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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------70号--2001.03.11------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

口蹄疫
Q&A(小麦)
「だしじゃこ」  

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 「口蹄疫」という家畜の病気が話題になっています。これもヨー
ロッパの話で、しかもまたまたイギリスでの事件だといいますから、
例の狂牛病騒ぎの余震、という気もします。

 口蹄疫というのは、偶蹄類(ウシ・ブタ・ヒツジ・・)がかかる
病気で、伝染力が強いので、畜産の世界では、恐れられています。

 それほど症状の重い、致命的な病気というわけではありません。
ただ、問題は感染力で、流行している地域では、空気感染までする、
強力なものです。

 狂牛病とは違い、人間にうつったという話は聞きません。口蹄疫
ウイルスに感染した動物の肉を食べても、別に問題はないようです。
したがって、これは生産者サイドの被害、ということになります。

 実は日本はこの口蹄疫の発生していない、数少ない国の一つです。
昨年、宮崎県と北海道で、牛に疑わしい症例があって、関係者は大
騒ぎしていたというニュースを、最近になって知りました。

 結局、対策を講じて、三ヶ月ほどで終息宣言をし、国際的にも非
汚染地域として認められたそうです。関係者の努力はたいへんなも
のだったようで、世間の知らない苦労というものは、やっぱりある
ものなのですね。

 畜産と動物の病気というのは、なかなか切り離せない関係があり
ます。動物も狭いところで食べられるために飼われているのは、か
わいそうなことではあります。勝手な話ですが、食用とするために
も、健康状態の検査は必要です。

 牛や豚はと畜場で、検査されて、一応健康なものだけが食用にな
る体制になっています。(生きてさえいればOKだ、などというウ
ワサもありますが・・)

 問題は鶏肉で、牛や豚と違い、鶏肉の処理場は、処理業者が独自
に経営しているので、しばらく前までは、検査体制というものはあ
りませんでした。

 農協や企業の処理場に出荷された鶏は、そのまま処理、解体され
て鶏肉になるのですが、はっきりいって健康とはいえない、異常な
ものでも、そのまま肉になっていたのです。

 日本以外では、たいていの国で検査体制がとられています。特に
輸出国は、すべての輸出先国の基準に適合しなければならないので、
非常に厳重な検査になるようです。(タイが最大の輸出国として知
られています。)

 日本だけが、取り残されていたのですが、しばらく前から、日本
でも、食鳥検査制度がスタートしています。

 ということで、この食鳥検査制度の話を次回に書こうと思います。
私はそれほど詳しくありませんので、詳しい方からの情報をお待ち
しています。
 
--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.どうして小麦は日本ではあまり作らず、輸入に頼ってるんです
か?

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A.それは日本は元々、米の国だからです。(^o^)

 米、小麦、トウモロコシが世界の三大穀物です。その中で、米は
水をたくさん必要としますが、最も生産量が多く、米を作っている
地域(主に東〜東南アジア)の人口密度が高いのも、このためだと
言われています。

 米も小麦も作れる土地であれば、迷わず米を選ぶはずです。米の
作れない土地では、小麦を選ぶことになります。日本でも、東〜北
北海道で一部、米が作れないために、小麦を作っているところがあ
ります。

 日本産の小麦の生産者価格は、とても高いのですが、それでも米
と比べると、収入は良くないようです。

 米の減反政策の関係で、米を作らなくなった田に、小麦を作った
りしていますが、生産量はそれほど多くないと思います。

 自由化にともなって、この価格の逆ざや(生産者価格が消費者価
格よりも高い)が解消されると、国産小麦はなくなってしまうので
はないか、と心配されています。

 日本の農家が、生産を続けていくためには、消費者は今の3倍く
らいの価格で小麦粉を買う必要があるのですが、はたして、どうな
ることやら、です。

 また、品質面でも、国産小麦は輸入小麦に太刀打ちできないので
す。

 小麦は小麦粉にして利用しますので、まず製粉会社が買うのです
が、国産の小麦は品質があまり良くないので、国が輸入小麦を製粉
会社に割り当てる際に、抱き合わせで押しつけてきた、という実態
があります。

