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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------64号--2001.01.28------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     いただいたメール
     油脂原料(つづき)

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回のメールに関して、つぎのようなお便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 1/21配信のめるまがの中で、アメリカに住んでおられ加工食
品を食べると、具合が悪くなる方の話が載っておりますが、化学物
質過敏症の疑いがあるのではないかと思ってメールさせて頂きます。

 化学物質過敏症は極微量の化学物質(もちろん食品添加物も含ま
れます)に体が異常な反応を示しますが、アレルギーとは少し違い
ます。

 化学物質過敏症は不定愁訴という形で体に異常が出ますが、「の
どの渇き、頭痛、めまい」等はよくある症状の様です。最初は特定
の化学物質だけに反応するのですが、悪化しますと多種類化学物質
過敏症と言いまして、より多くの化学物質に反応し生活するのが非
常に困難になりますので注意を要します。

 尚、シックハウスも化学物質過敏症の一つと考えられております
が、シックハウスの語源がアメリカのシックビル症候群から来てお
りますので、生活環境全体を見直されたらいかがかと思いました。

 有効な治療法は無い様ですが、一番大切なのは化学物質を体に取
り込まない事、出来れば天然のビタミンCなどを多くとる事、汗を
よくかいて化学物質を体外に少しでも出す事等です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このなかで、「化学物質」というものの意味がもう一つはっきり
しないと思って、質問のメールを出したら、以下のようにお返事を
いただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 そうですね、やはり人工的な化学物質(合成した化学物質と言っ
た方が良いかも知れません)が中心なのですが、それも今までに一
千万種類以上が作られ、実際に使用されているものでも数万種類と
いう事ですので、「この化学物質が悪い!」とはなかなか特定出来
ません。

 又、化学物質過敏症は反応する化学物質の個人差が大きいので、
その人にとって体に異常が見られる場合は、今後はなるべく似たよ
うなもの(今回の場合は、加工食品)は取らない様に心がけるとい
う事になってしまいます。

 今回の話に関連しますので、若干化学物質過敏症の歴史等にふれ
させて頂きます。

 食品アレルギーを調べておられた米国のT.G.ランドルフ博士が本
来の食品アレルギーではなく、食品に残留する農薬や抗カビ剤、食
品の脱色防止や保存料として使用する亜硫酸塩等の硫黄を基礎とす
る化学物質が原因でアレルギーの様な症状が出る患者さんがいる事
を発見し、Chemical Sensitivityと名付けました。

 そして、日本では北里大学の先生がChemical Sensitivityを化学
物質過敏症と訳しました。化学物質過敏症はppbあるいはpptレベル
の本当に極微量の化学物質で体に異常が出るところがアレルギーと
異なる様です。

 最後に 化学物質過敏症という病気は 一般の検査ではなかなか分
かりませんので、一般の検査をしても異常が無い場合等は、逆に化
学物質過敏症も視野に入れて考えておかれた方が宜しいのではない
でしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 なかなか微妙な問題ですが、今後の研究の進展に期待、というと
ころでしょうか。

 ところで、こういうのもいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

Food Review 63 のこの人↓に反論を言いたくなったので投稿しま
す。

> インドネシアの味の素事件

なぜか世の中にはとんでもないデマを作る人が多いので、渡辺さん
の言われる事(情報公開)は至極当然だと思います。 と言うより、
この程度の事は一流企業ならやっていて当然な事と思います。

 良くある一般公開とか工場見学等も、この辺を意識しているので
はないのでしょうか?

 またこういう事にも気を配らないといけないほど、今日の社会や
流れている情報におかしなのが混ざっているとも思います。

 論調が押しつけがましいとのことですが、どんな情報でも取捨選
択は当人の自由意志である以上、見当違いな意見と思います。まし
てや既存の商業メディアでもない個人発行のメルマガに、あんな
「押しつけられた」的な受け身の意見を言うなんて呆れてしまいま
す。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうもありがとうございました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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今回はお休みです。メールをお待ちしています。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「油脂原料」(つづき)
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 (大豆・なたねの続きです。)

【穀物系】

 穀物は当然、炭水化物が主成分なのですが、胚芽や外皮の部分な
どには、かなりの脂肪を含んでいます。代表的なのはトウモロコシ
の胚芽からつくる、コーン油です。

 一般的に、穀物の胚芽からは良質の油が得られます。コーン油も
市販の油の中では、高級品に配合されています。風味が良く、保存
性も良いものです。これはビタミンEを大量に含むこととも関係が
あるようです。

