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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------681号--2012.11.25------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ボツリヌス食中毒対策」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 日曜日の朝のメルマガをいつも楽しみにしています。

 さて、カルビーさんが530万袋もの数量を対象にポテトチップ
スを回収していますが、その回収範囲の設定に疑問は湧きませんで
したか?

 今回の様に製造ライン由来異物の場合には、原因場所が判明して
製造をストップしたところから、その場所に正常であることを確認
できていた直近までを怪しいとして回収の対象範囲とします。しか
し、今回はその正常であることが確認できていなかったので、賞味
期限が残っている商品をすべてとしたのだろうと思われます。

 でも、ちょっと待ったです。

 賞味期限が切れた商品の安全性は保証しなくてもいいのでしょう
か?

 消費期限であれば、その先は残念ながら保証しかねますと言えま
すが、賞味期限は美味しさの保証期間であって安全の保証期間では
ないはず。カルビーさんは原因が発見される前に当該ラインで製造
した商品は、賞味期限に関係なくすべてを対象に回収の案内を出す
べきはなかったでしょうか?それをしても実際に回収できる数量に
大きな差は出ないはずですが、しなかったばかりに「賞味期限」と
「消費期限」の違いを理解していないメーカーさんではと印象付け
られてしまったような気がします。

 渡辺さんはいかが感じます?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ご指摘の事件は以下のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 カルビーは20日、ポテトチップス「堅あげポテト 関西だしじょ
うゆ」からガラス片が見つかったとして、「堅あげポテト」シリー
ズの9種類、計約534万袋を自主回収すると発表した。混入した
ガラス片は約5ミリ四方の大きさで、関西地方の高校生が口の中を
切るけがをしたという。

 カルビーでは異例の大規模回収だが、人気商品のため既に消費さ
れた分が相当数あるとみられ、どれだけ回収できるかは見込みが立
たないとしている。これまでに消費者からの連絡でガラス片混入が
確認されたのは計2件で、いずれも関西地区限定販売の「関西だし
じょうゆ」という。

 回収対象は滋賀県湖南市の工場で製造された製品で、「関西だし
じょうゆ」(80グラム入りと65グラム入り)と、全国販売の「うす
しお味」(同)、「のり味」(同)、「ブラックペッパー」(70グ
ラム入りと65グラム入り)、「ゆずこしょう味」(63グラム入り)
の計9種類。

 このうちパッケージの裏面右上の製造所固有記号が「b」で、製
造日が2012年7月20日〜11月17日の商品。「関西だしじょうゆ」
が約15%を占める。

 今月17日に高校生側から連絡があり、生産設備を調べたところ、
照明器具のガラスカバーが割れており、その破片が落ちたとみられ
る。生産設備は毎日清掃とチェックをしているが、カバーの破損に
は気付かなかったという。発見が遅れた理由についてカルビーは
「破損を想定していなかった」と説明している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201211210058.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次の記事ではもう少し詳しく紹介されています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 カルビー「堅あげポテト」の一部商品にガラス片が混入したこと
は、発覚まで少なくとも10日間は気づかれていなかったことが分か
った。なぜこんなに長く気づかなかったのか。

(略)

 2012年11月20日の発表によると、関西地方の高校生とみられる男
子生徒がポテトチップスに混入したガラス片(5ミリ四方)で口の
中を切るケガをしたと、母親から17日にカルビーへ電話があった。
また、19日にも同様な混入の連絡があった。いずれも、シリーズの
うち、関西地方限定販売の「関西だしじょうゆ」の商品だった。

 カルビーが調べると、滋賀県の湖南工場で照明器具のガラスカバ
ーが割れており、その破片が落ちたことが分かった。そこで、カル
ビーは、混入した可能性があるシリーズ9種類、計約534万袋を自主
回収することを決めた。賞味期限が4か月であることから、発表日
より遡って7月20日から製造された商品が対象になっている。

 カルビーの広報部に取材すると、混入の2件とも、製造されたの
が11月8日であったことを明かした。とすると、ガラスは少なくと
も発覚の10日前には破損していたことになる。

 カルビーによると、ガラスが割れた照明器具は、ポテトチップス
を揚げる装置の出口に設置されていた。装置は、清掃や点検を毎日
行っていたというが、なぜそれまで気づかなかったのか。

