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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------67号--2001.02.18------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     いただいたメール(無洗米)
     Q&A(ジュース)
     醤油

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 無洗米についての情報をいただいたので、紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 仕事柄、お米の無洗米の動向に関心があるのですが、ちょうどそ
の話題が出ていましたので確認かねがね調べてみました。すると、
全国無洗米協会というものがあることがわかりました。
(HPアドレス; http://www.musenmai.com/ )

1.無洗米の製法(ヌカの落とし方)

(a)水洗い乾燥法

 ヌカを水を洗い落として乾燥させる方法。
 今でも、この水洗い製法を利用して作られ販売されている無洗米
がある。

(b)BG精米製法(MLで出ていた方法?;BRAN(ヌカ)GRIND(削
る))お米の表面についているヌカはねばねばし、バターに近いよ
うな状態で、このヌカが他のヌカとくっつくという性質を利用した
方法、とのこと。

 水洗いも、薬品などという化学的な処理も一切していない、安全
な方法、という。

 水を使わないのでお米のうまみはそのままで、ビタミンなどの栄
養素も保たれている、と。

(c)準無洗米

 お米にブラシをかけるなどして、ヌカを物理的に取り除いている
もの。
 これも無洗米と書かれて市場で売られている場合がある。

2.無洗米のメリット(私見)

<消費者サイド>

・お米を研がなくてもいい
  これは一番に言われることですね。
・洗う(研ぐ)時の水を節約できる
  これも当然です。
・とぎ汁による下水道汚染を低減できる
  各家庭で出るとぎ汁を無洗米工場であらかじめ取ってるような
 ものだから。
  無洗米協会ではこちらの啓蒙に力を入れているようです。
  このMLをご覧の方々の多くはお米を買っている方でしょうか
 ら環境に対する影響をご心配の御人は無洗米協会のHPを参照下
 さい。
・保存性が向上する
  これはあまり知られていないかもしれませんが、もっと宣伝し
 てもいいメリットです。
  米の劣化はヌカ層の酸化により、脂肪が脂肪酸になる(嫌な臭
 いの原因)など、  味(正確には風味)が悪くなるのです。
  (食品関係の公的研究機関で実証済)
  したがって、ヌカ層をきれいに取り除くことが出来れば味は悪
 くならない、風味は劣化しない、ということになります。
  無洗米はヌカをきれいに取り除けるということなので、味も普
 通のお米よりも悪くなりにくいということになります。
  ちょうど、魚の「いけじめ」と「いけす」の関係でしょうか?
  1シーズンぐらいなら無洗米をわざわざ個装(小さいパック)
 にしなくてもいいかもしれません。
  また、非常用の備蓄米に向いている、とも言えるでしょう。
・残留農薬の心配がない
  お米は内側に行くほどでんぷんのみになります。
  外側ほどでんぷん以外の成分が存在します。
  残留農薬があっても、米ヌカ層にある(中にはない)ので、
  米ヌカ層を取り除けば、残留農薬があっても取り除けます。
  (「美味しんぼ」でもありましたね)

<生産者サイド>
・付加価値を付けられる。
  「お米を研がなくてもいい」「環境にやさしい」
  「味が悪くなりにくい」「残留農薬が完全に取り除ける」
  などなど。
・品質管理がしやすい
  製品の、ヌカを取り除いた後の劣化が遅いので
  商品管理がしやすくなるのではないかと・・・
・ヌカ資源の利用
  米ヌカは、いわゆる「有機栽培」(法律が変わりましたので・
 ・・)を行っている農家を中心に肥料として使われています。 
  いままで精白では取れ切れなかったヌカも肥料資源として利用
 が可能になるので歩留まりがよくなります。

3.無洗米のデメリット

 いいことづくめの無洗米ですが唯一の欠点は値段が高いというこ
とになります。

 「米ヌカ(とぎ汁)が環境(水資源)を汚している」ということ
に対する対策として差額を払っている、と納得させられるか?がポ
イントでしょう。

 また、製法(ヌカの落とし方)が何なのかははっきりさせる必要
があるでしょう。(認証マークなどを検討中のようです)