 最近では、国産小麦をありがたがる風潮も生まれてきて、割と楽
になったようですが、以前はこの国産小麦(量は少ないのですが)
の消化に、製粉会社は頭を悩ませていました。

 安い小麦粉に、混ぜて売っていたのです。

 小麦には薄力粉を作るもの、強力粉をつくるもの、とタイプがあ
ります。薄力粉はお菓子や料理を作るとき使いますし、強力粉はパ
ンの原料になります。これらは主にたんぱく質の量と質が違うので
すが、国産小麦は薄力粉と強力粉の中間くらいの性質で、どちらに
ももう一つ、という感じです。

 昔は国産小麦を「うどん粉」、輸入小麦を「メリケン粉」(アメ
リカのことをメリケンといいました。アメリカンがメリケンになっ
たのでしょうね。)と言っていましたが、ちょうどうどんを作るの
には良かったようです。

 そのうどんも、今はほとんどオーストラリア産小麦になっていま
す。有名な讃岐うどんなんかでもそうです。これは、食べ比べてみ
るとわかりますが、やっぱりオーストラリア産の方が美味しいから
です。

 また、国産小麦で美味しいパンを作るのも、たいへん難しいので
す。家庭で焼いて、すぐに食べるなら、まだ食べられますが、商品
として流通させるのはたいへんです。

 この品質の問題は、日本の風土との関係で、今までの関係者の努
力にもかかわらず、なかなか改善されない問題としてあります。外
国の強力粉をつくる小麦を導入しても、同じ品質の小麦はできない
んだそうです。

 オーストラリアの他は、主にアメリカ、カナダから輸入されてい
ます。アメリカの主産地はミシシッピ川流域ですので、日本に運ん
でくるとき、船はパナマ運河を通ってきます。こうしたこともあっ
て、「ポストハーベスト(収穫後)農薬」の使用が問題になってい
ます。

 北太平洋を通ってくるカナダ産や、比較的距離の近いオーストラ
リア産は、このポストハーベスト農薬の心配は少ないと思いますが、
完全に安全とはいえないようです。

 日本では、ポストハーベスト農薬は使用できませんが、栽培時
(プレハーベスト)には農薬を沢山使用しています。農協なんかで、
国産小麦を売り出すために、さかんにキャンペーンをしていますが、
あまり本気にすることもないでしょう。

 ご質問への回答としては、

(1)小麦の収入は米と比べて少ないため、作付け面積が増えない。

(2)価格面で、輸入小麦に太刀打ちできない。

(3)品質的にも、輸入小麦の方が優れている。

といったところです。日本人は米を食べましょう、などといっても
仕方ないのですが、以上の状況は、今後も続いていくと思います。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「だしじゃこ」
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 「ニボシ」も「イリコ」も、共にだしじゃこには違いないですね。

 だしじゃこはイワシの小さなものを、いったん茹でて、干したも
のです。「煮干し」というのは、まさにそのとおりの名前です。

 よく乾燥したものが良いものです。イワシに脂肪が多いと、どう
しても色が黄色くなってきます。こういうものは味も良くない、と
されいます。

 北の海は栄養が豊富で、魚も脂肪がのったものが多くなります。
そのまま食べるのには、もちろんそういうものが美味しいのですが、
だしじゃこ用としては、南の海のものが適しているといえます。

 関西では、だしじゃこといえば、ウルメイワシが中心になります。
数センチある少し大きめのものです。正式には、この大きめのだし
じゃこの、頭とはらわたを手でとって、出しに使うのです。はらわ
たは少しひねってやると、簡単にとれます。

 料理の本などでも、たいてい、「だしじゃこは頭とはらわたをと
って、・・」などと書いています。とらなくても別にかまいません
が、すこし苦みがでるのです。

 関東などでは、カタクチイワシが中心だと思います。これはごく
小さな、パリパリに乾燥したものが多く、そのまま食べるのだった
ら、こちらの方が美味しいですね。

 こういう小さなものは、頭もはらわたも、とれないとおもいます。
また、そんな必要もないようです。

 だしじゃことしては、前記の関西のものが優れています。昔の話
で、今はどうかわかりませんが、三重県あたりでは、ウルメイワシ
は高級品として、大阪に出荷し、カタクチイワシのものは、東京に
出すのだ、という話を聞いたことがあります。(この後に、東京は
味がわからないから・・などという話がくっつくのですが。)

