安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>738号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------738号--2013.12.29------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「ウコン」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 今年も最後の配信になります。一年間を振り返って、大きなニュ
ースを思い出してみたいと思います。いわゆる「食の十大ニュース」
です。

■(1)牛の全頭検査終了

 今年の7月から一斉に、今まで各都道府県で行われてきた、「全
頭検査」が中止になりました。以前から全くのムダと指摘されてい
ましたが、なかなか中止できずにいたものです。意外なほど足をひ
っぱる報道もなく、無事に終了できたのはよかったです。

■(2)メニュー偽装

 秋からマスコミに一大ネタを供給したのがホテルなどで発覚した
メニュー偽装問題です。しかし発端は春に発表があったプリンスホ
テルと東京ディズニーランドの偽装でした。

 このときに全く騒がなかったマスコミが、阪急阪神ホテルのとき
は大騒ぎをしたのが異様でした。背景にはいろいろとあるのでしょ
うが、教訓として下手な記者会見をしてはいけない、ということが
あると思います。

 文書発表だけだったら、ネタにする力がないのです。

■(3)減反政策見直し

 これはまだ今後のことになりますが、政府がようやく減反政策の
見直しを始めたようです。産業としての農業を守りたいのなら、い
ずれは手をつけなければならない問題です。

 所得保障は当分必要でしょうが、最終的には自立した農業が成立
することを期待しています。

■(4)エビ養殖危機

 世界的にエビ養殖場で病気が発生し、エビの供給が不足してきて
います。どういう形で克服できるのか、まだ出口が見えない状況だ
と思います。

 レストランで「バナメイエビ」を使っていたと批判されましたが、
養殖あってのバナメイやブラックタイガーです。事態を打開する、
新しい研究成果が出てきてほしいものです。

■(5)馬肉混入事件

 日本ではあまり話題になりませんでしたが、ヨーロッパを揺るが
せた大事件でした。

 ヨーロッパ人は理屈っぽくて気に入らないが、こういう不正はあ
まりやらないだろう…という思い込みがありましたが、それは間違
いというか、先入観にすぎないことがよく分かりました。

 どこの国でも、金儲けのためなら何でもするものだなあ、という
のがとりあえずの感想です。

■(6)水産資源危機

 マグロやウナギなど、人気の水産資源が危機に瀕しています。一
つの原因として考えねばならないのが、日本では漁獲量規制がほと
んど機能せず、相変わらず獲り放題の状況が続いていることです。

 いい加減にしろと思っていましたが、某所で、日本の漁民が自主
規制しても、韓国や中国の漁船が来るので意味をなさないのでは、
という指摘があり、そういうこともあるのかと思いました。

 でも、真面目な話何とかしないと、日本漁業に明日はないのかも
しれません。

■(7)トランス脂肪酸「禁止」

 このニュースではマスコミの報道力というか理解能力について考
えさせられました。

 FDAがトランス脂肪酸を禁止、とニュースで言ってしまって、
恥ずかしくないのでしょうか。実際は水素添加油脂をGRAS認定から
除外しようという話で、禁止でも何でもありませんでした。

 ただ、FDAとしては、トランス脂肪酸に対する対策が必要と考
えていることも間違いない事実です。とにかく肥満が仇のアメリカ
人ですので、私たちにはあまり関係はないのですが。

■(8)原発事故の影響収束

 多方面の検査結果から、3年前の原発事故の影響は、内部被曝に
関してはほぼ収束したと判断してよさそうです。結局のところ、食
品を通じての内部被曝で健康被害が出る可能性はありませんでした。

 外部被曝の方はまだ線量の大きな地域があり、完全な帰還は難し
いものの、大部分の地域では帰還がスケジュールの問題になりつつ
あります。

 いまだに不安を煽ったりしている人も、いい加減に目を覚まして
ほしい人です。現実がいかに「不都合な真実」を語ろうと、被害が
少ない方がよかったではありませんか。

■(9)奇跡のリンゴ

 こまった風潮の一つがこの「奇跡のリンゴ」騒ぎです。今年はと
うとう映画にまでなってしまいました。単なるインチキ、変わった
人の変な成果が、マスコミの作用によって多くの人を惑わしたのだ
と考えています。

