安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>749号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------749号--2014.03.16------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「マグロ漁業規制」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 まず、中西準子先生の本が発売されたというニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

雑感665-2014.3.10
「『原発事故と放射線のリスク学』ができました」

 3月14日に書店に出るとのことですが、ようやっと本が出来上が
りました。この2年間、福島の問題で悪戦苦闘してきたことをまと
めて本にしました(事故後1年間は家族の看病とナノ材料のリスク
評価書のまとめのため、何もできませんでした)。

 放射線のリスク評価はどちらかと言えば簡単です。その上、わが
国にはこの分野で多くの研究者、さらには大きな国の研究所(今は
独立法人ですが)、例えば放射線医学総合研究所や日本原子力研究
開発機構などがこの問題に取り組んでいますので、すでに被ばく線
量のデータなどは出尽くしていると言ってもいい状態です。

 有害性については、分からない、分からないと学者や政治家、評
論家が言い続けていますが、これくらい分かっているものは他にあ
りません。

 それにも拘わらず、混乱しています。それは何故か?一つにはリ
スク管理をどうすべきかについての考えがない、考えた経験がない
ことがあると思います。

 もう一つ、重要なことは、何かに畏れて言わないという風潮です。
政治家、霞が関、それに専門家というか有識者が口を噤んでいます。
つぎつぎと大事な問題がタブーになっていく、不思議な風潮がある
のです。不思議というより、不気味です。皆が疑心暗鬼になってし
まうのです。

 この本の中で、これらのすべてのタブーに挑戦しました。

 一つは、外部被ばく線量の計算値。第二に、小児甲状腺検診の問
題。第三に除染費用の限界。第四に、リスクを受け入れなければな
らないという現実。そして、帰還のための線量目標値。

http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak661_665.html#zakkan665
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 早速注文しまして、もう家には届いているはずなのですが、まだ
手にしていません。

 中西先生の見解を実際の政策に活かしていく方法を考えていただ
きたいものです。

 上記のうち、「小児甲状腺検診」については、某テレビ番組でま
たトンデモな内容が報道されたそうで、こんな見解が発表されてい
ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2014年3月12日

福島県立医科大学
ふくしま国際医療科学センター
放射線医学県民健康管理センター長
阿部正文

 平成26年3月11日、テレビ朝日系列(福島県はKFB福島放送)のテ
レビニュース番組「報道ステーション」におきまして、甲状腺がん
に関する特集が放送されました。その内容に関して、当大学・当セ
ンターの見解をお伝えします。

(略)

■甲状腺がんの発症と原発事故との因果関係について

・現時点における、甲状腺がんの症例は福島第一原発事故の影響に
よるものとは考えにくいとの見解に、疑義が示されました。

□番組内ではチェルノブイリとの比較において、被ばく線量につい
てほとんど触れられておりませんでしたが、現在、様々な研究機関
で行われている被ばく線量推計によると、チェルノブイリに比較し
て福島における県民の皆様の被ばく線量が低いことが分かってきて
います。

 チェルノブイリの知見に留まらず、現在見つかっている甲状腺が
んの方の平均年齢が16.9歳(2013年12月末日現在)であり、従来よ
り知られている小児甲状腺がんの年齢分布に非常に似通っているこ
と。チェルノブイリでは放射線の感受性が高い0〜5歳(被ばく時年
齢)の層に多くの甲状腺がんの方が見つかったのに対し、福島では
現在のところ、その年齢層には甲状腺がんの方は見つかっていない
こと。甲状腺がんの発見率に地域差がみられないこと。このような
ことを考え合わせ、現在見つかっている、甲状腺がんと診断された
方については福島第一原発事故の影響によるものとは考えにくいと
の見解を持っております。

 この見解については、県民健康管理調査検討委員会や、2月に開
催された「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ」でも
検討され、一致した見解となっております。

 ただし、放射線の影響の有無を解析するには時間を要します。今
後も長きにわたり繰り返し検査を継続し、更に慎重に見ていく必要
があると認識しております。

http://fukushima-mimamori.jp/urgent-info/2014/03/000125.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう何度も説明されているので、こういうことが常識になってい
ってほしいものです。

 それに対して、番組で報道された「診療所」は以下のところなん
だそうです。「中核派」だから悪いということではないのですが…。
しかしマスコミが報道の根拠とするには偏り過ぎていると思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

