安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>670号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------670号--2012.09.09------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「Q&A」「米国産牛肉の輸入規制」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 「生レバー」に関して、こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 7月1日に生食用の牛生レバー(肝臓)の販売・提供が全面禁止
されてから2カ月、石川県内には今もレバ刺しを出し続ける店があ
る。違反者には懲役や罰金が科されるが、表向きは「焼き肉用」と
して常連客にだけ提供するため、取り締まりは難しいのが現状だ。
「提供店舗が明らかになっても店側が認めなければ違反とするのは
困難」(金沢市保健所)で、行政サイドは「脱法レバ刺し」に手を
焼いている。

 8月下旬、金沢市内の焼き肉店。家族連れでにぎわう店内の一角
で、常連客の男性が店員に耳打ちした。「例のあれ、お願いします」。
しばらくすると、薄くスライスされた赤黒い光沢を放つ生レバーが
運ばれてきた。

 店員は「焼いてお召し上がりください」と言って皿を置いたが、
男性客は生のままでレバーを頬張り、満足そうに笑みを浮かべた。

 「レバ刺しを出す店があることは、うわさで聞いている。ただ、
現場を押さえるのは難しい」。金沢市保健所の担当者はこう話す。

 同保健所によると、刺し身用も焼き肉用も使われるレバーは基本
的に同じ。熱を通せば安全性に問題はないため、焼く前提で提供す
ることは禁止されていない。

 こうした特徴を利用し、隠れてレバ刺しを出す悪質な店が現れた。
常連客と暗黙の了解で、生でも食べられる新鮮なレバーを「焼き肉
用」として提供。仮に発覚しても「客が自分の判断で焼かずに食べ
た」と言い逃れれば、行政サイドに打つ手はない。

 金沢市保健所は店と消費者双方に生食の危険性を認識してもらう
ほかないとし、「周知と注意喚起を徹底していく」(衛生指導課)
としている。

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20120904102.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この手の話は禁止された当初からありました。代表的なのはこん
な記事です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 6月26日、ツイッターで「脱法レバ刺しきたーー!!」という文
章とともに、ある韓国料理店の張り紙の画像が投稿された。張り紙
には、

「巷では7月からレバー刺しの提供について騒がれておりますが、
●●(店名)は従来の『鮮度、肉質、盛り付け』と全く変わる事無
く、これからもご提供し続けます!!ただ、7月以降はテーブル上
で焼いてお召し上がり頂けるようにコンロを設置させて頂きます。
また、メニュー名が『レバー刺し』から『レバー』に生まれ変わり
ます」

と書かれている。

(略)

 厚生労働省の基準審査課に問い合わせたところ、「牛の生レバー
は食中毒のリスクがあるから加熱して提供すること、もし生で食べ
る人がいたら注意をすること」と定めているので、それを順守して
いない飲食店は指導の対象になるという。「コンロは設置したから、
焼くも焼かぬも客の自由」という言い訳は通用しなさそうだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/6721313/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こんなことを言っている店でものを食べること自体、やめておい
た方がよさそうですね。

 生レバー禁止に関しては、余計なお世話だという意見も根強くあ
ります。私は禁止には賛成なのですが、こんなことをやっている人
の生命まで守る必要があるのかどうかは疑問に思います。

 馬鹿は死ななきゃ治らない、とあきらめて自業自得ということに
した方が簡単なのでは?と思うのですが、いかがでしょうか。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.立秋を過ぎ、待望の北海道産トウモロコシが売られるようにな
ったので喜んで買ったのですが、新鮮ではなく、部分的に実の根元
の部分が少し黒くなっていました。が、実の表面は若干色が悪いぐ
らいだったので食べてしまいました。食べてから心配するのもどう
かと思いますが、トウモロコシといえばアフラトキシンという発ガ
ン毒が有名です。日本ではないといわれましたが、皆無ではないよ
うですし、ちょっと気になります。アフラトキシンは食べたら10年
後ぐらいに肝臓がんになってしまうのでしょうか。

------------------------------------------------------------

A.「皆無ではない」というのは、「ない」ということを完全に証
明することはできないので、そういう表現になっていますが、北海
道でアフラトキシン産出性のカビが繁殖することはないと思います。

