安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>675号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------675号--2012.10.14------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「浅漬食中毒事件の報告書」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 食べ物とは関係ないのですが、ちょっと不思議なニュースがあり
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■<家電エコポイント>会計検査院 CO2排出量は増加と試算

 省エネ性能が高い家電製品を普及させるため実施された国の「家
電エコポイント制度」について、会計検査院は11日、制度の目的
とは逆に二酸化炭素(CO2)排出量が年間で約173万トン増え
たとする試算をまとめ、国会に報告した。制度をきっかけに新しく
家電を購入した消費者が多く、その分CO2排出量が増えたとして
いる。これに対し、制度を推進した環境省は「極端な仮定だ。制度
の効果を短期的にしか評価していない」と強く反発している。
【古関俊樹、藤野基文】

 エコポイント制度は09、10年度に地球温暖化対策や経済活性
化などを目的に、環境、経済産業、総務3省が実施。省エネ効果が
高い家電3品目(エアコン、冷蔵庫、地デジ対応テレビ)を購入す
るとポイントがもらえ、商品券などと交換できた。環境省は昨年6
月、削減効果は年間約270万トンと発表している。

 検査院は家電の購入状況から、CO2排出量を独自に試算した。
その結果、CO2が最も増えたのがエアコンで、期間中に購入され
た約737万台のうち、買い替えは約335万台にとどまり、新規
購入された約402万台が排出する約243万トンを全て「純増」
と判断した。

 エアコンが1台しかなかった家庭が、制度をきっかけに2台目を
購入したケースなどが想定されるという。冷蔵庫とテレビでは買い
替えが新規需要を上回り、これらを含めた全体では約173万トン
の増加と試算した。

 購入価格に応じてポイントがつくため、消費者が通常より大型の
製品を選択する傾向があったという。一回り画面が大きいテレビや
容量が多い冷蔵庫が買われ、結果的に消費電力の大きい製品の購入
が促されていたと判断した。検査院は「制度は経済活性化などに役
立ったが、商品の新規購入や大型化で消費電力が増えることも踏ま
え実施を検討する必要があった」と指摘した。

http://mainichi.jp/select/news/20121012k0000m040098000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 エコポイントが目的を果たしていないという、会計検査院の指摘
です。でも、自宅で新聞を読んだ方の大半が、あれっ?と思われる
のではないでしょうか。

 上の引用は毎日新聞の記事です。その他の新聞では、だいたいこ
んな記事になっていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■家電エコポイント、CO2削減量は試算の10分の1

 薄型テレビやエアコンなどを対象にした「家電エコポイント制度」
を巡り、会計検査院は11日、省エネ家電の普及により二酸化炭素
(CO2)の年間排出量を21万トン削減できたとする試算をまとめ、
国会と内閣に報告した。制度によるCO2の削減効果を273万トンと
した環境省の試算の10分の1以下の数値で、検査院は「環境省の評
価は過大」と指摘した。

 環境省などが今年6月に公表した試算では、各家電の平均的な使
用年数を基に、消費者がエアコンや冷蔵庫を14年前、テレビを11年
前の機器から買い替えたと想定。従来機器を使い続けた場合と比べ、
年間で264万2300トンのCO2を削減できたとした。また新規購入分
として、省エネ性能が標準的な現行の機器と比べ8万7700トンの削
減効果があるとした。

 検査院はこの試算方法について、買い替えのケースで省エネ家電
との比較の対象にした11〜14年前の機器は「エコポイント制度が無
くても買い替えられたと想定される」と指摘。比較対象を標準的な
現行機器として算定し直した結果、買い替え分の削減効果は13万ト
ンで、新規購入分と合わせても21万トンにとどまった。

 CO2の削減効果を巡って環境省は事業開始当初の2009年6月に
年間400万トンとする試算を公表。だがその後、全消費者が1995年
製の機器から買い替えるという不自然な想定や、算定根拠の資料が
廃棄されたなどの問題が発覚した。今年3月の事業終了にあたり手
法を見直した上で273万トンとしていた。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1102K_R11C12A0CC1000/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上の記事は日経新聞ですが、読売も朝日も、似たような内容です。

 「効果が1/10」と「増加」では結論が全く違います。毎日新
聞だけが「増加」と報道しているようです。またやってしまったか
と思い、会計検査院の報告を見てみました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■二酸化炭素削減効果

