安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>661号


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--安心!?食べ物情報--Food-Review-----------------------------
-------------------------------------661号--2012.07.08------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「ヒスタミン食中毒」

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ブログ毎日?更新中

http://www.kenji.ne.jp/blog/
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---〔話題〕-------------------------------------------------

 前回の「放射線照射と味?」の件で、以下のメールをいただきま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 安心!?食べ物情報 Food Review 660定期発行ありがとうございま
す。愛読しております。

 ところで、もうどなたかが連絡されたかと存じますが、「照射臭」
については以下サイトが参考になりますのでお知らせいたします。

照射効果(IRRADIATION EFFECT):
食品に放射線を照射した場合の貯蔵、衛生化等の効果
http://foodirra.jaea.go.jp/dbdocs/002041000009.html

放射線による食肉等の食味低下と防止技術
http://www.rada.or.jp/database/home4/normal/ht-docs/member/synopsis/020230.html

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 よくわからなかったのですが、やはり照射による味の変化はある
ようです。以下はご紹介いただいたサイトからの引用です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 畜肉への放射線の照射でもっとも大きな問題は照射臭の発生にあ
る。この照射臭は豚肉および羊肉よりも牛肉に強く発生することが
知られている。BATZERらは照射により生成した揮発性の照射
臭の主成分はメチルメルカプタンおよび硫化水素であると報告して
おり,MARTINらは35Sの使用により,多くのメチルメルカ
プタンはメチオニンから由来し,硫化水素は主にそれ以外の他のア
ミノ酸から由来することを明らかにした。WICKらは照射牛肉の
揮発性成分の一連のガスクロマトグラフィー分析の結果,メチオナ
ールおよびηーアルカナールが照射臭の主原因をなしており,これ
らの成分は貯蔵中に減少することを明らかにした。官能検査の結果
では0.05Mradのような低線量でよく訓練した検査員にしか
フレーバーの変化が検出されないが,0.2Mrad以上になると
照射臭は強く消費者の多数がそれを感知できるようになる。

 肉脂質への照射は酸敗臭に似た変化を与えることが知られている。
脂肪酸は酸素の不在下で照射により脱カルボキシル基化され,不飽
和ならば重合する。しかし,酸素の存在下では過酸化水素およびカ
ルボニル化合物が形成される。カルボニル化合物の生成量は線量増
加とともに増加するが,脂肪含量が増加しても生成量は増加しない
ことから,照射によって生成した大部分のカルボニル化合物は中性
脂肪の酸化に由来するものではない。

 照射臭による品質低下を防止するため,種々の試みがなされてい
る。照射後アスコルビン酸を添加することにより照射臭がいちじる
しく減少し,包装肉への活性炭の使用は照射臭を取り除くのにある
程度成功している。

 また,畜肉を凍結状態で照射することにより照射臭を軽減するこ
とができる。これは凍結による水相の実質的な除去により,2次的
な化学変化が防止されることによると思われる。

http://foodirra.jaea.go.jp/dbdocs/002041000009.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 単位が「rad」なのでわかりにくいですが、「1rad=0.01Gy」なん
だそうです。「Mrad」は100万radでしょうから、10,000Gyです。と
りあえずは1Gy=1Svと考えると、なんかとんでもない線量ですね。

 0.05Mradは500Svほどですので、「低線量」と言われてもなんだ
か納得しにくいです。食肉の照射では、ボツリヌス菌の芽胞まで殺
すようにしているそうで、こんな線量になるようです。食中毒菌の
殺菌なら、もっと低い線量で充分と思いますし、いろいろと研究は
進んでいるようです。

 それにしても、食品照射も簡単に考えていましたが、いろいろと
難しいことはあるのですね。教えていただいてありがとうございま
した。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@
kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回は休みます。

-〔食べ物情報〕---------------------------------------------
「ヒスタミン食中毒」
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 こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつもメルマガを参考に、勉強させてもらっています。

 昨日のテレビローカルニュースで、カジキマグロを食べてヒスタ
ミンによる中毒症状が出たとの報道がありました。今朝の朝日新聞
地方版にも、患者数が増えたと出ておりました。