 私が扱っていたときも、できるだけこのような高級品を手配して
もらうのですが、東京から来た人の中には、だしじゃこが良くない、
というクレームをつける人もいました。

 話を聞いてみると、前記の小さくてパリパリのものが良いだしじ
ゃこだと思っているわけです。好みの問題もありますので、どうに
も困ったものでした。

 だしといえば、昆布や鰹節、というイメージがあります。料亭な
んかでは、そういう高級というか、上品な味を大切にしますが、一
般的には、だしじゃこがたいへんよく使われています。

 関西のうどんは、鰹出しの薄味で・・などと雑誌に書いてあった
りしますが、私は本当の主役はだしじゃこの味だと思っています。
ラーメンのスープをとるときにも、だしじゃこはよく使われていま
す。

 ちょっとイメージが違いますが、作っている人の話では、スープ
の「ボディ」という表現をしていました。このボディが弱いと、ど
うしても、満足感の薄いものになるそうです。化学調味料ぬきで作
る場合、この辺の味の濃さだポイントになるようです。

 昆布は水出しから沸騰するまで、鰹節は沸騰した湯に短い時間で、
といいます。だしじゃこはしっかりと煮出しますので、その辺の違
いもあると思います。鰹節も業務用では、かなり厚く削って、しっ
かりと煮出します。この方がやっぱり美味しいのです。

 だしじゃこは乾物ですが、保管は冷凍庫でされていることが多い
ようです。水分が少ないので、冷凍も簡単ですし、何度も冷凍を繰
り返しても、あまりわかりません。冷凍というより、極低温保管、
といった感じです。

 これは主に、脂肪の酸化(黄色くなります)を防ぐためと、私は
解釈しています。家庭でも、冷凍庫に入れておくという手がありま
す。

 以前は酸化防止剤としてBHTという物質が使われていました。
最近ではほとんど過酸化水素を使用するようになっています。BH
Tと違って、残留はほとんどしませんので、「使っていない」とい
われても、本当かどうか調べられないのが実情です。

 でも、残留していないということですから、心配することはない
と思います。もちろん、残留していないものに、酸化防止を期待す
ることはできませんので、上記の冷凍庫保管、ということになって
きているのです。

 エネルギーの無駄遣い、という声も聞こえてきそうです。無添加
とか、衛生管理とか、低温流通とか、何か食品に良いと思われる対
策をとると、どうしてもエネルギーを多く消費することになります。

 だから強力な防腐剤を使って、常温流通させるべきだ、などとい
う意見の人もいますが、私はとりあえず、仕方ないことだと思って
います。

 でも、世界の平均より、何倍(何十倍?)も多くのエネルギーを
使っている私たちは、そのツケをいつかは支払わねばならないので
しょうね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 しばらく、いただいたメールを掲載するだけで、ずいぶんと文章
の量をかせいでいましたが、今回は久し振りに、Q&Aにひとつだ
けいただきました。(ひとつだけでもありがたかったです。)

 前回、ちりめんじゃこのことを書いたら、掲示板の方に書き込み
をいただきました。その関係で、今回はだしじゃこの話にしていま
す。

 私の同級生で、家もすぐ近くだった人で、家業を継いでいる人が
います。実は生協に勤めていたころ、商品の面でもつきあいがあっ
たのですが、その家業というのが「じゃこ屋」だったのです。

 もちろん、今では、鮮魚から塩干、乾物までいろいろと扱う、立
派な商売をしているのですが、先代の時代は、本当にだしじゃこ専
門だったということで、じゃこの話はいろいろと聞いたものです。

 でも、今度書こうと思ったら、あまり覚えていないので、がっか
りしました。もっとちゃんと聞いておくのだった・・。

 この文章は、ほとんど記憶モードで書いています。私の知らない
こと、間違いなども多いと思いますので、どしどしご指摘をお願い
します。

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