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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------696号--2013.03.10------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「持続可能なパーム油」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 このところ急激に円安になってきました。「民主党政権=円高」
だったわけですが、その影響でこんなニュースが出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 株価の上昇が続いています。8日は一気に300円以上も値上が
りして、ついにリーマンショック前の水準を回復しました。一方、
95円台まで進んだ円安。その影響はある野菜にまで及び始めてい
ます。

 急上昇する株価に大手証券会社の店内には活気があふれていまし
た。

 「かなり利益も上がっている。欲をかいていこうかな」
 「旅行なんかも少し増やしていこうかな」(投資家)

 日経平均株価は、7日より300円以上も値上がりして取引を終
了。リーマンショック直前の水準まで回復しました。

 「来店するお客、電話の問い合わせが急激に増えている」(野村
証券綱島和仁本店営業部長)

 背景にあるのは安倍政権の発足以来とどまることを知らない円安
の進行。東京外国為替市場の円相場は、2009年8月以来およそ
3年7か月ぶりに1ドル=95円台まで下落しました。この円安の
副作用で石油製品や天然ガスなど海外からの輸入額が膨張。1月の
海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支は、3648億
円と過去2番目の赤字額を記録しました。急激な円安の進行はこん
な所にも影響を与え始めています。

 「中国産のむきたまねぎです。50トンですね」(輸入商社アベ
ニール金井峻亮さん)

 千葉県内の輸入野菜の卸商社。大型冷蔵庫にうずたかく積まれて
いるタマネギはすべてが中国産。外食産業向けの加工用なのですが
「意外」なのはその値段。

 「原料は国産より2〜3割高い。数十年間でここまで高くなるの
は初めて」(輸入商社アベニール金井峻亮さん)

 円安の影響で、中国産玉ねぎの値段が史上初めて国産ものを上回
ったのです。1月現在で1キロあたり106円。国産のものより3
割近くも高値で取引されているといいます。

 「全員が国産にするのは、日本で考えると安定供給は厳しい」
(輸入商社アベニール金井峻亮さん)

 株価の上昇を生む一方でガソリンや小麦、食用油にとどまらずつ
いに野菜にまで及び始めた円安の影響。私たちの生活にとってこの
円安は飴なのかムチなのか。安倍総理のご意見番はこう解説します。

 「食料品やガソリンで割を食うかもしれないが、今のように株価
が上がっていれば、みんなの老後が豊かになると思って(お金を)
使うようになる」(イェール大学浜田宏一名誉教授)

 ただし、物価が上がるばかりで賃金が上がらなければ「豊かな老
後」にはほど遠いのも事実。大手コンビニ3社が相次いで賃上げに
踏み切る中、注目の春闘交渉が来週、ヤマ場を迎えることになりま
す。(08日16:24)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130308-00000055-jnn-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 円安の進行が影響を与えていることは間違いありませんが、実は
生産者価格も上がっているようです。

 以下は少し古いですが、2010年段階での報告です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

中国における野菜産地の概況と品目別生産・出荷動向
〜野菜の生産コストの動向〜

1. はじめに

 2010年の日本の野菜輸入量は、249万8千トンとなっており、そ
のうち、中国からの野菜輸入量は、128万4千トンとなっている。
依然として、輸入される野菜の半数を中国に依存している。また、
中国の野菜輸出先国として、日本は13パーセントと最も多く重要な
地位を占めている。

 中国からの輸入野菜は、2006年には残留農薬がたびたび確認され
ていたが、中国側の検査体制の強化や日本側のポジティブリスト制
度の導入により改善されてきた。しかし、近年、中国の経済発展に
よって人件費などのコストの上昇、人民元切り上げのリスクなどの
要因により、中国からの輸入野菜価格の上昇という新たな局面を引
き起こしている。

(略)

(1)たまねぎ生産状況

1.山東省金郷県および江蘇省徐州市豊県における生産状況

 山東省金郷県では、にんにくに比べたまねぎの販売価格が安く、
生産コストも高いため、たまねぎ生産量は年々減少傾向にある。同
県で生産されているたまねぎは、輸出向けは黄皮品種、国内向けは
紅皮品種となっている。

 一方、江蘇省徐州市豊県では、たまねぎ生産量は増加傾向にある。
同県で生産されている品種は、黄皮品種が中心となっており、収穫
量の約6割が輸出向けとなっている。

2.たまねぎの生産コスト

 聞き取りによると、2010年のたまねぎ生産コストはム当たり平均
2,593元(3万3,605円、1元=12.96円※、1ヘクタール当たり50
万4,075円)となっており、前年比107パーセントと増加している。
コストの増加要因は、人件費の上昇だけでなく、種子、肥料代など
ほとんどの費用について上昇している。