 アフラトキシンは強力な発ガン性物質ですが、必ず発ガンして死
に至る毒薬のようなものでもありません。

 ご質問を読んで、昔マンガであった「七年ゴロシ」などというギ
ャグを思い出しましたが、そんなものではないと思います。

 さて、ご質問内容にぴったりの情報が下記のところにありました。
まず間違いなくこれでしょうね。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

相談事例集

事例 15

トウモロコシの粒の付け根が黒い

(写真あり)

 トウモロコシの茎に近い部分が黒くなっている粒があった。これ
は何か。

回答内容

 スイートコーンの生理現象「ブラックレイヤー」と思われる。

 熟期を過ぎると粒の付け根の部分の細胞が変色し黒い層(ブラッ
クレイヤー)を作るが、植物の生理現象のため、食べても問題はな
い。このブラックレイヤー形成初期が最も収穫に適した時期といわ
れてる。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/itiba/soudan/tomorokoshi/index.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「米国産牛肉の輸入規制」
------------------------------------------------------------

 こんなニュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 米国産牛肉の輸入規制の緩和について検討してきた内閣府食品安
全委員会のプリオン専門調査会は5日、「月齢20カ月以下」として
いた従来の制限条件を改め、「30カ月以下」にしてもよいとする評
価結果を出した。規制が緩和されれば7年ぶり。

 米国産牛肉の輸入は、政府が2003年12月に米国で牛海綿状脳症
(BSE、狂牛病)感染牛が確認されたことを受けて禁止したが、
05年に月齢20カ月以下の牛に限り輸入を再開した。「30カ月以下」
への規制緩和は検疫業務を所管する厚生労働省が昨年12月、緩和し
た場合のリスクについて食品安全委員会に諮問していた。

 プリオン専門調査会は、BSEの原因となる異常プリオンタンパ
ク質についての国内外の研究グループの感染実験データや、飼料規
制の実効性、BSEの発生状況などを確認し議論を続けてきた。そ
の結果、安全性に問題はないと評価した。

 同調査会の資料によると、世界のBSE感染牛の発生数は1992年
の3万7316頭をピークとして、その後は大幅に減少しており、10年
は45頭、11年は29頭にとどまっている。発生原因と考えられる感染
牛の肉や骨が混入した「肉骨粉」の飼料への使用を規制したことな
どが功を奏した。

 農林水産省によると、日本の11年の米国産牛肉の輸入量は12万684
トンで豪州に次いで2位。米国でBSE感染牛が確認された03年の
26万7583トンから55%減少している。一方、豪州産の輸入量は33万
9538トンと28万4365トンから19%増加した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120905-00000038-bloom_st-bus_all
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 BSEの話も久しぶりですが、日本での発生状況をおさらいして
みると、こんな推移になっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

  確認年月 生年月  月齢 品種性別 生産地 飼育地 備考

1  2001. 9 1996. 3 64月 H メス 北海道 千葉県
2  2001.11 1996. 4 67月 H メス 北海道 北海道
3  2001.12 1996. 3 68月 H メス 群馬県 群馬県
4  2002. 5 1996. 3 73月 H メス 北海道 北海道
5  2002. 2 1995.12 80月 H メス 神奈川 神奈川
6  2003. 1 1996. 2 83月 H メス 北海道 和歌山
7  2003. 1 1996. 3 81月 H メス 北海道 北海道
8  2003. 9 2001.10 23月 H 去勢 栃木県 福島県
9  2003.10 2002. 1 21月 H 去勢 兵庫県 広島県
10 2004. 2 1996. 3 95月 H メス 神奈川 神奈川
11 2004. 3 1996. 4 94月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
12 2004. 9 1999. 7 62月 H メス 熊本県 熊本県
13 2004. 9 1996. 2 103月 H メス 北海道 奈良県
14 2004.10 2000.10 48月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
15 2005. 2 1996. 8 102月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
16 2005. 3 1996. 3 108月 H メス 北海道 北海道
17 2005. 4 2000. 9 54月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
18 2005. 5 1999. 8 68月 H メス 北海道 北海道
19 2005. 5 1996. 4 109月 H メス 北海道 北海道
20 2005. 6 2000. 8 57月 H メス 北海道 北海道
21 2005.12 2000. 2 69月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
22 2006. 1 2000. 9 64月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
23 2006. 3 2000. 7 68月 H メス 北海道 北海道
24 2006. 3 1992. 2 169月 K メス 長崎県 長崎県
25 2006. 4 2000. 4 71月 H メス 北海道 岡山県
26 2006. 5 2000. 8 68月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
27 2006. 5 2000. 8 68月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
28 2006. 8 1999.11 80月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
29 2006. 9 2000. 6 75月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
30 2006.11 2001. 6 64月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
31 2006.12 1999.11 84月 H メス 北海道 北海道
32 2007. 2 2001. 9 65月 H メス 北海道 北海道
33 2007. 7 2000. 6 84月 K メス 北海道 北海道 死亡牛
34 2007.12 1992. 7 185月 K メス 島根県 北海道
35 2008. 3 2000.10 89月 K メス 北海道 北海道 死亡牛
36 2009. 3 2000. 8 101月 H メス 北海道 北海道 死亡牛

