安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>744号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------744号--2014.02.09------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「糖質制限食」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 マラチオンン混入事件の余波で、製造所名表記が問題になってい
るようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 マルハニチログループのアクリフーズ群馬工場で製造した冷凍食
品から農薬が検出された問題は、1月25日に従業員の男が逮捕され、
久代敏男・マルハニチロホールディングス社長らが引責辞任を発表
するなど新たな展開を見せた。容疑者は逮捕されたものの、具体的
な混入経路や動機などはまだ明らかになっていない。

 回収対象品目640万点のうち、1月21日時点で85.9%が回収された。
厚生労働省によると、商品との因果関係はいずれも不明ながら、該
当商品を食べたことによる健康被害が疑われるとして各自治体が公
表した事例が2799人に上った。 マルハニチロHDは回収費用35億円
の計上や事件に伴う減産などで、14年3月期決算を当期利益で予想
比35%減となる下方修正を発表。

 工場再開の見込みは立っておらず、 さらにブランド全体の毀損
による売上げ減などで、一連の事件の影響がどこまで広がるのかは
予断を許さない。

 じつは思わぬところで影響が出始めている。プライベートブラン
ド(PB、自主企画)商品の製造者名の記載についてだ。

 今回、回収対象となった49品目のうち20品目がPBで、うち8品目
にアクリフーズ群馬工場の記載が無かった。「これが回収遅れの原
因につながったのではないか」という指摘がでて、森雅子・消費者
担当大臣が「消費者、事業者の御意見を聞きながら、製造者の表示
制度のありかたを見直していく」と発言したのだ。

 加工食品には「製造者名」または「販売者名」の記載が、食品衛
生法やJAS法で求められている。販売者名のみで製造者名の記載を
省略する場合は、あらかじめ製造工場を届け出たうえで、製造者を
表すアルファベットと数字の記号を製品に表記することが必要とな
る。これが「製造所固有記号制度」だ。

 製造者名が直接記載されていなくても、記号で調べればわかる仕
組みになっている。

 しかし、「消費者は、記号を見ただけではその商品がどの製造者
によって作られたのかすぐにはわからず、今回のように一刻を争う
事態になったときに、対応できない」と消費者団体等が以前から指
摘していた。

 森大臣の指示を受けて、消費者庁ではこの制度の改定に踏み込む。
現在、消費者庁では、13年6月に成立した食品表示法(食品衛生法、
JAS法、健康増進法の3法での食品表示にまつわる法律を統合した法
律)の15年の施行に向け、加工食品の表示の細目ルールを決めてい
る最中。このルール作りの中で、製造所固有記号制度についても、
「記号だけではなく、製造者や製造工場についても、何らかの形で
表示する」方向で検討する見込みだ。

 実はこれまでも、「PBに製造者名を表示するか、しないか」は、
日本の小売業界内で激しく対立してきた。

 PBで先行した欧米では、「製品の販売責任は販売と企画を担当し
た小売りが持つ」という意味合いで販売者名のみが記載されている
のが一般的。日本では、イオンや西友などはこの方式を採る。

 一方、セブン&アイや生活協同組合などは、販売者として、製造
委託先名を記載している。情報開示の面から表示すべきという考え
である。

 現状の規制ではどちらでもよく、小売企業の自主判断で、併存し
ている。

 非表示派は、「“ダブルチョップ(小売り名と製造者名を併記す
ること)は、販売責任を製造者に押しつけるもので、PBと呼べない」
と非難してきた。

 これに対して、表示派は、「流通業界のさまざまな方からご意見
をいただいたが、なによりもお客さまから製造者名を知りたいとい
うニーズが強かったので、採用した。今回のような事故の際、この
方式は役に立つ」(鎌田靖・セブンーイレブン・ジャパン取締役)と
言う。

 ただしイオンでも今回の事件を機に、「PBの企画・販売に責任を
持つという意味で、販売者名を表示する考え方は変わらないが、何
らかの方法でお客さまに製造者名がわかるやり方を検討する」とし
ている。

