安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>736号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------736号--2013.12.15------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「個人線量計による計測」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 このところのメニュー偽装表示で、結局300社ほど発表があっ
たようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

300業者が虚偽表示=監視強化、景表法改正へ−第2回対策会議
・政府

 政府は9日、メニューの虚偽表示問題に対応するための関係省庁
の第2回対策会議を首相官邸で開催した。各省庁が所管業界を調査
した結果、計約300事業者で虚偽表示が見つかったことが明らか
にされた。会議を踏まえ、消費者庁は年内に、事業者向けの表示ガ
イドラインを策定する。

 消費者庁は都道府県への行政処分(措置命令)権限の付与など、
監視体制の強化を柱とする景品表示法の改正作業について説明。来
年の通常国会に改正案を出す方向で、消費者団体などが求めている
課徴金制度の導入による罰則強化も検討するとした。(2013/12/09
-12:56)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013120900032
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 さすがにこれだけあるととても覚えられません。なるべく後から、
そっと発表したところがうまく立ち回ったと言えるでしょうね。

 それにしても「課徴金」まで考えているとは驚きです。いつもの
ように官僚の「焼け太り」が実現しそうです。

 次は先日の「トランス脂肪酸禁止」のニュースについて、最終的
な解説です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 2013年11月初めにFDAが食品への部分水素添加油(PHOs)の添加
を規制する計画であることを発表した。PHOは、電子レンジポップ
コーンやコーヒークリーム、冷凍ピザのような加工食品に使われ、
トランス脂肪の主要摂取源である。トランス脂肪は心疾患のリスク
を有意に増加させる。FDAは決定前にパブリックコメントを募集し
ている。最終的にFDAがPHOをGRASでないと分類すれば、食品製造業
者がこれを自由に使うことはできなくなる。

 ニュースメディアがこのFDAの動きを「トランス脂肪禁止」と伝
えているが、正確ではない。一つは肉や乳製品には天然に少量トラ
ンス脂肪が含まれる。二つ目はもしFDAがPHOをGRASでないと決定し
ても、食品事業者が添加することを認可申請して認められれば使用
できる。

 私はFDAが我々の食べるものを規制しようとしている、という批
判を目にしたことがある。しかしFDAは食品添加物を規制するため
に作られたという歴史がある。さらにFDAはアメリカ人が安全でな
い製品を食べることを予防しようとしているだけである。我々は
FDAのこの任務を、これから及び将来の食品がより健康的なものに
なるためにしっかりした科学的根拠を使うことを支持すべきであ
る。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20131213#p10
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここでキーワードは「GRAS」です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 GRAS(グラス)とはGenerally Recognized As Safeのアクロニムで
あり、日本語では一般に安全と認められると翻訳されるアメリカの
食品添加物のステータスである。 動物実験などによる充分な毒性
データがないものの、長年の食経験や科学的な知見などを総合して
評価した場合に、食品添加物としての使用に際立ったリスクがない
とみなされた物質がこれに該当する。

http://ja.wikipedia.org/wiki/GRAS
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 つまり、GRASと認定された物質は、添加物として自由に(無制限
に)使えるということです。日本では既存添加物に相当しそうです
が、実は添加物ではなく食品扱いになると思います。

 このあたりがTPPに関連して、アメリカの方が添加物の数が多
いとか報道されるネタになっていますが、それはまた別の機会に。

 「PHOをGRASでないと分類」しようというのが事の本質なのです
が、それを「トランス脂肪酸禁止」と報道したのはちょっと恥ずか
しいです。

 日本ではこんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

国民生活センターは現状維持 民主政権の方針撤回
2013.12.13 14:55

 森雅子消費者行政担当相は13日の閣議後記者会見で、国民生活
センターの機能を消費者庁に移すとしていた民主党政権の決定を撤
回し、これまで通り独立行政法人とする方針を明らかにした。

 民主党政権は昨年1月、独立行政法人再編の一環で、消費者庁と
重複する業務が多いとしてセンターの機能を国に移す方針を決定。
しかし、森消費者相が昨年12月に再検討すると公表し、意見交換
会で有識者から意見を聴くなどしてきた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131213/plc13121314570014-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 民主党政権の負の遺産が何とか整理されてきています。馬鹿が権
力を握ると、意味がなくても制度の変更をしたがるということでし
たが、何とか元に戻ってよかったです。

 最後はあまり報道されないニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今年2013年は、穀物の記録的な豊作年になる可能性がある。
国連食糧農業機関(FAO)によると、新年までに前年比で約8パ
ーセント増の2500億トンの収穫が見込まれている。一方でFA
Oは、アフリカやアジアの複数の地域では、食料安全保障の状況が
悪化する可能性があると警告した。

 今年の天候は、農業に適していた。小麦、飼料穀物、米などの収
穫は、昨年より著しく増加し、特にロシア、米国、ウクライナでは、
トウモロコシが豊作だった。ロシア穀物連盟のアルカージー・ズロ
チェフスキー会長は、天候に恵まれただけでなく、市場の需要を把
握し、作付面積を拡大した農家の努力が大きく貢献したと指摘し、
次のように語っている。

