安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>753号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------753号--2014.04.13------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「馬刺しで食中毒」

-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
------------------------------------------------------------
ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
------------------------------------------------------------
---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。今年は「カツオ」が不漁なのだそ
うです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■カツオがかつてない不漁 和歌山県沿岸

 和歌山県内でカツオがかつてないほどの不漁に見舞われている。
3月の田辺、すさみ、串本漁港の水揚げ量は計5・6トンで昨年の
20分の1以下。このため、すさみ町の「すさみケンケンかつおブラ
ンド委員会」が13日に町内で予定していた「ケンケンかつお祭り」
は、中止になった。漁業関係者は「こんな年は初めて」と嘆いてい
る。

 カツオが黒潮に乗って北上する3月から5月は初ガツオのシーズ
ンとして水揚げ量が増える。だが、今年は県水産試験場(串本町)
によると、田辺、すさみ、串本の3漁港で3月の水揚げ量は計5・
6トンで、記録が残る1993年以降最低。それまで最低だった99
年の51・6トンを大きく下回った。3漁港の3月のカツオ水揚げ量
は、多い年で558・2トン(95年)、昨年は122・4トンだっ
た。

 水産試験場の武田保幸・資源海洋部長は「漁業者への打撃は計り
知れない」と話す。

 すさみケンケンかつおブランド委員会は毎年、初ガツオが水揚げ
される4月にすさみ町内で「祭り」を開いてきた。ことし3月30日
には町外で初めて、白浜町の漁業振興施設「フィッシャーマンズワ
ーフ白浜」で開いたが、地元産の「ケンケンカツオ」ではなく他産
地の一本釣りカツオを使って何とか開催した。

 すさみ町内でも13日に「祭り」を開き、カツオの試食会や早おろ
し選手権などをする予定だったが、かつてない不漁のため8日に中
止を決めた。東日本大震災の影響で2011年に祭りを自粛したが、
不漁による中止は初めて。

 「祭り」でケンケンカツオを提供する予定だった和歌山南漁協す
さみ支所では、例年ならこの時期はカツオの水揚げが連日数トンあ
るが、8日の水揚げは27・4キロしかなかった。すさみ漁港の市場
で1キロ当たりの平均浜値は、例年なら千円前後のところが3千〜
4千円に高騰している。同支所は「船を出してもカツオの魚影がな
く、燃料の高騰などで漁に出ても赤字になるだけ」と頭を抱えてい
る。

 不漁の原因について、武田部長は「黒潮源流域のフィリピン沖で、
巻き網漁によって大量に漁獲され、黒潮に乗って北上しないことも
考えられる」と言っている。

http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=271429
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ちょうど次のような本を読んでいたところで、やはり乱獲が原因
なのだろうか?と考えた次第です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

『漁業という日本の問題』

勝川俊雄 著
NTT出版

発売日:2012.04.12
定価:2,052円

この本の内容

 日本の漁業はすでに危機的な状況にある。しかし適切な資源管理
を中心とした制度改革を実現すれば、自立した、持続的に儲かる産
業に再生することは可能だ。気鋭の研究者が現状を明らかにし、再
興への道筋を示す。

目次

第1章 食卓から見た魚
第2章 日本漁業の現状
第3章 持続的に儲かる漁業の方程式
第4章 日本漁業の処方箋
第5章 ノルウェーの漁業改革
第6章 ニュージーランドの漁業改革
第7章 なぜ日本では乱獲が社会問題にならないのか?
第8章 解決への道筋――クロマグロの資源管理

著者紹介

勝川俊雄(かつかわ・としお)

1972年生まれ。三重大学生物資源学部准教授。専門は水産資源管理
と資源解析。

 著書に『日本の魚は大丈夫か』(NHK出版新書)が、監訳書に『魚
のいない海』(NTT出版)がある。

http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002193
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 著者の勝川氏については、このところ何回か紹介したことがあり
ます。

 氏の公式サイトは以下のところです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

勝川俊雄公式サイト

漁業について語ります

■まとめ(日本漁業に明日はあるか?)