 農薬混入というフードテロをきっかけに、食品の表示ルールが変
わり、小売業界に大きく影響する可能性が出てきた。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140204-00048137-diamond-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 現在は販売者名のみ、または販売者名と製造者名の両方を表示す
るのがルールです。販売者のみの場合は、製造所固有記号をつけて、
保健所では製造者がわかるようになっています。一般に公開するも
のではないのですが、

製造所固有記号@ウィキ
http://www45.atwiki.jp/seizousho/

 というサイトがあって、多くの企業の製造所固有記号が具体的に
どの製造所を表しているかを掲載しています。

 製造所名を記載するかどうかは、販売者と製造者の力関係を反映
していることが多いです。このごろの某大手小売業者では主導権を
完全に握るため、販売者名のみにしているようです。

 メーカー側も、自分の名前が出ないという前提で、低価格に応じ
たりする面もあると思います。このあたり、プライベートブランド
商品の今後を左右しそうな決定になると思います。

 次はアレルギー関連ですが、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食物アレルギーの原因食材のうち、そばとピーナツについて、9
割の母親が、子供が1歳を超えても離乳食として食べさせていない
ことが、環境省の大規模調査で分かった。そばとピーナツは重篤な
アナフィラキシーを起こすことから、保護者が意図的に食べさせる
時期を遅らせている姿が浮き彫りになった。ただ、調査を担当した
国立成育医療研究センターアレルギー科の大矢幸弘医長は「食べさ
せる時期を遅らせても食物アレルギーの予防効果はない」としてい
る。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140205/edc14020509000000-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 アレルギーになりそうなものはできるだけ食べさせないというの
は、私も最近までそう思ってきました。

 消化機能が未熟な、早くに食べることでアレルギーになりやすい
のではないかと考えていたのです。

 でも、この考えに根拠はないのですよね。

 「食べさせる時期を遅らせても食物アレルギーの予防効果はない」
というのは重要な指摘です。

 それどころか、最近はなるべく早く食べさせた方がアレルギーを
防ぐという説が有力になってきています。

 また、アレルギーが出てからでも、食べさせることによって症状
を改善できる、ということです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ピーナッツアレルギー治療に希望の光

 Independentが「堅い殻が割れた?科学者が新しいピーナッツア
レルギー治療法を発見した」と報道した。ピーナッツアレルギーの
子どもたちに微量のピーナッツ成分を与えて耐性を強化できること
を示唆する研究による。

 7-16才の子どもたちを2群に分けて一方にはピーナッツ粉を徐々
に増やして1日800mgまで与え、もう一方は標準療法を行った。

 6か月後、ピーナッツ粉を与えた群の84-91%は1日800mg(ピーナ
ッツ5個に相当)まで安全に耐えることができ、標準療法の少なく
とも25倍量に耐えられた。

 対照群の子どもたちはピーナッツが全くダメである。

 アレルギー物質を徐々に導入するという考え方は新しいものでは
ない。「免疫療法」は何年も行われてきたが、これまでのピーナッ
ツアレルギーを注射で(普通は免疫療法は注射)治療する試みは失
敗だった。

 この新しい試みは希望がもてるが、研究者らが注記しているよう
にピーナッツ耐性がどれだけ続くか追加が必要かどうかは不明であ
る。それでもこの結果は励まされるものでさらなる研究を導くであ
ろう。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140203#p17
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 食物アレルギーは治療可能である、というのが新しい常識になっ
てほしいものです。

 最後に、珍しい「ナチュラルミネラルウオーター」の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 札幌市清田区の清涼飲料水製造「北海道良水(りょうすい)」
(新藤大次郎社長)が、無殺菌・無除菌のナチュラルミネラルウオ
ーターの製造を開始、1月末に販売を始めた。札幌市保健所による
と、無殺菌・無除菌による製造は国内初。欧州連合(EU)などは
無殺菌のもののみをナチュラルミネラルウオーターと定義しており、
国際基準に適合した国内で初の飲料水となる。


 11年、清田の水質の良さから「無殺菌水の製造も可能」と考え、
大腸菌や農薬などの水質検査を続けてきた。昨年1月、水質維持に
めどが立ち、同市保健所に無殺菌方式での製造の事前審査を申請。
国内初の試みでもあり、保健所と厚生労働省は1年にわたって協議
を重ね、今年1月、ようやく製造を認めた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/518652.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本とヨーロッパで、ミネラルウォーターの基準が違います。ま
ず日本の方は以下のようになっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■品名