 また、江蘇省徐州市豊県でもすべての経費が上昇傾向にあるが、
特に人件費の上昇割合が高くなっている。一方、たまねぎの粗収入
は年々上昇しており、2008年にはム当たり3,000元(3万8,880円、
1ヘクタール当たり58万3,200円)であったが、2010年には4,800元
(6万2,208円、1ヘクタール当たり93万3,120円)となっている。

3.今後のたまねぎ出荷の動向

 2008〜2009年にキログラムあたり約0.8〜1.5元(10〜19円)前後
で推移していたたまねぎの国内価格は、2010年には約1.3~2.0元
(17〜26円)へと上昇している。

 2011年に入るとやや軟調に推移しているが、同県のたまねぎ加工
企業によると、今後、物価の上昇とともにたまねぎ価格も高騰して
いくと考えている。

 近年、中国国内でのたまねぎ販売量は増加傾向にあるが、肉など
と一緒に炒めることが多く、個体の大きい紅皮たまねぎに人気があ
る。このため輸出向けの黄皮たまねぎを国内向けへ仕向けることは
難しいと考えている。

(略)

5. まとめ

 中国の野菜輸出先は、日本の占める割合が最も高いが、東南アジ
ア、ロシア、韓国など多様化している。これに比べて日本の野菜輸
入先は、中国が半分を占める状況が続いている。

 本稿で検証してきたように中国経済の発展により、人件費などの
コストは確実に上昇し、市場の動きによっては赤字生産となってい
る品目も出てきた。このような中で日本向け輸出の野菜価格も多く
の品目で上昇している。また、人民元が切り上がる情勢の中でいつ
まで中国野菜に依存できるのだろうか。

http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/kaigaijoho/1107/kaigaijoho.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 中国ではかなり激しい物価上昇が起こっています。農産物の価格
上昇が最も激しく、今までびっくりするほど安かった食べ物の価格
がどんどん上がっています。

 今までは農産物価格が不当に安く抑えられていて、そのために農
民はとても貧しかったのです。このところの価格上昇や政府による
支援などで、農村部は急激に豊かになりつつあります。

 ただ、都市との格差が縮小しているかというと、そうでもないの
で、このまま農民の不満が爆発することなく、全体が豊かになると
いうことが想定できるかどうかは微妙なところです。

 この記事でも出ていましたが、コンビニ業界の話題です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ファミリーマートは7日、社員約2700人の2013年度の年
収を前年度より2・2%引き上げる方針を明らかにした。

 2月の労使交渉では、1・5%の定期昇給で妥結しているが、こ
れに加えて賞与を増やす。甘利経済再生相が5日の記者会見で、小
売業で相次ぐ賃上げについて「次はファミマと期待している」と述
べたことを受け、上積みした格好だ。

 同社は「政府の物価上昇率目標の2%を上回る水準が必要と考え
た」と説明している。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130307-OYT1T00791.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この前日に「ローソン、セブンイレブンと賃上げの話が出ている
ので、次はファミマに期待している」という大臣の話が出ていまし
た。

 個別企業の名をあげるのは言い過ぎだという批判もありましたが、
すかさず賃上げを発表するあたり、心得たものです。

 これでファミリーマートを含む3社が、日本のコンビニのトップ
3であるという認識が確定しました。こういう機を見るに敏という
のはコンビニ業界の得意とするところです。

 こういう雰囲気がもっと全体に広がっていけばよいのにと思いま
す。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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 今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「持続可能なパーム油」
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 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 キリンホールディングスは、キリングループの「持続可能な生物
資源調達ガイドライン」と、国内の紅茶、紙・印刷物、パーム油の
調達に関する行動計画を策定した。併せて、世界有数の紅茶葉生産
地になっているスリランカの紅茶農園に対して、環境保護、社会的
公正、経済的競争力について持続可能なことを示す認証取得のため
の支援も始める。

 ガイドラインは、日本国内で調達する生物資源のうち、森林の違
法伐採や環境破壊などのリスクを伴うと判断した特定の資源に適用。
違法に森林を伐採して造成されたプランテーションや植林地に由来
していないことや、適切な手続きで生産されたことが確認されてい
る生物資源を調達し、環境破壊を行っているとされる事業者の生産
品を排除する。

 行動計画のうち紅茶は、購入先の紅茶園を特定して評価したうえ
で持続可能性の高い農園の生産品を使い、紙・印刷物は古紙を主原
料にするとともに、環境面で保護価値の高い森林を破壊していない
製品を優先的に使用。パーム油は、関係者らで組織する「持続可能
なパーム油のための円卓会議(RSPO)」の認証プログラムを利用し
て対応を進める。

