発を加速する一方、「当面は養殖
に天然のシラスウナギを活用せざるを得ない」と述べ、日本と同様
に捕獲している東アジア諸国と協議して、稚魚の管理に力を入れる
考えを示した。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140612/biz14061211060010-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件に関しては、いつも紹介している勝川先生のブログで、し
ばらく前から取り上げられていました。以下はこの決定が出る前の
段階での記事を批判しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 つい最近まで、「ウナギ豊漁→安くなる」と楽観的な報道を繰り
返していた日本メディアなのですが、IUCNの日本ウナギをレッドリ
ストに掲載するかもしれないという情報で、「規制されると値段が
高くなる」という論調に逆転しました。目先の価格以外に考えるこ
とは無いのでしょうか。

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朝日新聞デジタル 2014年6月10日08時01分 神田明美
ニホンウナギ、絶滅危惧種指定へ 国際取引制限の恐れ
http://www.asahi.com/articles/ASG695FDYG69ULBJ01C.html

 かば焼きで日本人になじみ深いニホンウナギについて、国際自然
保護連合(IUCN)は、12日に発表する、生物の絶滅危機に関
する情報を紹介する「レッドリスト」改訂版に掲載する方針を固め
た。絶滅危惧種として指定する見通し。売買や食べることの禁止に
直結するわけではないが今後、国際取引の制限などにつながる可能
性が高まる。
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 下図のようなウナギ漁獲量が激減しているグラフを掲載しながら、
資源の枯渇ではなく、国際取引制限を心配しているのが不思議な感
じですね。


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日本経済新聞 電子版 2014/6/6 23:38

ニホンウナギが絶滅危惧種に?
指定なら価格上昇も 国際自然保護連合、12日公表

 ニホンウナギが絶滅の恐れがある野生生物に指定される可能性が
出てきた。世界の科学者らで組織する国際自然保護連合(IUCN)
が12日に公表するレッドリストの最新版で、ニホンウナギが絶滅危
惧種として追加されそうだからだ。指定されれば国際的な輸出入の
規制につながる可能性もあり、ウナギの卸業者からは取引価格の上
昇を懸念する声も出ている。
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時事通信

ウナギ稚魚、養殖量回復=「丑の日」値下げは不透明

 ニホンウナギの稚魚シラスウナギの養殖量が回復している。日本
をはじめ、中国、韓国など周辺国・地域も好漁で、輸入分も含めた
養殖池への「池入れ量」は前年の約1.8倍。取引価格も大幅に下
落した。ただ、消費がピークを迎える7月29日の「土用の丑(う
し)の日」に、ウナギが値下がりするかどうかは不透明だ。

 また、水産庁は「直ちに資源量が回復したと判断するべきではな
い」として資源管理を徹底する構え。うなぎ料理店でも「(値段の
判断は)もう1年様子を見てから」との声も上がる。
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 漁獲が激減しているのに、取り上げるのは目先の価格のことばか
り。これでは、ウナギが無くなるのは仕方が無いことだと思います。

http://katukawa.com/?p=5654
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 確かに、「絶滅危惧」の話なのに、値段の話をしているのはおか
しいです。このままではなくなってしまうと言われているのですか
ら、なくならないように努力しようというのが当然の発想です。

 勝川先生の意見は以下のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■ウナギを食べ続けたいなら、ワシントン条約を歓迎すべきである

 ニホンウナギがIUCNの絶滅危惧種に指定されて、ワシントン条約
で規制される可能性が高まってきた。日本のメディアは、「ウナギ
の値段が高くなる」と危機感を煽っているのだが、本当にそうだろ
うか。

 そもそもウナギが高くなったのは、十分な規制が無いまま漁獲が
拡大し、日本人が食べ尽くしてしまったからである。つまり、無規
制の結果なのだ。無規制の状態が今後も続けば、漁獲は更に減少し、
値段は高くなるだろう。もし、ウナギ資源・食文化の存続には、何
らかの規制が必要なのは明白である。

■ワシントン条約でウナギが食べられなくなるのか?