■(10)GMと発ガン研究報告の取り下げ

 これも変な研究成果が一部で持ち上げられましたが、科学者から
は大ブーイングで、結局、掲載雑誌が誤りを認めて取り下げるとい
うことで決着しました。

 幸い、「GM」批判は社会的に賞味期限切れしていて、ほとんど
影響がなかったのはよかったです。

■(番外)カンビロバクターの患者数推計は年間350万人に

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日本の食中毒統計はとり方に問題があり、数字は食中毒被害の氷
山の一角を表しているに過ぎない、と言われ続けてきた。そのため、
厚生労働省の「厚生労働科学研究費補助金」で「食中毒調査の精度
向上のための手法等に関する調査研究」が行われてきた。

 宮城県を対象とした詳細な調査を基に全国の患者の推計もなされ、
驚愕の数字が出てきた。カンピロバクターの推定食品由来患者数は、
2011年の推計で350万人。サルモネラは72万人、腸炎ビブリオは6万
人。カンピロバクターは日本の37人に1人が、年に1回は感染して
いる、という結果である。やっぱり食中毒は、なによりも注意しな
ければならない食のハザードだ。

http://www.foocom.net/column/editor/10097/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これが私たちが直面している「不都合な真実」です。私たちは決
して、「放射能」「GM作物」「農薬」「添加物」「BSE」「ト
ランス脂肪酸」によって危機に陥っているのではなく、目前の脅威
は食中毒です。

 世界的に見れば食糧の安定供給も大きな問題ですが、そちらはま
だ余裕があると考えます。シリアや南スーダンのようになってしま
えば大変ですが、もう食品レベルの話ではありませんから。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「ウコン」
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 年末は飲む機会も増え、昔から胃腸薬や二日酔いの薬の宣伝がよ
くあります。

 その中でもこのところ「ウコン」がよく目につきます。まずはウ
コンについての基本的な解説を紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ウコンについて

永田 純一 (国立健康・栄養研究所 食品機能研究部)

 ウコンは、高温多湿を好み、南アジアを中心に、アジア、アフリ
カ、中南米の各大陸の熱帯から亜熱帯にかけて広く分布するショウ
ガ科の多年草植物です。ウコンの原産地は東インド地方と考えられ
ており、紀元前970年頃には、ウコンの栽培が始まっていたと言わ
れています。

 現在の日本におけるウコンの主な産地は沖縄ですが、その歴史は
平安時代に中国から琉球へウコンが伝わった時に遡ります。室町時
代には、広い地域へと広まっていきました。江戸時代には幕府が創
設した薬園で栽培され、その後、急速に庶民の生活にまで普及して
いくこととなりました。

 古くからウコンの塊根あるいは根茎は、食品あるいは香辛料、衣
服の染料や生薬として利用されており、食と医薬の関係が深い植物
といえます。実際には、根茎を乾燥し粉砕したものを食したり、根
茎を薄く切って乾燥したものをお茶として飲用します。

 現在、国内における薬系および食品系のいわゆる健康食品販売実
績において、ウコンは常に上位に位置する代表的な健康食品となっ
ています。

 ウコンの仲間は世界中で50種類ほど認められています。そのうち
日本産で我々日本人になじみが深いものが、春にピンクの花を咲か
せる春ウコン(キョウオウ、Curcuma aromatica Salisb)、秋に白
い花の咲く秋ウコン(ウコン、Curcuma longa L.)、ガジュツ(紫
ウコン、Curcuma zedoaria Roscoe)の3つです。 ウコンには、宇
金、郁金、欝金、鬱金などがあてられ、ウッチン、ウッキン、ウキ
ャン、姜黄(漢名)などの呼び方もあります。

 ウコンの根は円柱形や紡錘形をしており切断面は黄色を呈してい
ます。味は苦くて辛く、太くて黄色味の強いものが良品とされてい
ます。 沖縄では昔から、クルクミンを多く含む秋ウコンは肝臓の
妙薬とされ、弱った肝臓の働きを回復させる生薬として珍重されて
います。

 ウコンの成分は染料・着色料としても用いられ、代表的なところ
ではカレー粉を黄色く見せている成分であるクルクミン(=ターメ
リック)をはじめとしてクルクメン、シネオール、アズレンあるい
はカンファーなど多くの成分が含まれていることが分かっています。

 これらは、肝機能強化(クルクミン)、抗がん作用の活性、尿道
結石・動脈硬化に有効(α-クルクメン)、利胆作用、健胃・殺菌
・防腐効果(シネオール)、炎症や潰瘍を治す作用(アズレン)、
強心作用(カンファー)などに有効と考えられています。 その中
でも特にクルクミンは代表的な有効成分と考えられています。