週刊『前進』(2566号8面2)(2013/01/01 )
 ふくしま共同診療所を開院
 福島診療所建設委員会事務局長 渡辺 馨
 被災・被曝から子どもたちの命と健康を守る拠点つくる

http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no13/f2566sm.htm#a2_2
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 見解といえば「ヤマザキパンはなぜカビないか?」でおなじみの
山崎パンから、カビについての報告が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 温暖で湿度の高い気候を有するわが国では、食品のカビは切実な
問題となっております。特に夏季にパンのカビについて、よくお問
い合わせをいただいておりますが、パンのカビ発生のメカニズムは、
詳細に研究されてきておりますので、その概略についてのQ&A及び
弊社製品と他社製品のカビ発生に関する保存試験結果につきまして、
ご紹介いたします。

https://www.yamazakipan.co.jp/oshirase/index2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここに書かれていることは間違いなく事実ですから、批判するの
ならその上でしなければいけません。一部大企業の商品の悪口を言
って商売するのも、もう限界でしょう。煽り側が言っていることの
レベルが低すぎて、「論争」にすらならないですから。

 こういう「煽り」系の商売は、元々そういう出自の「ジャーナリ
スト」とか怪しい「研究者」が多いのですが、ときどき普通の学者
さんがダークサイドに堕ちることがあります。以下はその例です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 医療系無料雑誌に栄養補助食品の医学的な効能を紹介して販売し
た疑いで健康食品会社「シャブロン」(東京)の社長が逮捕された
薬事法違反事件で、雑誌に効能を紹介する記事を書いたとして、神
奈川県警生活経済課は十日、同法違反(無許可販売)のほう助容疑
で、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎氏(74)=東京都杉
並区=を書類送検したことが、捜査関係者への取材で分かった。

 藤田教授は「寄生虫はアレルギーを抑える」という持論を実証す
るために約十五年間、腸内でサナダムシを飼っていたことから「寄
生虫博士」として知られる。寄生虫学や感染免疫学を専門とし、現
在は人間総合科学大学教授も務める医学博士。多数の著書があり、
メディアへの露出も多い。

 捜査関係者によると、藤田教授は約五年前から月約二十万円でシ
ャブロンと顧問契約を結び、ハチの巣から抽出した「プロポリス」
の効能を紹介する記事を書いた。記事は医療系無料雑誌や商品のパ
ンフレットに掲載された。

 藤田教授は本紙の取材に「プロポリスを専門的に研究したことは
ないが、契約した当時から注目し、効果があると思っていた。他の
医者の論文やデータを自分なりにまとめて記事を書いた。途中で違
法だと気付いたがうかつだった」と話した。送検容疑では、二〇〇
九年六月〜一三年十月、「がん細胞を死滅させる」などとプロポリ
スの医学的効能をうたった記事を書き、シャブロンに渡したとされ
る。藤田教授は容疑を認めている。

 シャブロンは二〇一二〜一三年、がんへの効能をうたい、栄養補
助食品「CBプロポリス粒」など二十一瓶を五人に計約二十七万円
で販売したなどとして、県警は二月、社長を逮捕した。同社は〇五
〜一三年に全国の約七万人に販売し、約二十九億円を売り上げた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031002000215.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 藤田先生は個性的な人柄ですが、まともな学者だと認識していま
した。それがいつの頃からか、怪しげなことを言うようになってい
ました。

 契約が「月約20万円」というのはお安いですね。いろんなデマ
をたれ流す「煽り」系の人ならもっとたくさん稼いでいるでしょう
から、ちょっとお気の毒ではあります。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.生物の一般生菌数が、10の8乗だと、食べるのに危険ですか。
あと、10の5乗から10の8乗になるにはどれくらい日数がかかります
か?!

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A.10の8乗というと、1億個/1グラムです。そのまま食べる
ような状態ではないと思います。

 生で食べる食品は一般的に5×10の4乗(5万個/1グラム)
が規制値になっています。これくらいなら、そのまま食べても問題
ないそうです。

 増える時間については、温度などが関係するので一概には言えま
せん。微生物の繁殖に最適の環境を作ってやれば、案外早いでしょ
うね。

 また、微生物の繁殖につれて、食品自体の状態も変わってくるの
で、繁殖の速度や内容も変わってきます。無限に増えるわけではな
いので、どこかで限界に達するわけですが、そのあたりは私にはよ
くわかりません。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「マグロ漁業規制」
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 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

未成魚漁獲、15年から半減=クロマグロ、国際会議で提案へ―水産


時事通信 3月10日(月)18時54分配信

 水産庁は10日、親魚が減少している太平洋クロマグロ(本マグロ)
の漁獲規制を日本周辺で独自に強化する方針を発表した。メジ、ヨ
コワなどと呼ばれる未成魚(3歳以下)の漁獲量を2015年から当面、
基準値(02〜04年の平均)の半分に抑える。漁獲量の多い「巻き網
漁」の規制強化など、具体的な削減法を漁業関係者と今後協議する。