 3省は、政策効果において、エコポイント事業による省エネ家電
製品の普及に伴う二酸化炭素削減効果を年間273万tとしている。

 この273万tについての算出方法は公表されていなかったが、会計
検査院に対する環境省の説明によると、エコポイント対象製品の台
数を製品の出荷台数とするなどした上で、

(1)買換え分については、エコポイント事業により、継続して使
用される従来型機器の平均的な使用年数から消費電力量を算出して、
エコポイント対象製品と従来型機器との消費電力量の差分を削減効
果とした。また、

(2)新規購入分については、エコポイント事業により、標準的な
機器が購入されるはずだった代わりにエコポイント対象製品が購入
されたと仮定した上で、エコポイント対象製品と当該標準機器との
消費電力量の差分を削減効果としたとしていた。その結果、エコポ
イント事業の効果として1年当たりで273万tの二酸化炭素削減効果
があったとしていた。

 環境省は、上記の考え方について、二酸化炭素排出量の削減効果
を測る際に世界標準として用いられているGHGプロトコルの考え
方と整合しているとしている。しかし、GHGプロトコルの考え方
によると、買換えの場合に、エコポイント対象製品と現在使用して
いる製品とを比較するためには、プロジェクトがなければ現在使用
している製品が引き続き使い続けられたであろうことを説明できな
ければならないこととされている。

 そして、同省が上記(1)で算出に用いた従来型機器は、平均的
な使用年数分を遡った年度に製造された家電3品目であり、このよ
うな機器は、二酸化炭素削減効果の算出段階において、既に平均的
な使用年数が経過していて、エコポイント事業が行われなくとも買
換えが想定されるものであり、当該事業が行われなければ引き続き
使い続けられたとの説明はできないものと思料される。

 そこで、会計検査院は、エコポイント事業に係る二酸化炭素削減
効果を求めるに当たっては、買換え分と新規購入分とを同じ考え方
に基づいて算出することが妥当と考え、買換えの場合及び新規購入
の場合にエコポイント対象製品と対比する場合は、エコポイント事
業実施当時の標準的な機器とし二酸化炭素削減効果を試算すること
とした。

 そして、会計検査院が二酸化炭素削減効果を試算すると、買換え
分は13万t、新規購入分は7万tとなるため、これらを合わせた計21
万tがエコポイント事業による二酸化炭素削減効果であった。

http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/24/pdf/241011_youshi_1.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 やっぱり日経新聞の記事のとおりで、毎日のは誤報のようです。

 と思ったら大間違いで、上の報告には続きがあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

■エコポイント事業の実施に伴う二酸化炭素排出量の増減

 3省は、エコポイント事業を実施したことに伴う二酸化炭素排出
量の増減の実績については算出していない。

 そこで、会計検査院において、エコポイント事業の実施前後にお
ける二酸化炭素排出量を比較して増減の実績を試算することにした。
試算に当たっては、増減理由が全てエコポイント事業の実施に伴う
ものと特定できないものの、可能な限り客観的な数値を取り入れる
こととした。すなわち、エコポイント対象製品の買換え及び新規購
入は、エコポイント事業が実施されなくても行われたと考えられる
こと、エコポイント事業が実施されなければ実際より消費電力量が
低い小型のエコポイント対象製品を購入したとも考えられることな
ど不確実な事項が想定されるが、エコポイント対象製品は、買換え
の場合には従来型機器に比べ消費電力量が減少するが、新規購入分
は純増になると考え、仮定条件を設定して試算することにした。

 この算出方法により求められた二酸化炭素排出量の増減の値は、
後年における使用家電の更新等により、変動することになるが、こ
こで算出した値は、最大値を示していて、二酸化炭素排出量の増減
を試算は、表3のとおりであった。

表3(略)

合計 173万t増加

http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/24/pdf/241011_youshi_1.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 表は省略しますので、現物を見てください。その表の合計欄に、
はっきりと「173万t増加」と書いています。

 つまり、会計検査院は「エコポイント事業の実施に伴う二酸化炭
素排出量の増減」について、「173万t増加」であったと結論してい
るわけです。

 ややこしいのですが、エコポイント制度によって省エネ家電に誘
導した効果が21万トンの削減であったのに対して、エコポイント
制度実施による消費拡大効果まで含めた全体での排出量は173万
トン増加したということです。