 マーガリンで「コーン油100%」というのが登場したのは、も
う20年以上前の話になります。それまでのマーガリンにあった、
油臭さのない、革命的な商品でした。

 その他の穀物系の油脂としては、「米油」があります。日本で大
量に産出される米ぬかを原料にしたもので、ややクセがあるような
気がしますが、これも品質的には良い油です。

 米油といえば、「カネミライスオイル事件」というPCB中毒の
大事件がありました。あれは伝熱用の媒体として使われていたPC
Bが、パイプの穴から製品に移行した、ということだったと思いま
すが、多数の中毒患者を出した大事件でした。米油自身には何の問
題もなかったはずですが、油脂原料としての米ぬかは、大幅にイメ
ージダウンしてしまいました。

 ところで、PCBとダイオキシンはかなり近い親戚です。PCB
にはいろんな異性体がありますが、その一部はダイオキシンと同じ
ような毒性を持っていると考えられています。

 この中毒も、実はこのダイオキシンに近い成分による被害なので
はないか、という話もあるようです。

【綿実】

 木綿の実はいわゆる「綿」のようなものですが、その中に種子が
あって、そこから搾った油があります。これも市販のサラダ油の調
合用によく使用されています。ランクとしては、大豆ばかりのもの、
大豆とナタネの混合、さらに綿実油、コーン油などを加えたもの、
とだんだん上がっていく感じです。

 マヨネーズの試食の時、私は綿実油が一番おいしいと思ったこと
があります。コーン油やナタネ油では、クセが強く、大豆では風味
が不足という気がしました。

【ひまわり】

 映画「ひまわり」のひまわり畑も、種子から油をとるためのもの
だったと思います。ひまわりやサフラワー、紅花などという種類の
油脂は、最も軽く、サラサラした油です。

 これはリノール酸が圧倒的に多いからで、健康食品などによく利
用されていました。欠点は酸化しやすいことで、また最近ではリノ
ール酸の評価も見直されてきて、かつてほどもてはやされなくなっ
てきています。

 リノール酸が必須脂肪酸であることには違いないのですが、酸化
しやすいこともあって、とりすぎはかえって良くない、と言われる
ようになりました。ひまわりでは、品種改良で、オレイン酸の含量
を高めた、「高オレイン酸タイプ」もできていているようです。

 オレイン酸といえばオリーブオイル、というイメージがあります
が、その他にも、オレイン酸が主成分の油脂は多くあります。石鹸
としても、オレイン酸から作ったものは、良いものです。

【椰子】

 椰子の実(ココナッツ)はご存じの巨大なものです。堅い殻を割
ると、中に白い液体(ココナッツミルク)と白い柔らかい部分とが
入っています。

 ココナッツミルクは熱帯地方では定番の飲料兼調味料です。私は
カレーを作るとき、粉末のココナッツミルクをよく使うのですが、
牛乳とは違ったマイルドさがあります。

 さて、白い部分を乾燥させたものがコプラといって、椰子油の原
料になります。

 椰子油は植物性油脂の中では、飽和脂肪酸が多く、私などはすぐ
に石鹸の原料を思い出します。石鹸の原料としては、洗浄力に優れ
た牛脂と、溶けやすい椰子油が代表的なものです。普通のサラダ油
からは、軟弱な石鹸しかできないのです。

 そういうイメージもあって、椰子油というのはあまり美味しそう
に感じないのは私の偏見だと思います。

 また、パーム椰子というのもあって、そこからパーム油、パーム
核油が作られています。今のところ直接食用になることは少ないの
ですが、生産量の点では成長株です。

 これらはいずれも、熱帯地方で、プランテーション栽培されてい
るものが主流です。プランテーションについては、悪くいう人が多
く、私も決して良いやり方だとは思っていません。

 しかし、出来たものはそれとは別に評価していきたい、と思って
います。プランテーションの作物だから買わない、というのは、先
進国の裕福な層の思い上がりではないかと思うのです。