照明の劣化などの可能性

 この点について、カルビーの広報部では、装置の照明器具が角度
的にも見えづらいところに設置されていたからだと説明した。ガラ
スにかなりの厚みがあり、これまで破損したことがなかったため、
点検リストにも入れていなかったという。つまりガラスが破損する
ことは、「想定外」だったわけだ。

 ガラスが割れた原因については、調査中だとしている。装置周辺
には常に複数の従業員がついているため、事件性はなく事故だと考
えているとし、「おそらく照明自体の劣化や温度の影響があるかも
しれない」と言う。

 とすれば、管理に問題はなかったのか、今後問われることになり
そうだ。

http://www.j-cast.com/2012/11/21154928.html?p=all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 さて、「賞味期限に関係なくすべてを対象に回収の案内を出すべ
きはなかったでしょうか?」という件ですね。

 店では賞味期限が過ぎた食品を販売していないという前提でしょ
うから、まだ賞味期限が過ぎていないものが対象になるのだと簡単
に考えていました。

 でも、ご指摘をいただいて、よく考えると、家庭で保管している
ものについては、賞味期限が過ぎているものがあるかもしれません
ね。

 賞味期限は「おいしく食べられる」ことを保証するものですから、
賞味期限が過ぎた商品について、「味が変わっている」などの状況
については、メーカーは免責されると思います。

 ただし、異物が入っていた場合は賞味期限が過ぎていても、免責
されないだろう、というのはご指摘のとおりです。

 それでは、当該商品は無制限に回収の案内をすべきか?というと、
そうした方がよかったと私も思います。

 ただ、上の記事を読むと、クレームになっているのは11月8日
製造のものです。ガラスが破損して混入したという事件は、11月
8日に起こったものと考えるのが素直です。

 破損したガラスは上から落ちてくるわけです。以前に破損したガ
ラスが少しずつ落ちてくるということはあり得ますが、それほど長
期間にわたって、落ち続けたというのも考えにくいので、11月8
日頃に破損があったという可能性が最も高くなります。

 でも、厳密に破損した時期の上限を決められるわけではないので、
おそらく十分長い期間である賞味期限いっぱいの製造日までとした
のだと思います。

 11月8日以前の製造のものからはクレームは出ていないのです
し、破損が7月20日以前に遡る可能性はほとんどないと考えたの
でしょう。

 それでも問題ないとも言えます。ただ、この上限を撤廃して、現
存するすべての商品を対象としても実際問題としてはほとんど変わ
りはないわけですし、メーカーの態度としてはこちらの方がよかっ
たでしょうね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「ボツリヌス食中毒対策」
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 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

真空パックでも食中毒の危険 厚労省が注意呼びかけ
2012.11.19 16:54 [食中毒]

 密封性の高い真空パックの食品でも食中毒が起きる危険があると
して、厚生労働省は19日、メーカーや消費者に注意を呼びかけた。

 厚労省によると、食中毒の危険が高いのは、真空パックの中でも
漬物や総菜など十分な高温加熱殺菌が行われていない食品。酸素が
少ない密封状態で増殖できるボツリヌス菌による食中毒が起きる危
険がある。

 ボツリヌス菌は熱に強く、殺菌には120度以上の高温で4分以
上の加熱が必要。冷温に弱いことから、冷蔵(10度以下)で保存
することも有効だ。こうした真空パック食品は、通常は冷蔵保存す
るよう表示されているが、厚労省は改めて、密封状態を過信しない
よう注意を呼びかけた。

 厚労省によると、平成12年から今年10月末までに、ボツリヌ
ス菌による食中毒は4件起きている。食中毒での死亡例はないが、
まひや呼吸困難など重い症状を引き起こす恐れがある。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/121119/trd12111916550018-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件の厚労省の報道発表は以下のとおりです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

真空パック詰め食品などのボツリヌス食中毒対策についての注意喚
起の実施について

 真空パック詰めなどの「容器包装詰低酸性食品(※注)」は、殺
菌や冷蔵保存等の対策を怠ると、ボツリヌス菌による重篤な食中毒
を引き起こすおそれがあります。

 容器包装詰低酸性食品の中には、いわゆるレトルト食品(常温保
存が可能)と包装形態がよく似ているものもありますが、十分な高
温加熱殺菌などの対策が行われていない場合、常温で、ボツリヌス
菌が繁殖する可能性があるためです。