 未成魚の漁獲量は14年に少なくとも15%削減することが決まって
いるが、それ以降は未定。日本はマグロ消費大国として15年からの
規制強化を率先して行い、親魚の資源回復に道筋を付けたい考え。
9月に福岡市で開かれる「中西部太平洋まぐろ類委員会」の小委員
会で50%削減を提案し、韓国などにも同調を求める。本マグロには
大西洋産もあるため、水産庁は「マグロ価格の上昇にはつながらな
い」とみている。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140310-00000096-jij-pol
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 マグロに関する漁業規制では、なかなか全体に共通する管理体制
ができない、という問題があります。どうしても早い者勝ち、獲っ
たもの勝ちになってしまうのです。

 国内でもそういう不良な人たちもいますし、日本がきちんとして
も、韓国や中国から獲りにくるなどということも起こります。

 そういう意味で簡単な問題ではないのですが、国際的な管理体制
はこんな感じなんだそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

地域漁業管理機関によるマグロ類の資源管理

 海洋を広く回遊する魚種(高度回遊性魚類)であるマグロ類につ
いては、回遊範囲ごとに設立された5つの地域漁業管理機関(IATTC
*1、ICCAT*2、IOTC*3、WCPFC*4及びCCSBT*5)において資源管
理を行っています。

 しかし、国際的な枠組みの外で無秩序に操業を行うIUU(違法・
無報告・無規制)*6漁業や漁獲圧力*7の増加等によって、一部の
マグロ類の資源状況が悪化しています。

*1 IATTC:全米熱帯まぐろ類委員会

*2 ICCAT:大西洋まぐろ類保存国際委員会

*3 IOTC:インド洋まぐろ類委員会

*4 WCPFC:中西部太平洋まぐろ類委員会

*5 CCSBT:みなみまぐろ保存委員会

*6 IUU漁業:IUUとはIllegal, Unreported and Unregulated(違
法・無報告・無規制)の略称。国際的な資源管理の枠組みを逃れて
操業する漁業。

*7 漁獲圧力:漁獲が水産資源の持続性に与える影響の大きさ。


(マグロ資源の持続的な利用に向けた資源管理)

 大西洋海域に生息するクロマグロについては、その資源が減少し
ているため、20年11月に行われたICCATの年次会合においては、科
学委員会の勧告に基づき、東大西洋クロマグロの21年から23年まで
の総漁獲可能量をそれぞれ22,000トン、19,950トン、18,500トンと
削減することが決定されました。

 さらに、WCPFCの年次会合においても、科学委員会の勧告に従っ
て今後3年間で中西部太平洋メバチ漁獲量を30%削減すること等が
決定されました。これらの決定を受け、我が国は遠洋及び近海まぐ
ろ漁船87隻の減船に向けた取組を進めています。

 また、地中海でよく行われている、いわゆる「蓄養(ちくよう)」
が資源に与える影響も懸念されています。蓄養が行われる際、実際
にどれだけのマグロが生簀(いけす)に移されたのか正確に把握す
ることが、漁獲量管理上の課題となっていました。このため、ICCAT
では、生簀に移された大西洋クロマグロの量を正確に把握するため、
まき網漁船及び蓄養施設においてICCATオブザーバーが確認を行う
制度を創設すること等が決定されました。

 このように、各地域漁業管理機関では規制が強化されていますが、
これらは、しばらくの間漁獲を制限して、将来、持続的により多く
の漁獲が可能となる状態まで資源を回復させることを目的としたも
のです。

*1 蓄養:まき網漁船が漁獲したクロマグロ等の成魚を海中で生
簀に移し、餌を与え、短期間で太らせて脂のりを良くして出荷する
方法。

(世界最大のマグロ消費国として)

 我が国は、世界で生産される主要マグロ類の3分の1近くを消費し
ています。このため、正規に登録された漁船、蓄養場によって生産
されたマグロであることの確認、IUU漁船により漁獲されたマグロ
の輸入防止など、今後とも世界最大のマグロ消費国・漁業国として、
国際社会の中心となり、将来にわたってマグロ資源を保存し、持続
的に利用できるよう努力していくことが重要です。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h20_h/trend/1/t1_t_02.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 水産庁でもかなりの危機意識を持っているようで、このところ積
極的に漁獲規制の必要性を訴えています。