http://www.pref.saitama.lg.jp/site/bse-taisaku/sk-kokunai-bse-hassei.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「H」はホルスタイン種、「K」は黒毛和種を略しています。

 最後のBSE感染牛の確認はもう3年前なのですね。しかもこれ
は死亡した牛ですので、市場に出る可能性のあった牛での確認は5
年前に遡ります。

 この表は確認した日付順になっていますが、牛の生まれた日付の
順に並べると、以下のようになります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

24 2006. 3 1992. 2 169月 K メス 長崎県 長崎県
34 2007.12 1992. 7 185月 K メス 島根県 北海道
5  2002. 2 1995.12 80月 H メス 神奈川 神奈川
6  2003. 1 1996. 2 83月 H メス 北海道 和歌山
13 2004. 9 1996. 2 103月 H メス 北海道 奈良県
1  2001. 9 1996. 3 64月 H メス 北海道 千葉県
3  2001.12 1996. 3 68月 H メス 群馬県 群馬県
4  2002. 5 1996. 3 73月 H メス 北海道 北海道
7  2003. 1 1996. 3 81月 H メス 北海道 北海道
10 2004. 2 1996. 3 95月 H メス 神奈川 神奈川
16 2005. 3 1996. 3 108月 H メス 北海道 北海道
2  2001.11 1996. 4 67月 H メス 北海道 北海道
11 2004. 3 1996. 4 94月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
19 2005. 5 1996. 4 109月 H メス 北海道 北海道
15 2005. 2 1996. 8 102月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
12 2004. 9 1999. 7 62月 H メス 熊本県 熊本県
18 2005. 5 1999. 8 68月 H メス 北海道 北海道
28 2006. 8 1999.11 80月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
31 2006.12 1999.11 84月 H メス 北海道 北海道
21 2005.12 2000. 2 69月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
25 2006. 4 2000. 4 71月 H メス 北海道 岡山県
29 2006. 9 2000. 6 75月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
33 2007. 7 2000. 6 84月 K メス 北海道 北海道 死亡牛
30 2006.11 2001. 6 64月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
23 2006. 3 2000. 7 68月 H メス 北海道 北海道
20 2005. 6 2000. 8 57月 H メス 北海道 北海道
26 2006. 5 2000. 8 68月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
27 2006. 5 2000. 8 68月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
36 2009. 3 2000. 8 101月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
17 2005. 4 2000. 9 54月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
22 2006. 1 2000. 9 64月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
14 2004.10 2000.10 48月 H メス 北海道 北海道 死亡牛
35 2008. 3 2000.10 89月 K メス 北海道 北海道 死亡牛
32 2007. 2 2001. 9 65月 H メス 北海道 北海道
8  2003. 9 2001.10 23月 H 去勢 栃木県 福島県
9  2003.10 2002. 1 21月 H 去勢 兵庫県 広島県

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 こう並べるといろんなことがわかります。まず、1996年と2000年
を二つのピークとして感染が起こっています。また、2000年の方は
北海道限定です。