4.おいしさや栄養について

 まず、「米を研ぐ」とはどういうことでしょうか?
 お米を洗うのは、ヌカを取り除くことが目的です。
 きっちり付着しているヌカを落とすには
 「洗う」でなく、「研ぐ」になると思います。
 その製法から、無洗米ではきちんと取り除けるのであれば
 うまい人が研ぐ並に、ヌカを落とせるということになるでしょう。
 栄養についてですが、通常の洗米は水を使いますが
 その時に水に溶けて流れていくものがあるのに対し
 無洗米は製法にもよるものの基本的には水を使わないので
 水に溶けて流れていく分がないということになるでしょう。
 安全性については、前述の通りなので
 洗うのは「おまじない」程度のことだと思います。

以上、
BG精米製法がきちんと行われていれば、
全く気にせず、ただ水を入れるだけでいいと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 情報ありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.現在、食品の殺菌は熱によるものが多いと思いますが、殺菌の
対象となる製品のPHや求められる殺菌率、殺菌の対象となる菌な
どによってその殺菌条件は異なると思います。

 そこでお聞きしたいのですが、実際に行われているりんごストレ
ート果汁の殺菌温度と時間の条件はどのくらいなのでしょうか。ま
た濃縮還元リンゴ果汁ではその濃縮の際に熱がかけてあるために殺
菌の条件もストレート果汁に比べてより温和なのでしょうか。

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A.難しい話ですね。ストレート果汁は普通、搾汁後、冷凍保存さ
れています。瓶詰めする前に殺菌するわけですが、その殺菌工程に
ついての詳しいことは、私にはよくわかりません。

 ただ、瓶詰め時には、70℃以上で保持、パックに充填するとき
まで、この温度を保つ、「ホットパック」法が通常用いられている、
ということは言えると思います。

 この方法は簡単なわりに、効果があり、ジュース類に保存料を使
用せずにすんでいるのは、このことによるといえます。

 もともと、果汁類はPHが低く、腐敗菌が繁殖することは少ない
のです。

 ぶどうジュースをつくるのは、ワインを作るより難しいといわれ
ています。ジュース類の腐敗の主な原因は酵母による醗酵です。

 酵母はもともと果物の果皮についていることもあり、果汁の腐敗
防止としては、酵母による醗酵を防ぐことが主な目的となります。

 酵母の繁殖に際しては、アルコール醗酵にともなう二酸化炭素の
発生がありますので、瓶詰め後、一定時間経過後に、ビンを叩いて、
音によってガスの発生の有無を調べたりします。

 ホットパックによって、果汁そのものの殺菌効率は高いのですが、
栓そのものと、瓶の中に残る空気中の酵母が問題となるようです。

 濃縮果汁は製造時には殺菌効果のある温度で加工かれているので
しょうが、上記のような理由から、瓶詰め時の環境としては、スト
レート果汁のときと本質的には同じだと思います。

 殺菌の方法、保存性など、ストレートと濃縮果汁還元とで、差は
ないと思います。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「醤油」
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 このメールマガジンの始まった頃に「醤油」の話を書きましたが、
それ以来の補足です。

 普通、醤油といえば、濃口醤油です。醤油は私の住んでいる和歌
山県が発祥の地ということになっています。

 国道42号線(紀伊半島一周道路)で、和歌山県中部にさしかか
ると、観光バスの出入りする、醤油の醸造元があちこちにあります。

 もう少し南へ行くと、こんどは梅干し工場か幅をきかせてくるの
ですが、まあそういった、観光名産品になっているわけです。

 紀州由良興国寺の開祖法灯国師(心地覚心)が中国から持ち帰っ
たのがはじまり、とされています。

 法灯国師という人は、高野山でも活躍したり、有名な一遍上人が
参禅したりと、いろいろと逸話のある人なのですが、この味噌醤油
の伝来と、虚無僧の開祖としてが一番有名です。

 中国留学から持ち帰ったのですが、このときの原型を今に残すの
が、「金山寺味噌」と呼ばれる味噌です。

 これは中国の「径山寺」のなまりといわれ、味噌のなかに胡瓜や
茄子などの漬物が入っていて、そのままおかずとして食べる「なめ
みそ」です。

 当初はこのようなものから、汁を分離したものが醤油、残ったか
たまりが味噌になっていった、ということです。

 ただ、今の醤油の原型は、さらに時代がくだって、江戸時代のは
じめ、日本酒の醸造技術を取り入れて、今の伊丹、尼崎のあたりで
成立したもので、このころから醤油の原料は大豆と小麦、というよ
うになりました。