 そんな中、こんな企業の話もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■いかにマグロを守ってゆくか?発表された調達方針

 今回、水産物調達方針を発表したのは、マグロの産地那智勝浦を
拠点とする、和歌山県那智勝浦町の株式会社ヤマサ脇口水産です。

 同社は2013年12月26日に発表した水産物調達方針の中で、資源の
枯渇が懸念されるマグロ類について、中長期的なヴィジョンを示し
たうえで、具体的なアクションプランを伴う調達方針を示しました。

その主な内容は以下の4点です。

1)違法な漁業由来の水産物の調達禁止

2)絶滅に瀕している水産物の調達禁止

3)生態系に悪影響を与える方法で生産された水産物の調達禁止

4)持続可能ではない手法で漁獲されたクロマグロの調達禁止

 また、これらの方針を確実に達成するために、トレーサビリティ
や資源管理に関する情報を収集し、調達の定期的な評価を行なうと
ともに、NGOをはじめとする多様なステークホルダーとも連携する
ことを謳っています。

 さらに、持続可能な水産物の国際的なエコラベルであるMSC(海
洋管理協議会)の認証製品を積極的に調達する旨も明記しており、
同社が持続可能な水産物調達を目指すことを示した、より踏み込ん
だ内容となっています。

■企業がになう、持続可能な漁業の推進における役割

 ヤマサ脇口水産は、WWFが提案したマグロ漁業の改善と保全を支
援し、けん引していくことを誓う署名に、2013年12月現在日本企業
として唯一賛同している企業でもあります。

 2013年12月2日〜6日に、オーストラリアのケアンズで開催された、
WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)第10次会合の場でも、前年の
2012年に続き、その宣誓が世界的に知られるところとなりました。

中西部太平洋マグロ保全の誓い(PDF)
http://www.wwf.or.jp/activities/upfiles/2012wcpfc_pledge_j.pdf

 創業116年の老舗で、グループ全体の年商は10億円に上るという、
ヤマサ脇口水産の脇口光太郎代表取締役は、今回の調達方針発表に
関し、以下のように語っています。

「我々も鮪(まぐろ)も、子孫を残したい気持ちは一緒です。そう
いう想いの中から、私たち、脇口水産グループは鮪の幼魚は買わな
い。産卵中に捕獲された鮪や、資源を根絶やしにする様な効率だけ
の漁法で獲られた鮪は買わない。我々も生き、魚達も生きてゆける
持続可能な漁法が、この水産大国日本でしっかりと根付いていって
欲しい。消費者の方々にもただ美味しいだけ、健康にいい、だけで
なくて、精神まで豊かになる様な鮪を良き規制の中で次世代に残し
ていきたいと考えています」

http://www.wwf.or.jp/activities/2013/12/1178325.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 さて、上記記事などを読んでいると、「蓄養マグロ」が案外問題
になっているようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 マグロ蓄養で小マグロ乱獲→マグロ資源の消滅 餌用小アジ小サ
バの乱獲(マグロ需要があるので一応超廉価で売れる)→浮魚資源
の消滅

https://twitter.com/wormanago/status/420416963194531840
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 小さな魚をそのまま食べてしまうのも問題ですが、「蓄養」の原
料とすれば利益が大きいので、より資源に対しての圧力になるとい
うわけです。

 「養殖マグロ」と「蓄養マグロ」は少しイメージが違います。下
の記事にもあるように、日本では2〜3年飼育するので「養殖」と
いうイメージですが、ヨーロッパでは数カ月の短期なので、「蓄養」
といいう感じになるのでしょう。

 マグロの流通について、だいたいのイメージがつかめると思いま
すので、以下の記事を紹介しておきます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■クロマグロ等の出荷ルート

 天然の大型クロマグロは、漁獲した産地から築地市場に大物とし
て送られてセリにかかります。築地市場の仲卸業者が引き取って解
体しその取引先に販売されます。東京都中央卸売市場統計の「まぐ
ろ(生鮮)」では、天然と養殖の合計量を示しています。

 養殖マグロのほとんどは産地の養殖業者または漁協から販売契約
している取引先に送られます。このとき、迅速に決済するために伝
票だけが築地市場を経由することもあります。このため、築地市場
のセリ場に並ぶ機会はほとんどないでしょう。取引先でマグロを解
体して量販店、小売店等に並びます。

 わずかですが、漁協が養殖マグロ1本を通信販売、産地の養殖業
者が解体して小分けした養殖マグロ(生鮮または冷凍)を通信販売
している例もあります。特定のマグロ養殖業者のマグロを取り扱う
鮮魚専門小売業者もあります。