 こうしたリスクについて一層周知を図るべきとの薬事・食品衛生
審議会食品衛生分科会での意見を踏まえ、改めて事業者への周知徹
底を呼びかけるとともに、消費者へも普及啓発を行うため、リーフ
レットを作成し、本日付で、都道府県等を通じて周知を図ることと
しました。

注意喚起のポイント

○事業者等へ

・容器包装詰低酸性食品は、高温加熱による殺菌又は冷蔵管理など
の対策が必要

・要冷蔵食品は、その旨が消費者等に分かるよう明確な表示が必要

○消費者の方々へ

・要冷蔵との記載がある食品は、冷蔵保存の徹底が必要

※注 「容器包装詰低酸性食品」とは、容器包装に密封した常温流
通食品のうち、pHが4.6を超え、かつ、水分活性が0.94を超えるも
のであって、120℃4分間に満たない条件で殺菌を行ったもの(殺
菌は、容器包装に詰める前後を問わない)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002on5w.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 消費者向けとメーカー向けの2種類のチラシが掲載されています。
その内容を一部掲載します。まずは消費者向けのものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

消費者の皆さまへ

しっかり表示を見て保存・調理を行いましょう

■真空パックなどの密封食品でも命にかかわる食中毒が発生するこ
とがあります。

 真空パックなどの密封食品でも常温で放置しておくと、ボツリヌ
ス菌が増殖し、命にかかわる食中毒の原因になることがあります。
包装の表裏の表示を確認して、適切な冷蔵保存や加熱調理をしてく
ださい。

※「レトルトパウチ食品」と記載されているものは常温保存可能で
す。

■冷蔵保存

 「要冷蔵」「10℃以下で保存してください。」などの表示がある
場合は、冷蔵庫などでの適切な保存が必要です。購入したら寄り道
せずにまっすぐ帰り、すぐに冷蔵してください。

■真空パックなどで、膨張、異臭のある場合は、菌が増殖している
可能性があります。絶対に.べないようにしてください。

■ボツリヌス菌が作りだす毒素は、加熱により毒性を失うため、食
べる前に十分な加熱を行うことも食中毒の大切な予防策です。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002on5w-att/2r9852000002onda.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 次はメーカー向けのものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

食品関係事業者の皆さまへ

■真空パックなどの容器包装詰低酸性食品でも命にかかわる食中毒
が発生します。

 ボツリヌス菌は密封された食品の中で増殖し、命にかかわる食中
毒を引き起こします。次の1〜3のすべてに当てはまる容器包装詰
低酸性食品(「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」は除く)は、ボツリ
ヌス菌食中毒の対策が必要です。事故を起こさないために、もう一
度自社製品の対策を確認してください。

1.容器包装に密封

2.pHが4.6を超える

3.水分活性が0.94を超える

ボツリヌス食中毒対策(1または2を実施してください。)

■対策1【中心部まで十分に殺菌】

 120℃で、4分間加熱する方法、またはこれと同等以上の効力
を有する方法で殺菌する。ボツリヌス菌は非常に熱に強く、100
℃程度では、加熱時間を長くしても殺菌するのは困難です。

■対策2【冷蔵での流通】

 生産から消費まで冷蔵(10℃以下)で管理、・保存し、菌の増
殖・毒素の産出を防止する。

 容器包装の表面に、冷蔵を要する食品である旨の文字を、目立つ
ように、大きさ・色・場所などを工夫して表示する。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002on5w-att/2r9852000002on98.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 メーカーに対しては、いわゆるレトルト殺菌をするか、冷蔵流通
しなさい、ということです。

 消費者向けでは、冷蔵流通している商品について、家庭でも冷蔵
保存をしようという呼びかけですね。レトルト殺菌をしたものは常
温で普通に扱ってよいわけですから。

 さて、以下は国立感染症研究所のサイトの情報です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ボツリヌス症はボツリヌス菌(Clostridium botulinum )等が産
生するボツリヌス毒素によって神経麻痺性の中毒症状がおこる疾患
である。