 最近の動きや事故から、基本的には、生食はリスクが伴うのかと
思っていましたが、今回は、加熱してもダメとのことで・・・。
(また、農薬販売をしている立場からは、有機栽培にも逆にリスク
が多いと思っていましたが)

 この原因は、魚の保存・保管状態が悪いとされています。ただ、
販売したお店だけでなく、購入した方にも問題があるのではと思っ
たりしています。

 その記事をネット上で、探しましたが・・・今時点であったのは、
販売した生協のホームページだけでした。
http://www.okayama.coop/information/detail.php?id_information=255
http://www.okayama.coop/information/detail.php?id_information=256

 ネットの速報性を、購読している朝日新聞・・・地域情報:2012年06月
30日10時27分更新も、
代表的なローカル新聞(山陽新聞)
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_list/area_news.html

も、軽視しているのか、
新聞購読者との差別化を図っているのか???とも思えました。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 岡山の生協で扱っていたカジキマグロで、食中毒があったようで
す。以下はおわびのページです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

コープ鴨方でのカジキマグロによる食中毒発生と営業停止について

 この度は「カジキマグロ」による食中毒を発生させてしまい、誠
に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。

 コープ鴨方(店舗)において、26日に加工販売した「カジキマグ
ロの切身」をお召し上がりになった組合員さま複数名より、じんま
しん・嘔吐・下痢などの健康被害のお訴えをいただき、備中保健所
に連絡をするとともに、原因を調査したところ、カジキマグロに
「ヒスタミン」が発生していたことが分かりました。

 一般的に「青魚」には「ヒスタミン」を発生させる「ヒスタミン
生成菌」が付着している可能性が高いとされており、当然これまで
も低温管理で抑制する対策を行ってまいりましたが、5℃以下の品
温管理であっても「ヒスタミン生成菌」が増殖する可能性があると
言われています。

 なお、目視や臭い等で判別することは困難です。

http://www.okayama.coop/information/detail.php?id_information=255
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ニュースとしては以下のような記事が見つかりますが、他の新聞
社などには記事がなく、確かにあまり報道されていない感じです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

カジキ切り身で食中毒 岡山

産経新聞 7月1日(日)7時55分配信

 県は、浅口市の「コープ鴨方」で販売されたカジキの切り身を食
べた客5人がじんましんや頭痛などの症状を訴え、食中毒と断定し
たと発表した。いずれも症状は軽く、現在は回復しているという。

 県生活衛生課によると、同店や患者の家から回収したカジキの切
り身を調べたところ、食中毒を引き起こすヒスタミンを検出。同店
を7月3日まで5日間の営業停止処分とした。

 ヒスタミンは、赤身魚に多く含まれるヒスチジンから細菌によっ
て生成される。加熱しても分解されず、摂取すると数分から3時間
以内に症状が表れるという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120701-00000054-san-l33
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ヒスタミン食中毒については、以下のような解説がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 川柳に「はづかしさ医者にかつおの値が知れる」 というのがあり
ますが、これはカツオを食べてヒスタミン食中毒になったことを詠
んだものです。皆さんの中にもしめさばやカツオのたたきを食べて、
ヒスタミン食中毒になった方がおられるのではないでしょうか。

 ヒスタミン食中毒は、衛生状態も悪かった1950年初頭までは主要
な食中毒の一つでした。現在では低温流通が普及し大規模な事件は
減少しましたが、小さな食中毒は依然発生しています。

 ところで、「サバに当たる」という言葉が普段使われるように、
魚自身に問題があるように思われていますが、実は細菌が原因で起
こる食中毒なのです。しかし、この事を知っている人はごく少数の
ようです。

1.ヒスタミンは細菌がつくる

 ヒスタミン食中毒とは、ヒスタミンを大量に含む魚介類を食べる
ことにより、摂食後、数分から2、3時間という短い間に悪心、嘔吐、
下痢、腹痛、頭痛、舌や顔面 の腫れ、じんま疹、金属様の味(peppery
taste)、めまい感といった症状を起こす食中毒です。このように
多くの症状がありますが、実際にはこのうちの2,3の症状しか示さ
ず、長くても1日程度で自然に治ります。どの症状が現れるかは、
摂取したヒスタミンの量や患者の個人差によりますが、心臓や呼吸
器に基礎疾患のある人が発症した場合、重症となる可能性があるの
で注意が必要です。一般的には、魚肉中に500μg/g以上のヒスタミ
ンが蓄積されると食中毒が起こるとされていますが、感受性の高い
人ならば50μg/gで発生する場合もあります。