日本では、以下のように広く信じられてきました。

「日本の漁業は世界の最先端」
「日本の養殖技術は世界一」
「先進国では漁業の衰退は当たり前」
「世界の魚を中国が食べ尽くしている」

 これらはどれも誤りであり、データを見ればそうで無いことは一
目瞭然です。正しくは、以下の通りなのです。

「日本の漁業は一人負け」
「日本の養殖業は世界でも希な衰退産業」
「漁業が衰退しているのは日本ぐらい」
「中国は最大の水産物輸出国」

 当ブログでは、「世界では漁業は成長産業。日本の一人負け」と
言い続けてきました。客観的に見るとそう言わざるを得ないのです。
では「日本の漁業に未来は無いか」というと、そうではありません。

 日本の漁業が衰退しているのは、漁業のやり方が悪いのです。も
ちろん、今の延長線上には明るい未来は無いのですが、漁業のやり
方を変えることで未来を変えていくことは可能です。最も成功して
いる漁業国の一つであるノルウェーの政策を参考に、日本漁業の問
題点を一つずつ潰していけば、日本の漁業が成長する余地はまだま
だあります。

 具体的にいうと、「資源管理」と「マーケティング」の2つを徹
底することです。次世代を産む魚をちゃんと残した上で、限られた
漁獲の価値を伸ばすことです。当たり前のような話ですが、日本の
漁業はこれらができていないのです。

http://katukawa.com/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上記の本で印象的だったのは、外国で資源管理に成功したところ
では、「環境保護団体による外圧」が有効だったという話です。

 「環境保護団体による外圧が漁業を持続可能なものに変える」
ということです。だから、漁業者は環境保護団体を応援団と考える
とよく、環境保護団体は漁業者を支援するべき味方であるとする…
そんな図式があります。これはちょっと刺激的ですね。

 そういう意味での失敗例は、前回も書いた「調査捕鯨」でもあり
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

日本敗北は絶滅危機が原因ではない
論理的に破綻していた“調査捕鯨”

 今回の結果が出たのは「調査捕鯨が科学的に行われているとは思
えない」と判断されたからだ。前述の朝日新聞の記事のなかで小松
正之氏は『反捕鯨団体の妨害活動以前から、鯨肉が余るために日本
は計画通りの頭数を捕獲しておらず、「調査捕鯨ではない」という
豪州の主張が通ってしまった』と語っている。

自ら設定した獲るべき頭数を獲っていないのだから、たしかに研究
もなにもない。

 問題点として挙げられたのは他にもある。調査捕鯨では耳骨から
鯨の年齢などを調べるほか、胃の内容物を調べて生態系の観察をす
ることを目的としているが、そのために日本は『三種類の鯨を捕獲
する』としていた。ところが判決では『実際に獲っているのは一種
類』と指摘された。

 調査捕鯨というのは科学的調査を目的としたものだ。その調査が
なされていないのだから「調査捕鯨といって実際には商業捕鯨であ
る」という豪州の主張はある意味正しい。それらの指摘に対して日
本は有効な反論を持たなかった。

 日本が敗れた理由は鯨がかわいそうだからでも、絶滅危機に瀕し
ているからでもない。論理的に破綻していたからなのだ。

http://diamond.jp/articles/-/51220
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「馬刺しで食中毒」
------------------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 福島県は8日、会津美里町の食肉加工場から出荷された馬刺し用
の生肉を食べた福島、新潟、山形3県の男女計20人が下痢や腹痛
などの症状を訴え、このうち男女11人から腸管出血性大腸菌O1
57が検出されたと発表した。

 発表によると、生肉は食肉処理業「会津畜産」(会津若松市)が
3月24日、25日に加工。北海道から広島県まで20都道府県に
計約1290キロが出荷されており、同社は6日から自主回収して
いる。