 ボツリヌス菌は偏性嫌気性の芽胞形成菌で土壌、河川、海洋に広
く存在しており、ボツリヌス菌芽胞が低酸素状態に置かれた時、菌
の発芽・増殖がおこり毒素が産生される。毒素型による分類ではA
〜Gの7種類が知られているが、ヒトの中毒はA、B、E型の毒素
によるものが主で、稀にF型による。

 ボツリヌス毒素は末梢神経細胞末端でのアセチルコリンの放出を
阻害する作用をもち、結果として副交感神経と運動神経が遮断され
る。

 ボツリヌス症は食餌性ボツリヌス症、乳児ボツリヌス症、創傷ボ
ツリヌス症、成人腸管定着ボツリヌス症に分類される。

 1999年4月施行の感染症法では「乳児ボツリヌス症」が全数把握
の4類感染症に定められたが、2003年11月の同法改正で「ボツリヌ
ス症」に変更され、本菌に起因するすべての疾患に対象が広げられ
た。ボツリヌス症を診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届出を
行う義務がある。また、食品が原因の場合は食品衛生法に基づき直
ちに食中毒としての届出も必要である。

■食餌性ボツリヌス症:いわゆるボツリヌス食中毒であり、ボツリ
ヌス毒素に汚染された食品を摂取することによって発病する。

 多くの患者は初期症状で視力の低下、瞳孔散大、複視、眼瞼下垂、
対光反射低下などの視覚異常を訴えるとともに、口内の渇き、嗄声、
腹部の膨満感、吐き気、嘔吐、歩行異常、嚥下困難、便秘、全身の
筋弛緩などの症状を呈する。重症の場合は呼吸筋の麻痺による呼吸
不全で致命的となる。

 原因食品の摂取から発病までの時間は摂取された毒素の量と型に
よるが、数時間〜2日程度である。強力な毒素が原因であるため致
死率は他の食中毒に比べてかなり高い(10〜20%)。

■乳児ボツリヌス症:生後1歳未満の乳児が芽胞を経口摂取するこ
とによって、腸管内でボツリヌス菌の発芽・増殖がおこり、産生さ
れた毒素によって発症する感染型の疾患である。

 1歳未満の乳児が発症するのは、腸内細菌叢が成人とは異なりボ
ツリヌス菌の定着と増殖がおこりやすいためと考えられている。

 症状は便秘傾向にはじまり、全身の筋力低下をきたす。泣き声や
乳を吸う力が弱まり、頸部筋肉の弛緩によって頭部を支えられなく
なる。

 顔面は無表情になり、散瞳、眼瞼下垂、対光反射の緩慢などボツ
リヌス食中毒と同様な症状が現れる。呼吸障害が生じ重症化すると
死に至ることもあるが、乳児ボツリヌス症の致死率は食中毒に比べ
ると低く2%程度である。

■創傷ボツリヌス症:患者の創傷部位でボツリヌス菌の芽胞が発芽
し、産生された毒素により中毒症状がおきる。米国では麻薬常用者
の注射痕からボツリヌス菌の感染がおきた例などがしばしば報告さ
れている。

■成人腸管定着ボツリヌス症:1歳以上の子供と成人でも乳児ボツ
リヌス症と同様に、腸管内でボツリヌス菌が定着、増殖して発病す
ることが報告されている。発症は外科手術や抗菌薬の投与によって
患者の腸内細菌叢の破壊や菌交代現象がおこっている場合に限られ
る。

患者発生状況:

 食餌性ボツリヌス症は1951年に北海道で自家製の「いずし」を原
因とする最初の症例が報告されて以来、いずしや魚類の発酵食品を
原因とする事例が、北海道や青森などの北日本を中心として1980年
代前半までは毎年数件報告されていた。

 その後食餌性ボツリヌス症の発生は散発的となり、2000年以降は
報告がなかったが、2007年4月に岩手県で自家製鮎いずしによるボ
ツリヌス食中毒事例(患者1例)が発生した。

 いずしによるボツリヌス食中毒の原因毒素型はE型のみが報告さ
れている。いずし以外の原因食品は

・輸入瓶詰キャビア(1969年宮崎、B型、患者23例、死亡3)、

・辛子粉に起因する真空パックのカラシレンコン(1984年14都道府
県、A型、患者36例、死亡11)、

・輸入オリーブ瓶詰(1998年東京、B型、患者18例)、

・真空パックハヤシライスソース(1999年千葉、A型、患者1例)

