安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>684号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------684号--2012.12.16------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「10大ニュース」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。少し長いですが全文掲載します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも楽しみに拝読いたしております。

 豊川ポークの記述に対して、「詐欺」まがいの表現をされており
ましたが、家畜飼料として、食品残渣を用いることは、幼少の頃か
ら当り前のように行ってきました。子供の頃、良く残飯を豚のエサ
として与えるのが子供の仕事になっていました。人の食べ残し、動
物性のクズ等栄養価のあるものがほとんどでした。

 産業化された食品製造業界から排出される食品残渣は、各々製造
品目によって、栄養価は偏ってしまいます。そこで、資料加工業者
に栄養価のバランスを整える技術が求められます。

 言い換えると、食品残渣を原料とするので、あらゆるジャンルの
食品加工業者から排出される残渣をバランスよく配合調整すること
が必要となるわけです。

 このあたりの技術開発・成分分析・給餌テスト・肥育後の豚の健
康状態・と殺後の部位別栄養価の分析等、多岐に渡ってバックデー
タをとり、安全性の確認を行ったうえで、1次産業者から3次産業
者に至るまでが連携し、産官学共同で進められるのが食品リサイク
ルの現状です。

 現在は、大量排出事業者に食品リサイクル法によって、発生抑制、
再生利用、減量化、熱交換等の手段により廃棄物としての排出量抑
制が求められております。

 排出事業者の努力だけでは、解決できない社会的な構造が背景に
あることはご存知かと思います。

 まず、大都市圏での廃棄物処理施設の能力が、残余年数に限りが
出てきたこと、温室ガス排出量の抑制、資源の少ない日本における
循環型社会の構築、エコ活動を産業界規模で実施する際のコスト負
担は、産業界自体が負担しており、実際にまじめに取組んでいる者
からすると、非常に心外な表現です。

 生ゴミといわれる食品残渣を素材構成の多いものを中心に、分別
し、加工しやすく管理したうえで、収集運搬させ、飼料・肥料製造
者へ渡します。廃棄物処理法や飼料製造・特定堆肥製造許可施設で
加工させ、試用を繰返しながら、科学的な安全性評価に対してコス
トをかけて自ら行うことの労苦や時間的な問題を「詐欺」と証され
るのなら、全てのリサイクルに対して、根拠をお示しください。心
外で憤懣やるかたない表現ですよ!

 有機堆肥と称して、第三セクターや公的資金を注入して行われて
いる家畜のし尿処理で作られる牛糞や豚糞・鶏糞堆肥の方が、余程
危険極まりないと思われますよ。圃場に病原性大腸菌群やサルモネ
ラ、カンピロバクターといった家畜・家禽類特有の食中毒菌が持込
まれる危険性だってあるわけですから、「エコ」という表現が不適
切というなら、こうした現実の法制度や危害性に対するお考えも合
せてお示しいただけないでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私が「ウソだ!」と言ったのは、「うどん、酢飯等の原料を発酵
調整した液体飼料(エコフィード)」を説明するのに、「野菜屑を
原料としています。」と言ったことに関してです。そもそも野菜だ
けで豚を肥育できるわけがありません。

 いかにもきれいごとで誤魔化そうとする意図が見えるようです。

 それ以外についても詐欺だと言ったようにとられたのなら、これ
は書き方が悪かったですね。申し訳ありません。

 リサイクル飼料一般については、おっしゃるように「有機堆肥と
称して、第三セクターや公的資金を注入して行われている家畜のし
尿処理で作られる牛糞や豚糞・鶏糞堆肥」なんかはリスクが大きい
と理解しています。

 そうでないものもあることは承知していますが、私は飼料につい
て「リサイクル」ということが必要であるかどうかに疑問を持って
います。

 それから、いつも言うようにBSE問題での教訓があります。高
度なリサイクル飼料が予想外の大被害を出してしまいました。どん
なに注意深くリサイクル工程を構築しても、現在予想もできないよ
うなことが起こり得るのだ、というのがBSE問題の教訓です。

 だからリサイクルのメリットとデメリットを明らかにしつつ、デ
メリットの側には予想外の要素も繰り込んで比較する必要があると
思うのです。

 要するに、よほど明らかなメリットがない限り、リサイクルしな
い方が賢明である、と言いたいのです。

 そのあたりを考慮せずに、「リサイクル」だから「エコ」、「エ
コ」だから素晴らしい…というのはおかしいと思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「10大ニュース」
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 Food Watch Japanというサイトから、今年の「10大ニュース」
について書けと言ってきました。
http://www.foodwatch.jp/

