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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------725号--2013.09.29------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「エビ養殖」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 ご存じのとおり、「アレルギー表示」に新品目が追加されていま
す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 消費者庁は2013年9月20日、「アレルギー物質を含む食品に関す
る表示について」通知し、特定原材料に準ずるもの(推奨品目)と
して、新たにカシューナッツとごまの2品目を追加することを定め、
2014年8月31日までに表示をするよう求めました。

 日本で加工食品のアレルギー表示制度ができたのが2001年。以来、
食物アレルギーの患者さんの命を守る大切な役割を果たしており、
品目が追加されるのは2004年のバナナ以来です。

 現在のアレルギー表示は25品目が対象品目で、重要度に応じて
「特定原材料」と「特定原材料に準ずるもの」に分けられます。
「特定原材料」は卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生のあわ
せて7品目。これらは義務表示で、表示しなければ法律違反です。
また、「特定原材料に準ずるもの」は18品目。こちらは推奨品目で、
表示が無くても違反ではありません。今回、カシューナッツとごま
が推奨品目に加わることで、義務表示7品目、推奨品目20品目の合
計27品目になります。

 この2品目が追加される実施時期について、当初の消費者庁が示
した案では「包装材を切り替える機会に合わせたできる限り早い段
階で表示を行うように」として、時期は特定していませんでした。
しかし8月27日に開催された消費者委員会食品表示部会で、委員か
ら「バナナの追加された2004年は1年後と時期を決めていたので、
それに準じた方がいい」「患者としては、明確に期限を設けてもら
ったほうがわかりやすい」という意見が出されました。

 消費者庁は「2品目は推奨表示なので、表示しなくてはいけない
というものではない。法令的には時期を決めなくても問題はない」
と答えましたが、「2次原料、3次原料、HPの切り替えなどを考える
と切り替え時期を1年と設けてもらった ほうがむしろよい」とい
う意見が出されました。消費者庁が表示基準を作ったり改正したり
する場合は、必ず消費者委員会の意見を求めなくてはならず、これ
を受けて今回の通知が2014年8月31日の期限付きとなったのです。

http://www.foocom.net/secretariat/foodlabeling/10053/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「推奨」なので、表示はなくても問題ありません。包装資材の切
り換え時でよいという消費者庁の見解は尤もなのですが、それでは
困るというのがまことに日本的です。

 もちろん、「推奨」に期限をつけることに意味はありません。も
しこの期限を気にして、包装資材を廃棄するようなことがあれば、
全くの無駄というものなので、そういうことのないようにしてもら
いたいものです。

 次は「有機JAS」について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 これまでは、米国に有機農産物等を輸出する場合には、米国の有
機制度(National Organic Program(NOP))による認証を受ける必
要がありました。

 日米で有機制度に関する協議を続けてきた結果、本日、米国は、
我が国の「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」
(昭和25年法律第175号)に基づく有機JAS制度を米国のNOPと同等
と認め、輸出時の手続きについて、双方で合意しました。

 このことにより、平成26年1月1日より、我が国の有機JAS制度に
よる認証を受けた有機農産物及び有機農産物加工食品に「organic」
等と表示して、米国へ輸出できるようになります。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/hyoji/130926.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 制度上からはようやく一人前と認められてきたわけです。でも、

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

(米国のオーガニックって大規模機械化農業なんだけど)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20130927#p9
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、実際に輸出が始まるとはとても思えません。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.先日、知人から電子レンジを譲って貰いました。あまり使わな
いまま、半年くらい経ち、もう使うこともないからとのことで、有
り難く頂いたのですが、庫内の皿に1センチ四方くらいの食品のカ
スが付着していて、それに緑色のカビが生えていました。

 カビを取り除き、皿を洗剤で洗い、庫内も電子レンジ用のウェッ
トティッシュみたいな除菌クリーナーで何度も拭きましたが、オー
ブン機能も付いているレンジなので、天井に電熱線のような物があ
り、フラットではないので、その部分は充分に拭けていません。

 それに、そのカビの状態で何ヵ月もそのままにしてあったことを
思うと、不安です。この電子レンジを使っても大丈夫でしょうか?

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A.カビの着いていたところは拭き取ったのでしょうから、別に問
題ないと思います。

 細かいことをいえば、微生物はどこにでもいますから、ある程度
以上はあまり気にしても仕方ないです。

 きれいにできるところはして、できないところはあきらめましょ
う。もちろん、あまりひどければ買い換えるしかないですが、その
あたりの判断は人それぞれです。

 気にしすぎもよくないので、ちゃんときれいにした!と自信を持
てればそれでよいのではないかと思います。

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Q.ふと疑問に思ったのですが、焼く、煮る、蒸す、揚げるなど一
番早く火が通る調理法は何でしょうか? 同じ食品を想定していま
す。

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A.調理方法により、「熱源の温度」と「伝達方法」はいろいろで
す。