「世界の穀物収穫量の増加は、第一にトウモロコシの生産量が増え
たことによって達成された。昨年もトウモロコシの需要は増加した。
だが、需要を十分に満たすことはできなかった。そこで今年は、生
産量を既存需要に合わせ、作付面積を拡大し、天候にも恵まれた。
そのため、記録的な豊作となった。」

 だが、世界では飢餓に苦しむ人が減るわけではない。その反対に、
アフリカやアジアの一連諸国では、飢餓問題がさらに悪化するとい
う。特にフィリピンでは、地震の被害により、食料問題が発生した。
農業市場の分析を専門とする「SovEkon」のアンドレイ・シゾフ所
長は、一般的に食糧不足は、低所得の国で発生していると指摘し、
次のように語っている。

「FAOによると、世界では現在およそ10億人が飢餓に苦しんで
いる。だがこれは穀物不足の問題ではなく、主に低所得の問題だ。
人々は食料を買うお金がないため、飢えに苦しんでいるのだ。また
先進国では、食品の数十パーセントがごみとして処分されている。」

 世界の食料価格は現在十分に安い。生産者たちは、特に農作物の
価格が安すぎると考えている。シゾフ氏は、今後、食料や穀物の価
格高騰は避けられないとの見方を示し、次のように語っている。

「現在の穀物価格は最近数年間と比較して、低いレベルにある。ト
ウモロコシの価格は事実上、崩壊した。最近1ヶ月でトウモロコシ
の国際価格は大幅に下落した。だが、全体的に『低価格時代』は終
わった。生産者たちが、農業技術に投資し、作付面積を拡大し、収
穫を増やすための資金を得るためには、農作物の価格が上がる必要
がある。」

 専門家たちの予測によると、北半球の冬小麦は豊作になる見込み。
だが、市場飽和を危惧する必要はない。地球上には誰にも必要とさ
れない余分な食料はない。その反対に、食料は不足している。FA
Oなどの国際機関が飢餓に苦しむ人々を支援しているが、飢餓問題
の解決に関する大部分の責任は、各国の政府が担っている。飢餓問
題は、最優先議題となるべきだ。

http://japanese.ruvr.ru/2013_12_10/125704668/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 今年は世界的な豊作で、食糧の価格も下がっています。日本は円
安傾向になっているため、あまり実感はありませんが、それでもこ
んなニュースもあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 マーガリンやマヨネーズなど加工食品向けの食用油の10〜12月期
価格が前四半期比4%安で決まった。値下げ決着は2012年1〜3月
期以来、7四半期ぶり。菜種や大豆の国際価格が北米の豊作で下落
したのを反映した。夏場に食用油の上昇を受けた転嫁値上げが相次
ぎ、マヨネーズなど加工製品の需要が減退したのも影響した。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO63822620Z01C13A2QM8000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 すべての食料品について、値段が上がっているかのような報道ば
かりですが、こういう面もあるのですね。

 でも、豊作は結構なことです。世界中のすべての人に、その食糧
が行き渡るように願います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「個人線量計による計測」
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 原発事故の放射線被曝量を調べるということで、こんなニュース
がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 環境省は、原発事故を受けて、中学生以下の子どもや妊婦に線量
計が配布されていた福島県内の避難区域以外の地域で、新たに年齢
などに関係なく、希望する人に線量計を配る方針を決めました。

 被ばくによる健康影響の判断を巡っては、原子力規制委員会が先
月、これまでの環境中の放射線量から推定する方法ではなく、線量
計で実際に測って評価すべきだとする提言をまとめるなど、実態に
即して被ばく線量を評価することに重点が置かれています。

 こうしたなか、環境省はこれまで中学生以下の子どもや妊婦を対
象に市町村が線量計を配布してきた福島県内の避難区域以外の地域
で、新たに年齢などに関係なく、希望する人に身につける線量計を
配る方針を決めました。

 また、住民の不安を軽減するために、測定結果の説明や住民の相
談に当たる保健師などを配置することにしていて、これらに必要な
経費として、今年度の補正予算案に3億5000万円を盛り込んで
います。

 環境省は来年度、福島県内の避難区域のうち「避難指示解除準備
区域」に戻る住民の希望者にも携帯式の線量計を配布する方針で、
「正確な被ばく線量を知ってもらい、今後の生活の参考にしてほし
い」としています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131214/k10013830531000.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 被曝量は今まで、地域の放射線量を測る「空間線量率」で推定さ
れていましたが、これが過大な数値になっているという批判があり
ます。

 以下は中西準子先生の記事で、発表のスライドが公開されていま
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

雑感650-2013.10.24「福島の外部被ばく量は過大評価されている
−現実は,今の評価値の1/2か1/3である−」

■外部被ばく量の過大評価

□過大評価によってどういうことが起きているか

・住民の不安を、現実より大きくさせている(不安を煽る結果にな
っている)

・除染の費用を拡大させている

・除染後帰還を遅らせている。

・無駄な、対策がとられている。

□何故、こういう過大評価が続いているのか?