 最初の1996年頃に肉骨粉として、BSEに汚染された飼料が入っ
てきたのでしょう。2000年頃のは国内で起こった二次感染と思いま
す。

 性別で言うと圧倒的にメスですね。BSEがメス牛に感染しやす
いというのではなく、別の理由と思います。

 長く飼育される牛はほとんどがメス牛です。種牡牛は数が極端に
少なく、多くのオス牛は去勢されて2年程度で食肉になる運命です。

 その中で、上の表の最後の2つだけが去勢牛で、2年以内という
若い牛です。これについて、このサイトではこう解説しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 飼料規制により、牛の肉骨粉の使用が禁止された平成13年10
月以降に生まれた牛は2頭です。

 ただし、この2頭に蓄積された異常プリオン量は、他の感染牛に
蓄積された異常プリオン量と比べて1/500〜1/1,000と、非常に微量
でした。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 いわゆる「非定型」のBSEです。この例については、実際に感
染を確認するテストも行われましたが、感染性はなかったそうです。

 私はこの非定型BSEを自然発生型であると勝手に理解している
のですが、今後も非定型BSEは発見される可能性があります。し
かしいわゆるBSEに関してはもう日本ではみつかる可能性はない
と思います。

 世界の状況はどうかというと、まずBSE発生国であるイギリス
での確認数は以下のようになっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

1989 7,228
1990 14,407
1991 25,359
1992 37,280
1993 35,090
1994 24,438
1995 14,562
1996 8,149
1997 4,393
1998 3,235
1999 2,301
2000 1,443
2001 1,202
2002 1,144
2003  611
2004  343
2005  225
2006  114
2007   67
2008   37
2009   12
2010   11
2011   7
2012(5)  1

http://www.oie.int/index.php?id=504
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 2012年の(5)というのは5月までという意味でしょう。見事に
収束していることがわかります。今年はおそらく5件以下、来年は
1〜2件、再来年にゼロになるという感じですね。

 それ以外の国もほとんどがゼロか散発的に見られるだけです。ア
メリカでも今年1件出ていますが、これも上記の「非定型」でした。

http://www.oie.int/?id=505

 結論的に言って、「BSEは終わった」ということでよいと思い
ます。

 BSEが私たちに残した教訓は、「リサイクルは危険だ」という
ことです。このことを考えずに、余剰食品を生産現場に戻そうとい
う動きがありますが、あれは絶対にやめておいた方がよいです。

 ところで、今回の輸入規制緩和の動きについて、当然ながら反対
勢力があります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

輸入牛肉規制緩和 国民の意見募る 食品安全委 11日にも
(2012年09月08日)

 内閣府の食品安全委員会が、牛海綿状脳症(BSE)の発生に伴
う米国産牛肉などの輸入規制を緩和することについて、パブリック
コメント(一般からの意見)の募集を11日にも始めることが分か
った。意見募集は30日間行い、説明会も各地で開催。厚生労働省
に対して10月下旬にも答申する考えだ。

 BSE対策の規制緩和を提案した同省の諮問を受けて食品安全委
員会のプリオン専門調査会が検討。諮問を容認する評価書案(答申
原案)を5日に策定した。同委員会は10日、評価書案の文言など
を確認し、翌日から30日間の意見募集を始める見通しだ。国民へ
の説明会などを経て、政府は、早ければ年明けにも米国産牛肉など
の輸入規制を緩和したい意向だ。

 同省の諮問内容は、

(1)国内産の検査対象を現行の「21カ月齢以上」から「31カ
月齢以上」に引き上げた場合

(2)米国、カナダ、フランス、オランダ産で輸入を認める月齢を
現行の「20カ月齢以下」(フランス・オランダ産は現行輸入禁止)
から「30カ月齢以下」に引き上げた場合

(3)病原体がたまりやすい脊髄や脊柱などを取り除く月齢を現行
「全月齢」から「30カ月齢超」に区切った場合――などの健康へ
の影響。同調査会は5日の会合で、いずれのリスクについても「人
への健康影響は無視できる」と結論付けた。

 米国産牛肉の輸入再開を2005年に決めた時の意見募集では、
「米国で対策を順守しているか不安が大きい」など否定的な意見を
中心に8846件の声が寄せられた。しかし政府は輸入再開をすぐ
に決定。同年11月2日に同委員会が評価書案を了承し12月16
日には輸入が再開した。