 一般に、水を使うと沸騰温度が上限になるので、あまり温度は上
がりません。しかし、水は持っている熱量が大きいので、中まで火
を通すのには、適しています。フライパン料理で「蒸し焼き」をや
るのはこうした目的です。

 油で揚げるのは、油自体がかなり高温になるので、調理時間を短
縮できます。

 鉄板で焼くのは鉄板に接している部分は早く高熱になりますが、
厚みのあるものだと中までうまく焼けないことがあります。強火で
焼き続けると、中まで加熱できる前に表面が焦げてしまうからです。

 実用的に、一番早く中まで火を通すなら、電子レンジの出番です。
ただ、電子レンジは加熱にクセがあるので、使いこなすのが案外難
しいのはご存じのとおりです。

 結論としては、料理の特性や仕上がりを無視して、加熱時間だけ
を問題にしても意味はないと思います。

 中華料理でよくやる方法で、材料をまず高温の油に通して、それ
から炒めて味をつけるというのがあります。短時間で加熱する方法
としてはなかなかよくできています。

 私もそれを参考にして、多めの油を煙が出るくらい高温にして、
ざっと炒めるというのをよくやります。加熱効果は高いですが、や
はり美味しく仕上げるのはなかなか難しいです。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「エビ養殖」
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 このところ、各地のエビ養殖が変調のようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

タイのエビ養殖、伝染病で生産半減 EUに関税率据え置き嘆願

【タイ】欧州連合(EU)が2014年から、タイ産エビを特恵関
税の対象から外し、輸入関税を現行の7%から20%に引き上げる
ことに対し、タイのエビ養殖業者の代表20人が2日、税率据え置
きを求める嘆願書を駐タイEU代表部に提出した。

 エビ養殖業者によると、タイのエビ養殖は昨年後半から、伝染病
で生産が大きく落ち込み、今年の生産量は例年の50万―55万ト
ンの半分程度の25万トンになる見通し。

 タイからEU主要15カ国へのエビ輸出は2012年が前年比2
6・8%減の1億8910万ドル、今年1―5月が前年同期比40
・3%減の4660万ドルだった。
http://www.newsclip.be/article/2013/07/03/18203.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本はエビの輸入国として有名ですが、すでにエビの調達難がは
じまっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 2013年の輸入エビ調達難は、苦しかったと言われる一昨年以上に
深刻だ。タイ産についてはバーツ高の影響も大きいが、それ以上に
原料生産量の減少の影響が大きい。

 タイ産バナメイエビの総生産量は、2013年1〜3月で前年比半減、
6月現在では前年比30%程度まで落ち込み、コストアップはもとよ
り「製品自体があるだけまし」という有様である。

 主な原因はEMS(Early Mortality Syndrome)だ。EMSは稚エビ
投入後35日〜40日で発症し、池全体のエビがほとんど死んでしま
う原因不明の病気である。2012年末にタイ東部養殖場に発生した
EMSは中部南部にも広がり、かなりの養殖池がこの被害を受けて
いる。

 EMSの原因は解明されていないが、以下が疑われている。

(1)親エビ:品種改良の弊害か

(2)連作障害:古い池ほど被害が大きい傾向あり

(3)過密養殖

http://www.foodwatch.jp/tertiary_inds/mrchndsrq/34238
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こんな解説がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

東南アジア各国に広がるEMS禍

 EMS禍はタイだけのものではない。一昨年中国で発生したEMSは東
南アジア各国に広がりを見せ始めている。

 マレーシアでも北西部=タイ隣接地域ではEMSの影響があり、生
産量が激減している。一方南東部はまだEMSの発生は見られないが、
元々大型のエビが多かったエリアが小型化している。

 他の東南アジア諸国でも、似たようなEMS発生状況があると言わ
れている。先月末に聞いた話だが、太平洋を越えてメキシコのエビ
養殖池でもEMSが発生したという噂が耳に入ってきた。もしもこの
話が本当であれば、アメリカがメキシコからエビが買えなくなるこ
ととなり、世界相場上昇に大きく影響しそうだ。

 現在、最も安定的にエビを供給できそうな国は、実は中国ではな
いかと見ている。中国は2011年にEMSが最初に発生した国ではある
が、思った以上にその広がりを小さく抑えられており、沿岸部の養
殖バナメイエビの生産量は比較的安定している。

 それと、この時期もう一つ注意が必要なのは、不作の原因が本当
にEMSかどうかということだ。最近はエビが死んでしまうとなんで
もEMSと片付けてしまう傾向があるが、実際の要因はいろいろある
と思われるので、注意が必要だ。

 私見ではあるが、今回のEMS禍は生き物、品種自体のサイクルを
思わせる。古くは20年前、タイショウエビが獲れなくなってブラッ
クタイガーに移行した時期があった。また10年少し前にブラックタ
イガーからバナメイエビに移行した。この時はブラックタイガーが
病気に弱く死にやすくなってきて、耐病性に優れたバナメイエビ養
殖がメインになった。