 同じ金額を一律にバラまいたとすれば194万トン増加していた
だろうというのが背景にあるので、「削減効果」もゼロではないわ
けです。しかしこれは木を見て森を見ずの類でしょう。

 毎日新聞の記事だけが正しくて、他の新聞記事は、記事の一部だ
けを取り出して、「逆効果であった」という結論を、「効果が弱か
った」という結論にすり替えた、意図的な誤報であろうと思います。

 「意図的な誤報」というのは要するに「捏造記事」である、とい
うことです。そうまでして官庁に媚びを売りたいのでしょうね。

 ちなみに「3省」とは「環境省、経済産業省、総務省」です。3
省合計で6929億円をかけて、173万トンの二酸化炭素を増や
したのは、税金の無駄遣いであろう、というのが会計検査院の指摘
です。

 エコポイント制度を、二酸化炭素排出量の面から見れば、この結
論は変わりません。ただ、エコポイント制度を需要創出による景気
対策であると考えた場合は効果はあったのだと思います。

 経済政策を環境政策と言いくるめるやり方が批判されているのだ
と私は理解しています。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「浅漬食中毒事件の報告書」
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 この夏に騒ぎになった、北海道の浅漬食中毒事件について、中間
報告書が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒・食品規格合同部会 
配付資料

資料1 札幌市内の営業者が製造した浅漬による腸管出血性大腸菌O
157食中毒事件の調査概要(中間報告)(平成24年9月24日現在)

■原因の究明

 E社に対する聞き取り調査の結果から、殺菌工程において塩素濃
度のチェックや次亜塩素酸ナトリウムの追加を一切行っていなかっ
たことが判明しており、白菜きりづけの製造工程や食品の取扱方法、
殺菌工程における塩素濃度の状況などを確認し、原因を究明するた
め、製造施設において再現試験を実施した。

(1) 実施日

・平成24年9月7日(金)〜平成24年9月8日(土)の2日間

(実際の製造工程は延べ4日間であるが、工程毎にまとめて時間短
縮するとともに、漬込みのための時間確保により2日間とした)

(2) 再現試験の概要

・製造量については、7月28日に漬込んだ白菜きりづけの漬上り量
である約300kgを想定して、次の原材料を使用して実施した。

1.白菜 約 400kg
2.胡瓜 約 30kg
3.人参 約 20kg
4.キャベツ 約 260kg
(白菜の殺菌工程前にキャベツが処理されていたため実施)

・製造工程に沿ってE社の作業従事者により実施した。

9月7日の作業従事者 7名
9月8日の作業従事者 8名

・製造工程の各段階(原料野菜、殺菌槽、殺菌後の野菜、袋詰後の
製品など)において検体を採取し、札幌市保健所及び札幌市衛生研
究所において、次の細菌及び理化学検査を実施した。

1.殺菌槽の塩素濃度
2.原料野菜、漬込み中の食品、製品、使用水等の温度
3.原料野菜、殺菌後の野菜、製品等の生菌数、大腸菌群、E.coli
及び 腸管出血性大腸菌O157