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=16480
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 言外に「意見募集」に対して反対意見を出そうという意図が見え
る記事です。農業新聞なので、しかたないのかもしれませんが、頭
の悪いことです。

 「意見募集=パブリックコメント」について、こんな記事があり
ました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 市政改革プラン素案に対するパブリックコメント(市民意見募集)
について「反対が9割といっても反対の人がコメントを出すことが
多いわけですから。世論調査でやるような抽出作業をしていないの
で統計的には意味がない。市全体の意思を反映していないのだから、
政策に反映させたら大変なことになる」と話す。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120622/waf12062221140028-n1.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 大阪市長の橋下氏がそう語ったという記事です。橋下氏といえば
今話題の人物ですね。ブレーンにトンデモ系ばかり集めていて、政
策の方はメチャクチャですが、なかなかシャープな感覚を持った人
物で、この意見は全くそのとおりです。

 パブリックコメントはアンケートでも世論調査でもない、という
ことくらいは理解しておかないと、馬鹿な「意見」を書いて恥をさ
らすことになります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 食品の分野だけに限らないのですが、民主主義国家においてはさ
まざまな機会で人々の意見が求められます。政府や官僚が勝手に法
律や規則を作るので、何かがうまくいかない場合はすべて政治家や
官僚のせいであって、一般国民には何も責任はないというような主
張を見かけることもありますが、本当にそうでしょうか。例えば行
政担当者が現場を知らないせいでヘンな案を作っていることが分か
ったなら、教えてあげればいいと思います。パブリックコメント募
集はその良い機会です。

 ただしパブリックコメントで求められているのはあくまで他人を
納得させられる合理的意見であって、人気投票や世論調査ではない
ことは認識しておいたほうが良いと思います。日本でも時々大量の
同じ意見を出そうと誘導する団体が、意見はこう書こうなどといっ
たようなテンプレートを準備して一般の人に呼びかけるような運動
をすることがありますが、同じ意見は何通出しても1つの意見でし
かありません。逆にそのような呼びかけをする団体は、効果のない
ことを一般の人に要請し、事務処理の手間を増やすことで税金の無
駄遣いをさせている、あまり志の高くない団体であると認識される
でしょう。

 実際、適切な意見を出すには、対象となっている案件への深い理
解と相当な労力が必要です。意見募集に鋭い意見が多く寄せられる
ことで、意見を募集する側もより質の高い提案を目指すことになる
でしょう。パブリックコメントは関係者すべての利益のために、効
果的に利用していきたいものです。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama+nikkeibp/20090218
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 パブリックコメントで求められるものは、対象の案件に対する質
疑や改良点の提示などです。そしてそれは「他人が納得する説得力
のある意見」や、「検討に値する合理的な意見」の必要があります。

 そして相手は、「その道のプロ」である官僚など、行政担当者で、
その彼らにものもうすのですから、専門知識があるとか、現場をよ
く知っているとか、事情にかなりくわしくないと書けないでしょう。
また考えて書く必要があるので、相応の労力も使うでしょう。

 事実と根拠にもとづく、水準以上の意見であれば、すぐに反映さ
れたり、回答が返ってきたりするそうです。そうではなく、問題を
適切に理解していないとか、「なにをいまさら」という感じの、拝
聴に値しない質の低い意見は、さっくりと無視されます。

 また、パブリックコメントは、世論調査ではないし、「多数決」
もしていないものです。つまり、おなじ趣旨の意見をたくさん送っ
ても、ひとつの意見が送られたと見なされます。したがって、大人
数でおなじ内容のコメントを出したとしても意味はないことになり
ます。

http://taraxacum.seesaa.net/article/184261642.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔後記〕--------------------------------------------------

 BSEの話を書いていたら、いつのまにかパブリックコメントの
話になってしまいました。(^^ゞ

 金曜日にアメリカ農務省などが開催した「FOOD2040」というセミ
ナーに行ってきました。2040年の東アジアの食文化を予測するとい
う調査報告ですが、全く意味不明でした。そこで思い出したのが以
下の言葉です。

「30年後の話をするやつは信用するな、そいつは詐欺師だ!」

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