 あれから10年余り、品種改良や過密養殖の影響から、バナメイエ
ビにも品種としての限界が来ているのでは? とも考えてしまう。

http://www.foodwatch.jp/tertiary_inds/mrchndsrq/34238
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私が生協にいたころは、上記の記事の「ブラックタイガー期」で
す。主にインドネシアから輸入したブラックタイガーを扱っていま
した。

 初めて現地に行ったニューカレドニアでも、ブラックタイガーを
養殖していたものです。それがバナメイ種に変わり、今やそのバナ
メイ種も一つの限界を迎えているという指摘です。

 次の記事はブラジルのもので、病名は違いますが、おそらく同じ
ものと思います。ブラジルでは既に輸出できない状況です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 2003年に生産、輸出のピークを迎えたエビ養殖が、2012
年は輸出ゼロで終わり、アルゼンチン産のエビ輸入の話も出ている
と24日付フォーリャ紙が報じた。

 ルーラ政権が水産特別局を創設した03年のエビ生産量は9万ト
ンで、同局も2009年に水産省に昇格したが、一時は水産物輸出
1位だったエビの生産量は12年、03年比15〜20%減の7万
5千トン、輸出ゼロとすっかり衰退した。

 生産減少は、生産の9割を占めていた養殖が洪水でだめになった
事と、1日で9割が死ぬというウイルス性のマンシャ・ブランカと
呼ばれる病気が流行している事が原因だ。リオ・グランデ・ド・ノ
ルテのエビ輸出業者は、この病気で2011年以降の生産量は80
%減少したという。

http://www.nikkeyshimbun.com.br/nikkey/html/show/130228-24brasil.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 さて、この病気について、今年になってから、原因菌が特定され
たというニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2013年05月05日 | ニュース

 国連食糧農業機関(FAO)は3日付HPで、アジアのエビ養殖業にお
けるエビ大量死の原因を突き止めたと報じている。

 米アリゾナ大学の研究者たちによると、この養殖エビの大量死の
原因は、「エビ早期死亡症候群(EMS)」と呼ばれるもので、過去2
年にわたり、アジア各国のエビ養殖施設でエビを大量死させた。ア
ジアでは、100万人の人々がエビ養殖業で生計を立てている。

 2011年はアジアでは300万トンのエビを生産し、133億ドルを稼ぎ
出している。しかしEMSが見られた養殖池では、小エビの時期に多
くが死んでしまい、ひどいケースになると100%のエビが死んでい
るという。

 今回の研究で、EMSを引き起こす原因はバクテリアだと判明した。
このバクテリアは、地球の沿岸部ならどこにでも生息するものだ。
アリゾナ大学がアジアのエビ産業に大きく関わるバクテリアを発見
したことは、EMS撲滅のための最初の大きなステップとなる。

http://blog.goo.ne.jp/piita97/e/2f9848c033ed0adf19b2172727bd1e95
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 原因がわかれば対策は可能なはずですが、今後、病気が克服され
ていくのか、それともエビ養殖の方法自体が変化していくのか、予
想は難しいです。

 「養殖」ということに拒否感がある人も多いと思いますが、既に
世界では漁業では養殖漁業が主流になりつつあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 2011年、この世界は、人類の食生活の変遷において、ある重大な
段階に人知れず達していた。近代史上初めて、世界の養殖魚生産量
が牛肉を上回ったのである。2012年には両者の差はさらに広がった。
養殖魚(水産養殖魚とも呼ばれる)の生産量が6,600万トンという
記録的な量であったのに対し、牛肉は6,300万トンにとどまったか
らだ。

 そして2013年はおそらく、人間が天然魚よりも養殖魚をより多く
消費する初めての年になるだろう。これらの動向は、単に数値が逆
転したということで片付けられるものではない。食物生産における
歴史的変化が新たな段階に入ったことを明示するものであり、その
核心にあるのは、自然には限界があるという話だ。

http://www.es-inc.jp/graphs/2013/grh_id004329.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 養殖魚が牛肉を上回り、天然魚をも上回る生産量を持つようにな
ってきています。やがては在来の漁業は衰退し、ほとんどの食用魚
は養殖によって生産されるようになるのでしょう。

 すでに養殖の是非を問題とする時代ではなくなってしまったので
す。

 もちろん、日本はこの動きに関しては全くの立ち遅れです。以前、
日本の農業の生産性が悪いという話がありましたが、漁業に関して
はそれ以下の状況です。

 全国の零細漁港を守ってきた政策を支持してきましたが、やはり
これからは見直しは必要だと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 急に涼しくなって、本格的な秋になりました。近所の小学校では
土曜日に運動会をやっていましたが、秋晴れに恵まれました。

 一歳になる孫が歩きだして、つきあうのもなかなか大変です。で
もよく預けに来るのはうれしいものです。おかげで昼間はこの記事
を書けないので、夜中にやっています。

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