 一昨年書いたのですが、昨年はお呼びがかかりませんでした。2
年ぶりに書いてみます。昨年は震災一色でしたからね。
 
 こういうとき、便利なのが私のサイトのメールマガジン一覧です。
そこから今年の分全部をコピーしてきて、10個だけ残せばよいの
です。

 それでは、私が選んだ10個を紹介していきます。順位をつける
のは面倒なので、時系列で並べました。

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(1)2012/04/01 第647号「ソルビトール」

■ソルビトールで死者が

 イタリアでの話ですが、食品添加物のソルビトールで死者が出た
という衝撃の事件でした。

 砂糖で人が死ぬようなものですから、まずあり得ない話だと思っ
ていたら、やはりソルビトールとして売られていた商品の中に亜硝
酸塩が入っていたということでした。

 同じ食品添加物でも亜硝酸塩を砂糖なみに使ったら死者が出ます。

 この事件の背景にはソルビトールを使った痩身法があるらしいの
です。ソルビトールを大量に摂取すれば、下痢をして痩せるでしょ
うが、それでよいとは思えません。

 ところで、問題のソルビトールはネット通販で買ったものでした。

 医薬品のネット販売が話題になっていますが、やはりこうした危
険も考えないといけないのか、という意見も出ていました。

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(2)2012/04/22 第650号「放射性物質の新基準」

■4月から放射性物質の新基準が実施

 キログラムあたり100ベクレルを中心とした新基準が4月から
施行されました。非常に厳しい基準ですが、ほとんどの食品がこれ
をクリアできる環境になったということはよかったです。

 今まで輸入食品に使われてきた基準値は370ベクレルですので、
今までは問題がなかった食品でも、100ベクレルを超えて違反事
例になったものが出ています。とんだとばっちりで申し訳ない話で
す。

 ヨーロッパではチェルノブイリから20年以上経っても、こうした
数値が出るのですから、一年後にほぼクリアできた日本の事故は比
較的被害が少なかったということなのでしょう。

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(3)2012/06/03 第656号「トクホのコーラ」

■「トクホ」指定のコーラが登場

 こんなものが売れる時代になったのですね。いかにも健康に悪そ
うな、不良っぽい味がコーラの魅力だと思っていたのですが、何と
も軟弱なものです。

 健康が気になるような人はコーラなんか飲むなよ…と私は思いま
す。

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(4)2012/07/01 第660号「生レバー禁止」

■牛レバーの生食が禁止に

 マスコミ関係者からは非常に批判を浴びた規制です。酒、タバコ、
夜更かしで暮らしている人から見れば「余計なお世話」なのでしょ
うね。

 そう言われればそのとおりなのですが、放置すれば人が死にます
ので、規制できるものならした方がよいと思います。

 マスコミが煽ったせいもあって、禁止直前に生レバーを食べて食
中毒が多発したそうです。自業自得とはこのことです。

 その後、「焼かないのは客の勝手」商法とか、「豚生レバー」を
出すとか、トンデモ商法も話題になりました。

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(5)2012/08/12 第666号「ビールのリベート」

■ビールの不当廉売を摘発

 イオンの「リペートなんか知らないよ」商法が問題になりました。

 以前はビールには販売量に応じてメーカーがリベートを出してい
ました。リベートは小売りに直接支払われることも、卸を通して支
払われることもあります。

 そのリベートが廃止になったのですが、卸払いだったため、イオ
ンは本来リベート分の値上げを認めるべきところを、優越的な地位
を利用して知らない顔をしまし、結果、卸が不当廉売ということに
なりました。

 卸各社は気の毒とは言いながら、全体で損はしていないのだろう
な、などと余計な勘繰りをしてしまう事件でした。

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(6)2012/08/19 第667号「白菜浅漬けと食中毒」

■白菜浅漬けでO157食中毒発生

 北海道で白菜浅漬けで大規模な食中毒が発生しました。今の漬物
は保存食とは言い難いものであることが改めて認識された事件です。

 原料段階での殺菌をしなければならないのですが、何故か殺菌は
したくない、という業者が多かったことも問題でした。

 たぶんこれは消費者が悪いのです。安全ということについて、も
っと真面目に考えないといけないですね。

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(7)2012/08/19 第667号「簡易水道で食中毒」

■簡易水道でエルシニア腸炎が発生

 これも上記と同じ日の記事です。富山県といえばきれいな水が豊
富なところですが、それゆえに起こった事件です。

 簡易水道に殺菌をしていなかったのです。せっかくのおいしい水
だからという理由で、故意に塩素を入れなかったようです。

 漬物の殺菌と同じで、殺菌という行為を嫌がっていたのではない
かというところです。

 安全を確保するのにコストをかける必要があります。また、実質
的な利益を伴わない、美しい言葉を真に受けてはいけないという教
訓でもあります。水道は必ず殺菌すべし!

