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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------667号--2012.08.19------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「ニュースから」「白菜浅漬けと食中毒」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 水道水で食中毒が起こるという、ちょっとびっくりするようなニ
ュースがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

富山県入善町の水道水から”エルシニア菌”が検出 3人が食中毒
の症状訴える
2012/08/15

 富山県は平成24年8月10日、入善町浦山新の2家族の10歳未満の男
女3名が、水道水を飲んでエルシニア腸炎を発症したと発表した。
男女3名のうち1名は入院したが、すでに退院しており、そのほかの
2名についても既に回復しているという。県内で水道水が原因のエ
ルシニア菌の集団感染が起こるのは初だという。

 エルシニア菌はネズミや家畜などが保有する食中毒の原因となる
菌で、主に強い下痢や腹痛などを引き起こす。比較的低温でも増殖
するという特徴があるが、その一方で熱に弱いため、しっかりと加
熱調理を行えばエルシニア菌が原因で食中毒を起こす危険性は低い
という。

 県の発表によれば、3人は発熱や下痢などの症状を訴え、黒部市
内の医療機関を受診。県が患者宅の水道水を検査したところ、塩素
が検出されず、エルシニア菌が見つかった。食中毒の原因は消毒液
の塩素が切れたことであり、また今回の検査により、水道法で定め
られている衛生管理が行われていなかったことも明らかになった。

http://water-news.info/2992.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 水道水から塩素が検出されないというのは大変な異常事態です。
富山県の水道はいったいどうなっているのかと思いましたが、次の
ニュースではもう少し事情が明らかになります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 富山県は10日、入善町が設置する簡易水道の水を飲んだ10歳
未満の子ども3人から、食中毒菌の「エルシニア菌」が検出された
と発表した。3人は発熱や下痢などの症状を訴えたが、現在は全員
が回復したという。3人の自宅の水道水からも同じ菌が検出され、
県は同日付で、適切な塩素消毒や毎日の検査などを求める改善勧告
を町に出した。

 生活衛生課によると、この簡易水道は40世帯(139人)が利
用する入善町新屋簡易水道の「浦山新上部水源(井戸)」。県内の
水道水からエルシニア菌が見つかったのは初めてという。この水道
水を利用していた2家族の男の子1人と女の子2人が7月14〜
24日にかけ、医療機関を受診したことで判明した。

 県によると、塩素の消毒液を水道水に注入するタンクが空の状態
で、消毒液が定期的に補充されていなかったのが原因という。

http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120813143143306
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このあたりは黒部川の流域で、大変おいしい水が湧くところです。
そういうこともあって、村ごとの簡易水道だったのですね。

 本格的な上水道とは違い、きれいな原水のあるところでは、濾過
などはしないで、原水に塩素を投入して各戸に分配するだけです。

 最初の記事ではこのことが書いていなかったので、驚いたわけで
す。

 さて、次の記事ではもっと事情がよくわかります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 富山県は10日、入善町浦山新の2家族の10歳未満の男児と女
児の計3人が、水道水を飲んでエルシニア腸炎を発症したと発表し
た。1人は入院したが、既に退院し、全員が回復しているという。
水道水によるエルシニア菌の集団感染は県内で初めて。

 エルシニア菌はネズミなどが保有し、感染すると胃腸炎などを起
こす。3人は発熱や下痢などを訴え、黒部市内の医療機関を受診。
医療機関が先月23日、県に連絡した。県が25日、患者宅の水道
水を採取して検査したところ、塩素は検出されず、エルシニア菌が
見つかった。

 3人は、入善町新屋簡易水道の浦山新上部水源から引いた水道水
を利用。県の調査で水源の消毒用の塩素が切れていたことがわかっ
た。浦山新地区には40世帯139人が住んでいるが、3人のほか
に異常はなかった。

 県は10日、水道事業者の入善町に対し、塩素消毒を適切に行う
ことや毎日検査することなどを求める勧告書を交付し、改善報告書
を提出するよう求めた。

 入善町建設下水道課によると、水源の管理は浦山新地区の水道組
合が行っていたという。同課は「味やにおいが変わることを嫌がり、
塩素消毒が徹底されていなかった。組合長会議を開き、消毒の徹底
を周知する」としている。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=63152
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうも塩素を投入していなかったのは故意にやっていたことだと
解釈できそうです。

 それについて、特定非営利活動法人水政策研究所というところに
こんな解説がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

富山入善町の水道水による食中毒について

 各報道によると、8月10日(金)、富山県下新川郡入善町で水道
水による食中毒事件が発生した。

 入善町といえば黒部川のほとり、日本名水百選にも選ばれたとこ
ろで、なぜこのような事故が...と思うのだが、問題はその水道
の管理方法である。

 入善町の水道は簡易水道であり、その具体的な管理は20 030軒程
度の集落ごとによる「地域管理」だ。

 地域内で管理組合を作り、住民自身が水道法の規制も含めこれを
管理する。地方の山間部では珍しくはない形態だが、その大半の設
備は老朽化していたり、ずさんな方法によって運営されていると考
えられる。これは「仕方のないこと」とも言える。

 しかし、目の前に綺麗な水があるのに、なぜ臭い消毒液(塩素)
を入れなければならないのか?