 ワシントン条約には、付属書1、2、3がある。
付属書1は本当に危機的な状況にある種(ジャイアントパンダやゴ
リラなど)を守るための枠組みで、学術目的以外の輸出入は原則禁
止。ということで、ここにカテゴライズされると、輸入ウナギは食
べられなくなるだろう。しかし、ニホンウナギがいきなり付属書1
に掲載されるとは考えづらい。ニホンウナギが掲載されるとしたら
付属書2だろう。ヨーロッパウナギも付属書2だ。

 ワシントン条約の付属書2に掲載されると、輸出には輸出国の許
可書が必要になる。逆に言うと、輸出国政府の許可書があれば、自
由に貿易できるのだ。

(参考)貿易手続きに対する詳しい情報
http://www.jetro.go.jp/world/japan/qa/import_11/04A-010911

(参考)付属書に掲載されている動物の一覧表はこちら
http://www.trafficj.org/aboutcites/appendix_animals.pdf

 付属書2に掲載されても、輸出国政府が、正当に捕獲されたと認
定して、輸出許可書を発行すれば輸出できる。フランスはシラスウ
ナギの捕獲を行っているし、今でも輸出している。それらが中国を
経由して、日本に大量に入ってきている。ワシントン条約で規制さ
れると、ヨーロッパウナギが食べられなくなると煽ったメディアの
報道は不正確だったのだ。

(参考)中国経由で日本が輸入するヨーロッパウナギ
http://togetter.com/li/536088

 付属書2の効果は、政府が許可しない密漁品の貿易を抑制するこ
とである。河口に集まるシラスウナギは、素人でも捕獲ができる。
その上、単価が高いので、ブラックマーケットが形成されやすい。

 付属書2に掲載されたら、違法に漁獲されたシラスウナギは出荷
しづらくなる。つまり、各国政府が連携をして、密漁を予防しやす
くなるのである。ワシントン条約付属書IIに掲載されれば、日本に
入ってくる違法漁獲ウナギは大幅に減るだろう。それによって、一
時的に価格は上がるかもしれない。違法操業が減ることで、ウナギ
資源の保全が大きく前進するなら、長い目で見ればそっちの方が良
いに決まっている。

 「値段が高くなるからワシントン条約付属書2に反対」という主
張は、「違法漁獲されたウナギを安く食べられればそれで良い」と
いっているようなものである。

■ワシントン条約付属書2に効果はあるか

 付属書2の実効性は、漁獲国の政府が十分な規制をするかどうか
にかかっている。輸出国政府がバンバン輸出許可書を発行した場合、
ワシントン条約付属書2は意味が無くなる。中国・台湾が、単独で
実効性のある厳しい規制を導入するとは思えないので、現状では付
属書2の影響は限定的だろう。ワシントン条約付属書2が意味を持
つには、日中台で連携してウナギ資源を管理するための枠組みが必
要である。今後、国際的な資源管理の枠組みをつくらなければなら
ないのだが、仮に枠組みが出来たとしても、漁獲規制に強制力が伴
わなければ、単なる努力目標で終わるだろう。現状では、強制力を
もった貿易規制の枠組みは、ワシントン条約ぐらいしかないので、
これを活用しない手は無い。

 ワシントン条約付属書2への掲載がきっかけとなり、日中台で資
源管理の枠組み作りが進めば良いと思う。そして、ワシントン条約
を利用して、違法漁獲を押さえ込み、持続的な漁業を実現していく
のが、ウナギ資源・食文化が存続するためのわずかな希望である。
逆に、今回、ワシントン条約に掲載されずに、各国が問題の先送り
を選択したばあい、ニホンウナギは取り返しの付かない事態になり
かねない。

 ワシントン条約で規制の網がかけられるかどうかは、ウナギ資源
の未来に重大な意味をもつ。日本のマスメディアは、ワシントン条
約の意味を理解した上で、ちゃんとした記事を書いて欲しいと切に
願う。

http://katukawa.com/?p=5659
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 うなぎの漁獲規制を効力のあるものにするためには、近隣諸国と
の協力が必要です。そのためにはレッドリスト記載はチャンスであ
るということですね。

 日本の近隣諸国はまともな国が少ないので、かなり難しいと思い
ますが、何とか努力していくしかありません。そのためにもせめて
国内だけでもちゃんとした漁獲規制ができないと話にならないです。

 さて、その「近隣諸国」の一つについて、こんな記事がありまし
た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 韓国の遠洋漁船による漁獲量制限違反など違法操業を問題視して
いる欧州連合(EU)が、韓国を違法操業国として指定する見通しと
なり、国際社会で大きくメンツをつぶす可能性が高まっている。EU
の調査団は9日に来韓し、韓国国内での違法操業監視システムにつ
いてすでに実態調査を行っているが、違法操業国への指定を阻止す
るのは簡単ではなさそうだ。

 韓国と共に違法操業国に指定される見通しの国はスリランカ、ト
ーゴ、ガーナ、フィジーなどで、いずれも開発途上国だ。これらの
国々と同じ扱いを受けてしまえば、世界5大遠洋漁業国としてのプ
ライドにも大きく傷が付く。

