安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>7号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
---------------------------------------7号---1999.12.22-----
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

    【LD50】
    「遺伝子組み替え作物」
    「もやし」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

【LD50】

 「急性毒性半数致死量」といって、これだけの量を与えると、半
数が死ぬ、という量です。ラットなどで、実際に実験した量です。
「半数が死ぬ」というからには、この量ではまだ半分が生き残るわ
けですし、もっと少ない量で死ぬものもあります。

 極端に強いものや弱いものを指標にすると、個体のバラツキに左
右されてしまうので、「半分が死ぬ」というところにめやすを設け
ているのだと思います。

 「死ぬ」というところに、ドキッとするものがありますが、実は
死ぬまで実験を続けるので、どんなものにも、「半数致死量」はあ
ります。

 以下の表はその一例です。
(単位はg/Kg=体重1キログラムあたりの摂取量です。)

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【防腐剤】
ソルビン酸 10.5
デヒドロ酢酸 1.0
安息香酸ナトリウム 2.0
サリチル酸 1.0
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【毒物】
ニコチン 0.03
ショウコウ 0.02
青酸カリ 0.004
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【酸化防止剤】
BHT 1.39
BHA 4.13
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【一般品】
食塩 8〜10
ビタミンB1HCL 3.0
アルコール 6〜8
酢酸 0.3
乳酸 3.7
グルタミン酸ナトリウム 16.2
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【医薬品】
アスピリン 0.5〜1.0
フェナセチン 1.0
アミノピリン 0.7〜0.8
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(「減塩調味の知識」幸書房より)

 自分の体重に上の量を掛けたものを一気にとると、かなりやばい
ことになると予想されます。

 塩だと、1キロ入りの袋の半分くらいをかきこむと、上記の量に
なると思います。

 ということで、この「LD50」が出てきても、単位が「g」で書い
てあったときは、実際には急性毒性は気にしなくてもよいと思いま
す。慢性毒性の心配は全く別物ですので、「LD50」は参考になりま
せん。

 上の表で、「青酸カリ」ぐらいになってくると、簡単に人を殺せ
る、本物の毒物です。ニコチンもいい線にいっています。くれぐれ
もタバコは飲み込まないようにしましょう。

【急性毒性と発ガン性】

 最近、http://members.tripod.co.jp/gregarina/ というサイト
で、おもしろい話を見ました。

 「毒性の強いものには発ガン性はない」というのです。

 これは、本当はあるかないか分からないのですが、発ガン性の動
物実験は長期にわたりますので、毒性の強いもので実験すると、ガ
ンができる前にみんな死んでしまうから、発ガン性が確認できない
のだそうです。

 ということは、発ガン性がある、とされている物質は、必ず急性
毒性は低いから、1度食べたくらいでは、別になんともない、とい
うことになります。

 「逆転の発想」みたいで、思わずうなってしまいました。発ガン
性、ときくと、何となくものすごい毒物、と思っていましたので。

【重さの単位と濃度】

 ところで、単位ですが、最近、いろんな単位で表現されることが
多いので、ちょっと整理してみます。

キログラム (×1,000)
グラム (1)
ミリグラム (1/1,000)
マイクログラム (1/1,000,000) (ppm)
ナノグラム (1/1,000,000,000) (ppb)
ピコグラム (1/1,000,000,000,000) (ppt)
フェムトグラム(1/1,000,000,000,000,000)

 1リットルの水に、1マイクログラムの物質が溶けているとき、
「濃度1ppm」といいます。同様に、1ppb、1pptはそれぞれナノグラ
ム(10億分の1グラム)、ピコグラム(1兆分の1グラム)に相
当します。フェムトグラムでは?知りません。だれかご存知の方は
教えてください。

 実はピコグラムなどという数値が発表されるようになったのは、
つい最近のことです。それまではppmで足りていたのに、急に、
ppbだのpptだのが登場して、ややこしくなりました。

 最近、「1,800ppt」などという新聞記事も出てきて、ますます何
だかわからなくなりました。上の表で換算してみるようにしてくだ
さい。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q 遺伝子組み替え作物が話題になっていますが、あれは、本当に
安全性に問題があるのでしょうか?

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A ついにこの話題がきてしまいました。( ^^;)安全性については、
「わからない」の一言です。一応の審査は受けているわけですし、
あれを毒物のようにいうのもどうかと思います。

 「遺伝子組み替え作物(GM作物)」を直接食べる場合は今のと
ころ、あまりなくて、加工されたものが中心です。その加工にも、
加工度合いによって、さまざまです。同じGM大豆でも、豆腐に使
う場合、長期の醸造による醤油にする場合、油脂のみを抽出するサ
ラダ油にする場合、など、様々です。

 はっきりいって、私はGM作物を原料とする食品を食べても、ま
ず大丈夫だろうと思っています。安全性を証明する根拠はありませ
んが、すべての農産物が、安全性の保証はされていないのですから、
あまり云ってもしかたないと思うのです。(だれも在来の大豆が絶
対安全であると証明したわけではありません。)