 海外からの生鮮マグロ(天然または蓄養)のほとんどは成田空港
に到着し、一部は築地市場に送られます。成田空港近くの加工場で
解体されてから量販店、小売店等に並びます。成田空港が一名「成
田漁港」といわれるゆえんです。

 遠洋船が漁獲した冷凍マグロ、海外船が漁獲・畜養した冷凍マグ
ロの多くは、清水(静岡県)、三崎(神奈川県)などに水揚・輸入
されます。

■マグロ養殖の方式

 海外では主として6〜7ケ月の短期蓄養方式で養殖されています。
大西洋クロマグロ(トルコ、マルタ、クロアチア、チュニジア、ス
ペイン、イタリア等)・太平洋クロマグロ(メキシコ)・ミナミマ
グロ(豪州)だけでなく、最近はメバチ、キハダの蓄養も増えてい
ます。地中海では、種苗の漁獲制限強化の影響で蓄養業者が減少し
ています。

 畜養マグロは生鮮品(航空運賃が高価)だけでなく、冷凍品とし
て船便で日本に輸入されています。

 我が国では、近海で捕獲した天然種苗を2〜3年かけて成魚まで
飼育して出荷している方式が主流です。

 近畿大学で1970年からクロマグロの完全養殖に向けた研究がはじ
まり、2002年に完全養殖(天然のクロマグロ種苗を養成した親魚か
ら産卵、孵化した人工種苗を育成した人工親魚から採卵、孵化して
人工種苗を育成する)に成功し ました。 近畿大学は、2007年から
人工種苗を販売し、それを導入して飼育・出荷しているマグロ養殖
業者も増えてきています。他の民間企業でも完全養殖に向けた研究
(産卵、採卵、孵化、飼育、配合飼料等)が進んでいます。

 養殖マグロの利点は、2〜3年程度で30キロから50キロ以上の成魚
に成長する(成長速度は天然の倍近い)、品質が揃っている、需要に
応じて計画的に出荷できる、価格が安定している点である。

■養殖マグロに関する統計

 2010年まで、マグロ養殖に関する全国的な統計がありませんでし
た。当会が、都道府県の聞き取り調査、各企業が公表している計画
値、種苗(天然及び人口)の確保状況と歩留等を集計して推計した
数値(2011年分は水産庁が公表した確定値)を以下のグラフに示し
ています。

 水産庁が2010年から養殖マグロに関する情報取得を開始し、調査
状況の一端として2011年4月1日にマグロ養殖業者リストが公表され
ました。 その後、2012年11月、2013年12月に更新されています。
この1年の違い(許可されている漁場数で企業数とは異なる)を下
の図に示しています。

 2012年3月30日に平成23年における国内のマグロ養殖実績が初め
て公表 (2011年速報値)されました。それによると、平成23年
(2011年)の出荷尾数は全国で175千尾(確定値は190千尾)、出荷
重量は9,044トン(確定値は10,224トン)でした。

 2013年3月29日に平成24年における国内のクロマグロ養殖実績
について(速報値)が公表されました。同時に平成23年(2011年)
の確定値も公表されました。

 養殖マグロの原料となる種苗を計画通りに入手することは難しく、
天然種苗不漁の年もあります。2005年と2009年は不漁、2010年は日
本海側で不漁、2011年は豊後水道で不漁、2012年は全国的に不漁で
した。 人口種苗も安定した生産が実現していません。

 2007年・2008年に新規参入した事業場が、2010年〜2011年の養殖
マグロ出荷量増大に寄与しています。新規参入が落ち着いてきたた
め、今後は活入れ数の増減、人口種苗の歩留が生産量に影響してき
ます。

http://www.yousyokugyojyou.net/index4.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 とにかく、水産業界にとっては、資源管理が一番の問題となって
きます。国際的な規制が発表されたら、「値上がりする」などと文
句を言っているようでは、完全な漁業後進国です。

 資源が減少しないように操業するのが当たり前の姿になる必要が
あるのです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今週から投薬治療が始まっていて、体調を心配していたのですが、
何だかとても元気です。ステロイド剤というのは案外元気の出る薬
なんですね。夜もあんまり寝ないですし。

 現在までのところは順調で、何とか3月中に退院したいと頑張っ
ていますが、とにかくヒマです。おかげでいつもは日曜日早朝にま
だやっているのに、土曜日の夕方にはできてしまいました。こうヒ
マなのは人生初です。

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