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(8)2012/09/02 第669号「米の全袋検査」

■福島県産米の全袋検査開始

 放射性物質の新基準は米については半年遅れて、今年の新米から
の適用になります。

 非常に厳しい基準ですので、モニタリング検査くらいで十分だろ
うと考えていましたが、出てきた対策は何と「全袋検査」です。

 しかもコンベアで流れ作業でチェックできるという機械の開発を
間に合わせてしまったのですから驚きました。

 だいたい70ベクレルくらい以上あると、このチェックに掛かる
ようです。100ベクレルの基準を守るためには十分な能力です。

 こういうのを泥縄で開発してしまうのが日本企業の得意とすると
ころで、世界中からクレイジーと言われる所以ですね。

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(9)2012/09/23 第672号「中国現地情勢」

■中国の輸入規制の余波でバナナが暴落

 中国で尖閣諸島問題に関連して暴動が起こりました。日本車(中
国製です)に乗っていた中国人が暴行を受けて重傷を受けるという
事件もあり、中国人の程度の低さを世界中に示してしまいました。

 貿易にも影響が出ていて、日本産食品の輸出(中国での輸入)が
できにくくなっています。

 実は中国が領土問題で揉めているのは日本だけではありません。
領土を接するほぼすべての国と揉めているのです。

 フィリピンやベトナムとは南シナ海の島嶼をめぐって以前から揉
めています。中国側が不法占拠しています。そのフィリピンとの関
係で、バナナが実質的に中国に輸出できなくなるという、WTO加
盟国とは思えない暴挙に出ています。

 そのあおりでバナナが大量に日本に入ってきて、価格が暴落して
いるということです。

 この話はまだメールマガジンで取り上げていないので、ここで取
り上げておきます。

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(10)2012/12/02 第682号「プレーンパッケージ法」

■オーストラリアでタバコのプレーンパッケージ法施行

 食べ物と関係ない上に、外国の話ですが、オーストラリアでタバ
コのパッケージが統一の、おどろおどろしいものになりました。

 これはぜひ日本でも実現してほしいものです。日本では相変わら
ず美女モデルを使ったイメージ広告が盛んですので、遅れているの
一言です。

 原発事故のとき、福島の放射能汚染よりタバコの害の方が大きい、
という指摘がありました。「だから放射能汚染は大したことがない」
という言い方は間違いだと思いますが、「だからタバコ規制を厳し
くしよう」という方向にならないといけません。

 いしいひさいちのマンガにこんなのがありました。隣国と戦争を
している国の大統領官邸での話です。


情報部員:

「大統領、大変です!」

「開戦以来の戦死者より、交通事故の死者の方が多くなっています!」

大統領:

「それは大変だ!」

「交通安全運動を展開しなければ!」


 蛇足で解説しますと、交戦中という異常な状況下で、交戦国の大
統領が「正しい判断」をしてしまうというのがギャグになっていま
す。

 意表をつくものであれば、正しい判断でもギャグになるという、
冴えた感覚です。

 私たちの状況も、そろそろ「異常下」から脱出して、正しい判断
をできるようになってほしいものです。

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 いつものことですが、食中毒関係の話題が中心になっています。

 秋にはアメリカ産牛肉の規制緩和とか、全頭検査の見直しとかの
話題もありましたが、最終的な決定はまだのようですので、来年に
持ち越しです。

 また、食品表示関係の話題も同様です。栄養成分の表示は可能な
ものについてはした方がよいと思いますが、産地表示とかトランス
脂肪酸とか、余分なものもついてきています。

 このあたりの政策については、新しい政権で見直しをしていって
くれることを期待しています。

 全体的な印象としては、大災害のあった次の年としてはまずまず
落ち着いていたな、と感じています。私が忙しかったせいでしょう
か。

 原発事故関連では、たった1年少しでここまで安全性を確保でき
たことに驚いています。もともとのリスクも大したことはなかった
ということなのでしょうが、関係者の皆様の努力に改めて敬意を表
したいです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 先週は日曜日の未明に、以前にノロウィルスにやられた時と同じ
ような感じでお腹の調子がおかしかったので、てっきりノロウィル
スと思っていましたが、何事も無く過ぎてしまいました。

 それでダメかと思った大連出張にまた来ています。こちらはやは
り寒いです。気のせいか過熱経済の熱もすこし下がってきたように
思います。日本は少し熱くなってくれるとよいのですが。

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