などによる事例があり、A、B型毒素によるものが多い。

 一方、乳児ボツリヌス症は、1986年の千葉県の最初の症例から20
08年1月現在まで24例の発生報告がある。わが国では発生頻度の低
い疾患だが、感染症法施行後7例の届出があり、2005年以降は毎年
2例ずつ発生している。

 1990年以前はハチミツが原因食品と考えられる症例がほとんどで
あったが、乳児にハチミツを与えることの危険性が周知されたこと
もあり、近年はハチミツ摂取歴のない症例のみになっている。

 このうち原因が特定できたものは、2004年東京での自家製野菜ス
ープが原因とされたE型毒素を産生するC. butyricum による症例
と2006年に宮城県で発生し患者自宅の井戸水が感染源とされた症例
である。

 原因特定ができないことは現在の乳児ボツリヌス症の問題の一つ
であり、予防のためにも、本症の発生時には食品に加えてハウスダ
ストなど居住環境からの菌の検索も行い、原因を特定することが望
まれる。

 乳児ボツリヌス症の原因毒素型はA、B型が多く、土壌にこれら
の菌型が多い外国から、輸入食材などに芽胞が付着して持ち込まれ
ている可能性も考えられる。

 創傷ボツリヌス症と成人腸管定着ボツリヌス症の国内での発生報
告はない。

 上記のように日本ではボツリヌス症はまれな疾患だが、米国では
年平均100例程度の発生が見られ、約7割が乳児ボツリヌス症であ
る。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/336/tpc336-j.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 昔、レトルトパウチの商品を扱っていて、メーカーから製造はで
きているが出荷できない、という連絡をもらったことがあります。

 そのメーカーの自主基準では、レトルト殺菌をした商品はいった
ん常温保管し、数日後にボツリヌス菌の繁殖がないことを確認して
からしか出荷しないことになっていたのです。

 レトルト殺菌というのは加圧釜に入れて殺菌するもので、加圧す
ることによって120℃以上の高温にします。缶詰やレトルトパウ
チはこうして作られているのですが、特にレトルトパウチと真空パ
ック食品は間違えられやすいので、こうした注意喚起がおこなわれ
たようです。

 ボツリヌス菌についてまとめると、以下のような特徴があります。

(1)土壌細菌なので、どこにでもいると考えられる。(幸い、日
本には毒性の強いものは少ないらしいですが。)

(2)毒素産出型の食中毒菌である。ボツリヌス菌毒素は最強の毒
素といわれ、非常に危険なものである。(1グラムあれば100万
人死ぬとかいう話もあります。)

(3)毒素は熱に弱いので、食べる前に加熱すれば安全です。

(4)菌も加熱で比較的簡単に死にます。ただし、状況が悪くなる
と「芽胞」と呼ばれる耐久性の高い状態になって、これは加熱して
もなかなか死なず「120℃で、4分間加熱」が必要とされていま
す。このためには通常の加熱方法ではなく、レトルト釜が必要です。

(5)酸素があると繁殖しないので、密封容器入のものの方が危険
です。

(6)pHが4.6以下の酸性では繁殖しません。また水分活性が
0.94以下の乾燥または自由水のない環境でも繁殖しません。し
たがって、食品の種類によってはボツリヌス菌に対して安全なもの
もあります。

(7)冷蔵(10℃以下)でも繁殖しません。したがって、水分が
十分あり、酸性の弱い食品を、真空パックにしたものは(レトルト
殺菌をしない限り)冷蔵流通させるべきです。

(8)ただし、乳児や特殊な状況の元で、ボツリヌス菌が食品中で
繁殖することなしに、芽胞が直接体内に入ることで感染を引き起こ
すことがあるので、特別に注意が必要です。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 先日生まれた私の孫にも、蜂蜜などを食べさせてはいけない、と
言わなければ…。と思っていたら、その子の父親は保健所に勤める
獣医で、以前は食監(食品衛生監視員)をやっていたのですから、
私が出る幕じゃなかったりします。

 土曜日はその孫がやってきました。やはり可愛いですね。このと
ころの体調不良がようやくましになってきたこともあり、ずっと抱
いていたりしました。でも、もう4日も酒を飲まずにいるのは何年
ぶりのことでしょうか。いっそ酒もやめてしまおうかなどという気
もしています。

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