 クルクミンは、官能基の異なるクルクミノイドの1種)であり、
秋ウコンには、クルクミンが約3〜4%含まれています。しかし春ウ
コン、紫ウコンにはクルクミンほとんど含まれておらず、テルペン
系精油分がそれぞれ約6%および1〜1.5%含まれており、春ウコン、
紫ウコンの健胃あるいは血圧低下作用はこれらテルペン系精油成分
により発揮されると考えられています(2,3)。 特に、クルクミンは
胆汁の分泌を活発にすることによって肝細胞を刺激し、肝機能の改
善あるいは維持に寄与し、最大の代謝性臓器である肝臓全体の働き
を良好に維持するものと考えられています。

http://www0.nih.go.jp/eiken/chosa/nagata%20.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 国立健康・栄養研究所のサイトにある記事です。これを読むとな
かなか良さそうな気もします。

 それに対する反対意見はこんなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ウコンってありますよね。黄色くて良い匂いがする植物由来の香
辛料です。英語ではターメリックと言い、カレーにも入っています。
また、二日酔いに効くなどとされ、ウコンを使用した商品もありま
す。さて、ウコンは鉄分を豊富に含みます。ということはつまり、
大量にウコンを摂取すると、慢性肝炎を悪化させるかもしれないと
いうわけですね。

 実は、ウコンは肝臓には要注意なのです。内藤裕史著「健康食品
・中毒百科」(丸善出版)によると、「ウコンは、1994年〜2003年
に日本で発生した痩せ薬以外の、健康食品・民間薬による薬剤性肝
機能障害の4分の1を占め、原因物質として最も多い」のだそうで
す。この本から二つほど例をご紹介しましょう。

■事例1:肝硬変で通院していた女性は症状が安定していたが、粉
末ウコンをデパートで購入し毎日スプーン1杯飲み始め、2週間後
症状が悪化し入院したが腹水が溜まり約3カ月後多臓器不全で死亡
した。

■事例2:30歳代の女性がウコンを服用し始めたが、吐き気、黄
疸が出て入院した。肝機能は増悪し、プレドニゾロンの投与を開始、
肝機能は徐々に改善した。ウコンに対し薬剤リンパ球刺激試験は陽
性であった。

 鉄分過多が問題ではなく、普通の薬剤性肝障害と同様に、アレル
ギーもしくは中毒の関与が考えられます。ウコンは生薬としても利
用されているそうで、薬剤性肝障害が生じても不思議ではないでし
ょう。ウコンの事例はいくつかの教訓を教えてくれます。

 「天然由来だから安全とは限らない」。ときに人工物は危険であ
るが天然物は安全であるという誤解を耳にします。

 極端な場合には「病院から処方される薬は人工物だから毒だ」な
んて言われたりします。しかし、天然物でも体に悪いものはいくら
でもあります。天然・自然だから安全だと思考停止せずに、個々の
事例についてよく考える必要があります。

 「少量では害がなくても大量で害が生じることがある」というの
も教訓の一つです。少量なら安全な食品であっても、大量・長期に
摂取すると、健康障害が起きることがあります。前回もお話しまし
たが、食品そのものは安全でも、成分を凝縮しカプセルや錠剤の形
にして毎日摂取することは避けたほうがいいでしょう。ウコンによ
る肝障害の事例も、普通の食事では食べないような量を毎日摂取す
ることで害が生じています。

http://apital.asahi.com/article/sakai/2013083100003.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 下手に飲むと、肝機能に影響を与える可能性がある、ということ
のようです。

 一番よく見かけるハウス食品の「ウコンの力」については、こん
な批判がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 二日酔い防止の効果で売れている「ウコンの力」。しかし肝機能
強化が期待される有効成分「クルクミン」は、ほとんど体内には吸
収されないことがわかっている。効果を示したというハウス食品の
臨床試験を調べたところ、証拠はトクホとしては却下される“二級
品トクホ”レベルで、被験者としてハウス食品社員を使うなど、信
憑性に疑わしい点が多い。一方、ナノテクノロジーなどを駆使して
クルクミンの体内吸収率を30倍以上増やしたウコンサプリの場合、
効果は期待できるものの、食品としての安全摂取量を10倍以上超え
るものもあるなど、危険性のほうが高まる。医薬品の場合は安全性
と有効性の検証が必須となるが、健康食品ということでそれらが不
十分のまま売られている典型例だ。

http://www.mynewsjapan.com/reports/1615
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このあと、具体的な研究成果について検証していますが、実験結
果に対照群と有意差あると断定できないデータであると言っていま
す。