 この感覚が抜け落ちると、残留塩素を定めた水道法を軽視し、消
毒液を入れる作業を敬遠させる。

 今回の事故についても、「塩素が切れていた」のではなく、実態
として「塩素を入れなかった」という確信犯であろう。

 問題の本質は、塩素が切れても「そのままでいいや」と思わせな
いようにすべき行政サイドの姿勢であり、その役場の担当者は2人
しかいないという状況だそうだ。

 厚生労働省は、全国の簡易水道事業について、人員体制も含めた
実態調査を行うべきである。

http://www.water-policy.com/2012/08/blog-post_4522.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 なるほど、こういうことでしたか。今まで事故がなかったのはラ
ッキーでした。今後は残念ながら、塩素を投入するしかないです。

 私は和歌山市の市街地で生まれ育ちましたが、妻は昔高野山領だ
ったという、山村の出身です。妻の実家に行くと、山の湧き水から
直接パイプで水を引いていました。昔は竹筒だったのだそうです。

 これは簡易水道以前で、個人水道というようなものです。パイプ
からは常時水が出ていて、ポリタンクに入り、いつもあふれていま
す。

 飲み水や調理用にはパイプから直接水をくみ、洗い物などのとき
はタンクの水をすくって使います。もちろん、非常においしい水で
した。

 あのおいしい水に塩素を投入するなどという無粋なことをするの
は忍びない…という気持ちは大変よくわかります。しかし個人の枠
を越えて村の設備になってしまっては、やはりそれは無謀なことで
す。

 湧き水というのは貴重なものですが、管理はなかなか難しいとい
う話が以下に書いていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

「とやまの名水」の衛生管理

 富山県では、近年、旧環境庁が選定した「全国名水百選」や富山
県が選定した「とやまの名水55選」から相次いで大腸菌群が検出
されたことを踏まえ、飲用に使われている「とやまの名水」の衛生
管理を図るため、平成14年度から「とやまの名水」衛生管理・飲用
対策事業を実施しています。昭和61年の「とやまの名水」の選定に
際しては、故事来歴など歴史的背景や自然科学的な観点から選んだ
ため、水質検査に基づく飲用の適、不適は条件に含めていなかった
わけです。しかしながら、近年の健康志向や名水ブームとも相まっ
て、県内外から多数の人々が「とやまの名水」を訪れ、飲用等に利
用されている現状があります。このため、「とやまの名水」の飲用
が原因となって発生する食中毒や感染症等の事故を防止することを
目的とするものです。その事業の一環として「とやまの名水」衛生
管理マニュアルが策定されました。

 上記事業の一環として2002年11月26日に「とやまの名水」ネット
ワーク協議会の初会合が開催されました。翌27日付け北日本新聞の
記事によれば、飲用に使われている「とやまの名水」のうち、「誕
生寺の誕生水」「気多神社の清泉」「影無し井戸」「弓の清水」
「又兵衛清水」「妃の清水」「瓜裂清水」「不動滝の霊水」「脇谷
の水」「弘法大師の清水」「八木山の滝」「殿様清水」「花山寺の
霊水」「桂の清水」の14箇所で大腸菌群が検出されたと掲載されて
います。いずれも健康に影響のない土壌性大腸菌群である可能性が
高いとはいえ、飲用に使う時は煮沸して使う等の注意が必要です。
煮沸すると、水に溶け込んだ遊離炭酸(炭酸ガス)が無くなるため、
のどごしのさわやかさは失われるが、成分的には大差はないもので
す。

 なお、「影無し井戸」と「弘法大師の清水」には平成14年12月に
紫外線滅菌装置が取り付けられたので大腸菌群が検出されなくなり、
その他の名水も「この水は消毒されていないので、生水での飲用は
しないでください」などの看板を立て注意を呼びかけるなど、安全
対策を講じたそうです。ちなみに、城山の湧水は「とやまの名水」
には選ばれていないが、10月に県内で初めて紫外線滅菌装置を取り
付けたそうです。