 マレーシアあたりのパームのプランテーションは、画期的な成功
として評価されているようです。これから、食用油脂としても、利
用されていくことになると思います。

【ピーナッツ】

 ほとんど知られていませんが、ピーナッツからも良い油がとれま
す。一度サンプルで揚げ物を作ったことがあるのですが、風味の良
さ、耐熱性、油切れの良さ、できあがりの軽さ、とまさに理想的な
揚げ油でした。

 高級中華料理では、良く使われているらしいです。日本ではまだ
まだ珍しく、高価なものですが、品質的にはおすすめできると思い
ます。(でも、どこにも売っていないです。)

【オリーブ】

 イタリアン料理とともに、人気のオリーブ油です。精製されたオ
リーブ油は、ナタネ油をさらにヘビーにしたような感じですが、パ
スタなどによく使う「エキストラバージン」という表示のオリーブ
油は、さらにウルトラヘビー級で、調味料として使います。

 普通、圧搾法といっても、実は生の原料を搾っているわけではあ
りません。搾る前に、加熱、圧ぺん(おしつぶす)、蒸しなどの工
程を経て、組織を破壊し、搾りやすくしておくのです。

 エキストラバージンや伝統的な椿油の搾り方は、原料を加熱せず、
冷たいままで搾るのが特長です。

 パスタにオリーブオイル、というのがイタリア風ですが、さすが
にそのままでは、アミノ酸好みの日本人の味覚にはあわないと私は
思っています。でも、雰囲気がでるので、よく使いますね。

 オリーブ油は油脂原料ではなく、ほとんど製品として輸入されて
います。国産のものもあるのですが、信じられない程高価ですし、
品質も劣ります。

【ごま】

 最後に胡麻油があります。私はこれが油脂の王様だと思っていま
す。普通は濃い色をしたごま油を調味料として使います。あの色は
実は搾る前に、胡麻を加熱したときにつく「焦げ」の色なんです。

 ごま油独特の風味も、そのときにできるものです。これはこれで
美味しいものですが、そのような加熱をせず、普通の油のように搾
ったものは、白っぽい、ごく普通の色の油になります。

 私はこの白いごま油が大好きです。天ぷらには最高なのですが、
何しろ高価なものです。(最高級の天ぷら屋では、こんなのを使っ
ているらしいですが。)

 ドレッシングにしたとき、風味最高です。また、揚げ物の際、少
し混ぜてやると、全体に油のグレードが上がったような気がします。

 胡麻はほとんどが中国からの輸入になっています。白胡麻、黒胡
麻、金胡麻などの種類がありますが、油脂原料になるのは、白いも
のが多かったかと思います。(定かではありません。)そのまま食
べる胡麻としては、また別に書きます。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 27日に東京まで行くので、今回は早めに書いています。まぐまぐ
の予約機能を使いますので、メールなどが入れ違いになったときは
お許しください。(いつもは土曜日の夜までにいただいたものでも
間に合うのですが・・)

 今回は宮沢賢治学会というところの会議に出ます。
http://homepage2.nifty.com/polan/
こんなものをみんなで作っています。まだまだ殺風景ですが、今後
に期待、というところです。(これは私の趣味でして、こちらのサ
イトもごらんください。私のメインページです。)
http://why.kenji.ne.jp/

 一度でも輸血を受けたことのある人は、献血できない、という決
まりがあります。今度、さらにヨーロッパ在住の経験者は献血でき
ない、ということになるそうです。

 もちろん、狂牛病関係の処置です。とうとうアルプスを越えて、
イタリアでも発見されたようです。この病気は非常に潜伏期間が長
いと思われますので、私くらいの歳になると、感染してもたぶん大
丈夫(発病する前に寿命がつきる)と思いますが、若い人は比較的
早く発病する、という話もあります。

 イギリスでは、今後、数千〜数万人の発病者が出る、と予測され
ています。もちろん、この病気の場合、発病者=死者ということに
なります。こういう不吉な予測は当たるものなのですね。幸い、私
はヨーロッパには行ったことはありません。これでこれからも行く
機会は全くなくなったと思っています。

 狂牛病関係のニュースがありましたら、ぜひ教えてください。こ
のメールマガジンで、紹介していきたいと思います。

 世間の関心が、環境ホルモンやダイオキシンなどといった、とり
あえず緊急を要さないものから、狂牛病の方にシフトしていくこと
を祈っています。ヨーロッパでは、今、つぎつきと人間が発病し、
死者が出てきているのですから。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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