 効果があるかどうかという問題はさておき、安全性について調べ
て見ると、やはり結構危険情報があるようです。

 以下は先程と同じ国立健康・栄養研究所のサイトからです。しか
し同じサイトの記事とは思えないほど、印象が違います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■危険情報

・食物中に通常含まれる量であればおそらく安全と思われる。

・妊娠中の多量摂取は、月経出血と子宮を刺激するので使用しない。

・授乳中の薬用量の摂取については信頼できるデータが十分でない。

・過剰にまた長期間摂取すると、消化管障害あるいは消化管の不調
が起きることがある。

・治療目的で用いられる摂取量は、胆管障害または胆石には使用し
てはならない。アキウコン (C.longa) は胃潰瘍または胃酸過多に
は使用してはならない。

・免疫が抑制されている人は、使用する際に注意が必要である。

・健常成人11人 (21〜38歳) を対象とした無作為化クロスオーバー
比較試験において、ウコン2.8 g/日 (シュウ酸塩55 mg含有) を4週
間、サプリメントとして摂取させたところ、シュウ酸塩付加試験
(シュウ酸塩63 mg含有ターメリック3.2 g摂取) における尿中シュウ
酸塩排泄量が増加したという報告がある。

・C型慢性肝炎や慢性B型肝炎、II型糖尿病などの原疾患のある成人
11名 (男性8名、女性3名、平均54歳) においてウコンとの関連が疑
われる肝障害が報告されている。ウコンの摂取期間は3日〜5年、11
名のうち追跡可能であった10名は摂取中止により回復、回復または
軽快までに要した期間は1日〜37週であったという報告がある。

・C型慢性肝炎の患者は鉄過剰を起こしやすいことから鉄制限食療
法が実施されるが、アキウコンの製品には鉄を多量に含有するもの
があり、注意が必要であるという報告がある。

・ウコン摂取との因果関係が疑われる健康被害が報告されている。

1) 薬剤性肝障害22例のうちウコンによるものが11例ある。これら
の事例報告ではウコン摂取量、摂取期間、また、摂取した対象者は
不明。

2) 子宮筋腫による子宮全摘術、卵巣嚢腫による卵巣摘出術を受け、
アルコール性肝障害の診断を受けた50歳女性が、原種ウコン茶を摂
取 (摂取量は不明) したところ、摂取後12日で皮膚掻痒・嘔気が生
じ、摂取後18日で眼球黄染を発症した。

3) プレドニゾロンでコントロール良好な自己免疫性肝炎の66歳女
性がウコン製品 (成分と摂取量は不明) を約10 g/日、約4ヶ月摂取
したところ、自己免疫性肝炎が増悪し、ウコン摂取を中止したとこ
ろ、肝機能検査値 (GOT、GPT、γ-GTP値) が正常値に近づいた。

4) 58歳男性、繰り返す顔面の色素斑を主訴とし、ウコンによる薬
疹と診断された。

5) 66歳の男性が自家栽培のウコン茶を毎日1年間摂取したところ、
全身に痒みを伴う皮疹が出現した。

6) 61歳男性で漢方外用剤による皮疹が出現し、漢方外用剤に含ま
れるウコンによる接触性皮膚炎と診断された。

7) 32歳女性が健康食品としてウコンの錠剤を10錠/日、約2ヵ月服
用したところ、著明な高脂血症と肝障害をきたした。

8) 57歳男性が健康食品としてウコンを2年間内服したところ、全
身に痒みを伴う紅斑を認め、ウコンによる薬疹と診断された。

9) 糖尿病と脂肪肝を患っている30代男性が、飲酒時にウコンを酒
に混ぜて1ヶ月程度摂取したところ、肝機能が低下した。

10) 軽度肥満でよく飲酒をする30代男性がウコンを大量に摂取し
ていたところ、肝機能が低下して入院し、その後死亡した。

11) II型糖尿病、脂質異常症の既往歴のある61歳男性 (日本) が、
ノニジュースを450 mL (常用量の約15倍、摂取期間不明) 、ウコン
含有飲料を100 mL (1本のみ) 摂取したところ、数日以内に吐き気
、褐色尿、肝胆道系酵素値の上昇が認められた。DLSTによりウコン
が陽性、およびDDW-J2004薬物性肝障害ワークショップの定義より、
ウコンあるいはノニによって発症した薬剤性肝障害と診断された。