 ではなぜ、魚肉中でヒスタミンが増えるのでしょうか?原因とな
る食品はいわゆる赤身魚(マグロやサバといった血合いが濃い魚)
であり、刺身以外でもイワシやサンマの干物やサバ缶でも起こって
います。赤身魚は筋肉中にアミノ酸の一種であるヒスチジンを多く
含んでいます。魚を室温で放置していると、ヒスチジンをヒスタミ
ンに変える酵素を持っている細菌(ヒスタミン生成菌)が増殖し、
それに伴いヒスタミンも増えるのです。また、魚の腐敗の指標とな
るアンモニアなどの生成量がまだ少ないにもかかわらず、ヒスタミ
ンは大量に産生されることがあり、気づかずに食べてしまうと食中
毒になるのです。現在ヒスタミン食中毒を引き起こすとされている
菌は、もともと人や動物の腸内にいる菌であるため、細菌の汚染は
魚が水揚げされてから以降に起こります。

2.ヒスタミン食中毒と食物アレルギー

 この食中毒はアレルギー様食中毒とも呼ばれていますが、これは
食中毒の症状がアレルギーの症状に似ているからです。そこで考慮
しなければならないのは、たとえばサバを食べて数分後に前述のよ
うな症状が出た場合、それがヒスタミン食中毒なのかサバに対する
アレルギーなのかを区別することです。まず、過去にサバを食べて
同じ様な症状を示したことがあるかを患者に確認する必要がありま
す。また、皮内テストやサバ特異的IgE抗体テストをすれば、アレ
ルギーであるか否かが判断できます。アレルギーならば以後サバを
食べないように注意し、単なる食中毒ならば今後もサバが食べられ
るということになります(当たってからサバが嫌いになったという
話をよく聞きますが)。しかし、どちらにしても抗ヒスタミン剤を
使えば簡単に治りますし、普通 は症状が軽いことから病院に行く
ことは少ないようです。

3.冷蔵、そして早く食べるのが一番の予防法

 ヒスタミン生成菌による汚染は意外と高頻度に起こっており、私
たちが赤身魚とその加工品を検査したところ、その中の約60%が汚
染されていました。ただし、ヒスタミンの検出率は10%未満でした。
その結果 を表1に示します。表1のマグロとカツオ生節は、ヒスタ
ミン生成菌は多いにもかかわらず、ヒスタミンは検出されませんで
した。

 検査した時点でヒスタミンを生成していなかったからだと思われ
ます。それに対して、この時のイワシ丸干しでは、細菌も認められ、
ヒスタミン濃度もかなり高いものでした。したがって菌に汚染され
ていても、菌が増殖しヒスタミンを生成しなければヒスタミン食中
毒は起こらないということです。

 冷蔵中は菌の増殖およびヒスタミンの生成は完全ではありません
が抑えることができるので、魚が水揚げされてから私たちの口に入
る間の冷蔵保存が重要となります。しかし、近年は発展途上国から
の魚の輸入が増えており、ヒスタミン食中毒の予防で最も大事だと
される水揚げされてからすぐの冷蔵が適切に行われていない場合が
あります。この場合、食品中でヒスタミン生成菌がかなり増殖して
おり、ちょっとした隙に(たとえば買い物帰りの長話の間に)ヒス
タミンを生成してしまうのです。また通常、ヒスタミン生成菌は低
温ではヒスタミンを生成できないとされていますが、大量に菌が増
殖した場合は冷蔵中もヒスタミンを生成するとの報告があります。

 赤身魚は買ってきたらできるだけ早めに食べるか、保存するなら
冷凍すべきです。ヒスタミンは102℃で3時間加熱しても一部しか壊
れないため、「少しぐらい傷んでいても加熱すれば大丈夫だろう」
と考えるのは大きな間違いです。