 当初は東海道を下っていった醤油も、その後、関東でも生産が盛
んになり、今の醸造技術はその大半を関東の醤油に負っているよう
です。

【薄口醤油】

 醤油には濃口醤油の他、薄口醤油、たまり醤油、再仕込み醤油、
白醤油などの種類があります。

 このうち、関西では薄口醤油がなじみ深いものです。濃口と比べ
て明らかに薄い色で、料理にあまり濃い色をつけないので、上品な
料理によく使われています。

 醤油の色は、成分のうちのアミノ酸と糖分が化学反応をおこして
着色する現象によって、だんだんと黒くなっていきます。そのため、
出荷後にもだんだんと着色が進んでいきます。これをいやがって、
以前はあらかじめカラメル色素で黒く着色しておくことが普通でし
た。(今でも、原材料のところに、「カラメル色素」と書いてある
ものがあります。)

 薄口醤油も、基本的には同じ醤油ですので、一年もたつと、真黒
になってしまいます。新鮮なうちに使うようにしましょう。

 薄口醤油はどうして色が薄いかというと、この着色を防ぐような
醸造法をとっているからです。まず、塩分を濃口より多くして、着
色を防ぎます。醸造期間も濃口よりは短めになります。

 丸大豆から醸造すると、濃口醤油では醗酵が進まず、苦労するの
ですが、薄口では、できるだけ醗酵を抑えようとするのですから、
わりと苦にならないようです。

 しかし、それでも、醸造終了時には、かなり色がついていますの
で、最後に塩水で薄めて、色を薄くしています。

 このため、薄口醤油は濃口より、色は薄いですが、塩分は高い、
塩辛い醤油になります。うま味の成分も濃口よりかなり少ないので
す。

 薄口醤油を使うような料理では、他にダシの原料をたっぷり使い、
日本酒なども使用しますので、あまりこのことは欠点にはなってい
ないようですが、濃口醤油の代りに薄口醤油を使うのは、このよう
な理由で、あまり感心しないと思います。

【再仕込み醤油】

 「刺身醤油」といって売られているものは、中身はいろいろあり
ます。実は普通の濃口醤油であることも多いのですが、多くは濃口
醤油に調味料を加えています。

 そのなかで、「再仕込み醤油」というのがあって、これは独特の
濃厚な醤油ですので、私はこれが「刺身醤油」に一番ふさわしいと
思っています。

 醤油は大豆・小麦という原料を、塩水に漬けて醗酵させます。こ
の塩水のかわりに、生の醤油(醸造終了後、搾っただけのもの=生
揚げといいます。)を使うのが「再仕込み」の名前の由来です。

 二度、醸造することになりますので、うま味成分は抜群に多くな
ります。濃厚なので、あまり料理には向かないと思いますが、食卓
でのつけ醤油としては、とても良いものです。

【たまり醤油】

 原料が大豆だけのものです。白醤油とともに、中部地方の特産品
なので、私は詳しいことは知りません。どなたかご存じの人はコメ
ントをお寄せください。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今週、来週と週末に出掛ける予定が入っていますので、ちょっと
忙しいのです。

 今回は醤油の話をとりあげました。最初は駆け足でひとまわりす
る、という方針で、いろんなものをどんどん取り上げていきました
が、内容は充分というわけではなかったと思います。

 それで、これからは、二度目、ということで、過去にとりあげた
ものの、補足情報も掲載していきたいと思います。

 関西では、薄口醤油は結構使うのですが、地方によってはなじみ
がないかも知れません。こうした地域性のある食品も多いと思いま
すので、みなさんからの情報をお待ちしています。

 Q&Aでのジュースの話ですが、かつて、扱っていた100%ジ
ュースで、醗酵事件が起こったことがあります。保管中のケースの
中で、瓶の栓が飛ぶのです。

 このとき、聞いた話ですが、栓というのは、このような時に、飛
んでしまうくらいの強さで締めて置くものなんだそうです。充分に
密閉できる強さで、瓶自身が破壊されるより前に飛んでしまう強さ
で締めておくのです。

 瓶が割れると、二次災害も起こりそうですしね。栓がポンポン飛
ぶのは、見ていて面白かったといいます。そういえば、宮沢賢治の
童話でも、密造していた酒の栓が飛ぶ話がありました。

 この栓を飛ばすガスはアルコール醗酵にともなう二酸化炭素です
ので、ジュースは酒になっていて、いいんじゃないか、と飲んだ人
がいましたが、どうもまずかったという話です。

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