4.漬込み中の食品や製品のpH、酸度、塩分濃度
5.設備器具類のATPふき取り検査

(3) 結果の概要

■製造工程に関すること

・殺菌前の原材料を取扱う汚染区域と殺菌後の原材料を取扱う非汚
染区域の区分が不十分であった。

・入室の際に殺菌のための長靴用殺菌槽がなかった。

・同一のものが多数ある樽や蓋、ザル、漬け石は、用途別に区分し
ていなかった。

・微生物に汚染されている可能性がある原材料納品時のダンボール
箱が、そのまま製造室に持ち込まれていた。

・選別工程において、一番外側の葉(おにっぱ)を取り去り4分割
された白菜を、一番汚れているおにっぱの上に置き、更に元ダンボ
ール箱に戻して保管していた。

・原材料や殺菌前の野菜を触った手で、殺菌後の野菜を扱っていた。

・床面に直置きしていた給水用ホースを、洗浄しないで樽に直接入
れて給水していた。

■器具等の洗浄・殺菌に関すること

・製造工程中で使用したザル、柄杓、まな板、包丁は当日の作業終
了後に洗剤で洗浄し、次亜塩素酸ナトリウムで殺菌されていた。

・漬樽は、洗剤や次亜塩素酸ナトリウムを使用せずに、床に倒して
水洗いのみを行っていた。

・洗浄した器具類を床から20〜30cmのところで保管していた。

・床に直置きしていた樽を重ねて保管し、使用時は水洗いのみで行
っていた。

■殺菌工程及び細菌検査に関すること

・殺菌用の次亜塩素酸ナトリウムの調整は目分量で行い、調整初期、
殺菌途中での塩素濃度の測定や次亜塩素酸ナトリウムの追加を行っ
ていなかった。

・殺菌槽の塩素濃度は、殺菌槽1が250mg/Lからキャベツ殺菌後に
220mg/L、白菜殺菌後に100mg/Lとなり、殺菌槽2が210mg/Lからキャ
ベツ殺菌後に185mg/L、白菜殺菌後に95mg/Lとなった。

・白菜について、生菌数は、殺菌により100分の1〜1,000分の1に
減少したが、同じ殺菌槽で殺菌を繰り返すと、菌数が増加する傾向
を示した。

・白菜について、大腸菌群は、殺菌により陰性となったが、殺菌後
の白菜や漬込み中の白菜、浅漬の一部で検出された。

・白菜について、E.coliは、おにっぱから検出されたが、殺菌後の
検体や製品からは検出されなかった。

・人参について、殺菌により生菌数が減少し、大腸菌群は陰性とな
った。また、E.coliは検出されなかった。

・胡瓜について、殺菌前、殺菌後及び漬込み前のいずれも生菌数は
10万/g以上となり、大腸菌群はいずれも検出された。また、E.coli
は検出されなかった。

・腸管出血性大腸菌O157は、原材料、製品など全ての検体から検出
されなかった。

■その他の検査結果に関すること

・漬込み中及び包装された製品のpH、酸度、塩分濃度は、pH6.1 酸
度0.00% 塩分濃度1.9%であり、漬込み後7日間に渡る経時変化を
見たところ変化はなく、またこの間、生菌数や大腸菌群の増加もな
かった。

・ATPふき取り検査を実施した結果、地下水用の給水ホースが10,000
RLUを超えるなど汚染度が高かった。胡瓜に使用された樽や殺菌済み
のまな板、腕ぬきも10,000 RLUを超えるなど汚染度が高かった。

■温度管理に関すること

・原材料用の冷蔵庫は、3.6〜5.3℃に保たれていた。

・漬込み用の冷蔵庫は、1.7〜3.9℃に保たれていた。

・製造室は、エアコンにより17.1〜19.4℃に保たれていた。

(4) まとめ

・製造室内で汚染区域(殺菌工程前の作業区域)と非汚染区域(殺
菌工程以降の作業区域)が区分されていなかったことから、各工程
で微生物による汚染の可能性がある。

・殺菌時の次亜塩素酸ナトリウム液の調整を目分量で行っていたこ
と、殺菌工程中に塩素濃度が減少していたにもかかわらず濃度測定
や次亜塩素酸ナトリウムの追加を行っていなかったことから、原材
料の殺菌に不備があった可能性がある。

・樽を洗浄する際、洗剤や次亜塩素酸ナトリウム液を使用せず水洗
いのみで行っていたことなど、器具類の洗浄・殺菌方法に不備があ
り、微生物が残存した可能性がある。

・樽、蓋、ザル等の器具類について用途分けされておらず、水洗い
された原材料が殺菌工程を通らないで製造されていた可能性がある。

・床に直置きした給水ホースをそのまま使用して樽に給水していた
こと、包装工程の近くで樽などの洗浄作業が行われ、はね水が製品
を汚染した可能性があることなど、作業従事者の衛生管理意識が不
十分であった。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002kxlb.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これを読んでいると、非常に衛生的には悪い状態だったことがう
かがわれます。

 しかし、こういう工場はごく普通のレベルで、きちんとした衛生
管理が行われている工場は全体としては少ないことは忘れてはいけ
ません。

 日本の食品工場の衛生レベルは決して高くないことが、こういう
調査報告を読んでいてわかることです。国産なら大丈夫などという
のは根拠のない思い込みです。

 そんな状況の中、「漬物の衛生規範」の改正が検討されていて、
以下のような内容だそうです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「漬物の衛生規範」の改正について(案)