 キリンは自社の紅茶飲料の調達先であるスリランカの紅茶農園を
調査した結果、約4割が生物多様性保全の認証を取得している一方、
資金面で取得できない農園が多くあったことから、支援を実施。4
カ所の農園を対象に、持続可能な農法認証制度「レインフォレスト
・アライアンス認証」取得に向け、トレーニングに必要な資金を1
年間提供する。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/emf/20130307/244660/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 キリンの発表なので扱いが大きかったようですが、昨年にはこん
な発表もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日清オイリオグループ株式会社(社長:今村隆郎)は、植物油脂
にかかわるグローバル企業として、国際的な環境問題や社会的課題
の解決の動きに協調し、パーム油産業の健全な発展に貢献してゆく
ため、熱帯雨林の乱開発や労働問題など、パーム油にかかる諸課題
の解決をめざす国際的な非営利組織RSPO(持続可能なパーム油
のための円卓会議)に加盟しました。

http://www.nisshin-oillio.com/company/news/archive/2012/20121029_093506.shtml
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下は2010年段階の資料ですが、この時点で11社が「持続可能な
パーム油のための円卓会議(RSPO)」に参加しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

11社の日本企業がRSPOに加盟

三菱商事(2004年8月)
サラヤ(2005年1月)
ライオン(2006年3月)
伊藤忠商事(2006年6月)
コープクリーン(2006年7月)
花王(2007年4月)
三井物産(2008年3月)
エックス都市研究所(2008年10月)
資生堂(2010年8月)
磐田化学工業(2010年9月)
ミマスクリーンケア

http://www.gef.or.jp/activity/economy/stn/palm3/1_adachi2011.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以下はそのRSPOの概要です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 違法伐採対策、乱開発の規制と監視、保護区の設定など生産国政
府への働きかけや希少な野生生物の保護など個別の取組だけでは、
アブラヤシ農園開発のように世界各地で急速に展開しつつある問題
に対応するには限界があり、消費者の力を借りた取り組みの必要が
あります。

 そこでWWFは2004年に他の組織と協力して、パーム油の生産から
加工製品の流通に至るまでのステークホルダーを巻き込んだ「持続
可能なパーム油」の生産と利用を促進する非営利組織、「持続可能
なパーム油のための円卓会議」(RSPO)を設立しました。

 RSPOは新たに貴重な熱帯林等を伐採することなく、環境や労働者
の権利に配慮した持続可能なアブラヤシ農園のあり方を示し、それ
に沿った農園や搾油工場を認定する制度を構築しました。

 WWFは生産国においては農園のRSPO認証取得を、消費国において
は認証パーム油への切り替えの促進を通じ、パーム油産業をより環
境への負荷の少ない持続可能な産業へと転換させようとしています。

 RSPOに参加するプランテーションや関連企業等は増えつつあり、
2011年には700団体を超え、認証パーム農園の面積も100万haを越え
ました。

 その結果RSPO認証油の生産も増加しつつありますが、問題はいま
だRSPOに対する認知が十分でないこともあり、必ずしも認証油に対
する需要が供給に追いついていないことです。

 いま、パーム油産業を持続可能な産業へ転換することを加速させ
るために、最も求められているのは、消費者からの強い意思表示で
す。

 具体的には消費者の立場から身の回りのパーム油を使用した製品
に関心を持ち、持続可能に生産されたかどうかわからないパーム油
製品を拒否し、積極的にRSPOのような認証製品を求める声を企業に
伝えることです。

 2011年から、RSPO認証マークが定められ、製品にその表示ができ
るようになり、消費者は、RSPO認証マークの製品を選択できる、社
会的な仕組みが整いました。

http://www.wwf.or.jp/activities/2011/11/1027822.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 環境保護団体からは批判的な意見もあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 世界的に植物油の生産量は増え続けており、パーム・オイルも例
外ではない。また植物油のうち約31%がパーム・オイルであり、
この比率も増加しつつある。生産国はインドネシアとマレーシアに
集中しており、インドネシアが44%、マレーシアが41%のシェ
アを占めている(2007/08)

 仮にRSPOが有効に機能しうるものとしても、これまでに認証され
た生産量が130万トンでは、総生産量の3%、2006/07から2007/08
の一年間の生産量の増加分の27%に過ぎない。

 つまりRSPOが有効かどうかなどと議論している間に、オイル・パ
ーム農園は拡大し続けていると考えられるのである。

http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2009/11/post-6e20.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 RSPO認証を受けたパーム油の生産量は総生産量の3%にすぎない、
ということですが、更に驚くべき数字が以下にあげられています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

記者発表資料 2009年6月9日

 WWFは本日、持続可能な方法で生産されたパームオイルについて、
新たな数値を発表、現在市場で入手できる持続可能なパームオイル
のうち、これまで取り引きされたのはわずか1%であることが明ら
かになった。