原水

処理方法

■ナチュラルウォーター

特定の水源から採水された地下水のみ

沈殿、ろ過、加熱殺菌

■ナチュラルミネラルウォーター

特定の水源から採水された地下水(鉱泉水、鉱水など)
ミネラル成分が溶け込んでいる

沈殿、ろ過、 加熱殺菌

■ミネラルウォーター

何種類かのナチュラルミネラルウォーターを混合したもの ナチュ
ラルミネラルウォーターのミネラル分を人工的に調整したもの

沈殿、ろ過、加熱殺菌、原水のブレンド、ミネラル成分の調整、ば
っ気(水に空気を送り込んで溶け込ませること)など

■ボトルドウォーター または 飲用水

飲用できる水(水道水、蒸留水、河川の表流水などで飲用に適して
いるもの)

特に規定されていない

http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/w_info/s_kekka_topi12.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それに対して、ヨーロッパの基準は以下のとおりです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

CODEX(※)によるEUの「ナチュラルミネラルウォーター」の基準

1. 水源があらゆる汚染から完全に隔離、保護された地下水である
こと

2. ミネラル成分や採水時の温度が一定であること

3. 採水地で直接ボトリングされていること

4. 殺菌処理など一切の加工をせずに自然のままであること

5. 健康に良いと認められていること

 ヨーロッパでは、採水地の周辺に工場やゴルフ場、農地、牧場な
どの建設が禁じられ、水質源が汚染されないように環境の保護に力
を入れています。また、一日に何度も品質をチェックするなど、安
心して天然水が飲めるよう努力されています。ミネラル分の基準値
が一定であり、ヨーロッパと日本のミネラルウォーターは、大きく
異なっていることがわかります。

http://www.evian.co.jp/water/mineral/03/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私は最初にヨーロッパの基準の方を覚えたので、ミネラルウォー
ターのメーカーと話をするとき、加熱殺菌しているのに何故「ナチ
ュラル」なのか?と不思議に思ったものです。

 今回のニュースは、日本で初めて、ヨーロッパの基準でいう「ナ
チュラルミネラルウォーター」が発売されたということです。

 私は殺菌したものの方が安全だと思いますが。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「糖質制限食」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 最近炭水化物を悪者扱いする本や意見が、あちこちで出ています
が、炭水化物は悪者扱いしないといけないものなのでしょうか?
これもフードファディズムのひとつだと思いますが。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ご質問では「炭水化物」ですが、話題になるのは「糖質」という
言い方をして、「糖質制限ダイエット」などと言っているようです。

 ここでは「炭水化物」=「糖質」であることを確認しておきます。

 というのは、「低糖質」と名乗った商品で、「糖質」を糖分(砂
糖、プドウ糖、果糖などの単糖類、二糖類)の意味で使っているも
のがあるのです。

 それは論外として、「糖質制限食」は本来ダイエット(これも変
な呼称ですが、日本では食事制限による体重抑制の意味に使われま
す。)ではなく、糖尿病の治療食の話なのです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 血糖値が高くなったときの食事療法はカロリー制限が主流だ。た
だ、カロリーを計算する手間と空腹感が残るため長く続けにくい課
題がある。山田センター長はカロリー制限食の効果を認めつつも、
より実行しやすい道として糖質制限食の積極的な導入を唱える。

 この糖質制限食の基本は1日の糖質量を130グラム以下に抑える
こと。1食あたり20〜40グラムだ。ご飯なら茶わんに半分弱、6枚
切りの食パンなら半切れが約20グラムに相当し、おかずが多めにな
る。イモ類や揚げ物の衣などにも糖質が含まれるので注意は必要だ。

 「1日130グラム以下」は糖尿病患者でもあった米国のリチャー
ド・バーンスタイン医師が1970年代に始めた治療法とほぼ同じだ。
長年の実績が08年論文にまとめられた。山田センター長はカロリー
制限食の課題に直面した時にこの論文を読み「これだ」と直感。他
の食事療法と比較し信頼性の高い方法と確信した。