1.概要

 「漬物の衛生規範」については、昭和56年に漬物の衛生確保を図
る観点から通知したものである。

 今般、8月に札幌市等で発生した浅漬による腸管出血性大腸菌O1
57の食中毒事件を踏まえ、同様の食中毒の発生の防止を図る観点か
ら、「漬物の衛生規範」の改正を行う。

2. 主な改正の内容

 浅漬は、加熱工程がないことから、製造の過程で十分な殺菌をす
ることができない。従って、原料から製品までの一貫した衛生管理
が必要であることから、「漬物の衛生規範」に次の内容を追加する。

(1)浅漬の原材料は、低温(10度以下)で保管すること。

(2)浅漬の製造に当たっては、次のことに留意すること。

1.各工程において、微生物による汚染、異物の混入がないよう取
扱うこと。

2.原材料は飲用適の水を用い、流水で十分洗浄すること。

3.半製品の保管及び漬け込みの際は、低温(10度以下)で管理し、
確認した温度を記録すること。

4.次のいずれかの方法により殺菌を行うこと。

 次亜塩素酸ナトリウム溶液(100mg/Lで10分間又は200mg/Lで5
分間) 又はこれと同等の効果を有する次亜塩素酸水等で殺菌した後、
飲用適の流水で十分すすぎ洗いする。塩素濃度の管理を徹底し、確
認を行った時間、塩素濃度及び実施した措置等を記録すること。

 75度で1分間、加熱する。温度管理を徹底し、確認を行った時間、
温度及び実施した措置等を記録すること。

5.漬込み液(漬床を除く。)は、その都度交換し、漬込みに用い
た器具・容器の洗浄、消毒を行うこと。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002kxlb-att/2r9852000002kxr7.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ポイントは「次亜塩素酸ナトリウムで殺菌すること」という一点
のみのようですね。

 ところで、こんな報告が出ています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 平成24年10月4日、和泉保健所が下記製造所に立ち入りした
際、食品添加物である亜塩素酸ナトリウムを対象食品以外に使用し
た疑いのあることが判明しました。和泉保健所が調査したところ、
本来、亜塩素酸ナトリウムを使用してはいけない下記3食品に対し、
使用していたことが判明したことから、製造所に対し当該品の回収
を命じましたのでお知らせします。

1.違反食品

 商品名 : 一夜漬白菜漬
 商品名 : 胡瓜漬
 商品名 : 白菜きゅうり

2.製造所

 北村食品株式会社 代表取締役 北村 節子
 (所在地)大阪府和泉市伏屋町3丁目22−5
 (業種)食品製造業(漬物)
 
3.違反内容
 食品衛生法第11条第2項違反<食品添加物(亜塩素酸ナトリウ
ム)の対象外使用> 

参考

○亜塩素酸ナトリウムは、漂白や殺菌の目的で使用されている食品
添加物です。かずのこの加工品(干しかずのこ及び冷凍かずのこを
除く。)、かんきつ類果皮(菓子製造に用いるものに限る。)、さ
くらんぼ、生食用野菜類、卵類(卵殻の部分に限る。)、ふき、ぶ
どう及びもも以外の食品に使用してはいけません。また、使用した
亜塩素酸ナトリウムは、最終製品の完成前に分解し、又は除去しな
ければいけません。

http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=11588
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 塩素による消毒を勧める話を読んだばかりですので、どうしたこ
とかと思いますが、「次亜塩素酸ナトリウム」と「亜塩素酸ナトリ
ウム」の違いなんですね。

過塩素酸ナトリウム  NaClO4
塩素酸ナトリウム   NaclO3
亜塩素酸ナトリウム  NaClO2
次亜塩素酸ナトリウム NaClO
塩化ナトリウム    NaCl

 広く野菜などの殺菌に使われるのは「次亜塩素酸ナトリウム」の
方です。でも、「生食用野菜」に使ってもよいのに、漬物原料に使
ってはいけないというのも、意味のわからない話です。

 さて、ドイツで大規模な食中毒事件が起こっています。まず、こ
んなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