「アブラヤシを栽培するRSPOメンバー企業は現在まで、約130万ト
ンのCSPOを生産した。しかしCSPOとして選ばれ購入されたのはそ
のうちの15,000トン足らず。スーパーマーケット、食品メーカー、
化粧品メーカーなどのパームオイルを利用している企業からの需
要が今のように少ないままでは、RSPOの成果も無駄になる。東南
アジアに残っている天然の熱帯林はもちろん、アブラヤシ栽培が
拡大の兆しを見せているアマゾンなど他地域の森林も失われてい
くだろう」WWFインターナショナル、森林プログラム責任者のロ
ドニー・タイラーは述べる。

http://www.wwf.or.jp/activities/2009/06/741009.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 認証を受けた生産量の、1%しか購入されていないというのです。

 結局、この制度を利用して購入されたパーム油は、総生産量の0.
03%しかないわけです。これは日本の有機農産物を下回りますの
で、ほとんど機能していないと言ってよい状態です。

 パーム油は植物油では珍しく、常温で固体の油脂です。融点が高
いのは飽和脂肪酸をたくさん含むためで、牛脂などと似たような組
成です。

 マーガリンやショートニングなど、常温で半固体の油脂製品を作
るとき、不飽和度を減らすために水素添加という工程を経ます。そ
のとき、不飽和脂肪酸の一部がトランス型に変性するということが
知られていて、問題となりました。

 同じ植物性油脂を原料としても、パーム油を使えば水素添加の必
要はありませんので、最近の「トランス脂肪酸が少ない」製品には
ほとんどパーム油が使われています。

 近年、パーム油の生産はマレーシアやインドネシアを中心に非常
に拡大しています。唯一の成功した熱帯プランテーションであると
評価されたりしているのです。

 ダイズやナタネを抜いて、最大の油脂原料となりました。

 そこでいろいろと批判する動きが出ています。批判する根拠は次
のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

パーム油の問題点

 現在、パーム油は持続可能ではありません。非常に安い植物性油
脂として多くのところで利用され、その需要はどんどん増加してい
ます。日本では食用油として使われている部分が非常に多いのです
が、ここ数年は地球温暖化防止のため、バイオディーゼルの原料と
して使おうという世界的な動きも出ています。中国やインドといっ
た経済発展の著しい国における需要の増加も一因です。しかしそれ
と同時に、さまざまな問題も深刻化しているのです。

 これには大きく二つの問題、「環境問題」と「社会問題」があり
ます。環境問題としては、パーム油は主にプランテーションで作ら
れるため、森を切り開く必要があります。森を切り開くことで生物
が減少し、その多様性も失われるのです。農薬使用による地域環境
の汚染や健康被害も問題です。そして、管理方法が悪いとメタン等
の温室効果ガスも発生し、地球温暖化を促進してしまう可能性が指
摘されています。

 社会問題としては、とくに、農園労働者の衛生・安全面や賃金面
の問題が挙げられます。強制労働や児童労働に関する報告も聞きま
す。開発地域の先住民の権利が侵害されることもあるようです。

http://eco.goo.ne.jp/business/csr/global/clm52.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こういう観点から、「持続可能なパーム油」を認証という手段で
確保していこうというのがRSPOという試みです。

 しかし実態としてはとても成功しているとは言い難いことは前述
のとおりです。

 さらに根本的な問題として、何故パーム油だけが持続可能性を問
われるのか?ということがあります。

 自国の自然を開発によって失ってきた欧米諸国が、これから開発
を進めようとしている熱帯諸国に対して、理不尽な言いがかりをつ
けている…私はそのように思います。

 もちろん、パーム農園自身が持続可能性を追求するのは必要なこ
とです。しかし経済活動である以上、それは当然のことです。

 自然に対する略奪的な生産は、欧米諸国の植民地経営の結果とし
てあったことを忘れてはいけません。独立した国が経済発展をして
いくとき、持続可能性を考えるのは当然のことです。

 もしそうでないなら、現在の中国のように、自然から手痛い反撃
を受けて、せっかくの経済発展が維持できなくなっていくでしょう。

 しかしそれも独立国なら、自分自身の責任として処理されるべき
ことです。

 パーム油生産国に、認証の結果として余分の収入が入るのは結構
なことですので、あえてこういう制度に反対はしませんが、元々の
動機が不純なので、あまり深入りしない方がよいというのが私の意
見です。 

--〔後記〕--------------------------------------------------

 急に暖かくなりました。2月はとても寒かったですが、3月は暖
かめですね。北海道は吹雪だそうですので、日本中が暖かくなるの
はまだ先の話ですが、こちらではそろそろ桜も咲きそうな勢いです。

 「持続可能」という言葉は、意味はわかりますが、熟語というほ
どではありません。英語だと「Sustainable」の一語で、よく使わ
れているようです。しかしこの言葉は先進国に対して使われるとき
はよいのですが、発展途上国に向けられるときは要注意である、と
思っています。今回の話はその一端です。

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