※大腸菌群(水道水質基準)

 大腸菌群とは、大腸菌及びこれに類似する性質を有する細菌の総
称で、グラム陰性、無芽胞の桿菌で乳糖を分解して酸とガスを発生
する好気性または通性嫌気性の細菌をいいます。大腸菌群には、人
畜の腸管内に生息しているものと土壌を起源とするものがあるため、
大腸菌群の存在自体が直ちに糞便製汚染を意味するものではありま
せんが、大腸菌群を含む水は糞便製の病原菌を含む汚水等によって
汚染されている疑いがあります。そこで病原菌による汚染の疑いの
ない水とするために、大腸菌群について「検出されないこと」との
水質基準が定められています。

http://www.bea.hi-ho.ne.jp/omizu/eisei.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 残念ながら「紫外線滅菌装置」では水道水に求められる安全性は
確保できないと思います。もちろん、何もしないよりはよいのでし
ょうが、湧き水のリスクをよく考えて使わないといけません。

 いくらおいしい水でも、ポリタンクに汲んできて、何日も使うと
いうのは危ないです。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「白菜浅漬けと食中毒」
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 先日から、白菜浅漬けによる食中毒が世間を騒がせています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 白菜の浅漬けを原因とする北海道の腸管出血性大腸菌O157の
集団食中毒で、札幌市は16日、下痢や腹痛の症状を訴え、11日に死
亡した市内の女児(4)について、同じ浅漬けによる食中毒と断定
した。女児の便と浅漬けのO157のDNA型が一致した。

 また、札幌市と道によると、札幌市内の高齢者施設に入所してい
た80歳代の女性がO157で死亡した。他に江別保健所管内の施設
で浅漬けを食べて症状を訴えた90歳代の女性入所者2人も死亡。90
歳代の2人からO157は検出されなかったが、関連があるとみて
調べている。

 道内の集団食中毒では約100人が症状を訴え、札幌市の高齢者
施設に入所していた100歳代と80歳代の女性がO157に感染し
て死亡しており、O157をめぐる死者は計6人となった。

 問題の食品は札幌市西区の岩井食品が製造した白菜の浅漬け。女
児の家族は同社の浅漬けが売られているスーパーで漬物をよく購入
していたという。女児が浅漬けを食べたかどうかは不明としている。

 新たに分かった80歳代女性は5日に症状を訴え、16日午前に溶血
性尿毒症症候群(HUS)で死亡した。江別保健所管内の施設の2
人は16日に肺炎などで死亡した。この施設では、2人以外にも12人
が症状を訴え、うち5人からO157が検出された。

 他にも札幌市の施設に入所し、O157が検出された80歳代の女
性が心臓の病気で死亡したが、札幌市は感染と死因に直接的な関連
がなく、O157による死亡とは認定しないとした。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201208160224.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 百歳を越えても浅漬けを食べられるのだ…と感心していたら、妻
が4歳で漬け物を食べる子も珍しいよ、と言われました。

 それについて、こんなメールをいただいています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつもありがとうございます。残暑が厳しいですね… お身体い
かがですか?

 さて また出てしまいましねO157。去年からやたらニュースにな
るほどの事件がおきていますね。地方の小さな記事ではたまに発生
を取り上げてはいますが死者がいないので全国ニュースにはならな
いだけで散発はしていましたが…

 今回は生肉やレバーからではなく 白菜の浅漬け!もう なにから
感染するか、どこから感染するかわからない時代になってしまった
んでしょうか。健康保菌者が従業員にいたのか、近くに牧場でもあ
ってその汚水でつくられた白菜が汚染されていたのか、もう本当の
原因はわからないままになるんではないかと危惧しています。

 ご存じのように私は食中毒菌が異常に恐く、除菌命で、菌の汚染
が手から広がる感覚から病的なビビりぶりでしたが(笑)、もはや、
まさかの食材からの感染で、万策つきた感が…

 去年ファミレスから赤痢がでたときも確か白菜の浅漬けが原因だ
ったはず。あのときは確か工場の従業員に保菌者がいたような。さ
て今回は感慨ルートは解明されるんでしょうか。

 除菌に励み 強迫性障害とまでいわれている私は 何次汚染まで気
にするんだ!と自分に突っ込んでいましたが、今回のことで、結局、
口に入らない限り大丈夫なんだという妙な安心感と、まさかの食品
からの感染があるんだという恐怖で、しばらくサラダも避けたい気
分です。