4.最後に

 今日ではヒスタミン食中毒は低温保存の普及により、あまり発生
が見られませんが、海外ではHACCP (hazard analysis and critical
control point ) を導入して加工品製造における衛生管理を徹底
するなど、ヒスタミン食中毒に関してはかなり気を使っているよう
です。特に我が国では魚を生で食べる機会が多く、ヒスタミン食中
毒の予防には消費者の認識も必要になってきます。赤身魚は買った
日に食べ、保存するなら冷凍しましょう。

http://www.iph.pref.osaka.jp/news/vol13/13-2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 もう一つ、似たような解説です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

2.今でもある非常識な鮮魚の取り扱い

 2008年に起こった具体的な食中毒事例として『食と健康』2009年
8月号(齊藤智子氏)の記事より拾ってみた。

 平成20年10月8日に都内の社員食堂で起こったマグロのマヨネー
ズ焼きによる事例では、490人中16名が発症した。このときのマグ
ロのマヨネーズ焼きは残品が少なく、検査ではヒスタミンは検出さ
れなかったが、原材料は冷凍輸入のキハダマグロ(インドネシア産)
であり、原料加工者が保管していた輸入日、輸入業者、現地での製
造者が同じキハダマグロロイン未開封品3検体中1検体から730mg/100g
のヒスタミンが検出されている。したがって輸入時点ですでに高濃
度のヒスタミンが生成されていたと考えられる。漁獲後、船上や市
場、流通過程での取り扱いに問題(氷を使わなかったり、長時間放
置など)があったのであろう。

 11月22日には、都内の小学校の給食で、これと同時に輸入の原料
を用いたマグロのケチャップ和えを食べた児童や教職員675名中43
名の患者が発生し、検食のマグロのケチャップ和えからは20mg/100g
のヒスタミンが検出されている。

 10月15日に発生した別の事例では、都内の飲食店でブリ照り焼き
定食を食べた2名が発症し、残品のブリ照り焼きからはヒスタミン
が270mg/100g検出された。この店では、10月4日に市場で仕入れた
ブリを半身に切り分け、一方の半身を2,3日間、刺身や焼き魚とし
て提供し、残りの半身は冷蔵し、11日後に12切れにカットし、たれ
に漬け、注文ごとに焼いて当日のランチとして提供したという。冷
蔵庫で10日以上も経った鮮魚を提供する飲食店があるとは驚きであ
る。

3.ヒスタミン食中毒は赤身魚で起こる

 この食中毒の原因物質はヒスタミンという化学物質であるので、
わが国の食中毒統計では化学性食中毒の中の「その他」として分類
されているが、このヒスタミンは食品の貯蔵・加工中に増殖した細
菌のヒスチジン脱炭酸酵素作用によって生成されるという点でほか
の化学性食中毒とは性格を異にし、むしろ細菌性食中毒と考えるべ
きであろう。また免疫反応の異常によって起こる食物アレルギーと
症状は似ているが発症機構が異なるので、アレルギー様食中毒と呼
んで区別している。

 この食中毒はおもにマグロ、カツオ、カジキ、サバ、イワシ、ア
ジなどの赤身魚やその加工品(みりん干し、照り焼き、フライ、竜
田揚げなど)で起こるが、赤身魚が本食中毒の原因となりやすいの
は、ヒスタミンの前駆物質となる遊離ヒスチジン含量が白身魚では
数mg〜数十mg/100gであるのに対し、赤身魚では700〜1,800mg/100g
と非常に高いためである。一般的には100mg/100g以上の食品で発症
するとされているが、実際には摂取量が問題であり、食中毒事例か
ら発症者のヒスタミン摂取量を計算した例では大人一人当たり22〜
320mgと報告されている。

4.ヒスタミンは細菌が作る

 アレルギー様食中毒はかってはプトマイン中毒と呼ばれ原因不明
であったが、1953年にこの食中毒が魚肉腐敗細菌によることが木俣
らによって初めて明らかにされた。その分離株は低温増殖性などの
点で当時の Bergey’s Manualの記載とは異なったためAchromobacter
histamineum として報告されたが、これが現在、代表的な原因菌
として有名なモルガン菌(Morganella morganii )である。

 これまで鮮魚やその加工品のヒスタミン生成菌としてよく知られ
ているのは、M.morganii,Citrobacter freundii, Enterobacter
aerogenes, E. cloacae, Raoultella planticola などの腸内細菌
科細菌であり、実際の食中毒事例からの分離株もM. morganii、R.
planticola, Hafnia alvei などの腸内細菌科細菌であった。