 というのは、GM技術そのものは新しいものですが、今までの品
種改良にも、いろいろなバイオテクノロジーが使われていて、これ
まで来ているのですから、GM技術だけが安全性を疑われるという
のもおかしいと思うからです。

 残念ながら、すでに私たちの手に入る野菜は、すべて、育種メー
カーの開発による品種を使っています。自分で育てたものから、種
をとって、次の年にその種を播く、という本来の姿はもうなくなっ
ているのです。

 そこで、世界的に、育種メーカーによる、開発競争が起こってい
ます。それこそが、「GM作物」の一番の問題です。

 私は「GM作物」には反対の立場です。今、食品の表示問題が話
題になっていますが、こういうことで「GM作物」の輸入にストッ
プがかかり、ひいては生産そのものが減っていくなら、どんどん表
示していくべきだと思います。

 GM作物に反対する理由は、

(1)GM技術は今のところ、巨大な投資を必要とする、確立され
ていない技術です。その投資をし、さらに投資を回収できる企業は
限られています。

(2)巨大な投資が必要なのは、「下手な鉄砲」式でやっていくし
かないからです。遺伝子の実態は知られだしたばかりです。遺伝子
を操作できるからといって、その働きが全く解明されていないのに、
下手に手を出すのは、本物の銃を子供のおもちゃに与えるようなも
のです。

(3)導入した遺伝子がどのような働きをしていくのか、誰も責任
は持てません。たぶん、その遺伝子は脱走して、いろんな生物に拡
散していくでしょう。誰かが、「遺伝子は放射能より恐ろしい」と
いったように、放射能は減って行きますが、遺伝子は自分で勝手に
増える、唯一の自然物です。いったん野に放ったら、取り返しがつ
きません。

(4)GM作物が世界の農業で優位を占める、ということは、一部
の大企業が、世界の農業を支配する、ということです。これは非常
に憂慮される事態ですので、できるかぎり、このようなことになら
ないよう、願います。

 現在、GM作物については、USAvsEUの農業戦争、といった
感があります。日本は世界最大の農産物輸入国ですので、この戦争
に決着をつけるのは、日本の動向だと思うのですが、いかがでしょ
うか。

 それでも、冒頭に「安全性に問題はないでしょう。」といったの
は、安全面での不安をあおるやり方はその場では効果があるかも知
れませんが、消費者運動を腐らせるやり方だと思うからです。

 また、育種メーカーが売っている種を買ってきて使わざるを得な
い、農家の実情も知って欲しいと思います。そこがきちんとしない
と、いくら神経質になって安全性を求めても、逆に農家にだまされ
ますよ。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「もやし」
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 豆を「もやし」とものがもやしです。原料の豆は俗に「黒マッペ」
といわれる黒豆(大豆の黒豆とは違います)が多いのですが、最近
は大豆や緑豆も増えてきています。

 もやしの根元に豆がついていますので、簡単に見分けがつきます。

 このごろは大工場で作って、広範囲に流通するもやしも増えてい
ますが、伝統的な町工場を見てきた話を書きます。

 芽を吹いた原料豆をコンクリートの囲いに入れて、水をかけてお
くと、数日でもやしになります。

 もやし製造のポイントは、「光をあてない」です。漂白していな
いもやしはまだ生きていますので、光をあてると、色がついてきま
す。最終的には緑色になるのですが、最初はピンクの色がつきます。

 工場は一日中暗くして、被いをかけているのですが、それでも、
いちばん上のもやしは少し色づいています。出荷のときには、とり
除いていました。

 漂白は次亜塩素酸ソーダ溶液につけます。水槽にぱっと放り込ん
で、手であげてくる、といった乱暴なものです。私はこの漂白をし
ないように頼みに行ったのですが、漂白しないものを買ってくれる
なら助かる、と逆に喜んでもらえました。

 先ほども書いたように、漂白しないもやしは生きています。水を
やると、少し成長したりしますので、よろこんでいました。

 もやしは低温によわいのです。冷え込む冬には夜通し石油ストー
ブをたくのですが、貧弱な建物ですので、ときどき、もやしが「か
ぜ」をひいてしまいます。

 もやしは低温にあたると、茶色く変色し、腐ってきます。もやし
の苦情の大半は、冷蔵庫の冷え過ぎによるこのような状態のもので
す。保存は冷蔵室でなく、野菜室が適当だと思います。

 この話を書いていたら、はじめて無農薬バナナのサンプルが届い
たとき、無知なもので、冷蔵庫に入れておいて、一晩でだめにした
ことを思い出しました。なにごとにも、適温というのがあります。

 もやしは元の豆には含まれない、ビタミンCを大量に含むことで
知られています。料理の本には、もやしのヒゲ(根)をとって、な
どと書かれていたりしますが、私は無視しています。豪快に食べて
ほしいと思っています。

 作り方をみればわかるように、漂白していないもやしは、最近汚
染の可能性があります。必ず加熱調理するようにしてください。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 ちょっと身内に不幸ごとがありました。まだ書きかけだったので
すが、とりあえず、このままでお届けします。不備な点がありまし
たら、訂正しますので、教えてください。

 年内にもう1回くらいは発信したいと思います。それでは。

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