 発症者は福島県12人、新潟県5人、山形県3人で年齢は1〜9
1歳。うちO157が検出されたのは福島県6人、発症者のうち3
県で11人が入院したが、重症者はおらず全員快方に向かっている
という。

 同社の宮森大典専務は「安全を第一に考え、回収と製造自粛を決
めた。福島県の調査には全面的に協力しており、今後も、検査の結
果や状況に応じて最善の対応をしたい」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20140408-OYT1T50168.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは8日の記事ですが、11日にも続報があり、被害が拡大し
ているようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

馬刺し食中毒:6県33人が腹痛などの症状 福島で加工

毎日新聞 2014年04月11日 00時16分

 福島県は10日、会津美里町の食肉処理業者「会津畜産」が加工
した馬刺しを食べた同県など6県の男女33人が腹痛や血便の症状
を訴えたと発表した。県は、病原性大腸菌O157による食中毒と
断定。同社に自主回収するよう求め、18日まで9日間の営業停止
処分にした。

 発症したのは福島、新潟、山形、秋田、宮城、茨城の6県の男性
計15人、女性計18人。馬刺しは東京、大阪、広島など18都府
県に約1260キロ分が出荷されていた。

http://mainichi.jp/select/news/20140411k0000m040149000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下はメーカーの「会津畜産」のサイトから、事実経過の報告で
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■4月4日夕方
 会津保健所より弊社製品を喫食されたお客様に健康被害が見られ
ると報告を受け調査開始。

■同日21時頃
 会津保健所による立ち入り調査受け入れ。商品2検体と拭き取り
検査8検体を実施。

■4月5日
 製造従事者の検便による健康調査を開始。

■同日22時頃
 健康被害に拡大がみられることから、自主回収の開始と営業の自
粛を決定。

■4月6日未明
 電話、FAX等でお客様への商品回収のお願いとお詫び連絡開始。

■同日12時頃
 会津保健所に自主回収開始報告書の提出。

■同日21時頃
 福島県庁より回収を行っている旨のプレスリリース。

■4月7日
 引き続き電話、FAX等で回収のお願いとお詫びの連絡。回収商品
の受け入れと廃棄を開始。

■同日16時頃
 さらなる調査の為、会津保健所による立ち入り調査による検体の
提供と聞き取り調査を実施。

■同日20時頃
 会津保健所より4月4日に行った検査結果がすべて陰性であった
旨の報告。

■4月8日12時頃
 会津保健所へ回収された商品の検体を提供。

■4月9日
 引き続き回収を続行。

■4月10日
 従事者17名中16名の細菌検査陰性。4月7日に採取した作業現場の
30検体分についても陰性であると所管保健所より通達。引き続き原
因究明のため調査続行。

■4月10日夜
 所管保健所より9日間(4月18日まで)の営業停止処分が決定。

■4月11日
 従事者全員の検便検査陰性が確認される。

http://www.aizu-chikusan.com/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここに至るまで、製品からも従業員からも、O157の汚染は確
認されていないようです。

 でも、状況からして「馬刺し」がO157の感染源であることは
間違いありません。

 この意味するところは、製品から簡単に検出できないレベルの汚
染でも、被害が出てしまうということでしょう。

 また、製品自体も、「馬刺し用」として生産された正規のもので
す。品質検査でも問題なかったはずです。

 このことが示唆する事実は案外深刻です。「今までの生産・流通
では馬刺しによる食中毒は防止できない」ということです。

 馬に限らず、肉類を生で食べることに無理があると考えた方がよ
いでしょうね。

 ユッケ食中毒事件のとき、こんなニュースがありました。ここに
「会津畜産」の名前も出てきます。この業界では大手の会社です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 富山県を中心に5人もの死亡者を出した牛肉ユッケ食中毒事件発
生後、生食できる食肉として馬刺し・馬肉の需要が高まっている。
馬刺し・桜肉専門販売メーカー「NTC・デリバ」(千葉県鎌ケ谷
市)の常務取締役で、馬肉専門店「馬喰ろう」社長の沢井圭造氏
(37)は、こう語る。