12) 55歳男性 (日本) が、4年前からウコン粉末を含む製品を毎日
摂取 (摂取量等の詳細不明) していたところ、全身に掻痒を伴う紅
斑、水疱、びらんが生じた。ウコン関連製品 (カレーを含め) の摂
取中止により1週間で症状はほぼ改善したが、自己判断によりウコ
ン製品を再摂取して症状が再発したため、ウコンによる多発性固定
薬疹と診断された。

13) 肝機能異常のある74歳女性 (日本) が、ウコンを1年間程度摂
取したところ (摂取量等の詳細不明) 、全身倦怠感、黄疸が出現。
AST値、ALT値の著明な上昇と、ALP値、γ-GTP値、総・直接ビリル
ビン値の上昇が認められたため、ウコン摂取を契機とした胆管障害
を伴う自己免疫性肝炎と診断された。

14) 一過性脳虚血、左頸動脈狭窄の既往歴がありバイアスピリン
を服用している62歳男性 (日本) が、10年前から自家栽培のウコン
スライスを、2年前からウコン粉末を摂取していたところ、体幹と
四肢に強い掻痒を伴う紅斑と丘疹が出現して医療機関を受診。バイ
アスピリン、ウコン粉末によるDLST (リンパ球刺激試験) は共に陰
性 (ウコンスライスでは未実施) 、ウコンスライスとウコン粉末の
中止および薬物投与により症状は改善したが、薬物投与の中止によ
り、以後数回にわたって症状が再燃した。その後の調査により、数
ヶ月前からショウガを毎日摂取していた事が判明、ウコンおよびシ
ョウガ摂取を中止したところ、1ヶ月後には紅色丘疹は軽快したた
め、ウコン摂取が誘因と考えられる慢性痒疹と診断された。

15) 10年間多量に飲酒をしていた38歳男性 (日本) が、飲酒によ
る肝機能低下を予防する目的で、ウコンおよびシジミエキスを含む
健康食品を毎日、2ヶ月程度摂取したところ (摂取量不明) 、心窩
部痛、背部痛が生じて医療機関を受診、血中肝酵素値の上昇が認め
られた。DLSTにおいて、ウコンを含む健康食品が陽性であったため、
慢性アルコール性肝障害をベースとしたウコンによる急性薬剤性劇
症肝炎と診断された。

・職業的にウコンを使用していた64歳男性と59歳女性が、手や前腕、
足の甲に紅斑や硬化、丘疹、水疱、掻痒などの症状を呈し、接触皮
膚炎と診断された報告がある。

・健常者12名 (男性7名、女性5名) を対象とした二重盲検クロスオ
ーバー試験において、クルクミン20 mgを経口単回投与したところ、
摂取後2時間にわたって胆のう萎縮が起こったという報告がある。

・胆石の人は医師に相談してからのみ使用可である。

□総合評価

■安全性

・食物中に通常含まれる量であればおそらく安全と思われる。しか
し、それ以上の量の摂取については信頼できるデータが充分でない。

・過剰に長期間摂取すると、消化管障害あるいは消化管の不調が起
きることがある。

・アキウコン (C.longa) は胃潰瘍または胃酸過多には使用しては
ならない。

・胆道閉鎖症の人には禁忌。胆石の人は医師に相談してからのみ使
用可である。

・ウコンの成分であるクルクミンは、第61回JECFA (2003.6) にお
いて添加物としての再評価がなされ、ADIは0〜3mg/kgbwとされた。

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail121.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 危険情報は結構あるのですね。それより気になったのが、最後の
ADIです。0〜3mg/kgbwですので、最大の3mgで考えても、体重
50キロで150mg/一日です。それに対して、「ウコンの力」には
クルクミンが30mg/一本含まれているそうです。

http://www.house-wf.co.jp/products/detail.php?cd=070001

 安全性に余裕がないのでは?と思います。少なくとも一気に何本
も飲むのはやめておいた方がよさそうです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 ノロウイルスも無事回復しましたが、体力的には結構大変でした。
一年の最後にひどい目に会いました。

 今年も一年、ご愛読ありがとうございました。来年もよろしくお
願いします。

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