 糖質制限食は当初、特殊なダイエット方法として否定的に受け止
められていた。海外で大規模な追跡調査が積み重ねられ、2年程度
の短期間なら体重の減少や血糖値の上昇を抑える効果が徐々に認め
られてきた。11年の英糖尿病学会に続き、13年に米糖尿病学会も糖
質制限食を部分的に容認する見解を表明した。

 これに対し日本糖尿病学会は従来の考えを貫く。13年には「糖尿
病における食事療法の現状と課題」と題した提言をまとめ、糖質制
限食の安易な利用に注意を呼びかけた。糖質を減らしてもカロリー
摂取が増えれば効果に疑問が残るうえ、長期的な効果と安全性に科
学的な根拠がない点を問題視している。

 糖質の不足から、筋肉のたんぱく質を分解して肝臓内で糖につく
り替える反応が起き、筋肉が細くなっていく心配もある。糖尿病学
が専門の清野裕・関西電力病院長は「特に高齢者の場合、寝たきり
や他の病気を引き起こすリスクが高まる」と指摘する。国民全体の
炭水化物の摂取量は頭打ちになっているのに、糖尿病患者数は増え
ている。糖質だけを悪者扱いするのはおかしいという意見もある。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO65871580V20C14A1MZ4001/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本糖尿病学会は糖質制限食を推薦しないとしていますが、必ず
しも否定的というわけでもないようです。

 以下はその提言を解説した記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 糖尿病の治療だけでなく、ダイエット法としても注目を浴びてい
る「糖質制限食」。ご飯やパンなどの糖質(炭水化物)をカットし、
肉や魚などのタンパク質を中心にするという食事療法で「低炭水化
物食」としても知られているが、日本糖尿病学会(理事長=門脇孝
・東京大学病院長)は3月18日、極端な糖質制限食については長期
的なエビデンス(科学的根拠となる研究結果)が不足していること
から、「現時点では勧められない」との判断を示した。1日に取る
総エネルギー量を制限する「エネルギー制限食」を基本とする方針
を堅持する姿勢だ。

 エネルギー制限食は、1日当たりの総エネルギー量を制限する食
事療法。総エネルギー量の50〜60%を炭水化物から取るとされてい
るほか、脂肪の摂取を控えめにするよう推奨している。一方、糖質
制限食は炭水化物をカットするだけで、総エネルギー量を制限しな
い食事療法。そのため、メディアなどでは「主食さえ抑えれば好き
なだけ食べられる」と報じられることも少なくない。

 今回の提言ではまず、日本人の食習慣が変わり、特に脂肪(脂質)
の摂取量が増えたことで肥満や糖尿病が増加したことを強調。糖尿
病患者の食事療法では、血糖値以外にも気を配る必要があると主張
した。さらに、糖質制限食の研究結果を分析する中で、糖質制限だ
けで減量効果があるという見方を疑問視し、腎機能障害を合併して
いる患者での有効性・安全性も確認されていないとしている。なお、
タンパク質の多い食事は腎臓に負担を掛けるといわれている。

 こうしたことから、同学会は「総エネルギー摂取量の制限を最優
先とする」と、エネルギー制限食を基本とする方針を堅持すること
を明言。糖質のみを極端に制限して減量を図ることは有効性だけで
なく、長期的な安全性などについてもエビデンスが不足しており、
「現時点では勧められない」との判断を示した。

 米好きの日本人にとって、糖質を総エネルギー量の50〜60%とす
るエネルギー制限食の方が合っており、逆に極端な糖質制限食は、
治療として続けることが困難なことを示唆している。

http://kenko100.jp/articles/130319001402/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それに対して、糖質制限食を推進している側からは意外と肯定的
な意見が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本糖尿病学会が3月18日付けで発表した糖尿病食事療法に関す
る提言に対して、日本糖尿病学会が全ての糖質制限食を否定したか
のごとき報道もなされている。ここに、私自身の今回の提言に対す
る解釈と、それを受けての私自身の今後の展望についてあらためて
述べたい。

 まず、今回の提言のポイントは以下の3点にあると考える。※カ
ッコ内は学会提言内のページ数と行数

(1)極端な糖質制限を勧められないとした(5ページ目、第8行)