 一方、海洋や魚の腸管、体表などにも低温性と中温性の2種の好
塩性ヒスタミン生成菌(Photobacterium phosphoreum およびP.
damselae )が存在する。モルガン菌とこれら2種のヒスタミン生成
菌の特徴を表2に挙げておく。海洋性のヒスタミン生成菌は従来あ
まり注目されていない菌群であるが、P. phosphoreum は冷蔵温度
でもヒスタミンを生成することができ、一方P. damselae は
M.morganii と同程度に強いヒスタミン生成能を有するという点で
重要である。

http://www.mac.or.jp/mail/091101/02.shtml
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 低温でも生育でいる菌もあるということになると、一定のリスク
は避けられそうもありません。特にマグロ類のような大型の魚だと、
一匹ごとに履歴が違いますので、たくさん供給された中の一部のも
のにヒスタミンが発生していたという可能性もあります。

 売る側としてもやっかいなものです。できるだけ早く売ってしま
うことと、低温管理を徹底することが対応策ですが、それだけでは
完全には防げないのかもしれません。

 ところで、ヒスタミンというと、しばらく前のNHKで、こんな
ことを言っていました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 肥満治療の現場では、食欲を直接抑えるための研究が行われてき
ました。そして発見されたのが「ヒスタミン」という物質の食欲を
抑える効果です。脳の中にヒスタミンが増えると、食べる量が減り、
ヒスタミンが減ると、食べる量が増えるのです。

 ところが一方で、ヒスタミンは「鼻づまりやかゆみなどアレルギ
ー症状を引き起こす」やっかいな物質です。さらに、血管脳関門と
呼ばれるゲートを通ることができないため、脳内の細胞に届かず薬
のようにヒスタミンを飲んでも無意味です。どうすればいいのか?

(略)

 栄養調査を元にした研究から、食材に含まれるある成分を多くと
ると食事の量が減ることがわかってきました。また、ネズミの実験
からも同様のことが確認されました。

 その成分とは「ヒスチジン」。アミノ酸の一種で、ヒスタミンの
原料になります。ヒスチジンは血液脳関門を通過することができ、
脳内でヒスタミンに変わるのです。

 ヒスチジンが多く含まれている食材は、まぐろ、かつお、ぶり、
さば、さんま、などの青魚です。

※1日にどれくらい食べれば効果が出るのかについては現在研究中
です。

http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110608.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たまたまこの番組を見ていて、ヒスタミン食中毒についても言っ
ておいた方がよいのに…と思っていました。食欲がどうのと言うよ
り、そちらの方が必要性が高い情報だと思うのです。

 もっとも、国立健康・栄養研究所によると、今のところは特にサ
プリメントとしての効果は認めない、と言われてしまっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ヒスチジンは塩基性アミノ酸の一つで、特に乳幼児の成長に必須
なアミノ酸である。また、アレルギー反応に関与するヒスタミンの
前駆体である。これまでに、ヒトでの有効性については信頼できる
データは見当たらず、尿毒症あるいは長期の透析による貧血、関節
リウマチの治療に対しては効果がないことが示唆されている。安全
性については、適切に経口摂取する場合は安全性が示唆されている。
妊娠中・授乳中における安全性については信頼できる充分なデータ
がないので使用は避ける。

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail626.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ヒスチジンはアミノ酸の一種ですので、特に毒性などはありませ
ん。ヒスチジンからカルボキシル基がとれるとヒスタミンというア
ミンの一種に変わりますが、そのヒスチジン脱炭酸酵素を持ってい
る細菌がいるので、ヒスチジンの多い魚はヒスタミン食中毒の原因
となり得る、ということです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 生レバー禁止に関して、予想どおり焼肉用として客に出すけれど、
生で食べるかどうかは客の勝手である、という手を使う店が登場し
ているそうです。食品衛生をなめていると、そのうちひどい目にあ
うと思います。昨年の「酒家えびす」の事件を、単純にあの店の衛
生管理が悪かったと思っている人が多いですが、そんな簡単なもの
ではないのに…。

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