子供4000人が食中毒=ドイツ

 【ベルリン時事】ドイツ東部の4州で25日夜以降、下痢や吐き
気など食中毒の症状を訴える児童・生徒が相次ぎ、ロベルト・コッ
ホ研究所によると、28日までに4000人以上に達した。保健当
局は給食が原因とみて調べている。

 発症者が出たのはベルリン、ブランデンブルク、ザクセン、テュ
ーリンゲンの各州の学校で、いずれも同じ業者が給食を納入してい
るという。業者は「発症者が出たのは供給先の学校の5%未満にす
ぎない」として、因果関係を否定している。(2012/09/28-22:28)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201209/2012092801118&rel=j&g=int
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 患者数はどんどん増えていきます。また原因物質も特定されてき
たようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

中国産冷凍イチゴが原因=食中毒の患者1万1000人に−ドイツ

 【ベルリン時事】ドイツ東部のベルリンなどで発生した児童・生
徒の集団食中毒で、ロベルト・コッホ研究所は9日までに、中国か
ら輸入した冷凍イチゴが原因と突き止めた。保健当局の検査で、イ
チゴからノロウイルスが検出された。

 東部の5州では9月下旬、1万1000人以上が下痢や吐き気な
どの異常を訴え、同国最大の集団食中毒に発展した。今週に入って
からは新たな患者は出ていない。

 保健当局によると、イチゴは冷凍された状態で輸入され、食材業
者が給食用として学校に納入した。冷凍後にノロウイルスが混入し
た痕跡はないという。調理時に十分に加熱した学校では患者は出な
かったが、加熱が不十分だった学校で食中毒が発生した。
(2012/10/10-07:16)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201210/2012101000087&rel=&g=
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 原因物質もわかり、また被害の出た学校と出なかった学校の違い
も説明されています。やはり中国産か…ということになりましたが、
例によって中国側はこんな対応をしています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

冷凍イチゴからウイルス検出せず=ドイツ食中毒で中国が反論

時事通信 10月12日(金)0時5分配信

 【北京時事】中国の国家品質監督検査検疫総局は11日、ドイツ東
部で発生した児童・生徒の集団食中毒の原因とされた中国産の冷凍
イチゴについて、輸出した山東省の食品会社に残されたサンプルを
調べたところノロウイルスは検出されなかったと発表した。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121012-00000002-jij-int
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 謝ったら負け、というのが中国式ですので、いつもこんな調子で
す。でも、これではいつまでたっても中国がまともに相手してもら
える日は来ないです。

 以下のような記事は、偏見に基づく言いがかりともいえますが、
中国側の態度がこれでは正当な評価に見えてくるというものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 香港に隣接する中国広東省にある陽江のティラピア養殖場では経
営者のチェン・キアン氏が餌の一部として数百匹の豚やガチョウの
ふんを与えている。米ジョージア大学食品安全センターのディレク
ター、マイケル・ドイル氏は、このような慣行は米国の消費者にと
って危険だとの見方を示す。

 「中国人が魚の餌として利用する肥料はサルモネラ菌のような細
菌に汚染されている場合が多い」。中国での食品媒介疾患について
研究しているドイル氏はこう述べた。

 米国で消費される魚介類の約27%が中国産。米食品医薬品局(F
DA)によると、同局が検査する中国からの輸入魚介類は汚染され
ていることが多い。検査対象は輸入食品の約2.7%にすぎない。同
局の記録によると、ベトナム産魚介類のうち検査で不適格となった
貨物は2007年以降1380件で、このうちニョク・シン産は81件。中国
産では07年以降820件で、汚染されたティラピア187件が含まれてい
る。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MBPPHT6JTSEK01.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本は幸いにして、こういう言いがかりをつけられることは少な
いです。これはどちらかというと、日本という国に対するイメージ
がよいせいです。しかし実態の方はそれほど差がないところもある
のではないか、と少し心配になりますね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 中国での日本製品輸入へのいやがらせはやはり本当に行われてい
るようです。上からの指示なんだそうですが、やはり中国はお子様
国家なんですね。困ったものです。

 いつも行っている医者で、胸が少し痛いと言ったら、緊急用だと
言ってニトログリセリンをくれました。一度試してみましたが、非
常によく效きます。なんだか本物の病人になった気分です。

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