・放射線専門家が、これまでの、事故直後対応という習慣から抜け
出ることができない

・3.11直後に決めたことを変更すると、非難、攻撃されること
を畏れる

・リスクが小さいと言うことで、攻撃されるのが怖い

・放射線の専門家は、リスクを計算するという意識が低い

・放射線計測の意味が分かりにくいので、放射線の専門家しかわか
らない

■空間線量と実効線量

・空間線量(率)=実効線量(率)になってしまっている

・外部被ばく量は、実効線量を基に算出すべきなのに、空間線量を
基に算出している

・しかも、2種類の空間線量が区別されずに、表示されているので、
多くの人が混同している。この違いも、かなり大きい

■全く異なる二つの空間線量率がある

・航空機モニタリング
・モニタリングポスト

計測されている量(空気吸収率)
表示されている量(1mGy=1mSvで実効線量に換算しているが、空間
線量率として表示)

・リアルタイム線量測定システム
・通常のサーペイメーター

計測されている量(周辺線量当量率)
表示されている量(mSv/hで、実効線量を空間線量率として表示)

http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak646_650.html#zakkan650
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このようにそもそも計測値の段階で混同があるという指摘があり、
さらに「遮蔽率」(人は常に屋外にいるわけではないので)も考慮
すると、「現実は,今の評価値の1/2か1/3である」ということにな
るようです。

 それに対して、個人がつける線量計は、ほぼ正しい値を示すこと
がわかっています。過大な数値による弊害をなくすために、線量計
の配布に踏み切ったというニュースです。

 当然、この先は避難住民の帰還という段階になるので、早く実現
するように願っています。

 この件について、詳細な解説も公開されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「放射線計測についての少し詳しい解説」

 この文書では線量管理基準を<空間線量をもとにした推定値>か
ら,<個人線量計による測定>に切り替える事の技術的な意味を詳
しくまとめました.


[0]最初に結論

(1)個人線量計で測定された値(個人線量)は人体への影響を推定
するための量(実効線量)とほぼ同じか大き目に出るので,個人線
量計で管理すれば過小評価にはならない(報道はこの重要な点に触
れず,従来の測定・推定方法より小さくなることだけを強調してい
る).

(2)これまで行われていた空間線量率(周辺線量率)からの推定は
<一般に>実効線量に対して過大評価になっていた(例外が無いか
の検証は必要=個人線量計での確認が必要).数割程度の過大評価
であれば安全側に判断するという防護の考えに照らしても問題は無
いが,数倍の,しかも<実際のリスクを反映しない>乖離があるな
ら,個人線量管理への移行にも一理ある.

(3)被曝量は一人一人異なる.ごく少数いるかもしれない例外的に
被曝量の多い人を見つけ,適切な対策をとるために個人線量計は有
効.少なくとも帰還後の短期間だけでも身につけるのが望ましい.

(4)以上は放射線計測の技術面から,測定方法及び測定値の妥当性
について検討しただけであり,帰還問題,補償問題,健康影響問題
は別途これとは別に慎重に検討する必要がある.

(これで納得のいく方は以下読まなくても問題ありません.)

(略)

[4]小さくなるのは問題ではないの?実効線量との関係は?

 個人線量計の値が機器の問題で小さくなる!?とんでもない!と
思われる方もいるかもしれません.

 ここで基本にたちかえり,知りたいのは<実効線量>であり,そ
れを実測する手段として個人線量計を用いていることを思い出して
ください.個人線量計の示す値が実効線量と同じかあるいは大きい
ことが重要で,それさえ満たしていれば目的に照らして問題ありま
せん.これは自明ではなく,もし実効線量より小さくなるなら放射
線防護上の大きな問題になるので,事前に確かめておかなくてはな
りません.

 この点についてもシミュレーションで確かめた結果が出てきてお
り,個人線量計の示す値は,実環境にほぼ則したROT条件での実効
線量と同じか少し大きめであることが示されています.なお,この
結果は成人(1m高さ)・15歳児(50cm高さ)・10歳児(50cm高さ),
5歳児(15cm高さ),1歳児(15cm高さ)それぞれについて,測定高
さと体格差を考慮して計算して確認されています.すなわち,子供
も含め,1cm個人線量にあわせて校正された個人線量計で測った値
は実効線量を過小評価しないと言え,これを放射線防護の基準とす
るのは妥当であると思われます.

 一方で,個人線量計の値はほぼ実効線量と同じになるため,他の
実用量とは異なり余裕をもった値では無いことに注意が必要です.

https://t.co/2hW1A6dAgf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「以下読まなくても問題ありません」の一部分だけ引用しました
が、興味のある人はぜひ読んでみてください。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 木曜日、金曜日と佐賀県に行っていました。土曜日は疲れが出て
どうも調子がよくありません。佐賀の夜に飲みすぎたせいなのです
が。

 佐賀県産の食品を中国で売ろうという話で、リスク満載の日中関
係の中、あえてやろうということになりました。私の仕事の話なの
ですが、こんなこともやっています。こんどの火曜日からは、北海
道産食品のイベントがあるので、上海に行ってきます。

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