 普段から摂取している善玉たちにがんばってもらわないと、もは
や自分の体に菌が入っても発症しない体をつくる方に力を入れた方
が賢明な気がします。

 そう、そして今回はないかと思うんですが、交差汚染からの感染
の場合。これもつい最近どこかの弁当屋で交差汚染が原因らしいO
157発生がありましたが、そもそも市販牛肉にほとんど付着してい
ないはずのO157が 汚染率1%のはずの牛肉が その牛肉が原因で交
差汚染で感染…これまた腑に落ちないです。市販牛肉には付着して
ないはずですとまで言い切る医者もなぜかいて、焼肉屋の肉は怪し
いけどスーパーのは大丈夫みたいな認識で。でも弁当屋なら市販牛
肉で作ってそうだし、たまたま汚染牛肉使ってしまいましたか?み
たいな…

 家庭でも牛肉切ったまな板をさっとフキンでふいて野菜きるみた
いなことする人、実際にはごまんといるのに、なぜに同じことには
ならないのか 謎です…

 渡辺様は このふたつの件 どう思われますか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 残念ながら、善玉菌がどうのというのは根拠のない迷信の類です。
また、食中毒の発症は確率的な現象でもありますので、ほとんど何
も気にしていなくても当たる確率はそれほど高くないのも事実です。

 傭兵として戦場に出た経験のある人の本を読んでいたら、戦場の
前線でも、鉄砲の玉に当たる確率はそれほど高くなくて、それを心
配していれば戦場では一歩も動けない…とか書いてありました。

 私たちの日常生活も、戦場ほどではありませんが、見えない確率
との戦いなのかもしれません。

 という暢気な話はさておき、この白菜浅漬けについては、こんな
報道がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 北海道内の高齢者施設で病原性大腸菌O157に集団感染し、2
人が死亡した問題で、原因の白菜の浅漬け「白菜きりづけ」を製造
した「岩井食品」(札幌市西区)は15日、同市内で記者会見し、
野菜の消毒液の濃度測定を徹底していなかったことを明らかにした。
札幌市保健所は08年、食材の殺菌が不十分として同社を指導し、
同社は改善したと回答していた。市は、通常の約2倍の野菜を消毒
液に入れたことで濃度が薄まったことが感染の原因とみており、詳
しい経緯を調べている。

 市保健所によると、08年10月の定期検査で、同社商品の細菌
数が市の定める基準値を超えたため、改善を指導。同社は09年1
月、消毒液の濃度を測定し、一定の濃度を下回らないようにするな
どの改善報告書を提出した。

 しかし、同社によると、濃度を一定に保つために消毒液を追加す
る明確な基準はなく、濃度を調べずに、従業員の判断で追加するこ
とがあった。同社は会見で「土曜日に通常の倍を漬けることはよく
あり、過去に食中毒を発生させたことはなかった」と説明したが、
「消毒も含めて(汚染防止策が)十分ではなかった」と非を認めた。

http://mainichi.jp/select/news/20120816k0000m040062000c.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 あまり知られていませんが、漬け物の工程には必ず殺菌工程があ
ります。包装してから殺菌するものもありますが、そうでないもの
は漬け込む前に殺菌するのです。通常は次亜塩素酸などを使います。

 この殺菌工程の不備ではないか?というのが現在のところ有力な
ようです。

 また、菌がどこから来たのかということも疑問があります。白菜
が汚染されていたということもあり得るのでしょうが、少し気にな
る記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 札幌市は14日、高齢者関連施設で腸管出血性大腸菌O157に
よる感染で高齢者2人が死亡するなどした原因について、同市内の
漬物製造会社が造った白菜の浅漬け「白菜きりづけ」を感染源とす
る集団食中毒と発表した。同市内のスーパー、ホテルなど計35カ
所のほか、道内4カ所の高齢者関連施設にも提供されている。

 感染源と断定された白菜の浅漬けを製造したのは、同市西区八軒
2条東5丁目、漬物製造業「岩井食品」(岩井憲雄社長)。同市は
同日、営業禁止処分とした。

 同市によると、白菜の浅漬けは7月28日に製造された。白菜な
どを水洗いし、10分間程度塩素消毒したり、24時間食塩に漬け
込むなどして、冷蔵保管するのが作業工程。

 高齢者関連施設に保存されていた三つの「白菜きりづけ」を10
日調査した結果、二つから腸管出血性大腸菌O157を検出した。
岩井食品の調理従事者12人のうち2人から腸管出血性大腸菌O1
57が検出された。