 「馬の体温というのは40〜41度もあり、牛や豚の体温(36
〜37度)と異なり雑菌が全部死んでしまいます。これによって生
食でも安全に食べることができます。あの食中毒事件後、安心して
食べられる生食肉として馬刺し、桜肉(馬肉の別称)の人気が高ま
ってきたのです。対前年比で10〜15%程度、堅実に伸びていま
す」

 業界3位のNTC・デリバは1972年に個人創業され、82年
に「荷受畜産商事」として設立された。2005年には鎌ケ谷市に
本社ビルを新築、馬肉加工専門工場を新設し移転。現社名に改めた。
沢井氏の兄の亮祐氏が社長を務めている。

 「兄に薦められ22歳になるとき会社に入り、飲食店などに馬刺
し、桜肉を販売してきました。05年に取引先で内装業を営むスパ
イスワークス社長の下遠野亘さんが、JR水道橋駅近くに馬肉料理
居酒屋『仕事馬』を開店、大繁盛させます。自分もアンテナショッ
プを持ちたいと思い、下遠野さんの協力で店を出すことにしました」

 こうしてJR神田駅の近くに同社の直営店となる馬肉料理専門店
「がんばれニッポン 馬肉道場馬喰ろう」をオープンした。当初、
立ち飲み屋にしようとした9坪24席の狭い店で、700万円弱の
投資ですんだ。この店が月商600万円も売る大繁盛店になった。

 沢井氏が「馬喰ろう」の社長に就き、1年に1店舗のペースで、
「恵比須店」「神田ミートセンター店」「新橋店」「人形町店」、
「御徒町店」(ビストロ業態。業務委託店)と合計6店舗展開して
きた。

 「牛肉ユッケ食中毒事件後、馬刺し・桜肉の需要が増え出し、馬
肉の健全な普及に努める必要があると、社団法人日本馬肉協会の設
立の企画が浮かんだのです」(沢井氏)

 日本の馬肉の9割はカナダで飼育されたものが流通している。競
走馬は食用に適さない。カナダで食肉処理され、枝肉、ブロック肉
としてチルド、冷凍で空輸されてくるケースもある。国内に桜肉の
加工業者は10社程度。その最大手が「加熱用」の肉を「生食」と
偽装した容疑で今月14日に家宅捜索を受けた「大成」(長野県飯
島町)。2000社程度に卸し、シェア50%を占めるといわれる。

 沢井氏が裏方となって「日本馬肉協会」の設立を進めると、馬肉
の本場熊本県の「フクジク」、それに福島県の「会津畜産」が加わ
り、昨年7月、設立にこぎ着けた。第1弾の協同事業としてムック
本『馬肉新書』(仮称)が近々刊行される予定だ

 「馬肉は信州や熊本では家庭の日常食として、シャブシャブ、ユ
ッケ、鉄板焼き、タタキなどさまざまな料理にして食べられていま
す。将来的に馬肉の小売店を展開するなどして啓蒙、普及に努めた
いと思っています」(沢井氏)

 馬肉はカロリーが牛豚の3分の1〜2分の1、鉄分・グリコーゲ
ンが桁違いに多く、もっと価値が見直されてもよいだろう。(外食
ジャーナリスト・中村芳平)

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130324/ecn1303240709000-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 残念ながら、「馬刺し」がユッケの代替、ということは難しくな
ったようです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 月曜日にようやく退院したのですが、とたんに孫から風邪(たぶ
んウィルス性の胃腸炎)をもらってしまい、ひどい目にあいました。
このところ体重が減るばかりです。

 入院中は公園まで散歩していたのに、まだしばらくは自宅でもベ
ッドの上という日々が続きそうです。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-753号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
http://why.kenji.ne.jp/
------------------------------------------------------------
 購読者数3716名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「[\]安心!?食べ物情報」)は
http://food.kenji.ne.jp/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/