 これまで、学会の指針を示した『科学的根拠に基づく糖尿病診療
ガイドライン』において、糖質制限食について明確なコメントをし
ていなかったが、今回、アトキンスダイエット(炭水化物摂取量を
1日当たり50グラム以下とするもの)のような、極端な糖質制限を
明確に否定した。これは安全性の確保という点で私も同意できると
ころである。

 このような安全性の確保という視点を最初に述べながら、同時に
提言として以下のことも示そうという姿勢は、社会的責任の大きな
学会として妥当かつ健全なものと感じられる。

(2)適正な糖質摂取量のエビデンス不足を確認し、学会の積極的
な調査・研究対象課題とした(5ページ目、第15行)

 これまで『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン』におい
て、糖質を指示エネルギー量の50%以上60%を超えない範囲とする
ことを推奨度Aで勧告してきたが、そこにエビデンスが不足してい
ることを今回あらためて確認した。そして、今回の提言では、さら
に踏み込んで適正な糖質(炭水化物)摂取量を学会の調査・研究対
象課題であるとしている。

 このような科学の進歩に寄与しようという姿勢は、極めて前向き
であると考えられる。

(3)糖質摂取比率について患者の嗜好や主治医の裁量を認めた
(5ページ目、第24行)

 これまで『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン』におい
て、摂取エネルギーの調節の必要性についての言及はあったものの、
三大栄養素についてはそのような調節の記述はなく、糖質を指示エ
ネルギー量の50%以上60%を超えない範囲とすることのみを推奨度
Aで勧告してきた。今回の提言では、その勧告を維持はしたものの、
糖質の摂取比率を(60%以上や)50%未満になることを許容して、
患者の(運動量や)嗜好性や病態に対応することを認めている。

 これは、患者の嗜好という概念を治療選択の基準の一つにし、主
治医の裁量による糖質量の変更に自由度を与えたという点で、私が
極めてうれしく思うところであり、まさに現代において適切な考え
方であると思われる。

糖質制限食を安全に社会に普及させたい

 今回の提言を受けて、私自身はこれまでと同様に(極端でない)
糖質制限食を治療食の一つとして採用し、また、これまで以上に安
全に社会に普及させたいと考えている。

 その際には、いっそう、尿ケトン体(脂肪が燃焼したときに出る
成分)に目を配るなどして極端な糖質制限食から患者がデメリット
を受けることがないよう留意し、単に治療食として糖質制限食を採
用するのみならず、食事療法の臨床試験の実施・論文化に努力した
いと思う。そして、そうした活動を通じて、これからも「楽しくて
続けたくなる糖尿病療養」の探索・実現に努力する所存である。

http://kenko100.jp/articles/130322001401/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こうして見ると、低レベルのケンカにはならず、推進派、慎重派
の双方とも、よりよい治療食のあり方を追求していくという点では
一致しているようです。

 さて、それでは「ダイエット」に糖質制限食を適用したときはど
うか…という問題です。

 こちらは糖尿病の治療食とは違って、たくさん存在する「ダイエ
ット法」の一つ、といった位置づけになると思います。

 ここから先はイワシの頭も信心からで、各自が自分に会ったやり
方でやってみるという結論しかないと思います。

 一方的に批判しても意味がありませんし、信じ込んでしまうと詐
欺の被害に会います。適当にいろいろ試しながらやってみるのがよ
いのではないでしょうか。

 しかし、糖尿病の治療食を研究している医師が、ダイエット法の
教祖になってしまったら、何か変な話です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 土曜日は和歌山でも雪がちらつきました。普段ほとんど雪の降ら
ないところでも、結構降ったようです。

 あまり報道されていませんが、東京電力の需給状態はかなり危機
的だったようです。電車が止まったり、あちこち停電したりしなか
ったら、危険な状態でした。

2014/02/08の東京電力管内の情報
http://elecwarn.kuropen.org/tokyo?year=2014&month=2&date=8

 夕方6時前後はかなり危機的です。今後の天候と発電所の運行状
況次第ですが、大パニックが発生してもおかしくない状況です。

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