 同市保健所は、同社が7月28日に通常の2倍の約270キロを
製造していたことから、原材料の塩素消毒などが不十分だった可能
性もあるとの見方をする一方、「調理段階で感染したのかを含め、
原材料の仕入れ元をたどるなどしてO157の感染経路を調査する」
とした。

http://www.tomamin.co.jp/2012t/t12081501.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 従業員から同じ菌が出ているので、人からの二次感染である可能
性があります。食中毒の患者から出た菌と一致するなら、これが本
命になります。

 いずれにせよ、汚染ルートの確定をしなければいけないというこ
とで、以下のようなことが行われるようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 100人以上が発症し、6人が死亡した腸管出血性大腸菌O15
7による集団食中毒事件で、札幌市保健所は18日、感染源とされ
る岩井食品(札幌市西区)の漬物について、工場で製造工程を再現
するほか、野菜の仕入れ先も調査して、感染経路を特定する作業に
近く着手する方針を固めた。

 同保健所によると、岩井食品での検査は、O157が検出された
7月28日の製造状況を再現する。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/397318.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 患者から菌が出るのは当然として、健康な保菌者がいるというこ
とには注目です。実際に調べた話では、こんなものがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 1998年に公布された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医
療に関する法律」(感染症法)1)では三類感染症に類別された赤痢、
腸チフス、パラチフス、コレラの各疾患は飲食物を介して経口感染
を起こすことから、これらの経口感染症の患者あるいは病原体を保
菌する無症状者(健康保菌者)は食品に直接接触する業務に携わる
ことが禁止されている。従って、食品従事者は日常からこれらの感
染症に罹患しないための健康管理が求められている。

 また、糞便の細菌検査により、腸管出血性大腸菌、赤痢菌、チフ
ス菌、パラチフスA菌が検出されないこと、あるいはこれらの腸管
系病原菌が陽性の場合には食品に直接接触する業務に就かない就業
規制がある。赤痢、腸チフス、パラチフスの感染源は患者あるいは
健康保菌者の関与が高いこと、腸管出血性大腸菌感染症は極めて少
量で感染し、重症化する疾患であること、さらには本菌は主に牛が
保有するが、本菌の患者や健康保菌者が食品や環境汚染に関与する
こともあることから、食品従事者への就業制限が課せられている。

(略)

 腸管出血性大腸菌O157の検出率は1997〜2004年では殆どが0.001%
以下の低い検出率であった。2005年以降では0.0011〜0.0024%であ
り、近年、食品従事者からの腸管出血性大腸菌O157の検出率が増加
してきている。分離菌株のベロ毒素型はVT 1が分離菌株の10.3%、
VT 2が56.9%、VT 1 & VT 2が32.8%であり、VT 1産生株が少ない。
なお、O157に凝集が認められ、集落の性状や生化学的性状がO157に
該当するが、ラテックス凝集反応で陰性あるいは弱陽性の菌株が21
株検出されたが、遺伝子検出ではすべて陽性菌株であった。

 食品従事者の腸管出血性大腸菌O157保菌は牛肉やレバーの生食或
いは焼肉との関連性も無視できないだろうし、家族内感染も考慮し
なければならないと考える。

 2008年からは一部の材料について腸管出血性大腸菌O26、O111も
対象として検査した結果2009年に12名(0.0033%)、2010年では16
名(0.0041%)が検出され、検出菌株28株中の1株以外は全てがO26
であった。食品従事者からは腸管出血性大腸菌O157よりもO26の検
出率が高いことは興味ある成績であるが、今後の動向を監視してい
きたい。

http://www.kenko-kenbi.or.jp/science-center/pathogen/topics-pathogen/4506.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 率は低いですが、やはり健康な保菌者はいるようです。しかも近
年増加傾向ということもあり、食品製造現場ではこれからさらに注
意が必要です。

 浅漬けの類は家庭では洗わずにそのまま食べることも多く、加熱
殺菌もしにくいでしょうから、今後も要注意の食品です。古漬けに
なれば酸なども発生しますし、食中毒菌が生き残っていることはな
いでしょうが、塩分が多くて、別の意味であまりたくさん食べるの
はよくないようです。

 次はサラダが原因の食中毒が発生する…と予言しておけば、的中
するかも。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 栃木県でスポーツ大会に参加した中学生で大規模な食中毒とか、
豪雨の被災地で救援物資のおにぎりで食中毒とか、いろいろな食中
毒事件が報道されています。

 しばらく減少傾向だった日本の食中毒事件ですが、これから増加
に転じるのではないでしょか。食品に関するリスク評価が間違って
いることが根本にあると考えています。

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