 このような状況を招いたのは、海洋水産部(省に相当)の安易な
対応によるものと考えられる。1966年に遠洋漁業を開始した韓国は、
1980年代まで海外で特別な制約なしに魚を捕り続けた。ところが19
90年代後半になると、漁業資源の枯渇に危機感を持った国連食糧農
業機関(FAO)が操業方法についての勧告基準を定め、これを各国
に通知したことで雰囲気が変わり始めた。

 ところが海洋水産部はこの世界的な流れの深刻さに気が付かなか
った。海洋水産部の関係者は「1990年代後半から違法操業を取り締
まるよう求める文書が国際機関から何度も送付されていたが、業界
保護のためこれまでと同じやり方の操業を続けても目をつむってき
たのは事実だ」と述べた。

 2008年にはEUがFAOの基準を法制化し、これに強制力を与えた。
これが一種の「グローバルスタンダード」として定着したが、海洋
水産部はEUから違法操業国として予備指定された昨年までの5年間、
何の対応も取ってこなかったのだ。

 EUが問題視している西アフリカ沿岸での韓国漁船の操業は非常に
悪質だった。海洋水産部によると、沿岸国の領海(海岸線から12カ
イリ=約22キロ以内)を平気で侵犯して操業を続け、また国籍を知
られないようにするためアフリカの漁船に偽装し、これが摘発され
ることもあった。西アフリカ沿岸で操業する韓国の遠洋漁船はこれ
まで40隻前後にとどまっていたため、海洋水産部がもう少し真剣に
対応していれば、不祥事を阻止することはできたはずだった。だが
海洋水産部は昨年まで、違法操業に対して2億ウォン(約2000万円)
以下の課徴金を徴収する程度の処罰しか行ってこなかった。韓国は
情報技術(IT)が高度に発達した国として世界から認められている
が、遠洋漁船の位置を監視するシステム(VMS)が導入されたのは
今年に入ってからだ。国民は旅客船「セウォル号」沈没事故の際、
海洋水産部が旅客船の安全対策強化策を後追いのような形で取りま
とめるなど、そのずさんな対応を目の当たりにした。「牛が逃げた
後で小屋を直す(失敗してから後悔しても意味がない)」というこ
とわざ通りの行動を繰り返す海洋水産部に対し、国民はこれ以上理
解を示すことが難しくなりそうだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/8924726/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 残念ながら、「違法操業国」が隣にあるのが現実です。

 遠洋漁業に関しては、こんなニュースもありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

【6月12日 AFP】南太平洋の島しょ国8か国で構成する「ナウル協定
加盟国(Parties to the Nauru Agreement、PNA)」は12日、沿岸
水域で操業するマグロ・カツオ漁船に課している入漁料を大幅に引
き上げる方針を示した。

 ツナ缶の原料となるカツオのPNA水域内での漁獲量は世界の5割を
占める。漁を行うのは主に日本や中国、韓国、台湾、米国、欧州な
どの遠洋漁業船団だ。

 こうした中、マーシャル諸島の首都マジュロで年次会合を開いた
PNAは、現在1日6000ドル(約60万円)の入漁料を2015年から1日1万
ドル(約100万円)に引き上げると発表した。

 マーシャル諸島のクリストファー・ロヤック大統領は、入漁料引
き上げによって貴重な海洋資源の管理が改善され、持続可能な漁場
が確保できると説明した。同大統領によると、加盟国の入漁料収入
は2010年には6000万ドル(約61億円)だったのが、2013年には2億4
000万ドル(約245億円)に増加したという。

 PNAにはパプアニューギニア、ソロモン諸島、パラオ、ミクロネ
シア、キリバス、ナウル、ツバル、マーシャル諸島が加盟している。

http://www.afpbb.com/articles/-/3017554
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 一日百万円とはすごいですね。入漁料も結構ですが、漁獲量その
ものにも規制をかければよいのに、と思ったりします。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 うなぎやマグロに関連して、マスコミではすぐに値段の話になる
のは、「ニュースの文法」みたいなものがあるのだと思います。

 真剣に考えず、以前の似たような記事を写してくるから、という
意味ですが。

 先週、小学校の同窓会があり、参加してきました。アルバムの写
真を拡大して貼ってあったのですが、私の顔だけ、「一人ピンぼけ」
になっていて、ショックを受けました。撮影時にじっとしていられ
なかったようです。アホな子だったのですねえ。

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